Zシリーズは『スーパーロボット大戦Z』から始まる全5部作のシリーズ。
概要
前シリーズの旧αシリーズに次ぐ第3の王道シリーズ。『スーパーロボット大戦Z』の時点で続編の構想は存在したが、制作が決定したのは『Z』が好評を得たという結果が出てからだった[1]。
パラレルワールドを主軸とした世界観が特徴で、ストーリーや用語には神話や伝承、星座などファンタジックなものも用いられている。
作品
ゲーム機種
PS2→PSP→PS3/PSVと王道シリーズとしては多くのプラットフォームを渡り歩いたシリーズでもある。
- プレイステーション2
- プレイステーション・ポータブル
- プレイステーション・ヴィータ - プレイステーションストアより破界篇・再世篇をダウンロードしプレイ可能。
- プレイステーション3
シリーズ作品
- スーパーロボット大戦Z
- シリーズ第1作。第一次多元戦争が舞台。2008年にPS2用ソフトとして発売。この頃はシリーズ化が未定だったためか『逆襲のシャア』を除く全ての参戦作品が終了。
- スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク
- サイドストーリー、データベース等を収録。2009年にPS2用ソフトとして発売。
- 第2次スーパーロボット大戦Z
- 『破界篇』と『再世篇』の2部構成。
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- シリーズ第2作。破界事変が舞台。2011年にPSP用ソフトとして発売。『ガンダム00(1期)』『ダンクーガノヴァ』『劇場版エウレカ』が終了。『真マジンガー』はブード撃破まで、『ゴッドマーズ』はギシン星編まで、『チェンゲ』『ガンダムW』は序盤のみ、『コードギアス』はブラックリベリオン直前まで、『グレンラガン』は第2部まで、『マクロスF』はビショップ級撃破まで。『ボトムズ』はOVA3作品が終了、TVシリーズはウド編まで。『ダイ・ガード』は『再世篇』でも原作再現があり、原作最終話を本作で前倒しで消化という特殊な扱い。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- シリーズ第3作。再世戦争が舞台。2012年にPSP用ソフトとして発売。『鉄人』は宇宙魔王登場前まで(ただしブラックオックスが前倒しで登場)、『グレンラガン』は第3部終盤まで。以上二本と未展開の『逆襲のシャア』『劇場版マクロスF』以外の参戦作品がすべて終了。
- 第3次スーパーロボット大戦Z
- Zシリーズ最終章。『時獄篇』と『天獄篇』の2部構成+短編『連獄篇』。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- シリーズ第4作。時獄戦役が舞台。2014年にPSVita/PS3用ソフトとして発売。『鉄人』『ビッグバトル』『赫奕たる異端』『逆襲のシャア』『Endless Waltz』『ビッグオー』『フルメタ(映像化部分)』『グレンラガン』『EVOL』が終了。『UC』はシャンブロ撃破まで、『ヱヴァ』は第9の使徒撃破まで。『劇場版00』『劇場版マクロスF』は本編開始前でいるだけ参戦に近く、『真マジンガー』はアニメ本編で描かれなかったミケーネとの戦いが独自に展開。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- シリーズ第5作。天獄戦争が舞台。2015年にPSVita/PS3用ソフトとして発売。すべての原作が終了する。『ヱヴァQ』は事前告知通りのいるだけ参戦。
- 第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
- 『時獄篇』と『天獄篇』を繋ぐ短編作品。『天獄篇』初回特典のダウンロードタイトルであり、単品販売は予定されていない。
