ソーラ・システム
ソーラ・システムとは、『機動戦士ガンダム』および『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する兵器。因みにソーラ・システムとは本来は太陽系を指す言葉である。
概要 編集
地球連邦軍の戦略兵器。
太陽光反射パネル（ミラーパネル）を複数並べてパネルを操作し、太陽光を焦点に向けて反射し、焼き尽くす。要するに巨大な凸面鏡の原理で、単純ながらも大きな破壊力を持つ上に破壊可能な面積が大きいため、幾度か使用された。
ただし、その反面、「攻撃できる位置が非常に限られる」「ミラーの展開に時間がかかる」「ミラー自体が非常に脆い」等の多くの欠点を持つため、実戦においては相手に察知されないようにミラーを展開することが大前提となる。
故に使用回数は幾度かあるがまともに成功したのは一年戦争時のチェンバロ作戦におけるソロモン攻撃の1回のみであり、デラーズ紛争以降は使用されていない[1]。
機動戦士ガンダム 編集
ジオン公国軍の宇宙要塞「ソロモン」における攻略戦で使用。現場指揮したのは、第2艦隊司令ティアンム中将。パネルは折り畳み式で400万枚のミラーを使用。
サイド1の残骸に隠れてミラーの完全展開に成功し、初使用ではソロモンの第6ゲートを消滅させ、第2撃目で特攻をかけたジオン艦隊を撃破している。
なお、ソーラ・システムはジオン公国軍の最終防衛線たる宇宙要塞「ア・バオア・クー」においても使用される予定であったが、ジオン公国軍が秘匿していた大量破壊兵器「ソーラ・レイ」がシステムを輸送していた連邦主力艦隊を消滅させた結果使用できなくなり、連邦軍は残存兵力による総力戦を選択せざるを得なくなった。
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY 編集
デラーズ紛争において、デラーズ・フリートが仕掛けた地球へのコロニー落とし阻止のために使用。一年戦争で使用されたソーラ・システムの改良型。「ソーラ・システムⅡ」と呼称される。現場指揮は地球軌道艦隊司令のバスク・オムが担当。
ミラーは展開装置に薄いミラー膜をロール状に巻いて収納、使用する際は引き伸ばす形となっている。これにより大幅な軽量化に成功し、より迅速なシステムの運搬・展開が可能となった。運用には専用の制御母艦を必要とする。小説版によればミラー枚数40万8000枚と一年戦争時の400万枚から枚数を約10分の1まで減らしているが、各種改良により反射効率、制御技術が向上している。
本編中ではジオンの抵抗と迫りくるコロニーの姿に焦りを見せたバスクがミラーが完全に展開する前に照射を指示[2]。
1撃目は照射直前に、アナベル・ガトーのノイエ・ジールの攻撃でコントロール艦が損傷させられたこともあり（コロンブス級。照射中に爆散）、出力が大幅に低下。コロニー周辺にいたムサイ級を破壊したもののコロニー焼失には失敗する。続く2撃目は友軍の存在に構わず使用され、ガトーのノイエ・ジールと、コウ・ウラキのガンダム試作3号機の対決を邪魔立てした。
加登屋みつる氏による月刊コミックボンボン漫画版では、ガンダム試作3号機が盾になってノイエ・ジールの攻撃からコントロール艦を守ったことで発射には成功する。そしてコウはガンダム・ステイメンで脱出し、ノイエ・ジールは攻撃に巻き込まれた。しかし出力が足らなかったのでコロニーは燃え尽きず、そのままソーラ・システムⅡに衝突、互いに爆散した。
関連用語 編集
脚注 編集
- ↑ 第1次ネオ・ジオン抗争の外伝作品である漫画『ジオンの幻陽』において、エゥーゴによるアクシズ攻略作戦で一度使用されるものの、失敗に終わっている。また、ザンスカール戦争の外伝作品である『クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、地球圏全体のコロニーのミラーを一点に集中させ、ソーラ・システムと同様の現象を引き起こした。
- ↑ 予定の時間70秒前に発射を指示。副官からは後30秒は必要とされたが構わず命令した。なお、ミラーの展開率もコロニーが迫ってきている時点で81％と遅れが出ていた。