黒い三連星(Black Tri-Stars)とは、『機動戦士ガンダム』に登場する集団。
概要
ガイア、マッシュ、オルテガの3人のジオン軍所属モビルスーツパイロットによるチームのあだ名。連携攻撃を得意としている。
テレビ版ではキシリア・ザビ麾下の勇士という設定。一年戦争初期におけるルウム戦役の際には地球連邦軍の高級軍人であるレビル将軍を捕虜とするのに功績を挙げる。後にマ・クベの援軍として地球に派遣されホワイトベース隊と交戦するが、アムロ・レイ搭乗のガンダムに敗れて全滅した。
ドムの黒主体のカラーリングは、彼等が搭乗した際に染めたパーソナルカラーがそのままその他の機体に採用されたという設定、そして未だに各種作品でネタにされるコンビネーションアタック「ジェットストリームアタック」の印象も強く、ガンダムシリーズファンにとっては「ドムと言えば、黒い三連星。黒い三連星と言えば、ドム」というイメージが強い。
SRWにおいても古くからドム、またはその発展型の機体(特にドライセン)に乗ってくるが、旧シリーズの頃にはシステム上の都合などでそれ以外の機体に乗る事も多かった。なお、原作(MSV)においても黒い三連星は、ドムに乗る前はザクIやザクIIに乗っていた事がある。
登場作品
旧シリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦(G)
- DCのパイロットとして序盤に登場。ガイアだけ終盤にヤクト・ドーガに乗って再登場する。
- 第3次スーパーロボット大戦
- DCのパイロットとして登場。初っぱなからドムではなくケンプファーで登場という衝撃の展開で、ドムには一度も乗らない。途中でドライセンに乗り換えた際には「こいつはなかなかの機体だ!」と喜んでいた。この発言が、次作の『EX』での例の発言に繋がる事に。
- スーパーロボット大戦EX
- 主人公がビアン総帥の娘である為か、リューネの章では隠し要素で選択次第で三人まとめてドライセンに乗って仲間になる。マサキの章にてオルテガのドムに対する発言は、ファンの間にちょっとした物議を醸し出す事に。
- なお、『スパロボOGネットラジオ うますぎWAVE』第360回にて、寺田プロデューサーと杉田智和氏は「ティターンズではなく黒い三連星がシュウの章で仲間になる」と勘違いしていた。通常ならば間違いについては番組中に指摘が入るが、この回は訂正が無く終了してしまったため、リスナーから指摘のメールが大量に来たと第363回で言及している。
- 第4次スーパーロボット大戦(S)
- DCのパイロットとして登場。前作ではドムの弱さを非難していたが、今回はフルチューンのドムに乗っての登場となった。その超絶な性能で、旧式の機体でも改造次第で活躍出来る事をプレイヤーに思い知らせてくれる。
- スーパーロボット大戦F(完結編)
- DCのパイロットとして登場する。リアル系ルートでは一話から敵として出てくる。今回から声が入った。
- 『F完結編』のバランスでもドライセンの基本性能が一般機と同じのため、強敵という印象があまりない。DCルートの決着シナリオに姿を現さないために3人揃って結末は不明である。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- ジェットストリームアタックがイベントで再現。ただしこの時の機体はドムII。ソロモン攻略戦ではドライセンに乗り替え。
- 本作では一年戦争時に於ける彼らの勇名ぶりが、神隼人らアースノイドの間でも認知されている。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- ジェットストリームアタックが合体攻撃に。終盤に登場する際、原作通りアムロ相手に使ってもらうことも可能。なお、ドライセンに乗り替えると使用できなくなる。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A(PORTABLE)
- ジオン軍のパイロットで、ジェットストリームアタックは健在。序盤からドムIIを駆りランバ・ラルと共に登場、途中から星の屑作戦に参加しシャアやガトーの部下的存在として共に行動する。星の屑作戦失敗後はアクシズへと逃れ、終盤にドライセンに乗って再登場する。
- 『64』と同様、相変わらず周囲のパイロットがメット無し状態で描かれているにもかかわらず、彼らは頑なにメット装着状態を維持している(『64』で同じくメット装着だったデュークも同様)。ちゃんとメット無し状態も用意されているデュークはともかく、彼らはやはり原作でメット無しで出たのが一瞬だけなので、一見して誰だか判らないからであろうか。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦T
- 本人達は未登場だが、今作の世界観において、10年前の一年戦争において甲児や竜馬を含むホワイトベース隊と交戦した。
単独作品
- スーパーロボット大戦64
- ジェットストリームアタックが合体攻撃として初採用。ただしこの時の機体はドライセンで、本来ないジャイアント・バズをこの時だけ持ち出す。
- この作品では名前有りパイロットのグラフィックはヘルメット無しが基本なのだが、彼らは相変わらずメット装着状態で描かれている。
