ランバ・ラルは『機動戦士ガンダム』の登場人物。
ランバ・ラル | |
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外国語表記 | Ramba Ral |
登場作品 | |
声優 | 広瀬正志 |
異名 | 青い巨星 |
種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
所属組織 | |
所属部隊 | ランバ・ラル隊 |
軍階級 | 大尉 |
概要
ジオン軍大尉。「青い巨星」の異名を持つ優れたモビルスーツパイロットだが、元々はゲリラ戦の専門家でもある根っからの職業軍人である。作中ではグフに搭乗。
軍人としての実力と人柄で部下からの信任は厚いが、ジオン・ズム・ダイクンの側近ジンバ・ラルの息子ということで、ザビ派で占められる軍上層部から疎まれ、出世が見込めなかった。
上官であるドズル・ザビから命じられてガルマ・ザビの「仇討ち部隊」としてホワイトベースをつけ狙う。しかしガンダムとの戦いに敗れ、補給を受けられないまま白兵戦に持ち込むが、失敗。敗北を悟った彼は、アムロ・レイ達の前で自爆して自らの命を絶つ。
アムロにとってはシャアの次に登場した第2の強敵と言える存在で、その出会いと彼との戦い、そしてその死はアムロを大きく成長させることとなる。
登場作品と役柄
旧シリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦
- DCに所属。第2話「謀略の町」6EPの増援部隊として、原作通りグフに乗って登場。攻撃を仕掛ける時に「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」と言ってくれる。第25話「ラストバタリオン再び」ではヤクト・ドーガ(PS版ではドーベン・ウルフ)に乗っている。
- 第2次スーパーロボット大戦G
- シナリオ「ラストバタリオン再び」が無くなった為一回出番が減った以外は『第2次』と一緒。
- 第3次スーパーロボット大戦
- シナリオ「ガトー襲撃」に増援部隊として登場。ガトーが撃墜されたか否かで台詞に変化がある。今回は、グフの代わりに機体カラーの青いケンプファーに乗っている。セイラと戦闘すると原作に準じた会話があり、以後攻撃してこなくなる。
- 第4次スーパーロボット大戦(S)
- シナリオ「ブライトの帰還」の5EP増援部隊で登場。シーマが撃墜されたかどうかで台詞が変化する。『第3次』に引き続き乗機はケンプファー。シナリオ「老兵の挽歌」では『第2次』同様ドーベン・ウルフに乗り換える。このシナリオでは「戦いが終わったら平和に暮らそう」とハモンに告げる死亡フラグそのものの会話があり、撃墜すると戦死する。ただし、彼は増援扱いの登場なので、登場前にクリアしてしまえば戦死しない。また、リアル系のみのシナリオなのでスーパー系ではどうなっているか不明。
- スーパーロボット大戦F
- 今回はR・ジャジャに乗り換えて登場。声が入った。『完結編』には登場しない。『完結編』に移行するとキャラクター事典から抹消される。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 南アタリア島ルート「ガンダム強奪」よりガトーの増援部隊として初登場。乗機は久しぶりのグフ。本作では中佐に昇進している模様。特に撃墜しても戦死イベントなどは起きないが、以降のαシリーズに全く登場しない為、彼の生死は分からない。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A(PORTABLE)
- ノリス・パッカードと共にグフではなく、グフカスタムに搭乗。ジオン軍地上残存部隊との決戦を最後に、以降は登場しなくなる。撃墜されても、特別な台詞が入ることがない為、死亡したのか、生存しているのかは不明。
単独作品
- スーパーロボット大戦リンクバトラー
- トレーニングにのみ登場する。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- 序盤の一年戦争の展開中で登場、原作通り戦死する。今回はグフに乗っている。戦闘台詞も新規収録され、中断メッセージも受け持つ。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- ランバ・ラル隊との戦闘が省略され、既に戦死したと思われたが、ほかのジオン兵同様普通に健在。ジャブロー戦では他のランバ・ラル隊メンバーと共にギニアスの特攻を援護する。一応ホワイトベース襲撃戦で生き抜いたらしく、既にアムロとの面識がある。逆にGファイターのパイロットの正体には気づいていないようだが……?
