EN回復
特殊能力の一つ。初出は『スーパーロボット大戦α』。
概要
ターンの開始時に減ったENを定められた最大ENの割合分、自動で回復する。旧シリーズから現行の作品まで採用されてきたHP回復の対になる能力。
効果は他の強化パーツや特殊能力・地形効果・自然回復等と重複するので、状況次第では殆ど最大値に近い回復能力を得る事ができる(作品によっては自然回復と重複しない事がある)。
自軍フェイズ開始時にENを一定値回復するという単純な能力だが、EN消費制の武器を惜しみなく使える素晴らしい利点がある。底力の存在で味方側ではどうにも活かし難いHP回復能力と違って、EN回復には何らデメリットが存在しないので、この能力を持ったユニットを優先して改造すれば、多大な恩恵を齎す。
HP回復と同様に回復力には段階があり、初代『α』では(小)の10%・(大)の30%の2段階に分けられていたが、近年の作品では(小)の10%・(大)の30%に加えて新たに(中)の20%が追加されている。『J』『W』『GC』『XO』では「S・M・L」、『K』以降の携帯機シリーズでは「L1・L2・L3」と表記されるが、回復力は小・中・大と変化はない。ただし『R』では小と大のみで、大の回復量が20%。また『OE』では1~9までのレベル制で、回復量は能力Lv×1+3%(最大のLv9で12%)となる。
この能力そのものが登場したのは上記の通り『α』からなのだが、実は『F完結編』に登場するオリジナル・オージェはこの作品に登場する全ユニット中、唯一フェイズ開始時にENを回復するという隠し能力を持っていた。この能力は現在のEN回復能力の始祖とも言える。
主な所持機体
ボス級の敵ユニットや、特殊な動力機関を持つユニットが持つ事が多い。また、イベントやフル改造ボーナスで追加される機体も一部存在する。
ゲームバランスとの兼ね合いか、殆どの作品で所持している味方ユニットは少なめで、『第2次α』では敵専用能力として採用されている。
味方の搭載機は回復量が(小)であることが多い。
敵のボス格が持っている場合、EN切れを狙った戦法が難しい強敵となる。一応全回復ではないため、武器の燃費が悪い場合や味方側に特殊効果武器が多い場合はそれも狙うことが可能。逆にEN消費武器を何も所持していないボスが所持している場合、精々バリア発動か移動時のEN消費にしか使えない為、殆ど死に能力となる事が多い。
版権作品
兵器郡
- マジンガー
- 『真マジンガー』の参戦以降所持する事が多くなった。ジャパニウム=超合金Zが光子力エネルギーを放つという設定の再現。
- ゲッターロボ
- 『D』など一部の作品で所持している。
- インベーダー
- ハイパーデュートリオンエンジン搭載モビルスーツ
- 後述の「ハイパーデュートリオン」名義での実装の場合も。
- GNドライヴ搭載モビルスーツ
- 後述の「GNドライヴ」等の作中独自の名称での実装も。
- SDガンダム
- 生物であるためか、三璃紗やスダ・ドアカワールド出身のキャラクターは標準でHP回復とEN/MP回復を備える。
- ELS
- オーラバトラー
- 生物的な要素が強い『リーンの翼』のオーラバトラーが所持。
- アンチボディ
- 『J』で所持。
- テッカマン
- 標準所持。原作の「ボルテッカは一度の変身で1回しか使えない」という設定を考えると違和感がある気がしなくもない。
- ラダム獣
- イバリューダー
- ジンシリーズ
- ゾンダーロボ
- 機界31原種
- フェストゥム
- ヒトマキナ
- プロトデビルン
- バジュラ
- 宇宙怪獣
- スクラッグ
個別機体
- ∀ガンダム
- 『Z』~『第2次Z再世篇』までのZシリーズで所持。高性能なMAP兵器と通常兵器版の月光蝶を有効活用できる。シリーズを重ねる毎に回復能力が増加傾向にあり、『第2次Z』においては要カスタムボーナスになったものの破界篇では(中)・再世篇では(大)に強化され、自軍ユニットの中でも圧倒的な戦闘力を誇る。
- ブラックサレナ
- 『R』ではシナリオ中で相転移エンジンを搭載していると説明されるが、本来はエステバリスと同じく重力波アンテナ搭載機であり、スパロボオリジナル設定。『W』でもそのような説明はないがEN回復が付けられており、おそらくはユーチャリスが部隊に加入しないための代替措置。
- 『V』ではカスタムボーナスでナデシコから重力波ビームを受け取れるようになり、ようやく本来の設定に収まった形に。
- ナデシコ
