ベガ大王(King Vega)
ベガ星連合軍の長である大王。恐星大王ベガとも呼ばれる。
全宇宙の支配を企み、フリード星を始め多くの星を屈服させ、地球侵攻を目論む冷酷な支配者である。しかし、その一方で娘のルビーナを溺愛する人間味のある面も見せており、ルビーナの死を知った際には号泣して、その原因となりそれまで大した脅威にならないと見なしていたデューク・フリードに激しい憎悪の念を燃やす事になった。
番組開始当初はベガ星から通信で前線であるスカルムーン基地へ命令を出していたが、番組中盤にベガ星が事故で崩壊したため、生き残った軍勢を引き連れてスカルムーンへと本陣を移動した。以後はかつてのベガ星によく似た環境の地球を狙う。
永井豪氏の漫画版では回想シーンにのみ登場し、ガンダル司令との通信にすら出ることはなかった。桜多吾作氏の漫画版では終盤に本格的に登場するも、考え方の違いからズリル長官に謀殺されてしまった。
画面上では常時マントに身を包んでいるため分かり辛いが、実はかなりスリムな体型の持ち主である。
登場作品と役柄
『UFOロボ グレンダイザー』が参戦しても、彼は登場しない場合が多く、『スーパーロボット大戦64』及び『スーパーロボット大戦D』では彼の立場はズール皇帝に取って代わられている。立場的には間違いなく大物なのだが、いまひとつ小物感が拭えないキャラクターになっていることが多い。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- ガンダル司令と共に登場。数多の異星人勢力達と共に自身の所有する基地であるスカルムーン基地を本拠地にスカルムーン連合を組織している。組織名からすれば彼がトップであっても可笑しくはないのだが、作中ではガガーンやブッチャーのように突き抜けた外道ではなく、かと言ってガットラーやテラルら程に誇り高い性格でもないため、専ら彼らの間で右往左往している印象が強い。
- 実際、原作ルートだと百鬼帝国の前座のようなものであり、AやMXとは逆の立場になってしまった。初登場時は原作の最終決戦直前だったようなので、ベガ星は既に滅んでいると思われる。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦COMPACT2第2部
- シナリオ「スカルムーン総出撃!」を前半に選択すると、キング・オブ・ベガに乗って登場する。後半に選択すると先に脱出し、いかにも第3部に再登場しそうな雰囲気だがそのままフェードアウトする。それでいいのか大王。
- スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
- 第2部で倒したデータを引き継ぐと、シナリオ「爵位を持つ者たち」で増援として登場。リベンジを挑んでくる。能力は中々のもの。
- スーパーロボット大戦IMPACT
- リメイクの煽りを喰って第3部しか出てこなくなった一方で、決着シナリオが新たに作られている。地形効果のある場所に出現する為HP・ENを回復する上、本人の能力も高く回避率の高いユニットにも結構当ててくる。攻撃力がかなり高く、援護攻撃を持ったズリルのマザーバーンが隣接しているので、出現時の状況次第では苦しめられる可能性も。特にMAP兵器は撃たれたくない。
- 敗北後、地球にベガトロン放射能をバラ撒こうとする悪あがきは見せるものの、後のMXに比べると幾分マシな最期を迎える。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- 今回はボアザン・キャンベル軍(ジャネラ)を前座的扱いで地球に送った黒幕のようになっており、実質ベガ星連合軍と本格的に戦うのは後半から。なお、地上の地底勢力(百鬼帝国・ミケーネ帝国)と同盟を結んだが実質捨て駒のようにしか考えていなかった。木連ルートを通ると戦わずに終わる。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 「恐星大王ベガ」表記。『UFOロボ グレンダイザー』のストーリーが優遇されている作品なので比較的大物扱い。決着シナリオこそ分岐ルートであるとはいえ、自軍の改造次第ではそこそこ苦戦する。
- 立場こそ大物なのだが、HPが一定値以下になると逃走を図ろうとするなど、最後はやはり小物に収まってしまっている。
人間関係
- ルビーナ
