魔装機
『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』および『真・魔装機神 PANZER WARFARE』に登場する機動兵器の総称。
『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』のラ・ギアス製魔装機
「ラングランを魔神が襲う」という王室アカデミーの予言を受け、対策のために神聖ラングラン王国が建造した人型機動兵器の総称。練金術と科学技術の結晶ともいえるもので、装甲にオリハルコニウム、メイン動力にフルカネルリ式永久機関を採用している。
各機体は風・炎・水・大地いずれかの守護精霊と契約を結び、その恩恵を受ける。
魔装機を操るには、魔力だけではなく「プラーナ」が必要になる。感情の激しさがプラーナの流れを活発にし、魔装機の性能をフルに発揮させる。魔装機装者に地上出身者が多いのは、ラ・ギアス人よりも感情の激しさを持っているためである。他にも、パイロット(操者)の性格などが精霊に合わなければ操縦することができない。元ヴォルクルス教徒や戦闘好きのテロリストでさえ合う精霊もいるなど、相性は個々の精霊による。
ラングラン王国が開発を行い、精霊との契約に成功した16体の魔装機は「正魔装機」(あるいはオリジナル魔装機)と呼称され、16体のうち高位の精霊と契約した4体の正魔装機は「魔装機神」と呼称される。また正魔装機を元に開発された量産型魔装機を「準魔装機」と呼称される。
ノルスのように精霊と契約しながらも正魔装機として扱われない機体もあり、魔装機神IIでは予備機も数体登場している。これはラ・ギアスでは4の数字が重要な意味を持つため、4を2乗にした16体を正魔装機としたためであるという設定がラジオで明かされている(魔装機神が4体なのもそのため)。
その後、ラングランの魔装機計画を国家の脅威と感じた他国でも、同様の兵器が開発されている。いずれの国が開発した魔装機であっても脱出装置は非常に優秀という設定。これは魔装機を乗りこなせるほど高いプラーナを持ったパイロットの絶対数が限られていたためだという。ただ、新展開をみせた本編で、生粋のラ・ギアス人であっても簡単に魔装機を乗りこなせるようにするための研究(プラーナ補助技術)が進行中であるため、この前提がいつの日か崩れる可能性は存在する。激化しつつある各国の魔装機開発の前に、アンティラス隊もまた16という聖なる数字への拘りを捨てている。
なお、ラ・ギアスはその構造上「宇宙」自体が存在しないが、魔装機神4体は宇宙での活動が問題なく可能なように作られている。性能を突き詰めた結果そうなったのか、あるいは最初から宇宙空間での運用を見越して造られたのかは不明だが、後者だとすれば、なぜ宇宙のないラ・ギアスでそのような仕様とされたのかは不明。あるいは、地上で魔装機神が活動することを予測されていたと見る向きもあるが、単独で行き来可能なのはサイバスターのみであるため、これも未だ謎となっている。
魔術的機構を搭載しているためか、魔装機神シリーズにおいてパイロットによって固定武装をそのまま使用しない技や必殺技などが全く異なっている。
Aクラス魔装機
高位精霊降臨に成功した魔装機のことを指す。ラングランが開発した4体のAクラスは特別視されており、魔装機神と呼称される。エリアル王国が新たなAクラス魔装機の開発(しかも複数)に成功しつつあるといわれているが…。
- グランヴェール / サイバスター / ザムジード / ガッデス
- ラ・ギアス最強と誉れの高い、炎・風・大地・水の魔装機神。世代としては第二世代に分類される。彼らがポゼッションしたときの力は既存の魔装機の常識を覆すという。
- ゼルヴォイド
- 无(無)の高位精霊「ゼルヴ」と契約を交わした最古の魔装機。千年以上前に開発された。操者のエラン・ゼノサキスはこの機体を真の魔装機神と定義しており、【魔装機帝】と呼ぶ。
第三世代魔装機
エリアル王国が開発した特殊な装置を搭載することで低位精霊の力を高位精霊並に引き上げている魔装機の総称。
