新ゲッターロボ

新ゲッターロボ』は、ブレインズ・ベース制作のOVA作品。

新ゲッターロボ
読み しんゲッターロボ
原作 永井豪
石川賢
監督 川越淳
脚本 大西信介
キャラクターデザイン 石川賢(原案)
鈴木藤雄
メカニックデザイン 石川賢(原案)
田中良
音楽 信田かずお、TRY FORCE
制作 ブレインズ・ベース
発表期間 2004年7月23日 -
12月23日
話数 全13話
巻数 全6巻(DVD)
全1巻(Blu-ray)
シリーズ ゲッターロボシリーズ
初登場SRW スーパーロボット大戦NEO
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概要編集

OVAゲッターロボシリーズ第3弾で、石川賢氏が存命中にアニメ化された最後のゲッターロボ作品。「チェンゲ」「ネオゲ」の前2作とは趣向を変え、初代からの三人(竜馬、隼人、武蔵)に軸を当て、これまでのOVAシリーズでメインとなっていた真ゲッターロボが登場しない、過去に大きな戦いは起きていないなど、『初代ゲッターロボのリメイク』としての特徴が強い。一方、他OVA同様ゲッター線との宿命や漫画版『ゲッターロボ』以外の石川作品(特に『魔界転生』や『虚無戦史MIROKU』など)の要素が取り入れられるなど、単なるリメイクや新解釈ではない時代劇調ロボットアニメとなっている。

ゲッターチームの面々が普段にも増して悪人面なのも大きな特徴で、振る舞いや言動にも他の作品とはまた違った過激さ・あけすけさ・猥雑さが見受けられる。公式サイトでも「ヒーローにして兇悪顔[1]」「凶悪度ブッチギリ![2]」と表記され、当時のアニメ情報誌に至っては「凶暴(竜馬)、冷徹(隼人)、無神経(弁慶)」とおよそ主人公を形容したとは思えない文言が並んでいた。

とは言え、そんなワイルドかつダーティーな本作の雰囲気に魅了されるファンも多い。やたら死ぬ早乙女研究所のモブ職員(流石に研究所が全滅はしないが……)やロボットそっちのけで展開する物語、当初の敵を倒すと出てくる高位存在、最終話が打ち切りを思わせるような締めくくり等々、様々な意味での「石川賢らしさ」を内包した作品である。キャラクターデザインも『真』よりもさらに漫画版に近い。さらには、物語中盤に新型炉心のテストで竜馬が未来の世界を垣間見るなど『真ゲッターロボ (原作漫画版)』の要素も含んでいる。

ストーリー編集

ゲッター線の研究拠点・早乙女研究所は、人を喰らい数を増やす正体不明の怪物「」の攻撃に晒されていた。鬼と対等に戦うことのできるロボット「ゲッターロボ」はすでに完成していたが、その操縦には想像を絶する負荷がかかり、並の人間では耐えられない。

予期される鬼の再襲来に備え、早乙女博士空手家崩れのチンピラ・流竜馬をパイロット候補として拉致。さらにテロリスト神隼人破戒僧武蔵坊弁慶も加わり、危ういながらもゲッターチームが完成するが、彼らは鬼との戦闘中に突如、平安時代を思わせる異世界に飛ばされてしまう。右も左もわからぬ異国の地で、竜馬たちがなすべきこととは?そしてゲッターロボと鬼の関係とは?

登場人物編集

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

早乙女研究所編集

流竜馬
新宿で空手道場を営んでいたが、早乙女博士の無茶苦茶なスカウトを受けてゲッターチームに加わる。
神隼人
武装革命組織のリーダー。竜馬と早乙女博士の(さらに)無茶苦茶なスカウトにより、ゲッターチームに加わる。
武蔵坊弁慶
ある寺の僧だったが、鬼にされた仲間や住職の仇を討つためにゲッターチームに加わる。無類の女好きで、手のつけられない暴れん坊だが、それでも本作のゲッターチームの中ではまともな方の人物。
従来の巴武蔵車弁慶を統合させたキャラクター。
早乙女博士
早乙女研究所の所長。他作品以上に毒舌で自己中心的な性格。非情な性格だが、時には家族愛を示すことも。
早乙女ミチル
早乙女博士の娘。他の作品のミチルと全く異なり、冷徹で自己中心的な性格をしており、鬼以外の事柄には全く興味を示さない。
早乙女達人(SRW未登場)
早乙女博士の息子。第1話にて鬼と化した末に死すも、竜馬に鬼と戦う覚悟を決めさせた。

平安時代 編集

源頼光(SRW未登場)
異世界の平安時代で晴明や鬼と戦う武将。史実とは異なり、女性である。
安倍晴明
鬼を操り、陰陽道を用いて異世界の平安時代を脅かす黒平安京の支配者。ゲッターロボと竜馬の存在を知っており、彼らを抹殺せんとする。

四天王 編集

多聞天(たもんてん)、広目天(こうもくてん)、持国天(じこくてん)、増長天(ぞうじょうてん)(いずれもSRW未登場)
こちらとは別の時空に住まう。鬼や晴明を裏から操っていた物語の黒幕。

ゲッター地獄 編集

ゲッター聖ドラゴン
平安時代ともまた異なる異世界を支配している巨大なゲッターロボ。その世界では赤子ですらゲッターロボと一体化し、互いに争い食らい合っていた。その正体は竜馬の辿る可能性の一つであるらしい。