- 二連撃と極を習得した上に、投げ属性のランバ・ラル専用攻撃「ヒートロッド/投げ」を所持し、シャアよりも手強く感じるかもしれない。5章「アクシズ強襲上陸」では、GR分解状態で1機でも撃墜されればゲームオーバーという08小隊に、正に巨敵として立ちはだかる。黒い三連星やロンメルも居並ぶ同ミッションだが、08小隊にとってノリスの代役と思うべきはやはり彼だろう。
関連作品
パイロットステータス
精神コマンド
- 第4次(S)
- 根性、熱血、加速、威圧、てかげん、ド根性(実際には使用せず)
- α
- ド根性、ひらめき、熱血、自爆、鉄壁、挑発
- リンクバトラー
- 気合、てかげん、加速、かく乱、隠れ身、魂
- リアルロボット戦線
- 集中、誘惑、加速、必中、自爆、捨て身
特殊技能(特殊スキル)
人間関係
- クラウレ・ハモン
- 内縁の妻。戦艦を指揮する能力を持っていた為か、戦場に同伴させても批判は出なかったらしい。
- クランプ
- 部下。副官に相当する。
- タチ、アコース、コズン・グラハム
- 部下。
- ジンバ・ラル
- ジオン・ズム・ダイクンの側近を務めていた父親。この繋がりから、キャスバルやアルテイシアとも面識があった。
- アムロ・レイ
- 中立地帯のバーで出会う。アムロにとってはシャアの次に壁となった存在。シリーズにおいては大人に成長した彼と対峙する事が数回あった。
- フラウ・ボゥ
- 中立地帯のバーで、アムロを探しに来た時彼女と出会う。ホワイトベースの中でも彼女と遭遇するが、命を奪わず退避を促した。
- ドズル・ザビ
- 上官。それなりに信任はあったと思われるが、ダイクン派関係者と知ってか知らずか、ガルマ・ザビの仇討ちを命じる。
- 『THE ORIGIN』ではザビ家とラル家が政敵であったため当初は絡みが無かったが、ラル家が崩壊してからドズルが彼を試作モビルワーカーのテストパイロットに抜擢し、その見返りとしてハモンとアストライアの再会を取り計らうなどそれなりに良好な関係を築いている。
- しかし、ブリディッシュ作戦をランバに実行させようとした結果、彼が拒否したため再び予備役として冷遇され、ガルマの仇討まで事実上飼殺されてしまった。尤もドズル本人は敢えて最も重要かつ悪辣な任務をランバに与え、実行させることで彼のザビ家に対する確かな忠誠心を示させる事による彼らの待遇改善を意図していたと思われるが、裏目に出た結果となった。
- シャア・アズナブル
- 正体はジオンの息子「キャスバル・レム・ダイクン」。原作で彼と会うシーンはないが『リアルロボット戦線』や『ギレンの野望』では彼の正体に気付くシーンが用意されている。『THE ORIGIN』では幼少の彼と会っており、士官学校を除籍された後の成長した彼にも会っている(ラルは気付かなかった)。
- セイラ・マス
- 正体はジオンの娘「アルテイシア・ソム・ダイクン」。互いに素性を知っている。白兵戦中にホワイトベース内で出会い、気を取られている内に重傷を負ってしまう。
- リュウ・ホセイ
- セイラとの会話中に彼の銃撃によって重傷を負う。直後に反撃し、彼自身にも深手を負わせた。
- ブライト・ノア
- 『冒険王』の漫画版では彼に射殺されて最期を遂げる。
他作品との人間関係
名台詞
TV版
- 「うろたえるな。これが地球の雷というものだ」
- 初登場の第12話から、雷を連邦の攻撃と勘違いし大騒ぎになった兵士を諫めた台詞。「既に自然現象が宇宙で生活しているスペースノイドには縁遠いものとなっている」という世界観を端的に伝えている。
- 「ザクとは違うのだよ!ザクとは!」
- 同上。言わずと知れた決め台詞。
- 「お前の言う通り、今度の作戦はザビ家の個人的な恨みから出てはいる。しかしだな、この戦いで木馬を沈めてガルマ様の仇を討ってみろ、ワシは二階級特進だ。ワシの出世は部下達の生活の安定に繋がる」
