リディ・マーセナス(Riddhe Marcenas)
- 登場作品:機動戦士ガンダムUC
- 声優:浪川大輔
- 種族:地球人
- 性別:男
- 年齢:23歳
- 出身:地球
- 所属:地球連邦軍
- 階級:少尉
- 役職:ロンド・ベル隊所属
- キャラクターデザイン:安彦良和(オリジナル)、高橋久美子
地球連邦軍ロンド・ベル隊のMSパイロット。『機動戦士ガンダムUC』における、もう1人の主人公。
連邦政府初代首相でラプラス事件で非業の死を遂げたリカルド・マーセナスの後裔であり、連邦議会の大物ローナン・マーセナスの嫡男。父ローナンとマーセナス家に反発し、連邦軍に入った。家の七光りではなく、自分の腕だけで名をあげようとパイロットになるも、いつもついてまわる家の影響に辟易している。
内心はモビルスーツよりも航空機に憧れを抱いており、常に伝説的なエースパイロット、マンフレート・フォン・リヒトホーフェンが搭乗していた複葉機のプラモデルを持ち歩ている(既に絶版になっており簡単には手に入らないモデル)。「バンデシネ」ではシナンジュとの最初の戦闘後に自らの手で壊している。OVA版では透明な容器に小さな複葉機が入った「お守り」を左腕に付けているという設定に変更している。
高いニュータイプの素質を持つが、宇宙世紀の物語にはニュータイプとして覚醒した現実を受け入れて順応する人物が多い中、リディはニュータイプを災厄のように忌み嫌い、自分自身がニュータイプである現実さえも全力で否定しようとした数少ない人物である。彼のこの態度はラプラスの箱の秘密を父から知らされたことが起因している。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 初登場作品。最初はリゼル(Cタイプ)に乗るが、途中でデルタプラスに乗り換える。
- ただ、今のところニュータイプ技能が無いうえ、原作中盤までの再現ということを考慮してか精神コマンドが完全にサブ要員という「もう一人の主人公」という事を考えるとあんまりな扱いとなっている。当然アムロやカミーユといったNTのエース達と比べると明らかに見劣りしてしまうのが難点。それ故、愛機のデルタプラスが序盤の乗機が貧弱すぎるアムロやカミーユに取られてしまう事も……。漫画版『バンデシネ』よろしくバイアラン・カスタムに乗せてもいい。
- ストーリー面でも当初こそ友好的な軍人として自軍に溶け込んでいるものの、原作再現が半端なところで終わる上にダカールでの戦闘ではロニを説得しに来たカークスを撃墜するなど、原作以上に汚れ役を担ってしまい、加えてマーセナス家とクロノの関係など、原作よりも重荷を抱えながらストーリーが完結するという扱いを受ける(エピローグでは一人だけ険悪な表情で場の明るい空気をぶち壊す)。
- なお、こんな精神状態でもアンチスパイラルの多元宇宙迷宮を突破している辺りから、プレイヤーからは「よくないものと取り引きしてそう」と言われる事も。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 蒼の地球ルート第9話でデルタプラスに搭乗して参戦。精神的に追い詰められながらも次の話で立ち直ろうとするが、その矢先にマリーダのバンシィからバナージを庇って撃墜され、行方不明となる。なお、デルタプラスは残るのでありがたく使わせてもらおう。
- その後は宇宙ルート第37話でクロノ保守派の実行部隊隊長として再登場、バンシィ・ノルンに搭乗し敵対する。裏切り後の迷走ぶりは原作以上で、民間人を巻き添えにするような作戦すら実行してくる。一方でリリーナを人質として使うことを当初は拒否するなど中途半端にプライドが残っている描写があり、迷走ぶりを際立たせている。
- 正式参戦は原作イベントをこなした第45話で、バンシィ・ノルンは他のパイロットも乗ることができるが、ユニコーンガンダムとの合体攻撃はリディのみしか出来ない。
- 原作通り途中でニュータイプに覚醒するものの、精神コマンドのラインナップが時獄篇のままであり、攻撃系精神が闘志止まり、追い討ちをかけるようにエースボーナスも時獄篇と同様のチームの獲得資金1.2倍であり、悲しいほど火力が足りないため、素直に熱血or魂持ちにバンシィ・ノルンを譲った方が賢明という時獄篇の悪夢再びとなってしまった。強力な機体が少なかった時獄篇と違い今回は自軍戦力が充実した終盤の参戦なので降ろされにくいのが救いか。サブに徹するのが無難。