- 相転移エンジンの再現だが、大気圏でも効果を発揮。ナデシコB・Cも同様だが、『MX』のみ後述(特殊能力の欄参照)の仕様。
- 天のゼオライマー
- 『MX』では、次元連結システム発動時に効果の一つとしてEN回復(大)が追加。『J』では最初からEN回復Lを所持。
- 覚醒人1号
- グリアノイド装備後。
- ライジンオー
- 自然エネルギーを吸収して動力とする。『BX』では地球防衛組により更に強化される。
- なお、他のエルドランロボも自然エネルギーで動いている設定だが、EN回復が設定されているのは現状地球防衛組の機体だけに留まっている。
- ソルグラヴィオン
- 『第2次Z破界篇』ではカスタムボーナスによりEN回復(中)を、『再世篇』では自軍フェイズ開始時自機及び隣接機体のEN10%回復を取得。
- 鉄人28号
- 『第3次Z』では、太陽の出ているマップ(日中・宇宙)であればEN回復(中)が発動するカスタムボーナスを持つ。太陽エネルギー転換システムの再現。
- 宇宙戦艦ヤマト
- 波動エンジンの出力の高さをEN回復(中)で表現。しかし流石に波動砲の消費はこれでも賄いかねるか。
- ヴィルキス
- カスタムボーナスでEN回復(中)が(同時にHP回復も)追加される。
バンプレストオリジナル
- アストラナガン
- ズフィルード・クリスタルによる強力な自己修復能力。回復量は当然(大)。
- アウルゲルミル / スレードゲルミル / ベルゲルミル、グランゾン / ネオ・グランゾン
- 『α外伝』の後半オリジナルのボス、そしてターンXは共通してEN回復(大)を所持している。それでも一部は武器での消費も大きいためEN切れを狙える。
- エクサランス
- 時流エンジンの力によってEN回復を所持。『OGs』では驚異の(大)。
- ヤルダバオト
- 轟級以上の修羅神は標準で自動修復システムを搭載。
- ディス・アストラナガン
- 『第3次α』で正式参戦する味方では唯一搭載。回復能力は(小)に抑えられている。他にはスポット参戦のヴァルク・ベン(中)とナシム・ガンエデン(大)が持っているのみ。
- アンジュルグ、龍虎王・虎龍王
- 『OG2』以降、フル改造のカスタムボーナスでEN回復(小)が追加可能。
- ペルゼイン・リヒカイト
- 味方では貴重なEN回復(大)を持つ。アルフィミィの特殊技能と併せて、援護攻撃に囮に……と、非常に役に立つ。
- ソウルゲイン
- 自動修復システムの一種。敵時は(中~大)だが、味方機は(小)にランクダウン。
- バルゴラ・グローリー(バルゴラ・グローリーS)
- イベントでEN回復(小)が追加される。『第2次Z』以降はカスタムボーナスで追加される。
- マルディクト / ラハ・エクスティム / ダークブレイン
- ボス格の恒例で大を持っているが、移動もしなければEN消費武器もない。実質死に能力である。
- ガンレオン (ガンレオン・マグナ)/ ブラスタ(リ・ブラスタ) / ジェニオン
- 『第2次Z』以降のカスタムボーナスでEN回復(小)が追加される。
同じ効果を持つ要素
強化パーツ
- EN回復(パーツ名)
- 『新』に登場した強化パーツ。1ターンごとにENを10ずつ回復する。宇宙編では4つ、地上編では3つまで入手可能。
- ソーラーパネル / ソーラーセイル / エナジーストーン / アスターパネル / 電力受信アンテナ
- EN回復(小)と同じ効果。
- HPHGCP
- EN回復(大)が特殊能力につく。採用作品は今の所『α外伝』のみ。実際は説明どおり「1ターンにつき最大ENの30%を回復」であり重複可能。
- 補助GSライド
- 『第2次α』から登場した強化パーツ。EN回復(中)と同じ効果に加え、最大ENが100増加する強力な効果。『第3次α』ではEN回復(小)の効果に弱体化している。
- 時流エンジン
- 『K』に登場。EN回復L3の効果。
- 補助GNドライヴ
- 『第2次Z』に登場した強化パーツ。EN回復(小)と同じ効果に加えて最大ENが100増加。
- 量子フライホイール
- 『V』で登場の強化パーツで、上の補助GNドライブと同じ効果(ちなみに似た名前の「サポートGNドライヴ」があるが、そちらはEN回復を含まない)。
- 超合金Z
- 『第2次Z』から以降では従来のHP・装甲値アップに加えて、EN回復(小)と同じ効果が追加。
- 超合金ニューZ
- 『V』では『真マジンガー』設定により追加された。
- セイクリッドアーマー、バイオニックアーマー