Zシリーズ全作に参戦した作品
バンプレストオリジナルのみの『連獄篇』は除外。
世界観
時空振動弾によって、数多の並行世界が1つに再構成された世界「多元世界」を舞台にしている。詳細は世界観/Zシリーズを参照。
関連用語
- 時空振動弾
- ZEUTH
- 『スーパーロボット大戦Z』の部隊名。本作シリーズの『一万二千年前』にもZEUTHは存在したが、時間の輪(ループ)に巻き込まれた挙句、記憶(メモリー・前世の記憶)を失われた。この結末は『黒歴史』として『ガンダムX』のD.O.M.E.、『ビッグオー』のメトロポリスに語り継がれた。
- スフィア
- 砕け散った太極の力の欠片。12個全てを手にしたものが「最後の勝利者」となり、全てを手にするという。特性に関しては該当項目参照。
- スフィア・リアクター
- そのスフィアを手にした者を指す言葉。
- 呪われし放浪者
- 烙印(スティグマ)
- 放浪者に刻まれているという罪人の証。大規模な時空震動の場に居合わせ、さらに次元の枠を越えた者に与えられる。強度が存在し、時空震動の中心点に近ければ近いほど強くなる。
- 実はサクリファイによって与えられた、真化の可能性を持った存在を守るためのマークポイントで、最終的にはこれを目印に時の牢獄たる蒼の地球に集められた。
- 次元力
- 太陽などの恒星に由来する「破壊と再生の力」であり、正式名称は「オリジン・ロー」。全ての存在の根幹に在る「存在の力」にして、次元を超える、あるいは超えた力。その本質は、万物万象の心たる「霊子」に同調し、事象を制御する強制力。
- 太極
- 至高神ソルの別称。
- ブレイク・ザ・ワールド/大時空震動
- セカンド・ブレイク
- エグゼクター
- 多元戦争
- 『スーパーロボット大戦Z』
- 破界事変
- 『第2次スーパーロボット大戦Z破界篇』
- 再世戦争
- 『第2次スーパーロボット大戦Z再世篇』
- 時獄戦役
- 『第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇』
- 天獄戦争
- 『第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇』
- 時間の環
- 『Z』のはるか古から延々と続いてきた、1億2000万年周期で訪れる無限平行世界の分離・再融合の繰り返しのこと。『Z』の時点では時空振動弾発動→時空崩壊で融合→黒歴史に突入して分岐→どこかの世界で時空振動弾発動……というループだったが、ZEUTHにより切断。だが、これによって閉ざされていた可能性、特にアクエリオンと天翅族の因果が解放され、時獄篇の時点では後述の黒歴史がスラングとなるほど未来の時系列……つまり「EVOL」の世界が時間の環に組み込まれ、さらに時間の環それ自体が最後の一周に突入しているらしい。つまり時間の環には次の周回がなく、その末端に存在するのが「根源的な災厄」の訪れによる「神話の果ての終焉」である。宇宙魔王やグーラがかつていた宇宙はこの時間の環の終焉により崩壊している。
- なお「1万2000年の環」とは、「存在しようとする力」と「消滅しようとする力」の衝突により、宇宙が破壊と再生を繰り返して生まれ変わる周期を現している。この時間の環は1万2000年を1回のループとして死と新生を行い、それを何度か繰り返したところで真化の階梯が進むと次の時代に突入する。これが「獣(じゅう)の時代」「水の時代」「風の時代」「火の時代」「太陽の時代」であり、「太陽の時代」に突入するとその宇宙の人間はシンカの最終階梯に差し掛かり、ここで正しく真化できれば己の存在をそのままにアセンションが成功する。ただし、「太陽の時代」は時間の環の最後の部分であるため、この時代が終わると環自体がなくなり、次の宇宙が始まる。この時、真化を遂げていない生命体は時間の環の再構築についていけず全滅することになる。
