地球連邦政府大統領の直轄部隊。地球連邦軍からは完全に独立した別組織であり、大統領以外の命令を受け付けない。
旧アイドネウス島「グランド・クリスマス」に本拠地を置き、独自に新兵器の開発とテストを行っていた。正式に存在が公表されるまでは「GS」の名で呼ばれていたが、前々から連邦軍内ではキナ臭い噂が多かったようである。ゲストの襲撃に呼応して姿を現し、ことごとく撃退するという華々しい戦果でデビューを飾る。アルテウルの企みにより鋼龍戦隊に大統領暗殺の汚名を被せ、以後彼らとは敵対した。
権限を確立させるため、GS特権(The privilege of the GAIA SABERS)=PGSと呼ばれる特殊権利を持つ予定であったが、作中では審議中であり叶うことはなかった。各部隊は「セイバー」と呼称され、上位のものから順にアルファ~デルタのコードがつけられている。最新鋭の兵器と練度の高い兵員が揃った強力な軍事組織であったが、その実態はアルテウルによる、彼個人の野望を実現するための道具に過ぎず、最上位の「オメガ・セイバー」であるアーマラすらこの事を知らなかった。
アピールが功を奏し民衆からの人気も上々ではあったが、アルテウルが独自の行動を取るにつれ連邦軍との足並みが乱れ始め、非公式とはいえ連邦軍との協定を無視して鋼龍戦隊へ攻撃を仕掛けため、完全に敵と見なされる。グランド・クリスマスヘ突入した鋼龍戦隊によってアルテウル及び主要な部隊長を失い組織としての主体を喪失した。さらにハードルートではアルテウルの正体が判明したため、関係の深かった者は全員が逮捕されたことが述べられている。所属していた下士官の去就は不明だが、おそらく連邦軍に吸収され帰順するかノイエDC残党と同様に反連邦組織になるかのどちらかになる。また、保有していた戦力は量産型ジンライ、ほぼ廃棄状態のメディウス・ロクス、ゴラー・ゴレム隊が運用しているキャニスを除いて連邦軍に接収され正式採用されている。
GS兵(緑服)の服装は『OG外伝』におけるクライ・ウルブズのものと同じ。また艦長やオペレーターも平時のクライウルブズと同じ軍服であるほか、黒いバイザーを着用している。その姿はちょっとしたウルトラ警備隊である。
登場作品
OGシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 「旧シリーズ版ティターンズ」ポジションを担当する特権部隊といえる。
関連人物
主要構成員のほとんどが、過去何らかの形で鋼龍戦隊のメンバーや関係者達と対立していた等、浅からぬ因縁を持った人物達である(そのためカチーナに「看板に偽りありまくりじゃねえか!」と評されている)。
前述にある通り、全員がアルテウル個人の目的達成の為の駒に過ぎず、彼らによって行われる戦いは殆ど結末が決められた茶番であり、最終的にアルテウルに散々弄ばれる形でメンバーの大半は死亡し、彼らが生み出した成果は全て彼に利用され、生き残った者達も用済みとして始末されてしまった。
- シュワルツ・V・ブランシュタイン
- 新西暦50年代に存在したガイアセイバーズの最高指揮官。
- グライエン・グラスマン
- 最高責任者。しかしアルテウルによって謀殺され、その罪は鋼龍戦隊に擦り付けられる事となる。
- アルテウル・シュタインベック
- 連邦政府特次副大統領にして司令官。実質的な指揮を執るも、次第に不可解な行動が目立ち身内からも疑われる様になる。その正体は…?
- ニブハル・ムブハル
- 大統領補佐官。アルテウルの副官役。彼の謀略にも加担していたが最終的に用済みとして彼に始末された。
- カーリー・ナウマン
- 旗艦「エア・クリスマス」艦長。本性を現したアルテウルに一矢報いるべく、エア・クリスマスごと彼に自爆特攻を敢行し散った。
- エグレッタ・ウーノ
- アルファ・セイバー隊長。ガイアセイバーズの中でも特に鋼龍戦隊に対する復讐心が強い。最期はグランド・クリスマスでの決戦で、特に付け狙ったイングの手で「終焉」を迎える事となる。
- イーグレット・イング
- 元アルファ・セイバー。彼がガイアセイバーズから脱走した事で、『第2次OG』の物語が始まる。戦争終結後はPTXチームに加入する。
- イーグレット・フェフ
- エグレッタ達マシンナリー・チルドレンの生みの親(ただしイングは別の技術込み)。グランド・クリスマスでの決戦で戦死するが、アルテウルの正体を知っていた可能性がある。
- ドゥバン・オーグ
- ベータ・セイバー隊長。終盤で自身の「運命」を知って離脱し、最終的に願い叶う事なく果ててしまったと思われたが、思わぬ形で復活を遂げる事となる。
- アリエイル・オーグ
- 元ベータ・セイバー。序盤で脱走し、鋼龍戦隊に合流する。戦争終結後はATXチームに加入する。
- アルベロ・エスト
- ガンマ・セイバー隊長。元クライ・ウルブズ隊長。終盤でエルデに銃撃され、機体に取り込まれてしまう。
- ムラタ
