ファフナー(Fafner)とは、『蒼穹のファフナー』及び『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』に登場する機動兵器。
概要
フェストゥムの読心能力を防ぎつつ戦うことのできる唯一の兵器。
機体の名称は北欧神話に出てくる、竜に変身してしまった巨人「ファフニール」に由来している。
武装・機能
ファフナーの性能は機体ごとに異なるが、ある程度共通の武装を持つ。以下の通り。専用武装は各機体を参照されたし。
機能
- ニーベルング・システム
- 搭乗者の思考や身体感覚を機体制御に反映して動く専用インターフェースシステム。端的に言えば「操縦する必要が無い」ということであり、反応速度が非常に高く、操縦も容易なものとなる。操縦桿に設けられた左右合計10個の指輪に指を通すことでファフナーは起動し、両肩・両脇腹・両膝にコネクトを打ち込むことで、搭乗者とファフナーが一体化する。特に後述するノートゥング・モデルはより一体感を高めるため、このコネクト打ち込みに際して絶叫するレベルの痛みを伴う。
- 所謂思考制御型のマシンだが、本質的には機体と融合するタイプであり高性能な機体ほどよりそちらに近づいてゆく。この手の機体のお約束として機体の受けたダメージが痛みがパイロットにフィードバックされるが、特筆すべきは通常の肉体感覚もフィードバックされるという点。それに伴う精神的重圧に耐えることが出来なければ操縦すらままならない。メガセリオン・モデルはその重装甲から乗り手が限られ、ノートゥング・モデルでは搭乗した人類軍のエリートパイロット達[1]が違和感から泣き出してしまった。ザルヴァートル・モデルに至っては違う『モノ』になる、いわば「腕が銃になる」と言った感覚を受け入れることが必要となってくる。時期によって差があるが、痛みのフィードバックについてはシナジェティック・スーツの着用で軽減される。
- なお、小説版およびSRW未参戦の続編『蒼穹のファフナー EXODUS』においてはファフナー搭乗者は指にニーベルング接続の跡が残って消えなくなる描写があるが、これは末梢神経に起こる小規模な同化現象であり、歴戦パイロットの証でもある。
- ジークフリード・システム
- パイロットとのクロッシングを行う、ファフナー用統括指揮管制システム。フェストゥムによる読心と傍受を防ぎつつ外部からの戦術指揮を可能とする、無印時点でのアルヴィスの切り札の一つ。
- 変性意識
- ジークフリード・システムと並び、フェストゥムの読心能力に対抗するためのノートゥング・モデル独自のシステム。普段と異なる思考を前面に出すことで心のガードを形成する。ジークフリード・システム同様、フェストゥムを混乱させる形で読心を防いでいる。変性意識はパイロットの深層心理とシナジェティック・コード(ファフナーと連結するために必要な脳の状態を表す数値)の形成率によって変化するが、それは本性ではなく「戦闘向きに変わった状態」であり、一騎のように人格の変貌が起こらない場合もある。高い自意識を以てすれば変性意識の影響を抑え込むことが可能である様子で、『HaE』以降の剣司は精神的成長と指揮官としての意識のためか、無印時代のような臆病な一面を見せていない。
- 機体構造
- セラミック系の外部装甲に金属系の内部フレーム、その間に液体金属を挟んだ積層型の構造を採用。刃物に対する防御性能が高い。同化によるフェストゥムのワームスフィア現象による攻撃はあまりにも威力が高いため、初期は一撃でもまともに喰らえば致命傷になるなど防御面では脆かったが、後に日野洋治の設計思想を反映することで、通常のワームスフィア程度なら無傷で耐える防御力を得ている。