- 「神」
- 「不死であり、そうであることを望み、己を神と自覚する、永遠を得た存在」。真化により高次元生命体となった者を示す。該当するのはゼウス神、不動ZEN、渚カヲル、ハーデス神、トワノ・ミカゲ、宇宙魔王、ズール皇帝。何らかの方法で正誤を問わず真化を遂げた存在が該当するが、正しく真化していない場合は人の姿を保っていない(人の「形」をしていても怪物じみている)。ワイズマンのように神を自称する者や、アーカーシャの剣の集合無意識(「神の存在」)のような存在もいる。
- 御使い
- 惑星エス・テランの生命全てが融合し、そこから分離した原初の感情を司る4人。物語においても「ナニモノカ」「神」「彼ら」「奴ら」と断片的に語られている。
- 「喜びのアドヴェント」、「怒りのドクトリン」、「哀しみのサクリファイ」、「楽しみのテンプティ」から成る。自分達を1億2000万年前に最初の真化を遂げた高次元生命体であると自称する。
- 真化
- 火の文明に至った生命体が、手を取り合い共に生きる、即ち相互理解と融和の境地に至ることで実現する、高次元生命体へのアセンション。「いがみ合う双子」のスフィア・アクトはこれを擬似的に行うもので、マシンに対してパイロットが行うものは「真化融合」と呼ばれる。『時獄篇』では「シンカ」とカタカナ表記でぼかされていた。
- 終末予言
- 宇宙魔王や尸空が口にする「獣の血」「水の交わり」「風の行き先」「火の文明」「太陽の輝き」の5つのファクターのこと。元ネタがマヤのカレンダーであるため便宜上呼称。
- 「獣の血」はダンクーガに象徴される原初の本能、「水の交わり」はアクエリオンに象徴される他存在との融和、「風の行き先」は螺旋力に象徴される新たな地平の開拓、「火の文明」はガンダムに象徴される進化が呼ぶ戦争と戦争による進化を意味し、「太陽の輝き」はシンカの最初の段階である。
- ただ、これは必ずしも成功するとは限らず、遥か昔から延々と展開→収束→再展開……を繰り返してきている。そのため、失敗することもある。争うことを止められなければ「獣の血」から逃げられず、受け入れることを拒めば「水の交わり」には至れず、進化が過ぎれば「風の行き先」は滅亡となり、科学力を過信すれば「火の文明」はゆっくりと滅ぶ。そしてそれらを超えて「太陽の輝き」に至っても、真理を歪んで捉えれば誤った真化を遂げることになる。
- 血塗られた目
- 次元震から生き残った人間が発症する症状。両目が赤く染まり、恐怖以外の感情が破壊される。ヒビキも軽症ではあるがこの症状を持っており、左目が赤く染まっている。引き起こした存在の正体は不明だが、唯一当時の記憶を保持するヒビキはその印象から元凶を“テンシ”と呼称している。
- 御使いの存在に触れたことでその力への畏怖と恐怖に精神が潰されると発症する。御使いはこれを「血の証」と呼ぶ。
- 聖鍵戦争
- 次元を超えたスフィアの奪い合い。「最後の勝利者」は未だ現れておらず、ガイオウ曰く二つのスフィアを手にした人間自体珍しいという。
- スフィアを集めることは至高神再誕に繋がるため、この戦争自体が御使いが仕組んだ茶番と言える。事実サイデリアルはサードステージに至ったスフィア・リアクターを組織に引き入れる形でスフィアを集めている。
- 黒歴史
- 『Z』の多元世界における「輪になった時間の中で繰り返され、いずれ起こる未来の戦い」。『第2次Z』の多元世界のどこかにおいては、神話として伝えられる過去の戦い。黒の英知の中に、その一端として記録されている。
- エスターや葵の出身世界では「なかったことにしたい過去」というスラングで使われている。つまり、『第2次Z』の多元世界の中に、『Z』の多元世界の遙か未来の世界があるとも考えられる。であるならば、『時獄篇』で参戦した『アクエリオンEVOL』あたりがその「『Z』の多元世界の遙か未来の世界」になるのだろうか?
