前大戦

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スーパーロボット大戦シリーズにおいて、本編開始前にあったとされる大戦のこと。特に単発系の作品では、あたかも前作があったかのようにゲームが開始され、原作の登場キャラクターがその戦いで既に死亡している場合もある。

「前大戦」に含まれることの多い版権作品

ガンダムシリーズ

機動戦士ガンダム
本編がグリプス戦役以降の展開がメインになる場合、一年戦争に相当する戦闘は「前大戦」以前に終了している。『第2次』『GCXO)』『OE』以外のほぼ全てが該当する。
機動戦士Ζガンダム
本編がグリプス戦役終了後以降が舞台になる場合が該当する。その場合はカミーユほか数人のみの参戦が多く、シロッコによる精神崩壊から立ち直った後[1]が描かれる。『COMPACT2』『COMPACT3』『A』『R』『D』『MX』『V』などが該当する。
機動戦士ガンダムΖΖ
ΖΖが参戦するゲームではグリプス戦役及び第1次ネオ・ジオン抗争がシナリオの肝になることが多く、『A』『D』では木星に旅立った後が、『COMPACT3』『MX』『V』では原作終了後も戦い続けている様が描かれる。
新機動戦記ガンダムW
続編である『Endless Waltz』が参戦する『A』『R』『W』などでは暗黙として終了後扱いである。
この作品が参戦する場合は大抵がOVA版であり、TV版の原作再現が充実しているのは『64』『再世篇』位。TV版として参戦する『D』でも、本編開始前に原作のイベントはほぼ終了している。
ただし、『COMPACT』では誰もトレーズOZのことを話題にしないため、詳細は不明となっている。
機動戦士ガンダムSEED
続編である『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のストーリーが舞台である『Z』『K』『L』では原作終了後として描かれる。
機動戦士ガンダム00
続編である『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』のストーリーが舞台である『UX』『BX』『V』では原作終了後として描かれる。

マクロスシリーズ

超時空要塞マクロス
マクロス7』単独の参戦である『D』や、『マクロスF』単独の参戦である作品では「前大戦」以前のものとして扱われる。
ただし『L』以降のスパロボにおいては、マクロスシリーズは異世界からの来訪者であるパターンが多いため[2]、マクロス関係の前史が作中で言及されること自体が少ない。
なお、原作では地球上の生命体の99%以上が消滅する壊滅的被害を受けているが、SRWでは他作品との兼ね合いもあり、前大戦として採用された場合でも間違いなく原作よりも被害が減っていると思われるのも特徴。

その他リアル系

機動戦艦ナデシコ
続編である『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』のストーリーが舞台である『MX』『V』『T』では原作終了後として描かれる。

ダイナミック系

マジンガーZ
COMPACT3』『K』では原作終了後であり、敵はほぼ登場しないか、野良機械獣の扱いである。
また、続編である『グレートマジンガー』や『UFOロボ グレンダイザー』、『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』がメインとなる場合、ほぼ原作終了後である。
ゲッターロボ
『A』『COMPACT2』『MX』では、本編前に恐竜帝国を地上から追い払ったことになっている。

その他スーパー系

超電磁ロボ コン・バトラーV
COMPACT3』ではコン・バトラーVの登場シナリオのオレアナ戦のみで原作再現が終了する。『A』『R』『SC』では既にオレアナが倒れた原作後半から本篇がスタートする。
超獣機神ダンクーガ
COMPACT』『COMPACT2』『IMPACT』『第2次Z』では本篇開始前にムゲ・ゾルバドスが倒されており、主にOVAシリーズのシナリオが再現される。

スパロボ作品

作品によっては前大戦の内容が異様に濃厚になっていることもあり、前大戦をやりたいスパロボと称される事もある。

王道シリーズ(旧シリーズαシリーズZシリーズ)、OGシリーズ

続編が出た際、過去の作品は前大戦として扱われる。第2次の時の初代、第3次の時の第2次など。なお、αシリーズにおいてはα外伝第2次αの間で「αで和解を果たしたキシリア率いるネオ・ジオン勢力との武力衝突」「Dr.ヘル一派の壊滅とヘルの戦死」という事件が起きた模様。前者については第2次αでキシリアが温存していた戦力はシャアの旗下に入ったとされているが、キシリアの存在は一切語られないため少なくともキシリアは死亡していると思われる。後者も地獄大元帥の言動や関連書籍からその時期の壊滅をうかがえる程度で、詳細は語られないままαシリーズは終了してしまった。