- 作中の戦闘描写を見る限りファフナー同士の戦闘は考慮されていないようで、性能が向上したHaE以降でもエウロス型のライフルなど人類の扱う兵器には相変わらず脆いように思われる。
- フェストゥム・コア
- 文字通りの代物。ファフナーをファフナーたらしめている重要なパーツ。これのおかげでアルヴィスのファフナーとザルヴァートル・モデルはフェストゥムに対抗できる高い性能を獲得したが、一方でフェストゥムの因子をもつ限られた人間しかパイロットになれず、同化現象や生産可能数の問題を抱えることになった。
- コアを持たない人類軍製ファフナー三機種は訓練によって擬似シナジェティック・コードを形成し、人海戦術によって敵に対抗することになる。
- イージス装備
- ファフナー版バリアであり、機動侍の代名詞であるほか、蒼穹作戦ではマークドライとマークアハトにも装備されている。物理的な防御力を持ち、体当たりで敵を押しこむことも可能。当初は赤いバリア、HaE以降は技術の進歩で青白いものになった。
- リンドブルム
- 飛行用の支援メカ。基本的にジークフリード・システムからの遠隔操作だが、パイロットやリンドブルム専任のパイロットによる操作も可能。設定上は大型爆撃機としての単独運用もできる。
- フェンリル
- 時限式の自爆装置。気化爆弾だが現実における燃料気化爆弾と同一の兵器かは不明(フェンリルでは水中でも起爆可能)。
- 名前の由来は北欧神話で主神オーディンを噛み殺した狼「フェンリル」から。
- フェストゥムを殲滅できる威力を有しているが、これの起動は搭乗者に座して死or同化を待つか、刺し違えるかの二択しか残っていないことを示しており、常にパイロットの犠牲が付きまとう。羽佐間翔子や日野道生はこれで戦死してしまっている。特にマークザインに搭載されたフェンリルはノートゥング・モデルの3倍であり、パイロットの同化現象が進行しきった瞬間に起爆される仕様となっている。本機の特殊性を考えればやむを得ない措置ではある。
- 本来はその威力から国際条約で保有数が制限されているのだが、従う義理がないとはいえアルヴィスはこれを無視しており、新国連側との軋轢の原因の一つになっている。
- 本来なら極めて非人道的といえるフェンリルだが、いなくなるのを待つだけとなった兵士が人として最期を迎える、あるいは使命を果たすための装置でもあり、過酷すぎる世界がこれを人の尊厳を尊重したシステムに変えてしまっている。また、同化によって強力な兵器や優秀なパイロット(の形をしたフェストゥム)がかつての同胞に刃を向けかねないこと、その最悪の例がマークニヒトであることを考えれば仕方のない処置でもあり、ファフナーという作品の苛酷さを象徴するものの一つといえる。
標準装備(ノートゥング・モデル)
- ナックルガード
- 格闘時に展開される手甲装甲。マニピュレーターを保護すると同時にパンチの威力を上げる……が、他の武器が充実していることもありほとんど使用されない。またフェストムを撃破すると自爆のワームスフィアーに巻き込まれてしまう為、格闘戦そのものを避けるべき傾向にある[2]。
- スパロボでは『K』のマインブレード使用時に見られる。
- レージングカッター
- 腕部に内蔵された切断力を持つロケットワイヤー。(ファフナーの巨体と比較すれば)細いワイヤーで敵を締め付け、熱伝導によってバラバラに溶断する。ワイヤーを使用する巨大ロボットは数あれど、糸使い[3]的な使い方が可能な大変珍しい武装。
- マインブレード
- 刀身が爆弾になっているナイフ。突き刺した後に折ることで時限式で起爆する。これは爆破・自爆からの離脱の時間を稼ぐための機能でもある。敵を内部から爆破する乾坤一擲の一撃……ならばよかったのだが、基本的に役に立たない。序盤で拘束されたエルフやゼクスがフェストゥムに突き刺そうとして失敗する姿が印象に残る。いろいろ不遇な描写が目立つ武器なのだが、小説では一騎が愛用しているという設定になっている。脛の関節を曲げたところに内蔵するという珍しいマウント方法になっている。