- ちなみに単語自体は『∀ガンダム』の固有名詞であるため、同作品が参戦していない『時獄篇』では「黒い歴史」とぼやかされている。
- 真戦
- 「『真化』を遂げた高次存在同士の戦い」「神と悪魔の果てしなき闘争」を示す。
- 12000年のループの終わりである「太陽の時代」に発生するバアルとの決戦のことであるが、これと戦うのは「神」即ち真化に至り高次元生命体と化した者達であり、人間の領域では本来ない。
- 時獄/エタニティ・フラット
- 哀しみのサクリファイによって隔絶された次元内で発生する絶対時間の停止。天獄の対応に当たる「二つの地獄」の一つで、またの名を「時の牢獄」。これに陥ると、次元境界線の固定によりバアルの襲来は退けられるが、代わりに誕生も老いもなくなり死が残るため、全ての生命が緩やかに滅亡していくことになる。真戦の対応に当たる選択肢であり、ある種の慈悲であるという。
- 劇中では新多元世紀0001年11月11日に完成するとされていた。これは寺田貴信プロデューサーの誕生日と同じだが、日付に深い意味はないとのこと(ちなみにステージ開始時の日付のスタートは発売日と同じ4月10日)[2]。
- 天獄
- 「天の獄」と呼ばれる。惑星エス・テランのあるカオス・コスモスのことで、アドヴェント曰く「発展のないまま無為に時が流れる楽園という名の牢獄」。
- 黒の英知
- 正確には「クロノエイチ」で漢字は当て字。砕け散った太極の記憶の欠片。スフィアに深く共鳴した者が垣間見る全能の智恵であるが、その中にはZシリーズの生命体に関連する「根源的な災厄」に関する記述がある。過去にこれを垣間見た者達により、インサラウムなど一部には文献としてその一端が記されている。『Z』の「黒歴史」はこの一部。
- 本当の表記は「CHRONO H」→「CHRONO HORIZON」→「時の境界」である。
- 根源的な災厄
- Zシリーズの生命体の行く末に待つという災厄。これとの遭遇は次元の壁を越え、あらゆる世界を巻き込んで全てを滅ぼすという。『時獄篇』では「根源的災厄」と接続詞がなくなっている。
- エルガンやシャルル、ワイズマンの言動から総合すると、イノベイターを初めとする「人類の革新」、ラグナレクの接続といった「人類の意思統一」がこの災厄に対抗する大きな力となるという。
- 諸々の要素から正体としてスパイラルネメシスが有力視されていたが、上述の通りそれを恐れる御使いが正体。
- アンチスパイラルはこれを阻止するために螺旋生命の監視を行っていた。
- 神話の果ての終焉
- 太極に近しいもの達が1億2000万年の周期に発生する全ての並行世界の終焉である宇宙の大崩壊を示す呼称。この場合の「神話」とは一部の世界における黒歴史=神話として語られる過去の戦いを意味する。
- バアル
- Zシリーズの生命体共通の敵。
- 次元将
- 遙か古、どこかの世界で「人類の希望」として生み出された存在。宇宙全てを襲った滅びの危機に対抗し、「神」を殺すために人としての全てを捨てて生まれ変わった人間達。竜馬達とともにバアルと戦っていたが、内の一人が敗れ、インサラウムへと現れることになる。その目的は「神殺し」「『真戦』の再来を抑止すること」であるという。
- Zの終局
- 時獄戦役終盤でアンチスパイラルが口にした言葉。ここに至ると、意志や思いをエネルギーに変えることが出来るという。
- 『天獄篇』でもこの言葉の意味は特に語られなかった為、その詳しい詳細は不明だが、恐らく真化の段階の1つ「火の文明」の終局を指していると思われる。
余談
- 当初の予定とは参戦作品のラインナップが異なるものになったそうである[3]。
- 事実、参戦作品の三分の一は『Z』開発時の段階で放映されていない作品で占められている。
- シリーズを通して、「星」という星がとにかくエライことになるのが特徴といえる。敵勢力の本拠入り混じる混沌と化した月から始まり、毎度毎度拳を叩きつけられては落書きされたり、二つになったりするのは序の口で、衛星をトマホークで両断したり、銀河を手裏剣のように投げつけたり、挙げ句の果てには我らが故郷を兵器に転用して特攻したり……枚挙に暇がない。