OGシリーズでは第2次OG以降、過去作品のあらすじ、即ち前大戦のあらすじを閲覧できる「アーカイブモード」が搭載され、過去作品をプレイしていない場合でもおさらいを一通りする事が可能となっている。

COMPACTシリーズ

いずれも同じような導入であるが、作品間にストーリー上の繋がりは一切ない。

スーパーロボット大戦COMPACT
宇宙世紀00XX。メガノイド戦役及びムゲ・ゾルバドス帝国の来襲により地球はかつてない戦乱に巻き込まれる。
スーパーロボット大戦COMPACT2スーパーロボット大戦IMPACT
宇宙世紀00XX。グリプス戦役の裏で機械獣軍団、恐竜帝国、メガノイド、ムゲ・ゾルバドス帝国といった幾多の勢力が入り乱れていた。アーガマ隊とスーパーロボットによって戦乱は終結に向かい、ムゲの宇宙に乗り込んだダンクーガガンドールによってムゲも倒された。
スーパーロボット大戦COMPACT3
宇宙世紀00XX。地上ではDr.ヘル一派ミケーネ帝国百鬼帝国キャンベル星人、宇宙ではジオン軍残党、ティターンズネオ・ジオングレミー軍、OZとの戦いが終結に向かい、過去最大の危機を乗り切ったかに見えた。しかし、状況を甘くみた地球連邦政府は残りの戦いを全てアーガマ隊に押し付け、スーパーロボットへの支援を中断してしまった。

