ムゲ・ゾルバドス
ムゲ・ゾルバドス帝王(Muge Zorbados)
ムゲ・ゾルバドス帝国を統べる存在。TVシリーズでは正体不明のままで、その姿を現したのはOVAから。死者の霊を操る能力を持つ。この手のタイプの親玉は部下の失敗を許さないように思えるが、二度目のチャンスを与えたり、逃げ帰ってきた部下を怒鳴り散らすどころか、これまでの労を充分にねぎらった上で「私の信頼する者が敗れるのなら仕方がない。お前だけで倒せないならば私と共に倒しに行けばいい(意訳)」と非難するどころかあっさり肯定するなど、度量の大きい人物でもあり、スパロボシリーズにおいても悪の親玉の中では珍しく部下の失敗・敗北を必要以上の咎めない器の大きい大敵として描かれることが多い。
登場作品と役柄
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦COMPACT
- 初参戦作品。一度倒されたが復活し、「ゴッドブレス・ダンクーガ」で登場。HP回復(大)を持つ強敵。
- スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
- スーパーロボット大戦IMPACT
- 本作より声が入り、本人そのものがユニット扱いとなった。獣戦機隊基地を占拠し、忍達と再び対峙した際の台詞がDVEで収録されている。タフではあるがHP回復以外に厄介な能力を持たない為、後のシリーズと比較すると思いのほか戦い易い。「赤い宇宙」での最終決戦では彼を撃破するとクリアになってしまうので、資金を稼ぎたいのならムゲが標的として狙う傾向にあるヴァイスリッター(ライン・ヴァイスリッター)を囮にしている間に、周囲の敵を掃討した方が得策。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 作中では、歴代のスーパー系の大ボスを復活させる。それでも本人が一番厄介。ラスボスと同質の力(悪霊の力・負の無限力)を持つ強大な敵として描かれている。アポカリュプシスを乗り越えるためにサイコドライバーを求めて戦いを繰り広げるが、それ自体アポカリュプシスの手の内であったらしい。
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 名前のみの登場。既に獣戦機隊との戦いに敗れ、その際に捕らえていたアースWILLとムーンWILLに逃げられる事になる。獣戦機隊の話では確かに倒されたはずだったが…。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- OVA版の設定でZ2世界に出現。彼もまた、黒の英知に触れた者の一人である。本作では64以来の共演となったズールとの共闘が実現し、彼と手を組み、暗黒の信者の黒幕の1人として暗躍。嘗て捕らえていたムーンWILLを始め、ゼラバイア等の人類の敵を下僕として復活させる。原作通りに道那賀小百合に憑依して活動し、自身の完全復活と宿敵である獣戦機隊への復讐を目論む。今回、機体(本人)のサイズはSサイズだが、その分能力値がとんでもない程底上げされており、滅茶苦茶強い。装甲値がデフォルトで2500とSサイズとは思えない硬さを持つ。それに加えて、本人の能力値・スキルもαの時より大幅に強化されている。αには無かった底力を新たに習得し、最終的な装甲値はなんと5206と旧シリーズのラスボスに匹敵するほど上昇する。幾らサイズSでもこの装甲値の前には半端な攻撃では全くダメージを与えられない。おまけにエースボーナスもSPを削るという嫌がらせの様なものまで習得している。同時出現するズールより遥かに強く、真っ先に撃破すべき敵。味方の気力が最大かつSPが全快しているのが救いではある。特にゼロ・レクイエムルートでは黒の騎士団ルートに比べ出現が早いにもかかわらず、レベルが15も上回っているので危険。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
- なんと今作の世界は「ムゲの存在しない世界」である為、SC2とは別の世界で、その世界の獣戦機隊に敗れたムゲの残留思念がSC2の世界に現れたという設定で登場する為、SC2世界の獣戦機隊とは初対面という非常に珍しい設定となっている。OVA版の展開で小百合に憑依し、ムゲの正体を知るユキムラにアスカロンを提供され、アスカロン兵に憑依してAフォースと戦うが、ユキムラに陥れられて消滅へと追いやられてしまう。他の作品のキャラクター(しかも生身の人間)に利用された挙句捨て駒同然に扱われて最期を遂げてしまうという、今までのSRWシリーズにおけるムゲの扱いを省みるとあまりにも衝撃的、且つ呆気ない最期だった。
