レビル将軍は『機動戦士ガンダム』の登場人物。
ヨハン・イブラヒム・レビル | |
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登場作品 | |
声優 |
池田勝(TV版・SRW) 村松康雄(劇場版) 堀勝之祐(特別版) |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦 |
SRWでの分類 | NPC |
プロフィール | |
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種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
所属 | 地球連邦軍 |
軍階級 | 大将 |
概要
地球連邦軍の大将。ちなみにレビルは艦隊指揮を執っていても、「提督」ではなく「将軍」と呼ばれ続けていた事から、地球連邦宇宙軍成立以前は陸軍か空軍の指揮を執っていたのではないか、と思われる。
フルネームは安彦良和氏の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』において設定されたもので、一般的には「レビル将軍」と呼ばれる[1]。
経歴
富野由悠季監督による小説版『機動戦士ガンダム』では「士官学校の初等科を首席卒業したエリート」という設定になっており、連邦・ジオン共に名の知れた名将でもあった。
レビル将軍は一週間戦争では各サイドの生き残りとルナツーの戦力を取り纏め、第一連合艦隊を編成。それを指揮しルウム戦役に臨むが、新兵器モビルスーツの前に、圧倒的な戦力差を誇りながらジオン公国軍に惨敗。レビル自身も乗艦「アナンケ」を破壊させられ捕虜になるが、南極条約調印直前に脱走に成功する。そして、「ジオンに兵なし」演説において捕虜として垣間見たジオン公国軍の実情を暴露し徹底抗戦を主張する。おかげで事実上の講和条約だった南極条約は、休戦条約から「核兵器やコロニー落としなど大量破壊兵器の使用禁止、捕虜交換などの交戦規定」を定めた戦時条約に留まったが、同時にスペースノイドの中でも間違いなく反アースノイドの過激派に当たるジオンによって地球が完全に支配されてしまうはずだった未来を大きく塗り替える重要人物となったのも確かである。
その後、戦意高揚の為に英雄を求めた連邦議会により、陸・海・空・宇の全連邦軍の指揮権を持つ最高司令官として抜擢され、レビル将軍は一時的にとはいえ、地球連邦軍の実質上のトップとなる。彼の指揮の元、地球連邦軍は大反攻作戦である「オデッサ作戦」においてジオン公国軍に勝利を収め、再び宇宙に進出してジオン公国軍の宇宙要塞「ソロモン」の攻略に成功する等、大勢を有利にしていく。
しかし、大勢が地球連邦軍にほぼ決したソロモン攻略後、レビル将軍はジオン公国公王デギン・ソド・ザビとの休戦条約締結時に、ギレン・ザビが仕組んだソーラ・レイ発射によって乗艦「フェーベ」と共に宇宙の塵となった。
キャラクターの総評
付与された多大な権限を背景に、自身がモビルスーツの脅威を一番身近で感じた為か、地球連邦軍のMS開発計画である「V作戦」の主導。また、連邦とジオンの地球上におけるパワーバランスを変える事になった「オデッサ作戦」では直接の指揮を取るなど、一年戦争を連邦の勝利に導く為には無くてはならない存在であった。
また、政治力にも優れており、「保守派や日和見主義の多い参謀本部からの突き上げを巧く回避し、台所事情の苦しい連邦軍を巧く纏め上げて戦闘態勢を維持し続けた」事は評価に値する。しかし、その文武に優れ先見性もある恵まれた能力故に、地球連邦軍の主流派に入ることはできなかったようで、「あくまでも戦時の英雄に過ぎない」という意見もある。
一個人としては温厚な性格でジオンとの徹底抗戦を主張してはいるが、あくまで地球及び人類にとっての脅威であるジオンの軍事力とザビ家の独裁を排除する事が目的であり、そのためジオンの徹底的な殲滅を唱えるジャミトフやコリニーらを代表とする連邦内の強硬タカ派勢力とは完全に主義及び派閥が異なる。また、連邦軍では珍しくスペースノイドに対して理解のある人物で、彼の派閥である改革派もスぺースノイドの弾圧を目論む保守派を抑制していた。ただし彼個人の思想はあくまで中立であり、アースノイドとスペースノイド双方の歩み寄りが重要という観点に立っている。