- 正式復帰後のセリフとグラフィックとカットインは一新されるが、バンシィ搭乗の敵仕様より落ち着いたものの相変わらず怖い表情パターンは多く、目も濁ったままなので瞳の光彩が復活しているカットインとのギャップが凄まじい。
- 「敵でいる期間のほうが長く、味方として使える期間が短い」「原作以上に迷走していて、敵対組織の走狗に成り果てている」「味方に復帰しても穏やかな顔グラが少ない」など、再世篇のスザクを彷彿とさせる扱いだが、復帰しても精神コマンドのラインナップ的な問題で恵まれていないのが違いか(スザクは魂を覚えるため爆発力は高い。反面、復帰参戦がどちらのルートもリディ以上に遅いのだが)。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
本職の軍人だけあり、基礎能力はバナージを上回る部分が多い。
精神コマンド
- 第3次Z
- 加速、集中→直感、不屈、闘志、直撃
- 構成が完全に戦闘用サブ向け。加速のないキャラと組ませるのが良い。
- メインを張る前に原作再現が終了する時獄篇は兎も角、もう一人の主人公としての頭角を現す天獄篇でこのラインナップは不遇の一言。
- 天獄篇の後半ではニュータイプ能力を発揮した影響か、集中が直感へと変わっているが、はっきり言ってしまえばターン単位で回避をサポートする精神が無くなってしまったので敵ターンを考えればメインに据えておくには更に辛くなってしまった。
特殊技能(特殊スキル)
- 第3次Z
- (ニュータイプL8)、闘争心、気力+ (回避)、援護攻撃L1
- ニュータイプとして高い素質を持つ割に、時獄篇では肝心の技能は「?????」ですら存在しない。
- 天獄篇においてニュータイプが解禁されて戦闘力は上がったが、精神コマンドがついてこない。
- 第3次Z天獄篇(敵対時)
- ???、底力L6、ガード、闘争心、戦意高揚、気力+ (ダメージ)、気力+ (命中)、反骨心
- 完全な受け型スーパー系のラインナップで、こちらが育っていると反骨心でダメージを上げてくる。
- ただし、2回行動も精神耐性も持っていないため、ハマーンやフロンタルと比べると御し易い。
固有エースボーナス
人間関係
- ローナン・マーセナス
- 父親。連邦政府中央議会議員、移民問題評議会議長。第3次Z時獄篇ではローナンからマーセナス家が代々クロノ13人評議会の一員を務めてきたことを知らされ、家に深く失望する。
- バナージ・リンクス
- 当初は信頼関係を築くが、やがてオードリーとの関係や意見の相違によって憎しみを抱く。
- オードリー・バーン
- 自身と同じく血の呪縛に囚われている彼女に対して好意を寄せるが、拒絶される。
- ブライト・ノア
- ラー・カイラムに着任した際「自分を特別扱いしないでほしい」と伝えるも、「それ自体が自分を特別扱いしている証拠だ」と一喝されている。
- アルベルト・ビスト
- 原作小説版では終盤において共犯関係じみた繋がりになる。
- マリーダ・クルス
- 原作終盤では暴走した末に彼女を殺害してしまうが、皮肉にも彼女の死がバナージと和解する切っ掛けとなった。
- 天獄篇で生存した場合は自分を救ってくれた女性と言うこともあり、彼女に想いを寄せるようになる。
他作品の人間関係
ガンダムシリーズ
宇宙世紀ガンダムシリーズ
- アムロ・レイ
- DLC「新世代とニュータイプ」では彼から「(ニュータイプの)素質はあるが、頭のほうはオールドタイプ」と評される。奇しくもこの評価、原作後半のリディそのまんまである。
- カミーユ・ビダン
- 第3次Zでは同じロンド・ベルに配属されている。当初は先輩と後輩としてフランクな関係を築いていたものの、リディがバナージに対して負の感情を抱き始めた事にカミーユは気付いてしまう。
- カツ・コバヤシ
- 第3次Zでは同じロンド・ベルに配属されている。リディとは(劇場版での)声優が同じ。天獄篇ではリディがZ-BLUEに復帰した際には、リディの裏切り後の所業に怒ると共に「リディはバナージとミネバの仲に嫉妬して裏切った」と吐き捨てるなど、嫌悪感を露にしていた。