- ハモン「兵達のため?」
- 「お前のためでもある。ザビ家により近い生活ができる。まぁ見ていろ」
- 第17話より。木馬討伐の任務を受けた理由をハモンから聞かれた時に。
- 「気に入ったぞ、小僧。それだけはっきりものを言うとはな」
- 第19話より。砂漠のバーでアムロと対面したシーン。ラルの軍の態度に不快感を示したアムロに対して。普通の兵隊相手なら銃殺もあり得るのだが、あえてラルはアムロへ何もしなかった。寧ろラルの懐の広さを見せている。
- 「せ、正確な射撃だ。それゆえコンピューターには予想しやすい」
- 同上。ビームライフルの連射を一歩も動かず上半身の動きだけで避けながら。最初は動揺するも、すぐ冷静に対処してみせた。後の作品ではノリスが同様の避け方をしている。
- 「まさかな…時代が変わったようだな、坊やみたいなのがパイロットとはな!」
- 同上。お互いの斬撃で出来た裂け目からアムロと対面して。ガンダムのパイロットが自分よりはるかに若い少年であったことに驚きを隠せず呟く。
- 「見事だな! しかし、小僧、自分の力で勝ったのではないぞ! そのモビルスーツの性能のおかげだということを、忘れるな!」
- 同上。グフが撃墜され、ガンダムにワイヤーを引っ掛けながらアムロに言い残した台詞。当初、アムロは「負け惜しみ」にしか聞こえなかったが、のちに気持ちを改めている。とはいえ、ラルとグフが得意とする接近戦で勝利できた事は事実であり、その点ではラルの方が発言力で上手だったと言える。
- なお、『OE』では初登場時の戦闘前会話で「最早モビルスーツの性能のおかげなどと言うつもりはない」とアムロの成長を認めている。
- 「いや、このランバ・ラル、たとえ素手でも任務はやり遂げてみせるとマ・クベ殿にはお伝えください」
- 第20話より。ドムの補給ができなくなった事(実際はマ・クベによる虚偽の内容)を報告しに来たウラガンに対して。この発言に対しウラガンは「戦馬鹿」と陰口を言ったが、一方のラル達もマ・クベからの補給を当てにしておらず、逆にゲリラ屋としての戦いに意欲を燃やした。
- 「ふふ、この風。この肌触りこそ戦争よ」
- 同上。マ・クベの策略で補給が届けられず、ホワイトベースに白兵戦を仕掛ける際に放った台詞。
- 「銃を持っていれば殺す。どこかに隠れているんだ」
- 同上。ホワイトベースのサブブリッジに向かう途中、フラウ・ボゥに遭遇するが、彼女の銃を落とし、退避を促す。
- 「あっ! …ひ、姫、ひ、姫様か…!?」
- セイラ「ああ」
- 「間違いない、アルテイシア様に違いないな。私をお忘れか? あなたの父上ジオン・ダイクン様に御仕えした、ジンバ・ラルの息子ランバ・ラルですぞ」
- 同上。白兵戦の最中、セイラと出会って、若い頃一緒に遊んでいたアルテイシアと気づいた際の台詞。
- 「ハモンすまぬ。木馬をギャロップで撃破してくれ…ランバ・ラル、戦いの中で戦いを忘れた…ア、アルテイシア様が…」
- 同上。セイラに気を取られ重傷を負いながらハモンに通信した際の台詞。
- 「わしの戦っていた相手が皆、年端もいかぬ少年達とは皮肉なものだ…」
- 「君達は立派に戦って来た。だが、兵士の定めがどういうものかよく見ておくのだな…」
- 同上。逃げ場を失ったラルは投降せず、己の死を持って少年らに戦争の現実を教え込ませた。
劇場版
- 「戦いに敗れるとは、こういう事だぁっ!!」
- こっちは劇場版での最期の台詞。少年でもわかりやすいようにか、TV版よりも簡潔になった。
漫画版
- 「げっ!!」
- 冒険王版にて、セイラに気を取られている最中にブライトに撃たれての断末魔。原作とは異なるあまりにも呆気なく情けない死に様であった。
その他
- ラル「見事だ、少年……だが忘れるな、自分の力で勝ったのではないぞ」
- ユウ「………」
- ラル「モビルスーツの性能のおかげだと言う事を……」