また、レビルはニュータイプにも理解があり、ホワイトベース隊を個人的に支援した他、「ソロモンの亡霊」による奇襲時にはニュータイプ同士の共鳴の為か頭痛を訴える等、彼自身もニュータイプか、もしくはその素養があったことが分かる。[2]
もともと、アニメでの描写も少なめの人物であったが、シミュレーションゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズで連邦軍側の主人公としてスポットが当てられたことにより掘り下げが行われ、同ゲームでは彼の思想や人間性を垣間見ることが出来る。 安彦良和氏の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では強硬的な面が強調され、ジオン公国軍を強く敵視し徹底抗戦を唱える場面も描かれている。
登場作品と役柄
旧シリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦
- ジャブロー基地がインスペクターに襲われた際の通信でのみ登場。それきり登場しないが、安否は不明。
- スーパーロボット大戦コンプリートボックス
- ボイスが収録されている。
単独作品
人間関係
- デギン・ソド・ザビ
- ジオン公国の公王。彼による休戦協定の申し出に応じたが…。
- ギレン・ザビ
- ジオン公国軍総帥で、レビルの宿敵ともいえる存在。彼の密命で放たれたソーラ・レイによってデギン諸共命を絶たれた。
- なお、ギレン・ザビがジオン公国軍側の主人公キャラクターを務める戦略シミュレーションゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズでは、対するレビル将軍が地球連邦軍側の主人公キャラクターを務めている。
- 黒い三連星
- ルウム戦役では彼らの攻撃によって旗艦が撃沈され、捕虜となっている。
- ブライト・ノア
- 彼が率いるホワイトベース隊に便宜を図った。
- アムロ・レイ、フラウ・ボゥ
- ベルファストで会った際、彼やフラウに対して期待しつつも「軍を抜けたいならば、一年は刑務所に入らなければならない」との厳しい現実を突きつけた。
- エルラン
- 連邦軍中将。オデッサ作戦時の参謀で作戦部長だが、彼のスパイ行為で作戦が破綻しかけた。レビルのワンマンプレーな指揮手法を快く思っていなかった。SRW未登場。
- マ・クベ
- オデッサ作戦におけるジオン軍側の総指揮官。彼の水爆を用いた恫喝を何ら臆することなくはねのける。
- ゴップ
- 連邦軍大将、連邦政府高官。ジャブローの総司令部参謀本部所属。戦線に出てこない、俗にいう「ジャブローのモグラ」の代表格とも言うべき人物。SRW未登場。
- 本編では特に絡みは無かったが非SRW作品の「ギレンの野望」ではV作戦が無ければ軍事再建は迅速に行えたと苦言を呈する等、対立関係にあったようだ。
- 漫画版「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は連邦軍MS開発の推進者、「機動戦士ガンダムMSV‐Rジョニー・ライデンの帰還」では連邦軍の台所事情と当時の連邦政府の突き上げを押さえ込むなど、軍政家としてレビルを最大限バックアップした先見を有する有能な人物として書かれている。
他作品との人間関係
名台詞
- 「我が軍以上に、ジオンも疲弊している」
- 「ジオンに兵なし」の演説の一部分。情報媒体により内容が変化している。
- 小説版では独裁体制をとるジオン公国およびギレンを徹底批判し、弱腰の地球連邦政府および地球連邦軍上層部も批判した。
- 「ニュータイプというのはな、戦争なんぞせんでもいい人間の事だ。超能力者の事ではない」
- 参謀からニュータイプの事を質問されて。レビル将軍は、宇宙世紀全体を通じて「ニュータイプとは何か」を理解していた唯一の人物ではなかろうか?
