ライオン(Lion)とは、食肉(ネコ)目ネコ科ヒョウ属に属する猛獣である。
概要
ネコ科の中ではシベリアトラに次いで巨大な生物。成体ともなるとオスは体長250㎝、メスでも170㎝ほどになる。体重はオスは220㎏、メスは180㎏と、人間をはるかに超える巨体を有する。アフリカおよびインドのサバンナに生息しており、生態圏の頂点を極めている。多くは褐色の体をしているが、非常にまれに純白の毛を有するホワイトライオンが生まれる。
オスは大きなタテガミを有し、メスは成長しても生えない。スタンドプレイヤーが多いネコ科動物の中では珍しく群れで生活する動物で、オス1匹に対し複数のメスと子供達による群れ「プライド」を形成し、成長した子供達はプライドを離れ独り立ちする。狩りをするのはメスであり、集団で追い立てて別動隊が強襲し、喉元に食らいついて窒息死させるという集団戦法を取る。オスは主にプライドに迫る敵を撃退するのが役目。独り立ちした若いオスは他のプライドを奪おうとすることもあり、仮にプライドのオスと決闘して勝利した場合には、自分の子孫を残す為にメスたちの連れ子を全て殺してしまう。
陸上肉食生物の中でもホッキョクグマに次ぐ凶暴性と強さを有し、嚙む力は400㎏に及び、水牛などの首も骨ごとへし折ってしまう。更にツメの一撃で猟犬の首を刎ね飛ばしたという逸話もあり、人間が素手で倒すのはまず不可能と言ってよい。走る速さは最大で80km/hにもなるが、持久力は低くトップスピードを出せるのは100mほど。
完全な肉食性(内臓を好む)だが狩りにはエネルギーを使うため、もっぱら一日中ダラダラと休んでいることが多い。主なエサは草食動物で、ワニやヒョウすら食べることがある。また嗅覚に優れ、死骸を発見するとジャッカルやハイエナを脅して退散させ、その残骸を喰らう事がある(むしろ狩りを行う回数で言えばハイエナの方が多い)。年老いた個体や、人間の死体の味を覚えた個体は人喰いとなることもあり、大変危険。
人類は石器時代からライオンを「天敵」「狩りのライバル」として恐れていたが、反面その強さを称えており、勇者の称号としてライオン狩りを行ったりする部族は多々見受けられる。古来より多くの文化圏でライオンは「百獣の王」とされ、虎や鷲、現実に存在しないドラゴンなどと同じく力の象徴とされてきた。スフィンクス、キマイラ、グリフォン、マンティコア、マーライオンなど、世界各地の神話に登場するライオンをモチーフとした神獣・怪物は数限りない。中国では仏教に登場するインドライオン(釈迦族の守護獣)の伝承を元に獅子という神獣が想像され、狛犬、沖縄のシーサーなどはこれに由来する。獅子と称賛される英雄も多く、円卓の騎士の一人である「獅子騎士」ユーウェイン、英国の「獅子心王」リチャード1世、日本の戦国武将「相模の獅子」北条氏康などが挙げられる。
そうしたわかりやすく強そうなイメージを有する為、「ウルトラマンレオ」や「快傑ライオン丸」などライオンをモチーフとしたヒーローは枚挙にいとまがなく、ロボットアニメにおいても主役級メカにライオンが用いられることは多い。
なお、虎と交配した雑種はライガーと呼ばれる。勿論、生殖力は有さない。
ライオンをモチーフとしたキャラ・機体
- 猛獣将軍ライガーン
- 『グレートマジンガー』に登場するミケーネ帝国7つの軍団が一角「猛獣軍団」の将。
- ギメリア
- 『闘将ダイモス』に登場するメカ戦士。下半身がライオンになっている。
- ベラリオス
- 『未来ロボ ダルタニアス』の主役機ダルタニアスの胴体となる機体。元は普通のオスライオンであったが、エリオス帝国に献上(密猟である)された後に改造(動物虐待である)され、巨大サイボーグとなった。
- 以降の作品における「胸に巨大な動物の顔が付いたロボ」の全ての原型とも言えるエポックメイキングな機体。
- ゴライオン
- 『百獣王ゴライオン』の主役機。5体の若獅子型ロボットが合体して完成する(鬣が無いがメスとは断言されておらず元となった性別は不明)。
- SRWの現状唯一の参戦である『スーパーロボット大戦W』では「獅子座文明圏」という『ゴライオン』の設定が下記の『ガオガイガー』とクロスオーバーを行っている。
- スペースロボ5号
- 『太陽の使者 鉄人28号』に登場する機体。宇宙魔王の嫡子たるグーラ・キング・Jr.の専用機である。
- 炎神レイアース
- 『魔法騎士レイアース』の主役機。
- ランドライガー