- ユウ「………」
- ラル「……これほど無口なパイロットがいるとは……時代も変わったな……」
- ゲーム『SDガンダム Gジェネレーションアドバンス』においてユウ・カジマ(ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』の主人公)で撃破するとこの台詞が出る。上述のアムロに対する台詞と同じことを言っているのだが、ユウは全く反応しなかった。まぁ、ユウは元は戦闘機乗りでMSの性能を思い知ってMS乗りに転向したので、そんな事今更言われるまでもなかったのだろう(ついでにユウは原作ゲームで声優が付けられなかった事を配慮して、この当時は「極端すぎる無口」というキャラ付けがされていたので、たとえ思うところがあっても黙っていたと思われる)。ちなみにこの作品ではバルトフェルドと共演。
スパロボシリーズの名台詞
- 「…ハモン、この戦いが終われば、わしはDCをやめようと思っている。ジオン、ビアン両閣下に対する義理は、すでに十分分果たしただろう」
- 「後は、どこか静かなコロニーで、ひっそりと暮らすのも、悪くはないと思う。だが、すべてはこの戦いが終わってからの話だ」
- 「今は、ロンド=ベルをたたく事だけを考える! 行くぞ、クランプ!」
- 『第4次(S)』リアル系ルート第20話(『S』では第21話)「老兵の挽歌」より。しかしラルとハモンはこのシナリオで死亡するので結果的には死亡フラグとなってしまう。ラルに思い入れがある人は彼が出撃する前に急いでクリアしよう。もちろん資金と経験値が稼げなくなるが。
- 「ほう…ガンダムか。あの坊やを思い出すな。」
- 『α』第11話(南アタリア島ルート)「ガンダム強奪」より。ガンダム試作1号機を見て、アムロを思い出す台詞。
- 「ガンダムに乗っていた坊やか…一人前の軍人になったようだな」
- 『α』第26話「海からのマレビト」or「紅いエヴァンゲリオン」に於けるアムロとの戦闘前会話より。『第4次』や『F』、『A』などでも大人設定のアムロと対決するとイベントがある。
- ラル「久しぶりだな…坊や!」
- アムロ「このグフ…!まさか!?」
- ラル「あの時の坊やが地球の命運を背負うか。時代は変わるものなのだな」
- アムロ「いつまでも坊やではいられない事情がある!」
- 「グフとは違うのだよ、ただのグフとは!」
- 「…我々の戦いにも決着をつけよう、坊や」
- 「これでモビルスーツの性能による差はあるまい!いつぞやのようにはいかんぞ!」
- 『A(PORTABLE)』にて、グフカスタムに搭乗してアムロと対峙した際のセリフの数々。
搭乗機体
- 旧ザク
- 開戦当初に搭乗した機体。青いカラーリングの専用機で、ギレンの野望シリーズでは上位の機体も青いカラーリングになっている。
- グフ
- 本編で搭乗。
- ドム
- ゲーム等で専用機が登場。
- ゲルググ
- ゲーム等で専用機が登場。
- ギャン
- ゲーム等で専用機が登場。
スパロボでの搭乗機体
余談
- シャアが後に多くの類型キャラを生み出したのと同様「主人公の目標となる、熟練し人間の器量も大きなベテラン軍人」というランバ・ラルのキャラクター像は、ガンダムシリーズのみならずロボットアニメのテンプレートの一つとなっている。
- ガンダムシリーズにおける例としでは『0080』のシュタイナー・ハーディ、『08小隊』のノリス・パッカード、あるいは『SEED』のアンドリュー・バルトフェルドなどが挙げられる。
- さらに、ランバ・ラル自身も「少年を導く大人」としての役割が買われて、『ガンダムビルドファイターズ』および続編の『ガンダムビルドファイターズトライ』(SRW未参戦)において「ラルさん」という形でスピンオフ出演(担当声優も広瀬正志氏。『トライ』第5話以降は宝亀克寿氏が代役を務める)を果たしている。