- アルベロ死亡後のガンマ・セイバー隊長。リシュウの元弟子(破門同然)。グランド・クリスマスでの決戦の前哨戦で敗死。
- シエンヌ・アルジャン、シアン・アルジャン、シオ・アルジャン
- スクールの出身でガンマ・セイバー所属。現在の自分達の立場に胡坐をかき、度々鋼龍戦隊と戦うもその都度敗北し、最期は全員グランド・クリスマスでの決戦の前哨戦で敗死する。
反逆者となった鋼龍戦隊を負け組と嘲笑していたが、実は自分達が茶番を演じているとは夢にも思っていなかった。 - カオル・トオミネ
- デルタ・セイバー責任者。中盤で(エルデの暗躍もあって)ジンライを奪われ、終盤でグランド・クリスマスに向かう鋼龍戦隊を迎撃するも敗北。
- アーマラ・バートン
- オメガ・セイバー隊長。全セイバー中最高位に位置し、単独で行動する事が多い。最終的にアルテウルに見捨てられる形で死亡したと思われたが、『魔装機神F』にて生存が判明、更に『OGMD』で鋼龍戦隊に合流する事となる。
- ミツコ・イスルギ
- イスルギ重工社長として、ガイアセイバーズに新型兵器の製造・提供を行っている。
良心的な人間では無いが、時には鋼龍戦隊にとって得になる行動(スレイ&ベガリオンの派遣など)をとっている為、「敵」かと言われたら微妙。 - アラセリ・ガルシア
- イスルギ重工からの出向。序盤から登場するも、最期は完成したハイペリオンの前に敗北。ガイアセイバーズの名有りキャラとしては最初の脱落者となる。
- スレイ・プレスティ
- アラセリの部下であった為一応はガイアセイバーズ所属だったという事になる。中盤で鋼龍戦隊に合流。
- ミタール・ザパト
- ツェントル・プロジェクト責任者。エルデと共にプロジェクトを進めるが、やがてAI1の処遇を巡って利害関係が破綻、最期は彼女に射殺される。
- エルデ・ミッテ
- ツェントル・プロジェクト研究要員。自身の最高傑作であるAI1の為に上述の通りミタールを射殺した他、アルベロやトオミネ、果てはドゥバンまでも利用して歪んだ愛情のままに暴走する。
最終的にAI1そのものを肥大化させるも敗北、AI1にすら見限られる形で地獄へと落ちていったが、結局彼女もアルテウルの掌の上で踊らされていたに過ぎなかった。 - エリック・ワン
- ツェントル・プロジェクト研究要員。内実は鋼龍戦隊寄りであり、アリエイルの脱走を手助けする。終盤で鋼龍戦隊に合流。
- フェリオ・ラドクリフ
- リ・テクノロジスト。アルテウルの援助を受けて研究を進めていた。南極の門を開いた事で生死不明となる……しかし。
- エンジ・オヅヌ
- プロジェクト・イデアランツ責任者。物語開始以前に謀殺されたが、その意志はアリエイルに受け継がれた。
運用戦力
- エア・クリスマス
- 旗艦。
- レリオン
- リオンシリーズ最新型。ガイアセイバーズで優先的に運用されている。
- サイリオン
- カリオン系列の最新型。
- 82式戦車ガヴァメント
- グランド・クリスマスの防衛戦力として配備されている戦車。
アルファ・セイバー
- キャニス
- 主力量産機。ゲストの機体であるレストジェミラのコピー。
- キャニス・アルタルフ
- エグレッタ専用機。キャニスの改造機でバルゴラに似た特徴を持つ。
ベータ・セイバー
- アレス・ガイスト
- ドゥバン専用機。プロジェクト・イデアランツで開発されたエンジ・オヅヌの遺産。
ガンマ・セイバー
- メディウス・ロクス
- アルベロ専用機。ツェントル・プロジェクトの試作5号機。
- ガーリオン・カスタム“無明”
- ムラタ専用機。アルベロ死亡後隊長に就任。
- ケルベリオン・パッセ、ケルベリオン・プレザン、ケルベリオン・アヴニール
- それぞれシエンヌ、シアン、シオ専用機。
デルタ・セイバー
オメガ・セイバー
- ガリルナガン
- アーマラ専用機。アストラナガンを思わせる特徴を備えた出所不明の機体で、フレームの都合上ヒュッケバインシリーズの傍流に当たる。
関連機体
余談
- OGシリーズにおける『第2次OG』を表すエピソードタイトルは「EPISODE 3 THE GAIA SAVIOUR」(ザ・ガイアセイバー)。一方ガイアセイバーズの当事者は「地球圏を守る新たな剣」「地球を守護する剣」などの自称しており、こちらの英語表記は「Gaia Sabers」。名称はおそらく「剣の複数系」と「救世主達」のダブルミーニングであろう。
- また、やはり因果なのか、ユーゼスの初出である『スーパーヒーロー作戦』において、ユーゼスは「ガイアセイバーズ」という全く同じ名前の部隊と決戦を行い、敗北している。
話題まとめ
- ユーゼスが率いる組織なのにネオバディムではないのは間違いなく何故かバディム姓を名乗ったかつての女主人公のせいであろう。メタ視点を抜きに考えるとこの名前もまたユーゼスの虚憶と思われる。
- ウルトラ警備隊ネタ、自作自演な要素から浦沢直樹の漫画であり映画化もされた『20世紀少年』の友民党とよく似ている。