- それぞれ『第3次Z』・『V』で登場のパーツで、超合金Zと同じくHP・装甲値アップに加えてEN回復(小)の効果を受けられる(さらにHP回復も付帯)。
- DECチャージャー
- 『第3次Z』のDトレーダー取り扱いパーツ。毎ターンENが全回復という破格の効果を持つ。
- ハイパージェネレーター
- 『V』のファクトリー取り扱いパーツで、DECチャージャーと同じ仕様。しかし…。
- 外部重力波アンテナ
- 『V』に登場したパーツで、下記の「重力波ビーム」によるEN全回復の対象になる。普通に敵が落とすので思い切りハイパージェネレーターが形無しだが、流石に重力波ビームの発信元であるナデシコB(C)は効果を受けられない他、ナデシコと同行しないルートだと恩恵を受けること自体できない。
特殊能力
- S2機関
- EVA初号機に追加。毎ターンENが一定量回復(作品により異なる)し、アンビリカルケーブルの移動制約を受けなくなる。『第3次α』では最大値の50%回復だが、最初から所持しており、EVA弐号機やEVA零号機改にも搭載されている。
- アンビリカルケーブル
- 『第3次Z』や『V』ではこちらの効果。
- ニュートロンジャマーキャンセラー
- 『W』や『K』に登場。毎ターン、ENが15%回復。
- ハイパーデュートリオン
- 『K』以後の携帯機シリーズで登場。毎ターン、ENが25%回復。
- GNドライヴ系
- 『UX』にて登場。効果はGNドライヴの種類によって異なる。
- インフィニットレイヤー(MX) / EN回復MAX(R)
- 電童・フェニックスエールと凰牙・フェニックスエールの能力。無条件で毎ターンENが全回復する。
- ゾイドコア
- 『OE』のゾイド全般が持つ。毎ターンHPとENが能力Lv+3%回復と、HP回復・EN回復の双方と同じ効果を得る。
- 再生
- 『OE』ではゾイドコア同様のHP回復・EN回復を兼ねる能力だが、レベル毎の回復量はゾイドコアより低い。
- 全ての至宝
- グリッターファルセイバーの「三つの至宝」に、さらにEN回復の効果が追加される。
- 補給装置
- 小隊制やそれに類似するシステムを採用した作品では、小隊に補給装置所持機体がいると、小隊全機のENを〈最大値の10%×補給装置所持機体の数〉だけ回復する効果が付加。効果は補給装置を持つ小隊員の数により増加するので、最大でEN回復40%の効果を得る事が可能な見過ごせない有用性を秘めている。ただし、『OGs』や『OG外伝』のツインユニットには効果がない。
特殊スキル
- 魔導書
- 『UX』の『機神咆吼デモンベイン』の魔術師等が所持。ENではなくMPになっており、レベルに応じて最大MP量とターン毎のMP回復量が上がる。最大でMP+150と毎ターンMP30%回復。
- メンテナンス技能
- 『OE』に登場。レベルに応じ範囲内の自機含む味方のHP・ENを毎ターン回復させる。範囲が狭く回復量も少ないが、複数機の効果が重複するため使い道はある。
- 空間補填
- 『第3次Z』のMIXの専用エレメント能力。気力130以上でHP回復(小)・EN回復(小)が発動。
- 地球防衛組
- 『BX』の仁・マリアの専用スキル。効果の一部としてレベルに応じターン毎のEN回復量が増加。機体が元から持つEN回復と累積し、最大で45%というとんでもない回復率を見せる。
回復条件あり
- 要・重力波ビーム / 重力波アンテナ
- 重力波ビームの範囲内に待機した時、自軍フェイズ開始時にENが全回復。範囲外だと逆に減少する場合も。
- 『MX』では屋内マップなら、どこでもENが全回復。『V』ではマップの種類を問わずどこでも回復するようになり、さらにはブラックサレナのカスタムボーナスや外部重力波アンテナの登場で恩恵を受けられるユニットが増えた。
- アンビリカルケーブル
- 建物や母艦に接続中の時のみ、自軍フェイズ開始時にENが全回復。切断中は逆に激減する。
- 『MX』では屋内マップなら、どこでもENが全回復。『第3次Z』からは仕様が変わっている。
- 相転移エンジン
- 『MX』で登場。大気のない地形に待機した時のみ、EN回復(小)の効果。
- 次元連結システム
- 『MX』では、気力130以上で効果の一つとしてEN回復(大)が追加。
- オルゴン・クラウド
- 『K』では強化パーツ専用能力化されており、気力130以上で効果の一つとしてEN回復L1が追加。原作の『J』では、所持機体が標準でEN回復を所持。