- スーパーロボット大戦GC
- 原作通りドムでジェットストリームアタックのイベントを再現。宇宙ではリック・ドムに乗り、ドライセンも出てくるがそちらには乗り換えない。各人にカットインが入ったり、宇宙に上がってア・バオア・クー戦まで登場したりと、なにかと三枚目っぽい役回りが多かった旧シリーズに比べると扱いは良くなっている。
- スーパーロボット大戦XO
- ジェットストリームアタックを合体攻撃としても使用してくる。第12話では自部隊からマチルダの仇として激しく憎悪される。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 三人そろってオデッサ戦を生き延び、以降もホワイトベース隊の前に立ちはだかる。彼らの乗るドムはHP一万越えのボス仕様で、かなりの強敵。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 本人たち(というか1stガンダム)は未参戦だが、ドモン・カッシュのユニットクエストにて、黒い三連星を騙ったティターンズ兵たちが登場する。黒いガンダムMk-IIでジェットストリームアタックを仕掛けるが、ドモンにあっけなく倒される。
関連作品
関連用語
- ジェットストリームアタック
- 黒い三連星が得意とするコンビネーションアタック。同型機で一列に並んで後続の姿を前衛で隠し突進、段階的に波状攻撃を行う。
- かなりのインパクトを誇り、後続作品にオマージュが多数ある。
- クの国の赤い三騎士
- 『聖戦士ダンバイン』にて登場するガラミティ・マンガン、ニェット、ダーの三人によるチーム。
- 同じ富野作品という事もあってか、各パイロットの顔は黒い三連星のものと酷似(というより本人そのもの)しており、セルフパロディの色合いが非常に強い。「トリプラー」という連携攻撃を使用し、ビルバインに踏み台にされるなど徹底している。
- ムック『聖戦士ダンバイン大事典』によれば、彼ら三騎士の設定画に小さく「いいのか?」と記載されていたらしい。
- ドムトルーパー
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する「ドム」の名を冠した機体。「ジェットストリームアタック」という同名の連携攻撃を使用するが、技の内容は異なる。
- ファントム3
- 『機動戦士ガンダムAGE』のキオ編より登場するヴェイガンの特殊部隊。隊長のゴドム・タイナムを中心とした、連携技「デルタアタック」を得意とする。
余談
- 近藤和久氏の漫画作品『MS戦記 機動戦士ガンダム外伝』には、アニメ本編の登場人物は原則的に登場しないが、黒い三連星の三名のみは例外的に出演している。
- 作中では、「新兵である主人公フレデリック・ブラウンを励まし、彼をジオン公国軍の新型機であるドムのコクピットに座らせてあげる」等、面倒見の良い先輩として描かれている。
- OVA版『機動戦士ガンダムUC』第2巻のとある場面において「BLACK THREE STARS」という看板が登場する。これは、「黒い三連星」を意識した制作側のお遊びであろう。
- 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではランバ・ラル同様にMS開発計画に初期から関わっていたという設定で、元々はランバ・ラルとも面識があり、三連星の面々が将校に出世した事を驚いている。ラルは彼らを「兵隊ヤクザども」と称しており、実力はともかく素行は悪かった様で、オルテガはルウム戦役後の新聞でシャアが三連星よりメディアから注目されている事をホテルマンに高圧的に八つ当たりしたり、OVA版でのミノフスキー博士亡命阻止の戦闘「スミス海の虐殺」ではガイアが戦意を失ったガンキャノンを執拗に追い詰めてランバの制止を無視してまでトドメを刺した結果、ミノフスキー博士が巻き添えで死亡する事態を招いている[1]。
- 更にルウム戦役では戦闘不能になったマゼラン級宇宙戦艦『アナンケ』から脱出しようとした脱出艇をマッシュが撃ち落とそうとするが、レビルが搭乗した『大将機』であったため、こちらはガイアに止められる。ただし、OVA版6巻では制止される前に『大将機』以外の脱出艇を全て撃ち落としており、攻撃した理由も『大きな的に飽きたから』という残虐性を感じさせるもので、彼らの非情な性格を示している。
- オマージュされた作品は数多あるが、焼きたて!!ジャぱん第29話「迫撃!!ブラックジャぱん誕生!」ではキャラクターデザインと名前がそのままで登場し、イメージではあるがリックドム3機で月面でジェットストリームアタックをノーベルガンダムに行うという凄まじいパロディ回が存在する。画面が完全にガンダムアニメと化す為か、テロップに『(注)この番組は!!ジャぱんです』と表示されている。
- 同じサンライズ製作なので可能になった高度なセルフパロディである。
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脚注
- ↑ 亡命阻止が至上命令であるため、命令違反を犯したとは言い難い。しかし、連邦軍のガンキャノン中隊は壊滅し、移動手段の車を失った博士の亡命は完全に失敗しており、無駄な犠牲を出したのも事実である。