携帯機作品

スーパーロボット大戦A
一年戦争グリプス戦役が既に終結している事が語られているのだが、一年戦争はともかくグリプス戦役は原作との剥離が多く、決定的な相違点として「ティターンズの発足とデラーズ・フリートが完全に無関係[3]」「シャア(とララァ)は一年戦争後行方不明となったまま、グリプス戦役に参戦していない[4]」「グリプス戦役にジュドーが参戦しているが、ハマーンとの決着を付けることなくルーと共に木星へ旅立っている」事が挙げられる。
スーパーロボット大戦R
プロローグや本編中で一年戦争に触れられる他、「先の大戦」という形でEVE WARS第7次宇宙戦争に相当する戦乱についても語られる。ただ、各原作での経過年数が違いすぎる為か時系列やグリプス戦役については明言が避けられており、オペレーション・メテオとして実行された内容についても食い違いが見られるなど、大戦の詳細については不明な点が多い。
スーパーロボット大戦D
マクロスシリーズと宇宙世紀ガンダムシリーズ、チェンゲが同じ世界観にいる関係上、月面インベーダー戦争や一年戦争マックスミリアが参戦していたと語られている。パーソナルカラーが同じ色という事もあってミリアはシャアに興味を持っていたようだが一年戦争中に交戦する機会がなかったとのこと。ちなみに「早乙女の反乱」で地球が荒廃してしまう事との兼ね合いか、それよりも先に一年戦争が起きているため、一年戦争からシャアの反乱までの期間が原作よりも長い(宇宙暦129年に一年戦争、本編が宇宙歴145年なので間が15~16年。早乙女の反乱が宇宙歴133年に起きている)。このため、ゲッターチームも一年戦争に参戦していたものと思われる。
スーパーロボット大戦UX
公式サイト等にストーリーが書かれていない為、詳細は不明。作中では第1次および第2次連合・プラント大戦が前大戦として扱われている。また、『機動戦士ガンダム00』の2ndシーズンと『獣装機攻ダンクーガノヴァ』が第2次連合・プラント大戦と同時期と思われる。
『00』1stシーズンはガンダムタイプの存在や、『SEED DESTINY』(『SEED』の2年後)と『00』2ndシーズン(1stシーズンの4年後)が同時期として原作の時間経過を計算すると『SEED』の2年前になる事から、第1次連合・プラント大戦のさらに以前になると思われるが、詳細不明。さらに時系列が『00』1stシーズン→『SEED』とすると、世間的に忌み嫌われているガンダムタイプの機体がソレスタルビーイング以外の勢力によって製造され活躍したという事になる(しかも量産機として大量生産したまで存在する…)。なお、『SEED』シリーズのガンダムタイプは実際の作中では機体名に「ガンダム」が付かないという事になっているのだが、この場合「ソレスタルビーイングとの関わりを否定する為に機体名からガンダムを排除している」という解釈も出来る[5]
また、前大戦は基本的にそれぞれの原作通りに進んだと思われがちだが、シンはデスティニープランに反対したとも受け取れる場面が存在する事や高山版の台詞を使う事等から、少なからず相違があった可能性も有る。
なお、本編中で明かされているのは「シンはステラレイを救う事が出来なかった」「シン、キラ、アスランは前大戦屈指のトップエースとして活躍した」「キラは『UX』本編で初対面のはずの刹那を呼び捨てにする(=前大戦で共闘した?)関係」「前大戦終了後、シンはキラとアスランと和解し、平和のために戦う事を誓い合った」「シンルナマリアは前大戦終了後ザフトからオーブ軍に移籍した」「ラクスプラントの議長になった」「アスランは再び『アレックス・ディノ』に戻った」「ソレスタルビーイングとチームDは顔見知り」「チームDはキラ達とは共闘していない(実際、キラ参戦時にジョニーくららがキラとアスランの実力に驚いている描写が有る)」「チームDはエイーダ以外のメンバーが記憶を消して一般人に戻る事を選んだ」という事である。
スーパーロボット大戦BX
ストーリー紹介では『AGE』フリット編・アセム編、『逆襲のシャア』までの宇宙世紀ガンダムシリーズ、TV版『00』、『F』・『30』以前のマクロスシリーズ作品等が前大戦として扱われている。あまりに凄まじい事になっているのでこちらを参照。
特に『AGE』以外の作品の前大戦は、全て『AGE』フリット編以降に起きている。この為か、ユーザーからはフリットの半生が原作以上に壮絶なものとなっている」と評判である[6]
また未参戦作品である『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』の出来事についても仄めかされているという珍しい作品でもある。

VXT三部作

スーパーロボット大戦V
三つの地球を舞台とした特殊な世界観のためか、それぞれの地球にそれぞれの前大戦が存在する。どの地球の前大戦もそれらだけでスパロボが一作作れるほどの濃い物となっており、それぞれの世界出身キャラたちも顔見知りが多い。
スーパーロボット大戦X
本作を構成する複数の世界の内、革命の世界の前史は『ダイターン3』『コードギアス(R2)』『ガンダムW』『ダンバイン』がクロスオーバーした、かなり濃い前大戦となっている。DLC「太平洋の死闘」では、その一端をうかがい知れる。
スーパーロボット大戦T
本編より700年前にオーラバトラー事件が勃発。
本編より10年前の一年戦争ではホワイトベース隊にマジンガーZやゲッターロボが参加しており、スパロボ御三家が10年来の戦友となっている。また、同時期にミケーネ戦役が起きており、エルドラメンバー科学要塞研究所と共闘してミケーネ帝国と戦っている。さらにこの後ベガ星連合軍の襲来もあったようだがそれについては甲児が「地球へ来訪した異星人はこれまでにもいたが、公にはされていない」と語っている事から表沙汰にはなっていない模様。
また、本編より約2年前にはグリプス戦役コスモ・バビロニア建国戦争蜥蜴戦争が同時に勃発しており、本編より1年前では木星戦役や東京にEI-01ブラックノワールが出現、第13回ガンダムファイトデビルガンダム事件、ネオ・ジオン抗争が進み連邦とネオ・ジオンが休戦になっている。

