クロッシング・パイロットは、スパロボシリーズのシステムのひとつ。
概要
『スーパーロボット大戦DD』にて初登場した特殊乗り換えシステム。ゲームの性質上、システムであるとともにイベントとしても扱われる。
版権の枠を大きく超えた乗り換えが行えるシステムで、特定主人公機ユニットに別作品のパイロットが乗せられるというもの。限定イベント期間中に特定の条件を満たすと専用ユニットパーツを入手し、乗り換えが行えるようになる。本編で乗り換え前の機体並びにパイロットが加入していない場合はイベントを進めるとメインシナリオの進行に関係なく入手できる。
機体は元のパイロットとの乗り換えの場合もあれば、半スパロボオリジナルユニットとして新規に機体が用意される場合もある。ただし通常の乗り換え同様通常版パイロット[1]とは同時に編成・出撃させることはできず、機体乗り換えの場合は乗り換え先も同時編成不可になる。また、ユニットパーツはそれぞれパイロット毎に対応したもの[2]でないと装備できず、クロッシング・パイロット専用のものは対応する専用の限界突破素材でないと限界突破できない等制約は多い。加えてユニットパーツや限界突破素材はイベント期間中のイベント用クエストでしか入手できないため、終了後は同イベント復刻以外で入手する手段がない。なお、Ver3.0.0で追加されたユニットパーツ昇格でレアリティを上げた場合は、限界突破に必要な素材が通常の限界突破素材に変更される。「クロッシング・パイロットR」以降は限界突破が通常の限界突破素材で行える仕様になり、専用の限界突破素材は廃止になった。
入手できるユニットパーツは対応する機体の初期必殺技パーツに該当する物のみで、後から追加されたSSR必殺技パーツに該当する物は追加されない[3]。
ミッション『「○○」で○○回クリア』は乗り換え前の機体が適用され、クロッシング・パイロット用の機体には用意されていない[4]。逆に言えば、乗り換え前の機体の機体改造やユニットパーツが揃っていない場合は、こちらの機体に載せて達成させる事も可能といえる。
第2弾~第5弾ではクロッシング・パイロットの対象となるパイロット[5]に専用配布オーブが用意されており、共通項として最大強化で気力上限増加という強力な効果が付与される。各機の運用上の根幹となる強力な効果であり、イベント終了後は期間限定ガシャのおまけコードで入手するしかないと入手手段が非常に限られるのが難点。
2023年11月には「クロッシング・パイロットR」としてリニューアル。過去とは異なりSSR必殺技パーツは開催期間中ガシャでの入手となり、同時開催の共闘戦と連動し、共闘戦にガシャを要求するミッションとなっているが、ミッション終了後に対象のSSR必殺技パーツが配布される形となっている。
イベントシナリオはそれぞれ専用の設定・シナリオが用意されるため、メインシナリオとは基本的には関係がない。例外として、第5弾イベントのみ序章ワールド4の前日譚として描かれている。
組み合わせ
機体 | パイロット | 通常版との違い | 脚本 | |
---|---|---|---|---|
第1弾 | マジンガーZ | アムロ・レイ | パイロットのみ(乗り換え式)[6] | 森住惣一郎 |
第2弾 | ウイングガンダムゼロリベリオン | ゼロ | オリジナル機体(別機体扱い) | 谷口廣次朗 |
第3弾 | ビルバイン | マサキ・アンドー | ディスカッター装備(乗り換え式) | 阪田雅彦 |
第4弾 | ボルテスV | 相良宗介 メリッサ・マオ(以下サブパイロット) クルツ・ウェーバー テレサ・テスタロッサ アンドレイ・セルゲイビッチ・カリーニン |
超高速ミサイル装備(乗り換え式) | 中川直人(脚本) 賀東招二(監修) |
第5弾 | スコープドッグ | アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ | オリジナル機体(別機体扱い) | 竹田裕一郎 |
R | 真ゲッター1 | 式波・アスカ・ラングレー 碇シンジ(以下サブパイロット) 綾波レイ |
陽電子砲装備(乗り換え式) | 寺田貴信 |
作品を超えた乗り換え例
- ガルガンチュワ、パンタグリュエル
- 『第3次』に登場する『コン・バトラーV』の機体と、その後継機という設定のSRWオリジナル機体。両機体とも『ライディーン』のコープランダー隊の乗機にされる。
- 『コン・バトラーV』と『ライディーン』には「長浜監督作品」という接点があるが、作品内容そのものには接点はなく、また「航空機パイロットのキャラが(脇役機体とはいえ)スーパーロボットに乗る」という突飛さもあるため、ある意味では最初のクロッシング・パイロットと言えるかもしれない。
