サナリィ

2016年6月12日 (日) 11:34時点における61.26.254.83 (トーク)による版

サナリィ(S.N.R.I. / Strategic Naval Research Institute)

機動戦士ガンダムF91』に登場する、地球連邦軍の海軍戦略研究所。

「フォーミュラ計画」による「Fシリーズ」と呼ばれるモビルスーツを開発した実績がある。当初はモビルスーツ開発技術など持ち合わせてなかったのだが、関連技術そのものは手に入れており、宇宙世紀0090年頃において開発活動を開始した。そして軍のコストダウンを目標に、「モビルスーツの小型化」を提案。軍はその提案を聞き入れこそすれ、実際の開発はアナハイム・エレクトロニクス社に依頼した。しかしアナハイムの提示したモビルスーツ「ヘビーガン」の性能は思わしいものでなく、業を煮やした軍は独自開発を決断するに至った。

「フォーミュラ計画」で開発したモビルスーツの中でも「F9シリーズ」を採用。完成したのが「F90」である。軍との競合テストにおいて、アナハイムのテスト機を打ち破って軍の次期主力モビルスーツに採用された。軍における次期主力モビルスーツのトップの座に君臨したが、その後についてはあまり語られてない。なお、ザンスカール帝国によってサイド2支社が接収されてMSの開発を行っていたり、地球の支社が逆にリガ・ミリティアに協力していたようである。

自前で大量生産が可能な施設を持っていないため、採用されたGキャノンなどはアナハイム経由で生産・配備されているなど、どちらかというと技術屋的側面が強い。 採用技術はアナハイム・エレクトロニクスクロスボーン・バンガードザンスカール帝国ベスパ)、リガ・ミリティアら各組織に採用されており、宇宙世紀のモビルスーツ開発に絶大な影響力を及ぼしたのは間違いない。

フォーミュラ計画

一連のモビルスーツ開発計画であり、主な特徴として

  1. 「徹底したコストダウン」
  2. 「無駄な装備の排除」
  3. 「一つに特化したモビルスーツ」
  4. 「ハードポイントの設置」
  5. 「熱処理の問題」

が上げられる。

開発したモビルスーツ

D50C ロト
宇宙世紀0090年中期に開発した陸戦用戦車。「F5」系統の機体。『機動戦士ガンダムUC』に登場。
F90
宇宙世紀0100年に開発した「F9」系統の機体で、サナリィ製モビルスーツの手本となった。ハードポイントにより多種多様の「ミッションパック」により兵装変更可能。
1号機は宇宙世紀ガンダムシリーズにおいて最も長きに渡って運用され続けたガンダムタイプである。
F91
宇宙世紀0110年に開発した「F9」系統の機体。「現時点でのモビルスーツの限界性能の達成」を目標に開発。その性能とポテンシャルは他のモビルスーツを凌駕する。
F90III クラスターガンダム
F91と同時期に開発したF90の発展型。「コアブロックシステム」を採用しつつ、最新技術をも盛り込んだ軍の次期主力モビルスーツ。SRW未登場。
F70 キャノンガンダム
F90のミッションパック「サポートタイプ」を基に開発。しかし、製造先であるアナハイムがキャノンガンダムを再現できるだけの技術を持ち合わせてないので、後述のGキャノンにスケールダウンした。
F71 Gキャノン
前述のキャノンガンダムをスケールダウンした量産型モビルスーツ。
量産型ガンダムF91
試作のF91の量産型。基本性能は同等だが、機能のほとんどがオミットされている。ハリソン・マディン大尉専用に調整された「F91」がある。
F97
他惑星専用に開発した「F9」系統の機体。4基の大型スラスターと重装甲で覆われた高機動性のモビルスーツ。4機製造された。なお、この機体だけは軍でなく、「クロスボーン・バンガード」によって引き渡され、「クロスボーン・ガンダムX1」「クロスボーン・ガンダムX2」「クロスボーン・ガンダムX3」として運用された。また、事故で行方不明になったもう一機がザンスカール戦争で運用されていたとも言われている。
F97-E
F97量産型。こちらも「クロスボーン・バンガード」によって引き渡され、「フリント」として運用された。このモビルスーツが軍の次期主力となるはずだったが、引き渡されたF97を運用したクロスボーン・バンガードの戦いが、木星から地球に移り、存在が明るみに出たため、公的には抹消扱いされた。
F99 レコードブレイカー
F97の量産計画が埋没したため、起死回生を狙って開発。戦艦クラスでしか搭載できなかった「ミノフスキードライブ」を、モビルスーツサイズで搭載した機体。しかし、木星帝国の目論見により機体とデータは抹消された。言わば「幻のモビルスーツ」となってしまった。