単独作品

スーパーロボット大戦MX
『Ζガンダム』、『ガンダムΖΖ』、『Gガンダム』、『TV版ナデシコ』、『マジンガーZ』、『グレートマジンガー』、『ゲッターロボ』、『ライディーン』、『ダイモス』と原作終了後の作品が非常に多く、「前大戦が異様に濃いスパロボ」の先駆けになったと言える。中でも前大戦中最大のクロスオーバーは『Gガンダム』終盤でガンダム連合に初代ガンダムに乗り込んで参戦したアムロであろう。また寺田貴信Pの中では、作品自体は参戦していないもののシローコウもガンダム連合に参戦していたとのこと[7]
スーパーロボット大戦OperationExtend
やはり原作終了後の作品が非常に多く、その数は二桁に及ぶ。それらの原作由来の敵が現れても、いわゆるモブ・一般兵搭乗のやられメカが大半を占める要因にもなっている。
「前の戦い」の時間軸が明らかな作品の方が少ないほどだが、エルドランシリーズのように若年から年齢を動かしにくいキャラクターも多い都合上、ほぼ間断なく本編戦役に臨んでいる設定も多いと思われる。
スーパーロボット大戦30
本編より30年前にワンオフのスーパーロボット達が所属や立場を越えて集い立ち向かったスーパーロボット大戦が勃発。[8]
本編より10年前に一年戦争ヘル事変、ミケーネ戦役、インベーダーとの月面戦争、原種大戦が勃発。
本編より8年前に木星圏で地球人類とウルガルの初接触。
本編より3年前にグリプス戦役第1次ネオ・ジオン抗争。地球圏の政情不安によりブリタニア派閥が台頭し、各地で反乱活動が活発化。
本編より1年前に異星人の侵略による星間戦役、第2次ネオ・ジオン抗争シャアの反乱)、皇帝ルルーシュの暗殺(ゼロレクイエム)。これらの戦乱の終結により「奇跡の一年」と言われる平和な時代が訪れる。
本編の直前、第3次ネオ・ジオン抗争ラプラスの箱騒動)によって再び地球連邦の権威は失墜しザンスカール帝国の台頭を招くことになる。

関連作品

スーパーヒーロー作戦
新西暦154年、異星人による侵略戦争が勃発する。SRXが単身敵中枢に突撃、ズフィルードジュデッカを撃破し、大戦を終結させる。

脚注

  1. T』では劇場版Ζのようにカミーユは精神崩壊しなかったがΖΖへと繋がっている、という変則的な設定。
  2. そうでないものは『BX』のみ。『OE』は異世界かそうでないか明らかでない。
  3. 「デラーズ・フリート蜂起とティターンズ発足に因果関係がない」という展開はスパロボでは珍しくないが、デラーズ・フリートが蜂起する前にティターンズが壊滅していたというパターンは珍しい。
  4. このため、グリプス戦役が終わっているのにシャアとカミーユに面識がない
  5. 余談だが、同じく『SEED』シリーズと『00』を世界観に含む『V』の西暦世界では、3年前に『SEED』と『00』1stシーズンの、1年前に『SEED DESTINY』と『00』2ndシーズンの物語がそれぞれ起きているため、『UX』世界もまた同様になっている可能性も有る
  6. 『BX』世界の略年表から一例を挙げると、地球の人類が滅亡寸前にまで至った第一次星間大戦と『AGE』フリット編の一連の戦いが同じ年に勃発している。つまり、本作のフリットはリン・ミンメイの活躍を間近で見ていた事になるので、ゼントラーディとは分かり合えたのにヴェイガンとは分かり合えないという絶望を味わった事になる。さらに、フリットは「ガンダムシリーズで発生した出来事のほとんどをほぼ間近で体験している」という、地獄を経験している。
  7. メディアワークス『スーパーロボット大戦MX ザ・コンプリートガイド』412頁。
  8. 言うまでもなくスパロボ30周年を元にしたメタネタであるが、1年戦争が10年前であるため「この時代はモビルスーツはなかった」と明言されている。