コロニーレーザー
コロニーレーザーとは、『ガンダムシリーズ』に登場する架空の兵器。
概要
円筒型で窓が無い密閉型のスペースコロニーを、レーザーの照射装置として改造した大量破壊兵器。
軍事用コロニー(宇宙要塞)に、当初より大出力のビーム兵器として開発・設置されたものを含めることもある。驚異的な射程距離と破壊力を誇り、各勢力の戦略を大きく左右する存在だが、大量の電力を消費するため連続発射は難しい。
ちなみにレーザーの光線が視認できる事については、2010年代以降の設定では周辺に漂うデブリなどの細かい塵によるものとされることが多い。
ガンダム世界では最大級の破壊力を持つ兵器。軍隊用語で言えば、戦術ではなく戦略兵器に分類されると思われる。
理論上は、現実世界でも存在する技術の延長で実現可能だが、そこまでには至っていない。もし作られたら、間違いなく核兵器どころの騒ぎでは済まないだろう。
主なコロニーレーザー
- ソーラ・レイ
- ガンダム世界初のコロニーレーザー。サイド3のスペースコロニーの一つ・マハル(3バンチコロニー)を改造した。ジオン公国軍が使用した。
- このソーラ・レイを改修したのが下記のグリプス2と紹介している資料もある。
- グリプス2
- 『機動戦士Ζガンダム』に登場。サイド7のスペースコロニー・グリーンノア2(別名グリプス)をティターンズが二つに分割し、片方をコロニーレーザー「グリプス2」へと転用した。グリプス戦役では終盤これを巡った三つ巴の戦いとなり、戦役の要ともいうべき兵器。
- なお、グリーンノア2は元々を二つのコロニーをつなぎ合わせたものなので再分割である。そのため「グリプス2をコロニーレーザーへ改造した」と逆の説明がされることもある。
- 後に『機動戦士ガンダムUC』作中にて修復された状態で登場した。なお、ネェル・アーガマのクルーが、「コロニー…レーザー…!?」と驚愕していたり、オットー艦長が「グリプス2が修復されたなんて話、聞いてないぞ!?」とぼやいているところから、この修復の件は、末端の者達までには知らされていなかった模様。
- その後の経緯は不明だが、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』(SRW未参戦)の舞台であるUC0169年代においては再び大破し、残骸となっている。
- シンヴァツ
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』に登場。「神(ゼウス)の雷」計画に基づいて木星帝国が開発したコロニーレーザーであり、これを用いて木星圏から地球圏への超長距離レーザー攻撃を試みた。撃つためのチャージ時間は2時間にまで短縮されており、計画上は地球へ24時間かけて計12回の砲撃を行う予定だった。もし実際にレーザーの照射を受けた場合、照射範囲となる直径6㎞は一瞬で蒸発。さらに発生した熱量による二次被害と合わせて、計画が実行された場合地球全体が向こう30年は異常気象に見舞われるとされた。しかしトビア達の「鋼鉄の7人作戦」によって計画は阻止・破壊された[1]。
- 革命軍用コロニーレーザー(正式名称不明)(『機動新世紀ガンダムX』)
- 作中では単に「コロニーレーザー」としか呼ばれなかった為、正式名称は不明。国力で劣る事を自覚し、短期決戦を狙う宇宙革命軍が切り札として用意(開発自体は第七次宇宙戦争時代だが中途状態で放置されており、AW0015になるまでの間に資源や時間を費やして、ようやく完成させた)していたもの。
- これによる地球への先制攻撃によって降伏を迫る計画は「ダリア作戦」と呼ばれていたが、ガロードらの活躍により、一回も発射することなくツイン・サテライトキャノンによって破壊され失敗に終わる。
- 宇宙革命軍が総力を挙げた作戦だったため、新連邦と矛を交える前に大きく疲弊する羽目になり、戦略の転換を余儀なくされる。
- 宇宙世紀のコロニーレーザーとは違い、筒の入り口付近に共振用のミラーが配置されており、発射状態になると桃色に輝くという特徴がある。
登場作品
作中で単に「コロニーレーザー」としか呼ばれないものとグリプス2を扱う。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- ネオ・ジオンのギレン派が使用しようとする。グレミーのクィン・マンサ、プルツーのサイコガンダムMk-II、シャリアのα・アジールが守っている。Dr.ヘルの用意したピクドロンにエネルギーを取られ発射出来なかった。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 宇宙革命軍がコロニーレーザーを持ち出したが、ガンダムダブルエックスのツインサテライトキャノンにより破壊される。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 多元戦争でグリプス2が登場しなかったため、宇宙革命軍のコロニーレーザーがクロノに修復され『UC』における役割を担った。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦COMPACT2 第2部:宇宙激震篇