登場メカ編集

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

早乙女研究所編集

ゲッターロボ (新)
ゲッター1 (新)
ゲッター2 (新)
ゲッター3 (新)
ゲットマシン
イーグル号
ジャガー号
ベアー号
プロトゲッター(旧ゲッターロボ)
これまでの作品における初代ゲッターロボとほぼ同形状。早乙女達人が乗るトリコロールカラーのものと、モノトーンの量産機がある。

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円盤型鬼獣
晴明ロボ

用語編集

ゲッター線
今までのシリーズ作品とほぼ同じ立ち位置だが、本作の作風もあってか活動的である。
/ 鬼獣
早乙女研究所を襲う謎の生物。ゾンビか吸血鬼の如く、人間に噛み付いて鬼に変える能力を持つ。百鬼帝国とは大きく違い、純粋な“”である。
平安時代
竜馬たちが飛ばされた異世界。史実の平安時代とは異なり、鉄砲や戦車、飛行戦艦(木造)などが存在する。現代では当時の遺物が発掘されている。
黒平安京
平安時代の琵琶湖の上に作られた鬼の都。現代では琵琶湖の底の更に地底に跡地が沈んでいる。

楽曲編集

オープニングテーマ
「DRAGON」
作詞:影山ヒロノブ / 作曲・編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project
タイトルで分かるように竜馬をイメージして作られた曲である。イントロの読経のようなコーラスや和楽器によるメロディなどにより、作風に合わせた和風テイストとなっている。
読経のようなコーラスは、実はゲッター関連の単語を並べて呟いている。ちなみに内容は「ゲッター頼光弁慶ベアー隼人竜馬武蔵坊早乙女鬼切り大雪山」(冒頭)、「晴明持国天広目天増長天多聞天ドラゴン」(間奏)。なお、遠藤正明氏によるとこのコーラスは本職の僧侶に依頼して収録したとのこと。[3]
後にアニメ版『ゲッターロボ アーク』のエンディングテーマ「DRAGON 2021」としてセルフカバーされた。
『NEO』で採用。「イントロカット版」と「ノーカット版」が存在する。
エンディングテーマ
「No Serenity」
作詞:影山ヒロノブ / 作曲・編曲:河野陽吾 / 歌:JAM Project featuring 影山ヒロノブ・遠藤正明・福山芳樹
挿入歌
「DEEP RED」
作詞:奥井雅美 / 作曲:影山ヒロノブ / 編曲:河野陽吾 / 歌:きただにひろし
最終話で使用された。

登場作と扱われ方編集

スーパーロボット大戦NEO
初参戦作品。『NEO』の参戦作品中では数少ない2000年代の作品である。
全体的にライトな雰囲気で統一された本作の中ではかなり浮いた存在だが、『NEO』が全年齢対象であることを考慮してか、ゲッターチームの性格は原作に比べていくらか丸くなっており、原作のウリの一つとも言えるバイオレンス描写も薄められている。今回のゲッターロボ各形態はそれぞれに役割がはっきりとしている。
原作同様に、ゲッター線やゲッターロボ自体の世間的知名度は低い。作品のイメージ演出でなどが登場すると原作の和風なBGMが流れる。シナリオの展開上、黒平安京は『覇王大系リューナイト』のアースティアに存在しており、平安時代にタイムスリップすることはない。
晴明は『獣神ライガー』のドラゴ帝国の幹部格として登場。ストーリー上の事情からか、原作のラスボスである四天王は登場しないものの、四天王の代わりに邪神ドラゴを始めとする他作品の強大な存在がゲッター線を「滅びをもたらす力」とし、その存在を非常に危惧する。原作シナリオの再現率は五割程度といまいち高くないが、早乙女研究所の地下にある「地獄の釜」の底が本作のラスボス・ラルヴァとの最終決戦の地となるなど、決して冷遇されているわけではない。

各話リスト編集

話数 サブタイトル 登場メカ 備考 再現スパロボ
第1話 竜馬が行く ゲッター1 (新)
プロトタイプ・ゲッター
 
第2話 隼人が来る ゲッター2 (新)
第3話 武蔵坊弁慶 ゲッター3 (新)
円盤型鬼獣
第4話 三匹が行く
第5話 鬼火
第6話 鬼の棲む館
第7話 陰陽師
第8話 激突
第9話 地獄変 ゲッター聖ドラゴン
第10話 ひとり狼 晴明ロボ
第11話 かくて神風は吹く
第12話 天と地と
第13話 竜馬がいく 寄せ集めゲッター

余談編集

  • 四天王のデザインは、仏教の世界観をSF的に解釈した『虚無戦記』の「仏の軍団」が元になっている。
  • 「新ゲッター」という名称は漫画版『ゲッターロボ』でゲッターロボGに対して使われたのが初出。『ゲッターロボ號』でも一文字號真ゲッターロボを指して使ったことがある(文庫版では「真ゲッター」に修正された)。
  • 本作のキャラクターがいつにもまして人相が悪いのは前述した通りだが狂気ぶりも他作より圧倒的であり、作中殆どのキャラクターがゲッターに魅せられて狂っていき、マトモな価値観を維持し続けていたキャラは極少数であった。
    • こういった事もあり、『NEO』に本作の参戦が発表された際にユーザーからは冗談めかして『なんでよりによってこのゲッターなんだ』『子供に悪影響を及ぼさないか心配』といった意見も見られていた。実際は上述の通り狂気分がマイルドになっていたので杞憂ではあったが。

脚注 編集

商品情報編集

Blu-ray編集

DVD編集

楽曲関連編集

レンタルビデオ・動画配信編集

サイト名 取扱いの有無 備考
レンタルビデオ
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サイト名 取扱いの有無 備考
動画配信
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資料リンク編集

公式サイト