- ブルーガー、ガルバーFXII
- 前者は『ライディーン』、後者は『ダイモス』の機体。『第4次(S)』では同じ乗り換え系列に設定されているため、彼らの間で作品の枠を越えた乗り換えが可能になっている。
- 『ダイモス』も「長浜監督作品」であり、↑の例と通じる。こちらは主役機のサポート航空機同士での相互乗り換えという形態なので良くも悪くも自然である。
- デビルガンダム (OG)
- 『新スーパーロボット大戦』に登場するデビルガンダムのSRWオリジナル形態。『レイズナー』のゴステロを生体コアにしている。
- こちらは『Gガンダム』と『レイズナー』という全く接点の無い2作品の組み合わせのため、より本項に近いかもしれない。
- 敵サイドでは別々の作品同士の組み合わせは旧シリーズの早期から行われており、シロッコやドン・ザウサーがオリジナル機体に乗ったり、三輪長官がダブデに、あしゅら男爵がゲッタードラゴンに乗るなどのクロスオーバーも行われていた。
- ダガーL、ウィンダム、ザムザザー、ゲルズゲー
- いずれも『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』登場機体。『K』のある場面では、パイロットの連合兵が『蒼穹のファフナー』のフェストゥムに同化された状態で登場し、台詞もフェストゥムと同じになっている。
- 機体が乗っ取られるというよりパイロットが他作品の敵同然の状態になるという変則的なパターンだが本項に通じるものがあると言える。
- また、ウィンダムは『Z』にてイベントのみだがスパロボオリジナルキャラクターであるツィーネ・エスピオ(グラフィックは連合兵)が搭乗して戦闘も行っている。
- 円盤獣ギンギン、円盤獣ゴスゴス、ミニフォー
- いずれも『UFOロボ グレンダイザー』の登場メカだが、クロッシング・パイロットが採用されている『DD』にて、ギンギンは早乙女博士がゴーマンから機体を奪い搭乗、ゴスゴスとミニフォーにはインベーダーがメタルビーストにならずに乗っ取った。
- まさかの敵側のクロッシング・パイロットと話題になった。
- ゾンダーメタルや擬態獣による機体の乗っ取りはαシリーズ以降でも見られたが、『BX』以降はNO PILOTに置き換えられており、『DD』でもメインシナリオではそちらの扱いになっている。
余談
- 寺田P曰く、クロッシング・パイロットは関係各所の調整に困難を極める上、ユーザーだけでなく原作のスタッフやキャストも満足する内容にしなければならないため、本来であれば1年に一度できるかどうか分からないイベントであるとの事[7]。
- 作品の枠を越えた乗り換えとしては、『第2次』の時点で甲児がグレートマジンガーへの乗り換えを行っている。
- 先述のクロッシング・パイロットに関連するパイロットオーブの難点は、『DD』で新たに始まった期間限定イベント「共闘戦」にほぼほぼ受け継がれており、強化できる能力が気力に限っていない上に復刻も以降の共闘戦内で新装備を引いた時のリソースを求められるなど難点が深刻化し、ガシャへの依存度が高くなっている。
- 真ゲッター1が対象のクロッシング・パイロットRが発表された2023年11月24日は、超高エネルギー宇宙線「アマテラス粒子」が現実に観測されたことで話題になっており、超高エネルギー宇宙線の共通項を持つゲッター線が話題に挙がった日であった。また11月24日は自然科学者であるチャールズ・ダーウィンの本『種の起源』が刊行された「進化の日」だったため、偶然に偶然が重なった発表と相成った。
関連用語
脚注
- ↑ サブパイロットがいる場合はそれも含む。
- ↑ 例えば「マジンガーZ/アムロ・レイ」の場合、通常版のブレストファイヤーは装備不可能。逆も同様で通常版はクロッシングパイロット専用のものは装備できない。
- ↑ 例として「マジンガーZ/アムロ・レイ」の場合はブレストファイヤー(CP)があるが、ルストハリケーン(S)に該当するパーツは存在しない。
- ↑ 乗り換え前の機体が2機以上ある場合は初期機体が適用される。
- ↑ 第4弾では「ボルテスV DX超合金発売記念ミッション」として剛健一にも同様のオーブが配布されており、同様の問題点を抱える。
- ↑ ブレストファイヤーの戦闘演出のみ甲児搭乗時とは全く異なるものに変更されており、甲児版は地上で直立した状態で発射するのに対し、アムロ版はジェットスクランダーで高速接近し上空から発射、その後Uターンして離脱する演出となっている。
- ↑ 2021年10月25日の生スパロボチャンネル
- ↑ 劇場作品『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』で搭乗。