- ハサウェイ・ノア
- ブライトの息子。
その他のガンダムシリーズ
- ヒイロ・ユイ
- 時獄篇の17話Aでは彼より女心を分かっていると自慢する(直後にデュオから比較対象が低過ぎると突っ込まれた)。
- キラ・ヤマト
- 天獄篇においてミネバやカガリを守るためにオーブで行動を共にし、戦う理由について諭された。
- シン・アスカ
- 時獄篇では同僚で、カミーユから彼の事を知った。時獄篇17話B「後の祭りのフェスティバル」において、ルナマリアへの連絡を忘れていた彼と比較して女心を分かっていると主張する。こちらはまだ説得力がある。しかし天獄篇ではリディの裏切りにより一時敵対関係となり、そのリディの裏切り時に犯した凶行には彼も激怒している。
- ラクス・クライン
- 第3次Zでは彼女のファン。彼女がキラと付き合っていることを知ると落胆する。
- カガリ・ユラ・アスハ
- 天獄篇では序盤に彼女とミネバを守るべくキラと共にオーブに赴任しており、以来彼女にも気にかけられる事になる。後にリディがZ-BLUEに復帰した後に再び出会い、彼女から激励の言葉をもらっている。
スーパー系
- シュレード・エラン
- 中の人が同じ為か、援護攻撃時に特殊戦闘セリフが発生する。
- ジン・ムソウ
- 時獄篇DLC「新世代とニュータイプ」において彼の死に動揺していたのだが、アムロの教えの元で同じ状況だったバナージ、カツ、ハサウェイと共に乗り越えた。
リアル系
- テレサ・テスタロッサ
- 時獄篇では、彼女を見て彼女のような少女がトゥアハー・デ・ダナンの艦長だったことを知り驚愕している。
バンプレストオリジナル
名台詞
小説
- (やはり、こいつとは勘が合う)
「一点突破だ!お前の打撃力と、俺の機動力。二つを合わせて奴の土手ッ腹をぶち抜く!」 - 小説6巻「重力の井戸の底で」より。
- 言うまでもないが「ビルギット・ピリヨ」のオマージュ的な台詞である。
OVA
- 「そうさ…囚われているんだよ、逃れられない血の呪縛にな……」
- 父の恨みを晴らすべく破壊活動を行うロニに対して。自身と照らし合わせた台詞。
- 「可能性に殺されるぞ! そんな物、捨てちまえぇ!!」
- ロニが乗るシャンブロの撃破を躊躇うバナージに対して。この台詞を言ったのはまさに撃ち合う直前の状況なので、街の被害やロニの救出以前の問題である。しかし、この直後にシャンブロのリフレクタービットが……。
- 「降りろバナージ、そのガンダムには捕獲命令が出ている。」
(お前さえ居なければ、こんな事にはならなかったんだ……) - 結局、奪ったビームマグナムで自らシャンブロを撃破した後にバナージに降りるよう命令しながら心中で漏らした独白。バナージが「撃てなかった」ことで心中に秘めていた憎悪や嫉妬を爆発させる。
- 時獄篇でも再現されているが、プレイヤーの選択次第ではよりにもよってバナージがロニを死なせずに止めてみせた直後に言う。
- 「バナァァジ!!」
- EP6ラスト、戦場に現れたバナージを見て。天獄篇ではバナージとの特殊戦闘台詞に採用。
- 「その仮面の下にあるものを吐き出せ! フル・フロンタル!」
- EP7において、和解したバナージと共にネオ・ジオングに立ち向かったときに言った台詞。
- 「宇宙世紀を始めたご先祖は、決して無責任に人々を宇宙に送ったわけじゃなかった。わずかな可能性を信じて、祈りとともに送り出したんだ。それを可能性にするか、呪いに変えちまうかは俺たち次第だ。知っておいて損はない。俺たちは、祝福されて生まれてきたんだってことを」
- コロニーレーザーを防ぎに行くさい、ラプラスの箱についてバナージと語るときのリディの言葉。それに対して、バナージから、「最初からそう言ってくれたら、わかりやすかったのに……」と言われ……
- 「親ってやつは、いつも一言足りないのさ。だから、その分は子供が埋め合わせていかなくちゃならない」
- 先述のバナージの返事にこたえて。ここまでの戦いや苦難を乗り越えてきたリディだからこそ言える言葉かもしれない。この後、バナージは「災難……ですね」と返し、彼もうなずくのだった。