- 植物惑星ディラドを阻止するためにグリプス2の再使用を試みるが、ディラドの攻撃で破損しており、応急処置はしたものの発射できなかった。
- スーパーロボット大戦IMPACT
- 植物惑星ディラドを阻止するためにグリプス2の再使用が計画されるが、ディラドの攻撃で破損し、不可能となった。C2と違って使用自体を諦める。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- 終盤でロンド・ベル隊とネオ・ジオンの双方がグリプス2を押さえようする。そしてロンド・ベル隊が押さえるが、直後にシャドウミラーの手により小惑星アクシズがグリプス2のすぐ真後ろに転移する。
- スーパーロボット大戦R
- 「月が見えた!」に登場。ネオ・ジオンの兵器で、デキム・バートンのクーデターが失敗したことでダリア作戦を発動させた。ラウンドナイツを叩くために星見町を目標にしており、規定ターン以内にコロニーレーザーに到達しないとゲームオーバーとなる。
- D.O.M.E.もこの兵器を嫌っていたらしく、元々はフロスト兄弟の依頼とはいえ、ラウンドナイツの元にコロニーレーザーの図面を送り、最後はD.O.M.E. Gビットのサテライトキャノンの一斉射撃で完全に破壊してしまった。
- スーパーロボット大戦BX
- 第38話「たったひとつの望み」でUCの原作通りに修復されたグリプス2が使用された。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 『UC』設定のグリプス2が登場。ハマーンの手によって修復されるも秘匿され、ミネバに預けられていたものの、コロニー落としを防ぐために使われた結果、存在並びに場所が知られてしまいGハウンドによって奪取される。その後、発射寸前のグリプス2内にバナージが突入して内部から、外部はロンド・ベルによって破壊される(そのため、原作や第3次Z天獄篇、BXのようなコロニーレーザーをユニコーンで防ぐ展開はない)。
- スーパーロボット大戦T
- 『Ζ』設定のグリプス2を、木星帝国残党が占拠し地球へ照準を向ける。
- その後は破壊せず接収され、光子力技術によって改造されて宇宙怪獣戦に投入されたものの、コロニーレーザー1発でも2%しか撃破できない圧倒的な物量の前に、5発目を発射した直後、連射の限界に達し自壊したと語られる。
単独作品
- スーパーロボット大戦DD
- 『UC』設定のグリプス2が登場。カイによると地球軌道艦隊の再編に合わせて修復されたらしく、ネルフには噂だけ流れてきた眉唾物だった。サイド4に衝突する進路を取るゾンダーに巣食われた東京中央部へ照準を向けていたが、マーサの指示でインダストリアル7ごと巻き込む照準に変更される。その状態でインベーダーに制御を奪われ、司令部からは発射を止めることができなくなる。最終的にはEVA3機のA.T.フィールドとユニコーンらのサイコ・フィールドを重ね、それでも残ったレーザーはディーダリオンが境界空間へのゲートを開いて逃がした。
関連作品
- リアルロボット戦線
- シロッコルートで登場。シロッコの命令で発射され、ノーザンブライトの艦隊を消滅させた。発射デモもある。
コロニーレーザー的な性質を持つ兵器
- カイラスギリー
- 『機動戦士Vガンダム』に登場。
- リーブラの主砲
- 『新機動戦記ガンダムW』に登場。
- ジェネシス
- 『機動戦士ガンダムSEED』に登場。
- ジェネシスα
- 『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』に登場。
- ネオ・ジェネシス
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場。
- レクイエム
- 同上。
- メメントモリ
- 『機動戦士ガンダム00』セカンドシーズンに登場。
- ソレスタルビーイング号の主砲
- 同上。
- フォトンリング・レイ
- 『機動戦士ガンダムAGE』アセム編より登場。地球連邦軍の総司令部基地ビッグリングに搭載された戦略兵器。キオ編開始時には同基地と共に破壊されている。
- ラ・グラミス
- 『機動戦士ガンダムAGE』キオ編より登場。「ディグマゼノン砲」を搭載する宇宙要塞で、ビッグリングや最終決戦ではディーヴァを破壊した。
- 反物質砲
- 『宇宙をかける少女』のブレイン・コロニーレオパルドに装備された必殺武器。ガンダムシリーズ以外の作品だが、同じタイプの兵器なのでここに表記する。