- 『ギレンの野望』シリーズではドムに乗せると「グフとは~」、ゲルググに乗せると「ドムとは~」と、乗機に合わせた決め台詞を吐いてくれる。因みにガンダムに乗せると「ジムとは~」、また、SEED世界のグフに乗るあの人も同じ台詞を吐くが、声優の事情により同話では一発退場を受けた。
- また、近年では『ケロロ軍曹』『銀魂』などのサンライズ製アニメにセルフパロディキャラが登場する事が多い。
- 小説版『ガンダム』はテレビ版とはストーリーや設定がかなり異なるのだが、ラルとハモンはその中でも最も相違点が目立つキャラクターとなっている。
- 立場が総帥直属の親衛隊(S・S)で、ギレンの腹心。主に内地での監察や情報収集を手掛け、前線には出てこずモビルスーツにも乗らない。アムロたちとも一切絡まない。
- ダイクン派の領袖の息子であったことを気にしており、それ故にギレンに忠誠を尽くしている。
- しかし同時に、かつてハモンがギレンの愛人であったことから複雑な思いも向けており、ハモンが何者か(ダルシア首相とデギン公王)の指示を受けて動いていたのを半ば放置していた。結局それが巡り巡ってギレンの死につながる。
- シャアがジオンの子であることも調べ上げてギレンに報告。命令が下ればシャアを殺すこともやむなしと考える。
- ギレンの密命を受けて、ア・バオア・クーの味方もろともレビル艦隊とキシリアを消したソーラ・レイの責任者を尋問、射殺する。
- アニメ版のキャラクターデザイナーだった安彦良和による漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、他のキャラクター同様年齢が上げられて45歳前後になっているほか、安彦独自の視点で名門ラル家をめぐるドラマが掘り下げられている。
- 名門の嫡男ながら自治運動のレジスタンスとしてゲリラ戦を身に着け、軍人としてドズルに次ぐ地位になるものの、宇宙世紀0068年のダイクンの急死とザビ一党の権力闘争の敗北でラル家は没落。ザビ家との対立を望まなかった彼は、キャスバルとアルテイシアを救い出した際に、反ザビ運動を止めようとしない厄介者の父ジンバ・ラルの地球亡命を手引きした。しかし父は地球でも活動を止めずに暗殺され、子どもたちの逃亡を図った責でラルも予備役に編入される。
- 傷心のラルは酒に溺れ、若いころからの恋人であるクラウレ・ハモンの酒場で用心棒まがいになっていた。しかしラルの軍人としての能力と人望を見込んだドズルの計らいでモビルスーツ開発のテストパイロットとして軍務に復帰。MSパイロットとしてもすぐれた才覚を発揮して一年戦争緒戦のジオン軍勝利に貢献した。
- しかしサイド2「ハッテ」で毒ガスによる住民虐殺作戦の実行[1]を「悪魔の所業だ」とドズルの前で拒否。命じるドズル自身ですら非人道的にすぎる作戦として悩んでいたため、ラルの拒否に激怒、抗命罪でまたも予備役編入となってしまった。しかしドズルはラルを見捨てておらず、また酒場の用心棒になっていた彼にあらためて復権のチャンスを与えようとガルマ戦死後の仇討作戦の指揮官に抜擢、本編通りの結末へと繋がっていく。
- 本作のランバ・ラルは小柄[2]でやや太ったアニメ版に対し、身長が大きく見直されて相応の体格の軍人となっている他、情にもろくて後先考えない熱血漢、つまりドズルと似たもの同士であるとキャラクターが肉付けされた。そのうえでドズルが度々ラルの復権を図っていたことや、ラルがガルマ仇討ち作戦を引き受けた要因の一つとして、「彼ら二人は似た者同士で、シンパシーがあったから」との理由付けがされている。またクラウレ・ハモンやクランプ、コズン・グラハム、タチ、そしてキャスバルとアルテイシアの実母であるアストライア・トア・ダイクンとはズム・シティーのバー「エデン」を通じた十年来の知り合いであったこと、ハモンと結婚しなかった理由についても描写されている。