- 『超獣機神ダンクーガ』の主役機ダンクーガを構成する獣戦機の一角。名前はライガーだが公式でライオンがモチーフとされている。
- 黒獅子
- 『忍者戦士飛影』の主役機。飛影と合体して獣魔となる。
- ヘルライガー2号
- 『魔神英雄伝ワタル』に登場する魔神。名前はライガーだがライオンがモチーフ。
- 獣王
- 『絶対無敵ライジンオー』の主役機ライジンオーを構成する三機のロボの一機。角を生やしたライオンの形をしている。合体時には首が外れ、胴体部分はライジンオーの下半身となり、顔がライジンシールドになる。
- キングエクスカイザー
- 『勇者エクスカイザー』の主役機。勇者ロボにおける胸ライオン第1号。
- ライオボンバー
- 『勇者特急マイトガイン』に登場するボンバーズの一員。緑色のライオンに変形する。
- ギャレオン
- 『勇者王ガオガイガー』の主役機ガオガイガーを構成するメカの一つ。合体時には胸となるメカ生命体。
- 獅子王凱
- ガオガイガーのパイロット。特徴的な髪型やポーズは歌舞伎の「連獅子」がモデル。
- リーオー
- 『新機動戦記ガンダムW』に登場する量産型モビルスーツ。黄道十二星座の獅子座に因む。
- バンシィ/バンシィ・ノルン
- 『機動戦士ガンダムUC』に登場するユニコーンガンダム2号機。黒獅子が名前の由来。
- レオサークル
- 『GEAR戦士電童』に登場するデータウェポンの一つ。ホワイトライオンがモデル。
- ライガー系ゾイド全般
- 『ゾイド』シリーズの花形とも呼べる機体群。名前はライガーだが基本的にライオンがモチーフ。
- 智翅
- 『創聖のアクエリオン』に登場する堕天翅族。
- ガンレオン
- 『スーパーロボット大戦Z』の主役機。「傷だらけの獅子」のスフィア。
- カオス・レオー
- 上記のガンレオンから「傷だらけの獅子」を奪取するために開発された機体。また量産型のレオーも登場する。
- ゴルドリーオ
- 『ナイツ&マジック』に登場する幻晶騎士。パイロットのエムリス・イェイエル・フレメヴィーラは、後述の祖父アンブロシウスを例に出し、獅子を名乗れる機体を所望していたため、その意匠が加えられている。
- ゼンカイガオーン
- 『機界戦隊ゼンカイジャー』に登場するキカイノイド。『百獣戦隊ガオレンジャー』のガオキングがモチーフであり、巨大化時には『ガオレンジャー』に登場するガオライオンに因みライオン型に変形する。
- キング
- 『ふしぎの海のナディア』に登場するライオン(?)。
ライオンに縁があるキャラ
- 闘士ダブルゼータ
- 愛用する武器が「獅子の斧」。
- トロワ・バートン、キャスリン・ブルーム
- サーカスのライオンを手なづけており非常に仲が良い。
- 『新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記』(SRW未参戦)ではそれに因み、闘士トロワ(上記闘士ダブルゼータの生まれ変わり)の操る機体としてライオンモチーフの轟獣機マグナスが登場した。
- リリーナ・ドーリアン
- EDでオスのライオン2頭(合計400㎏程度)を軽々と持ち上げるという怪力を発揮した。後に『第2次スーパーロボット大戦Z再世篇』でデュオからこのEDをネタにされている。
- ウズミ・ナラ・アスハ
- 「オーブの獅子」の異名を有する。
- シェリル・ノーム&ランカ・リー
- 楽曲『ライオン』を歌う。
- グリシーヌ・ブルーメール
- フランス有数の貴族、ブルーメール家の一人娘。ライオン型の怪人「レオン」と貴族の誇りを賭けて戦った。
- コクリコ
- サーカス「シルク・ド・ユーロ」の団員。サーカスのライオン「クリン」の世話をしている。
- アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ
- 「獅子王」の異名を持つ名君。上述のゴルドリーオのイメージ元であり、彼もまたゴルドリーオの同型機ジルバティーガに乗る。
- ダイマ・ゴードウィン
- パイロットスーツ(勝負服?)がライオンの装飾を取り入れている。
- 余談だがキリスト教の七つの大罪において「傲慢」を意味する獣はライオンである。
余談
- 上記のように、ライガーは「ライオンと虎を人工的に交配させた雑種」のことであり、ライオンそのものは指さないのだが、ライオンをモチーフとしながら名称に「ライガー」を用いる機体は多い。