単独作品
- スーパーロボット大戦64
- 本作ではズール皇帝と並ぶ版権二代強敵として人類の敵として立ち塞がる。本作のみ原作再現のため「ムゲ城」で対峙する。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
能力
力・技
- デス・スピリット / デススピリット
- 悪霊を操り、相手に纏わせる。再世篇では「デススピリット」名義で気力低下の効果あり。
- ソウル・イーター
- 全身から負のエネルギーを放出する。この時、ムゲの目がおぞましいものとなる。再世篇では未使用。
- ゴースト
- 再世篇で追加された最強技。行動不能の追加効果を持つ恐ろしい攻撃。
特殊能力
移動タイプ
サイズ
- M / S
- αシリーズではM。再世篇ではS。
ステータス設定の傾向
能力値
回避を除く、全ての能力値が非常に高く厄介な敵。
精神コマンド
- 第3次α
- 直感、鉄壁、気迫、熱血、直撃、魂
- 攻守を万能に備える。
- 第2次Z再世篇
- 偵察、分析、てかげん、直撃、感応、かく乱
- αシリーズと違い、守りを重点にしたものとなっている。感応の消費SPが妙に重いのが特徴。
特殊技能
- 第3次α
- 超能力L9、気力+ (ダメージ)、極、精神耐性、戦意高揚、ガード
- どれをとっても隙が無いが、底力がないだけまだ楽。
- 第2次Z再世篇
- 超能力L9、極、底力L9、カウンターL6、サイズ差補正無視、ガード、気力+ボーナス、2回行動
- αシリーズでの技能を強化した仕上げになっている。Zになって大幅に強化された底力を新たに習得し、2回行動まで完備する等、超攻撃的な技能が勢揃い。超能力+極+底力+ガードの相乗効果で異常に高い戦闘能力を持ち、正攻法ではまず勝ち目が無い。自身のサイズ差により与ダメージ減少もサイズ差補正無視でカバーしているので、致命的な一撃を繰り出してくる。ゲーム初戦では2回行動が???扱いで未修得の状態になっており、底力もL6になっているが、それでも手強い。
小隊長能力
エースボーナス
- 第2次Z再世篇
- 自軍フェイズ開始時、敵ユニットのSP-2
- ターンを重ねる毎に徐々にSPを蝕まれる凶悪なボーナス。同時出現するズールの存在もあり、時間をかけすぎると詰んでしまう恐れがある。
人間関係
他作品との人間関係
スーパー系
- チームD
- 自身が獣戦機隊に滅ぼされた後の未来で新たなダンクーガを駆る者達。第2次Z再世篇にて共演が実現し、獣戦機隊同様に敵対する。
- ズール皇帝
- 64・第2次Zと共に究極の悪として共演。第2次Zでは共に黒の英知を手にした者同士でもあり、彼と共闘。暗黒の信者達の黒幕として、ZEXISの前に立ちはだかる。
- ムーンWILL、アースWILL
- 第2次Z破界篇では嘗て、彼らを捕らえていた事が語られる。後の第2次Z再世篇にてムーンWILLを復活させ、共にアースWILLに重傷を負わせる。
- Dr.ヘル(地獄大元帥)
- 第3次αではαナンバーズとの決戦にて、彼を手駒として復活させた。第2次Z再世篇ではゲシュタルト(ズール)と共に、彼とも手を組んでおり、彼を黒の英知の継承者として認めている。
- 闇の帝王、帝王ゴール、竜魔帝王、ダリウス大帝
- 第3次αではαナンバーズとの決戦にて、彼らを手駒として復活させた。
- ニア・テッペリン(アンチスパイラル)
- 第2次Z再世篇ではズールと同様に「暗黒の王」としてその存在と力に一目置かれている。
リアル系
- グレスコ
- 64ではグラドス軍がムゲ・ゾルバドス帝国の傘下になっている為、部下という事になる。
- ランカ・リー
- 第2次Z再世篇では彼女を拉致し、彼女を「暗黒の歌姫」と化して、その歌を利用しようと企てた。
- グレイス・オコナー
- 第2次Z再世篇ではランカを利用した事で一時的に彼女の計画を狂わせるが、自身が一旦敗れた後、逆に彼女に自身の計画を彼女達の計画に利用されてしまう。
バンプレストオリジナル
- アル=イー=クイス
- 64では彼女達にズール皇帝と並んで銀河の後継者候補の一人と目されていた。結局ムゲ・ゾルバドス帝王は敗れたが、彼女達にとってその気になれば復活は容易らしい。