Bクラス魔装機
低位精霊と契約した魔装機たち。エリアル側が第三世代の魔装機と定義するキョウメイもこのクラスに分類されるのかは不明。
- ラングラン正魔装機
- ラングランが開発した16体の魔装機から魔装機神を除いた12の魔装機。いずれもワンオフモデルで、他国のBクラス魔装機と区別する意味も込めてこう呼ばれている。なお、「16体揃えば何かが起こる!」などという設定はない。深刻な欠損が生じたときに備えて予備機(後継機・兄弟機)が幾つかの機体に用意されている。が、あくまで前線に出されるのは12機の様で、何かしらの理由で運用不可能になった場合のみ交替される。
- バフォーム
- シュテドニアス製魔装機。量産機だが、優秀な出力の高さを見せたためCクラスではなくBクラスにカテゴライズされている。
Cクラス魔装機
量産モデル。ラングランではこのタイプの魔装機は準魔装機と呼ばれている。
- ガディフォール
- 風系正魔装機ソルガディの量産型。
- ブローウェル
- 大地系正魔装機ディアブロの量産型。精霊の分類は大地系低位の「林」である。
- アゲイド / ギンシャス / リブナニッカ / ベンディッド
- バゴニアの量産型。バゴニアの慣習で、強化型には末尾に「+」がつく。
- ギルドーラII
- シュテドニアスのBクラス魔装機ギルドーラの簡易量産型。
超魔装機
カークス・ザン・ヴァルハレヴィアが提案した「超魔装機計画」に由来する魔装機らを指す。魔装機の性能を割り出すうえで不安要素のひとつに数え上げられる精霊の加護。それを必要とせずにAクラス魔装機を超える出力を引き出すことを目的としている。いずれも大型で世代としては2.5世代に区分されるという。
- デュラクシール / デュラクシールII
- 疑似プラーナ発生装置と対消滅機関の搭載で魔装機神に匹敵する性能を得た特機級の魔装機。開発者はセニア・グラニア・ビルセイアだが、後にテューディ・ラスム・イクナートが設計図に手を加えたことでポテンシャルの数値が飛躍的に上昇したようだ。
- シュテドニアスの内戦に投入されたデュラクシールの改良機。量産も視野にした設計思想なためか、セニアからは嫌悪交じりに「劣化機」と酷評されている。
- エウリード / エウリードII
- ラングランのカークス将軍がラ・ギアスに送り出した超魔装機。魔装機神に匹敵するポテンシャルをもっていたが、紆余曲折の末、現在はシュテドニアス側がエウリードのデータを有効に運用している。将軍は熱烈なラングラン愛国者であったため、言葉に出来ない皮肉な結果を迎えたとしか言いようがない。
Dクラス魔装機
正確には魔装機ではない機体だが、このクラスに分類されている。
- ルジャノール改
- 土木作業用の機械を戦闘用に改造したもの。世代としては第一世代に分類される。
ラ・ギアス製魔装機の魔方陣
精霊の恩恵を受けるラ・ギアスの魔装機は、強力な攻撃を発動する際に魔方陣を展開する。魔方陣の陣形、展開される象徴は契約した精霊の属性ごとに異なるが、例外も存在する。象徴の数が属性ごとに異なる理由はまだ不明である。
- 風系魔装機
- 象徴は羽。色は緑。象徴の数はひとつで、魔方陣の中心に位置している。また、陣の円周に沿って「風の渦」を思わせる幾何学文様が六つ並んでいる。
- 水系魔装機
- 象徴は滴。色は青。象徴の数はふたつ。魔方陣の上下に配置されている。水の魔装機神ガッデスは炎の魔装機神グランヴェールと、火と水の魔方陣を融合して展開させた黒色の魔方陣から相反する属性による強力な複合攻撃を発動させることができる。
- 炎系魔装機
- 象徴は灯火。色は赤。時計回りに三つの象徴が配置された魔方陣を展開する。前述のとおり、炎の魔装機神グランヴェールは水の魔装機神ガッデスとの複合攻撃が可能。
- 大地系魔装機
- 象徴は3個の正三角形で構成された等脚台形(山を表している?)。色は黄色。象徴の数は四大属性最大の4で、陣の上下左右に時計回りに配置されていく。