- 「そんなんでミネバを抱けるのかよ! オードリーを盗っちまうぞ、バナージ!!」
- EP7ラストにおいて、覚醒し結晶化したユニコーンを追いかけるときに出た台詞。
その他
- 「親が子の生き方を決める権利はない! 子は自分で自分の生き道を決めていくもんだ!」
- 『真・ガンダム無双』オリジナルシナリオ「空中の救出作戦!」の最終戦シナリオパートにより。オードリーを救出し、ジオン側の騒動首謀者が倒され、それでも「ミネバを泣かす奴を叩く」ために地球侵攻をやめないドズルに対しての非難。
- 後述の迷台詞(ボイス付き)の方は印象的かもしれないが、この事態と家庭事情に関してはリディの方が適任のなだめ役だと言える(この会話に参加した仲間はバナージとジュドーだけ)。
迷台詞
- 「お父様!自分が援護します!」
(ドズル「なんだ、貴様はぁ!俺はお前にお父様などと呼ばれる筋合いは…」)
「バナァジィィィ!!!」 - 『真・ガンダム無双』により。バナージ(とオードリー)が親バカ爆発のドズルに襲われたミッションが発生した後、リディがドズルに加勢した時の会話。ギャグイベントで原作後半の叫びが登場とは、シリアス一遍の原作よりはマシかもしれないが……
- ちなみにあの叫びはDLCシナリオ「虹の彼方に」でも使用する。
スパロボシリーズの名台詞
戦闘台詞
- 「音楽が…聞こえる…?」
- 第3次Z時獄篇より、シュレードへの援護攻撃における台詞。
- 「地球人類と俺達一族の運命をねじ曲げたあんた達だけは…!」
- 天獄篇より、御使い達との特殊戦闘台詞。
シナリオ
- 「男として生まれたからには家の力ではなく、自分の力で道を切り拓くべきだろ?」
- 宇宙ルート第40話にて、ラプラス史跡においてマーセナスの名が出た際に。
- アルテア軍にMIXがさらわれていたことで落ち込んでいたアンディからも、「いい台詞」と言われて「自分の進む穴は自分で掘り進む」と元気を取り戻したが、後の事を思うと…
- 「そんな風にうまくいけばいいと思うけどな」
バナージ「リディ少尉…」
「俺は現実を言ったまでだ」 - エピローグにて、地球とコロニーの問題がひとまず解決した事で明るい雰囲気になるハサウェイ達に対して、一人険しい表情で言い放った。
- カミーユの言葉で引き下がってはいたものの、彼の心の闇は晴れぬままであり、アムロはそのリディの心の闇の深さを察すると共に、危ういものを感じていた。そして、天獄篇では案の定敵に回ってしまった……(更に言うと、天獄篇では地球がサイデリアルによって制圧されるという事態に……)。
- 「は…はは…気にする…な…。民間人を守るのは…軍人の務めだ…」
- 天獄篇蒼の地球ルート第10話において、暴走したマリーダの攻撃からバナージを庇った際に。軍人としての矜持と共に宇宙へ消えたリディだが、結果的にこの行動がきっかけとなって自分がバンシィに取り込まれ、マリーダを撃つ事になるのは何の因果か。
スパロボシリーズの迷台詞
- 「嘘だろ!? どう見てもティーンエイジャーじゃないか!!」
- 時獄篇第20話にて、テッサを見ての驚愕。顔グラも凄い事になっている。
- ちなみにティーンエイジャーとは、英語で13歳から19歳までの若者を意味している。
- (どうなってるんだ…?ロンド・ベル成長株の俺が挙がらないなんて…)
- 時獄篇DLC「力持ちアンダーグラウンド」にて。リディに限った事ではないが、ここで登場する男性陣はどうも自意識過剰な気がする。
- 「許さん!!」
- 同シナリオでガドライトが「やる気が出ない」と後退したのを受けて。この時、表情がOVAのEP6のような激昂顔になる。
- 「じゃあ、あの人が全ての元凶だったって事か!」
- 天獄篇第54話「閃光!! 次元の果て!!」にて、別働隊と合流した後、不動の正体がアポロニアスであると知らされて。確かに責任があったとはいえ、全ての元凶は言い過ぎである。
- 「画面の前を見てみろ、ミネバ!プレイヤーが、このやり取りを見てるんだぞ!」
「箱の正体を知らないプレイヤーもまだいるはずなんだ…。それなのに俺がネタバレをするわけにはいかないんだよ!」 - 天獄篇の中断メッセージにて、箱の中身を問い詰めるミネバに対し、このメタ発言である。