- アインスト・アルフィミィ
- IMPACTにて彼女の接触を受ける。
- イルイ・ガンエデン
- 第3次αではアポカリュプシスを乗り越える為に彼女の力を狙った。
- クォヴレー・ゴードン
- 彼が乗るディス・アストラナガンの力に興味を持っていた。
- レーツェル・ファインシュメッカー
- 中の人繋がりで、ちょっと変わった戦闘前会話が発生する。
- シュウイチロウ・ユキムラ
- SC2では小百合に憑依した際に彼から接触を受け、アスカロンを提供される。しかし、実際は利用されていたに過ぎず、最期は捨て駒同然に扱われてしまう。
名台詞
- 「ギルドロームが敗北するなら、それでも構わん。その好手は私とお前で倒せばよい。昔のようにな」
- TVシリーズ終盤にデスガイヤー将軍に対して。古くから自分につき従っている古参の将である彼に絶対の信頼を置いている事を伺わせる。
スパロボシリーズの名台詞
- 「そのようなことはもうよい。貴様が敗れたのであればやむをえまい。我らが支配する宇宙の隅々まで勇猛で知られたデスガイヤー将軍が敗れたのであればな」
「懐かしいのぅ、あの頃。共に戦ったあの頃がな。ゲルト星系での銀河帝国との戦い、ロデウム星で超能力者どもを打ち破ったデスガイヤー。あの頃の貴様は無敵であった。次々と敵を倒し我が帝国の礎を築いてくれたその功績、私は忘れておらぬぞ。その貴様がただ1度の戦いで敗れた相手、見てみたいものだ」
「御苦労であったのぅ。再びお前の力を必要とすることもあろう。それまでゆっくりと休むことだ」 - 64中盤にて。地球からの撤退を余儀なくされ、事実上地球から逃げてくるはめになったデスガイヤーを労う台詞。悪の親玉はおめおめと逃げ帰ってきた部下を怒鳴り散らすことが多いのだが、ムゲ帝王様は他の親玉と比べ寛大な対応と台詞でデスガイヤーを迎えた。
- 「うむ……我々は奴らを見くびりすぎていたようだな。まぁよい。ご苦労だったデスガイヤー。とりあえずは、ゆっくりと休むがよい」
- 独立軍ルートにて、アステロイド前線基地から逃げてきたデスガイヤーを労う台詞。不利な状況に立たされても、信頼する部下への労いは忘れないようである。
- 「それも面白いではないかデスガイヤー。もしそのような強敵がこの宇宙に現れたのであれば、貴様と2人、また思う存分戦おうではないか。そして再び力の帝国を築き直すのだ。さぁ立て、デスガイヤー」
- 64終盤にて。地球人がムゲの宇宙まで攻めてくることを危惧されてもなお、強者と戦わんとする意志を示す。やはり悪役ながらも、部下を信頼する器の大きい首領である事を感じさせている。
- 「フフフ…考えるがいい…何故、アインストが私に協力し…お前達を滅ぼそうとするのか…」
- IMPACT終盤、ムゲへの協力体制を取る形で出現したアインストに困惑する忍達を嘲笑う。
- 「おのれ…!暗黒の神である私を前にしても何の恐怖も感じぬとは!」
- 第2次Z再世篇における前哨戦で己の力を誇示するも、忍と沙羅の恋愛話に盛り上がるZEXISの面々からスルーされた事で怒りを露にする。スパロボでも器の大きい大敵として描写される事が多い彼にしてはちょっと大人げない台詞。
- 「冷たいわね。私は道那賀小百合でもあるのに」
「あの娘の歌は本来は生命の力…。この世界を構成するプラスの力だ」
「だが、光あるところに闇が生まれる。生命の力は、マイナスの力…すなわち、暗黒の力と表裏一体の関係にある」
「あの娘の心は今、闇に堕ちようとしている」
「それを増幅させる事で絶対の暗黒の力がそこには生み出される!」
「既に私の本体は、この情報管理センターのシステムとシンクロしている」
「そこに流れる膨大な情報はエネルギーとなり、あの娘のマイナスの力を後押しする」
「それを制御し、新たな宇宙を作り出す私は暗黒の神なのだ」 - 第2次Z再世篇 第48話ゴッドブレス・ユニバースおける小百合に憑依したムゲの言。ランカを連れ出し、「情報」と「心」の暗黒の知恵を増幅させることで自身の力の糧とし、神となる目的。言葉の内容や、その目的からOG外伝のダークブレインの存在を想起させる。
- 「オリジン・ローは森羅万象、あらゆる物質に内在している。そして、その最も大きな塊が銀河の星々だ」
「星の瞬きはオリジン・ローの輝き…。それは恒星の内に秘められた破壊と再生の力なのだ」 - 再世篇の終盤でズールと共に復活した際、オリジン・ローの本質について語っていた。