- 例外1:魔装機神サイバスター
- 描く魔方陣は上記のいずれにも属さない。時計回りに太陽・風・水・月・炎・大地と6個の各種元素の象徴を配置した六芒星魔方陣と、象徴の存在しない六芒星魔方陣を展開する。象徴を用いた六芒星魔方陣を必要とする攻撃は、「コスモノヴァ」と「乱舞の太刀」と「アカシックバスター」での突撃。象徴のない六芒星魔方陣を使用した攻撃は、魔方陣から火の鳥を射出する「アカシックバスター」と、精霊憑依(ポゼッション)状態で使用する「ハイファミリア」。
方陣の色も攻撃に応じて変動する。「乱舞の太刀」を仕掛ける際は風系の緑だが、「コスモノヴァ」と「アカシックバスター」での突撃や、精霊憑依状態での「ハイファミリア」の際の方陣は蒼みがかった白色に変わる。また、火の鳥を放つ「アカシックバスター」での方陣は赤く輝いている。
さらにサイバスターは攻撃時に展開する魔方陣の数が豊富で、精霊憑依状態で使用する「真伝・乱舞の太刀」ではふたつ、「コスモノヴァ」では四つも展開する。 - 例外2:邪神
- ヴォルクルス、ラスフィトートとそれらの眷属は、文章での説明が少々困難な魔方陣を展開する。大きな特徴をひとつ挙げるならば、大小ふたつの正円が中心となって魔方陣の幾何学文様を展開することだろうか。色は紫色。
『真・魔装機神 PANZER WARFARE』のア・ゼルス製魔装機
「ダウスの穴」より飛来する魔物の群れにより滅亡の危機に瀕していたア・ゼルスに突如として落下してきた「神の腕」と呼ばれるパーツを解析して得た技術によって開発された機動兵器の総称。「神の腕」がラ・ギアスの魔装機神サイバスターの物であると思わせる設定であり、そのためかア・ゼルスの魔装機の構造はラ・ギアスの魔装機とほぼ同じ物となっている。
ただし腕一つだけから技術を得たためか、動力源はフルカネルリ式機関と永久機関の域には達しておらず、量産型魔装機の精霊との契約は精霊石を用いた簡易的なものであり、リニアレールガンなどの武装が無い等の発展途上の面が多く見られる。また、ダウスの魔物と戦うことを想定していたためサイズもほとんどが20 m以下と小さめになっている。解析元であるサイバスターの影響か、全魔装機が飛行可能となっているのも特徴の一つである。
ラ・ギアス同様高位の精霊を宿した四機は「魔装機神」と呼ばれ、「神の腕」の機体その物を復元しようと試みていた影響からかその名称はラ・ギアスと同一、形状も酷似している。またラストに登場した闇の魔装機神イズラフェールは「神の腕」を装着することで真の魔装機神の力の一部を得るに至っている。
登場作品と操縦者
- スーパーロボット大戦EX
- 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- 16体全てが登場し、政治的な理由で存在しないことになっている17番目の魔装機イスマイルも登場した。
- 真・魔装機神 PANZER WARFARE
- ア・ゼルス版魔装機が唯一登場する作品。
- スーパーロボット大戦α
- 魔装機神サイバスターのみ参戦だが、赤い3騎士とマサキが戦闘した際、「ジャオームやザインなら落とされていた」とコメントしている。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 魔装機神4体とジャオーム、ディアブロ、ノルス・レイが登場。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 『EX』のストーリーを内包している。
開発関係者
- ウェンディ・ラスム・イクナート
- ラングランの魔装機計画の中心者。また、真・魔装機神に登場する「神の腕」には彼女の名前と推測できる文字が刻まれていた。
- フェイルロード・グラン・ビルセイア
- ラングランの魔装機開発を推し進めた人物。
- ゼツ・ラアス・ブラギオ
- バゴニア共和国の魔装機開発者。ラングランの魔装機を激しく敵視する。一切の倫理観を持たないエゴイスティックな狂人。