- 娘。溺愛しているものの、本人からは武力侵攻に拠った政策を非難されている。それでも死んだ際には号泣しており、彼女への親愛に関しては嘘偽りのないものであったと言える。
- ダントス防衛長官
- SRW未登場。第52話でのベガ星滅亡時に同行した側近。円盤獣を上回る性能のベガ獣を開発した実力者であったが、翌第53話で立場が危ういと感じたガンダルとズリルによって謀殺された。
- ガンダル司令
- 部下。ベガ大王に対して絶対的な忠誠心を抱いている。
- レディガンダル
- 部下。終盤では謀反を図る「彼女」に殺されかけるが……
- ズリル長官
- 部下。ルビーナとの縁談を勧める。
- 桜多吾作氏の漫画版では考え方の違いから彼に謀殺されてしまう。
- バレンドス親衛隊長
- 直属の親衛隊長。
- モルス
- 屈服させたモール星の王子。彼の実力に目をつけ、デュークをモール星を滅ぼした張本人と洗脳し、後に親衛隊長に任命してデュークとの同士討ちを狙った。
- デューク・フリード
- 友好国の王子で娘の婚約者だったが、現在では仇敵として怨まれている。
他作品との人間関係
- ブライ大帝
- 同じ八奈見氏が演じるダイナミック系のラスボス。AやMXでは彼と同盟を結ぶ。
- 剣鉄也
- Aでは小バームルート第35話で、愛娘ルビーナを撃ち落としてでも地球征服に固執する姿勢を非難される。MXでは「これほど往生際の悪い奴は初めて」と評される。
- プリンス・ハイネル
- Aではその武勇を気に入り、厚遇していた。
- ひびき洸、ドモン・カッシュ
- 洸からは「小悪党」、ドモンからは「俗物」と、その小物ぶりを徹底的に詰られる。
- ベガ
- MXにて敵対するGEARおよびマグネイト・テンの幹部。大王自身はベガのことを何とも思っていなかったが、ベガの方からは同じ名前で悪名を轟かせていることを不快に思われていた。
- テラル、ゼオ・ガットラー
- Zでの同盟相手。
- キラー・ザ・ブッチャー、ガガーン、ヒューギ・ゼラバイア
- Zでの同盟相手……なのだが、彼らのあまりの非道さを前にしていささか怯んでいる。
- 風見博士
- Zの終盤にスカルムーン連合に寝返った彼と共闘。決死の覚悟でZEUTHとの戦いに臨むベガ大王に対し、彼はベガ大王を見捨てて逃げる気満々だった。
名台詞
スパロボシリーズの名(迷)台詞
- 「ま、待て、話せば…グギャァァァ!」
- 撃墜時の戦闘台詞で、原作最終話で裏切ったレディガンダルに銃殺されかけた時に言った命乞いの台詞が元ネタ。
- おそらくスパロボに登場した首領キャラの断末魔の中でも、情けなさではトップクラスであろう。
- 「ワシは貴様らのような腰抜けとは違うのだ!こわっぱども、失せろ!」
- 『IMPACT』第3部銀河決戦編「ただ地球の平和のために」より。大王自ら出陣する事で己の勇猛さをアピールするも、エクセレンやプルツーから「考え無しの王様」と小馬鹿にされ、激怒する。
- 「フフフ、来たなデューク=フリード…もはや戻る星もない我ら…だがわしは宇宙の王、ベガ大王。最後までお主らに命乞いなどせんぞ!」
- 同上。デュークとの戦闘前会話。IMPACTでのベガ大王は、それなりに王としての意地を貫いていたが…。
- 「黙れ!ワシの手に入らぬのなら、いっそ地球なぞ滅びてしまえばいい!」
- 『MX』第46~48話(『MX PORTABLE』では第47~49話)「一輪の花と緑の星と」に於けるデュークとの戦闘前会話より。ここまで来ると支配者というより、単なる駄々っ子である。各キャラから小物扱いされるのも、むべなるかな。
- 「ほざけ、地球人!全ての星は宇宙の支配者であるこのワシの物であるべきなのだ!」
- 同上。ドモンとの戦闘前会話より。全宇宙の惑星を自らの「所有物」と、俗物根性丸出しで豪語する。
- 「わ、ワシは…ワシは宇宙の王、ベガ大王だーっ!うわああああああっ!」
- 同上。『MX』での断末魔。高性能レーダーを遺し、宇宙の藻屑と化す。
- (何なのだ、こいつらは…!?ゲーム気分で部下を撃ち殺すなど、いくらワシでもここまではやらんぞ!)
- 『Z』第43話「運命と自由と」のエンドデモより。キラー・ザ・ブッチャーやガガーン、ヒューギらの外道ぶりに心の中で発した一言。今作屈指の迷言の一つである。
- 冷酷非道と称されるベガ大王でもそれなりの限度や心構えは持っている事を象徴する台詞。上記の三人があまりに残虐非道すぎるのも、確かであるが……。