関連モビルスーツ

ゾロアット
サナリィのサイド2支社がザンスカール帝国により接収され、「ベスパ」として再編。開発した量産型モビルスーツ。非常に完成度が高い。
Vガンダム
サナリィの旧スタッフが開発した量産型モビルスーツ。「F9」系統の流れを受け継いでおり、独自に「ミノフスキーフライト」と呼ばれる浮遊装置を搭載。
V2ガンダム
F99では幻となった「ミノフスキードライブ」を搭載したVガンダムの後継機。F90と同じように機体各所にハードポイントが設けられており、バスターパーツとアサルトパーツを装備させることが可能。アサルトパーツにはヴェスバーも含まれている。
シルエットガンダム / ネオガンダム(1号機・2号機)
F9シリーズのデータを機密裏に入手したアナハイムが開発したMS。ネオガンダムはコア・ブロック・システムを採用しており、1号機に関してはネオ・サイコミュ・システムというラフレシアにも使用されたサイコミュシステムが搭載されている。一部では最大稼働時ではF91すらも凌駕するといわれている。

原作での扱い

機動戦士ガンダムF90
ガンダムF90が登場。
機動戦士ガンダムF91
主役機のガンダムF91に加え、量産型MSのGキャノンも登場。
機動戦士クロスボーン・ガンダム
新生クロスボーン・バンガードの支援組織となっている。
主役機のクロスボーン・ガンダム」シリーズや量産型ガンダムF91が登場。
機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
ミノフスキー・ドライブの実験機であるレコードブレイカーが登場。

人物

ジョブ・ジョン
かつて「一年戦争」におけるホワイトベースの乗組員。戦後は技術者としての道を歩み、「フォーミュラ計画」を立ち上げる。
アルマイア・グッテンバイガー
元々は大学教授であるが、「フォーミュラ計画」にアドバイザーとして参加。
モニカ・アノー
バイオ・コンピュータ」の開発者。シーブック・アノーの母親である。
デフ・スタリオン
サナリィ所属のテストパイロットで「F90 1号機」のパイロット。SRW未参戦。
シド・アンバー
サナリィ所属のテストパイロットで「F90 2号機」のパイロット。SRW未参戦。
ベルフ・スクレット
F90 1号機」、「F91」(未完成)のパイロット。SRW未参戦。
シーブック・アノーキンケドゥ・ナウ
F91」および「F97」のパイロット。実質的にサナリィのテストパイロットとして運用した。
トビア・アロナクス
F97」のパイロット。シーブックの後を継いで彼が「F97」を運用。
ミノル・スズキ
かつては地球連邦軍のトップエースで、現在は軍を辞めてテストパイロットとなった。
オーティス・アーキンズ
サナリィ第二開発部の主任。『機動戦士Vガンダム』の人物ではあるが、この頃は性格が大きく異なっている。F99が破壊されたことで燃え尽きて大人しくなったのか、それともこの後に牧師となって丸くなったのか。
ミューラ・ミゲル
サナリィ第二開発部の技術者。F99を担当したが、破壊された。その後はF99を復活させるべく「V2ガンダム」を開発。ウッソ・エヴィンの母親である。
『機動戦士Vガンダム』の人物ではあるが、その頃は宇宙世紀0153年おいては36歳。逆算するとサナリィ在籍中の宇宙世紀0136年では19歳(20代直前)となる。

関連用語

地球連邦軍
地球連邦政府の軍事部門で、サナリィにとっては上部組織にあたる。
クロスボーン・バンガード
クロスボーン・ガンダムX1クロスボーン・ガンダムX2クロスボーン・ガンダムX3を開発・譲渡している。
アナハイム・エレクトロニクス
ライバル企業。最新型モビルスーツ開発競争ではサナリィがアナハイムよりも上だが、量産型モビルスーツでは、アナハイムの方がトップシェアである。

登場作品

関連作品

ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス
エゥーゴ連邦内に存在する研究所として登場する。F91を開発していたが、マ・クベ率いる敵部隊に襲撃される。