- その一方で、ジオン公国のニュータイプ論を「戦意高揚の宣伝」とも言い切っており、この点はギレンと同じような考えだった。
- 「ん……なんだ?」
- 参謀達とニュータイプについて論じた後、頭痛と共にした妙な感覚。本人は頭痛だと思っていて頭痛薬を頼んでいた。ニュータイプの根幹を本質的に理解していた彼だからこそニュータイプのララァ・スンの存在を感じたのだろう。
- 「公王陛下のお気持ちはよく判りました。人類史上最悪のこの戦争はやめなければなりません」
- 「ジオン・ズム・ダイクンの教えを信じる者達を宇宙に棲む悪魔と思ってきた多くの地球市民は公王陛下のお考えを知るべきです」
- 漫画版「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」より。ルウム戦役でジオン軍に破れて捕虜となり、デギン・ソド・ザビと面会した際に。
- デギンはこれ以上の戦争で更なる犠牲を出すことを危惧し、レビルに助力を請う。レビルはデギンの意志を確認し、直後に奇跡の生還を果たす。しかし……
- 「ヨハン・イブラヒム・レビルです。統合軍大将として友邦ルウム救出作戦を指揮しました」
- 「結果は大敗でありました。司令官であった私の作戦と戦闘指揮が原因であります。私は負傷しジオン本国で捕虜となりました。今こうして友軍基地からお話ができているのは、勇敢なる我が軍将兵により救出されたからであります」
- 「数十万の将兵と多数の艦艇を失いました。責任は全てこの私にあります。私がその栄光と誇りを失わしめた友軍によって救出されたのは神の御加護があったからです。敗北による喪失と屈辱の汚名を雪ぐべしという神の思し召しがあったからです。もしも再びその任を命ぜられることがあるならば、私は全身全霊を以て雪辱を期すでありましょう」
- 「現在、南極において休戦条約の交渉が行われていることは知っております。しかしっ現時点での休戦はなりません! それは休戦ではありません! 『降伏』であります! 永き歴史と文化・文明を有する地球市民が専制と独裁に屈するということであります!!」
- 「コロニー落としというような蛮行を彼らが敢えて行ったのは何故か!? 彼らも苦しいのです! このような行為は既にして彼等の足掻きなのです! ジオンの力を過大に評価するべきではないっ!」
- 「人的・物的資源がもとより限られているコロニー国家であるジオンは長く困難な戦いを戦い得ない! それ故にジオンは早期講和を望んでいる! その思惑に乗るべきではない! 戦い続けるべきである!」
- 「ジオンに兵なし! 我々は必ず勝利する!!」
- 漫画版「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」における「ジオンに兵なし」演説の全文。事実上レビルに終戦を託したデギン(OVA版ではキシリアも明確に関与、ただし彼女は戦争継続を目論んで助力した)の助力で連邦に生還したのだが、その口から語られたのはデギンが望んだ終戦ではなく、ジオンとの徹底抗戦を主張だった。この演説で連邦政府は態度を硬化させ、そのまま戦争継続に進んでいった。
- なぜ、レビルがデギンを裏切り戦争継続を唱えたのかは、作中では明確には語られなかった。ただし、国家元首が敵国の将軍に助力を請う事自体がデギンの政治権力が失われていることを物語っており、また連邦とジオンの上層部は戦争継続の動きを既に見せていたため、戦争を収めることは出来ないと判断していたのかも知れない。
- 「それは言うな。公王は名誉を重んじる人だ」
- 漫画版「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」における事実上の最期の言葉。単身で和平交渉のためにレビルへ接触してきたデギンを、連邦軍の将校が「事実上の降伏ですかな?」という発言を諌めて。
- 少なくともレビルはデギンに借りがあったのは事実であるため、デギンをあくまで対等な立場であるということを認めて交渉を行うつもりだったようだ。ただし、直後のソーラ・レイで二人とも宇宙へ消えてしまった。
迷台詞
- 「いや、あれでいいんだ… 彼らはあれで生き延びてきた… これからもまた……」
- 『冒険王』で連載された岡崎優氏による漫画版での台詞。ゴッグがホワイトベースに押し潰された直後に発言。彼の横にいた士官は「ムチャクチャだ、あんな作戦は…」とドン引きしていた。
- 作者の意図では「正規の訓練を受けていない彼らであるが、このように常識にとらわれない柔軟な発想を採ってきたからこそここまで戦い抜いてこれたのだ」という事なのであろうが、流石にこのような運用を行えば実行したホワイトベース側も艦内が滅茶苦茶になるなど大参事は免れないであろう。リアル系ロボットアニメが市民権を得て久しい現在から見れば荒唐無稽にも程があるシーンである。
搭乗機体・関連機体
余談
脚注
- ↑ ついでに、『SDガンダム GGENERATION』シリーズおよび『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズにおけるレビル将軍のフルネームは「ヨハン・エイブラハム・レビル」と設定されている。
- ↑ この設定を受けてか、ゲーム『ギレンの野望』シリーズではなんと彼もニュータイプに覚醒する事がある。ただし最大までレベルを上げて、やっと最低ランクのNT能力が目覚める程度ではあるが、元々のスペックが高い事も相まって最強クラスのパイロットとして使用が可能である。『G GENERATION』シリーズにおいても最低レベルと申し訳程度だがNTとなっている。SRWにおいてはレビルがプレイアブルキャラクターになった事は無いため、NT能力の有無は不明。