- デュランダル
- 三点バースト式ハンドガン。小型で携行性に優れるが威力は低い。腕部にマウント。
射撃兵装
- ゲーグナー
- 小型のレーザー兵器。充分な火力を保有しているがエネルギー装填が必要なのが欠点。
- PSPゲーム版では威力は微妙だが時間と共に弾数が回復していくという継戦能力に優れた武器だった。
- ガルム44
- 携帯式の機関砲。マークザインによって同化した時は弾丸一発で大爆発しており、威力も桁違いである。なお、銃口下にグレネード弾が装填されている。
- レールガン
- 実弾の射撃武器。電磁誘導で加速した弾丸を射出し、充分な威力を持つ。劇場版ではマークジーベンの主兵装として使用される。
- スコーピオン
- ビームマシンガン。カノンが愛用していた。
- ドラゴントゥース
- 長距離狙撃用のライフル。無印におけるマークジーベンの主兵装。高い攻撃力と射程を誇り、マークニヒト相手に通用しなかった事[4]を除けば百発百中。劇場版ではマークツェーンに回された。
- メデューサ
- 肩のハードポイントに装着する大口径化学レーザーキャノン。燃料と酸化剤を充填したタンクを有するために大型化。威力は高いが、化学レーザーであるため被弾すると最悪誘爆を起こして大爆発する危険性を抱えている。大がかりな兵装であり、肩部にハードポイントを有する中距離支援型のみが装備可能である。
- 劇中ではマークアハトが両肩に一門ずつ装備していたが、PSPゲーム版ではマークフィアーも左肩に一門装備している。
- Kでは「メデューサ」、UXでは「メドゥーサ」と表記揺れしている。
- 次元砲
- PSP用ゲームソフト『蒼穹のファフナー』にてマークザインを入手しなかった場合のみ入手可能な武器。右腕に装備可能。
- ファフナーのコアから直接エネルギーを取り出し、ワームスフィアーを発生させる。凄まじい威力を持つのだが砲身が1回の発射にしか耐えられない。よって弾数はたったの1。
格闘兵装
- ロングソード
- マインブレードの強化型。敵に突き刺した後に爆発する長剣。 フェストゥムを容易く両断する威力を誇る。
- ピラム
- 伸縮式の刃を敵に突き刺し電流を流し込む電撃兵器。性質上長時間敵に接触し続けるため同化速度が速いフェストゥムに対してはかえって危険な側面もある。
- ルガーランス
- 代名詞的武装。ロングソード同様の長剣だが、その名の通り中世の騎兵が使う馬上槍も連想させるような形状となっている。[5]
- 本来はフェストゥムに突き立てて刀身を展開、レールガンへ変形させながらフェストゥムの体を強引に切開し、コアを至近距離からの射撃で破壊するのが正しい使い方である。…が、マークザインが同化させて使った時は非常に強力になっており、一振りで通常のフェストゥムを撃破し、巨大なビームでアルヴィスと人類軍のファフナーを圧倒したプレアデス型をこれ一発で粉砕した。が、劇場版では改良の結果か弾頭が核融合プラズマに変更され、ビームを撃つのが本当に正しい使い方になってしまった。
- 射撃機能追加の弊害か、この時点でのルガーランスは柔軟な金属フレームと樹脂やゲル等の素材を硬いが割れやすいセラミックで包んで製造されている。そのため扱いが難しく、特に刀身(銃身)が折れやすくなってしまった。これを受けてか後に発展型の兵装が開発される。しかし、作中では二刀流で扱ったり投げつけて銃弾を弾くなど、かなり乱雑に扱われている。
アルヴィス製ファフナー
ノートゥング・モデル
遺伝子操作を施され、「シナジェティック・コード」を形成できる子供達しか操縦することができない。竜宮島の子供たちはほぼ全員が人工子宮で生み出されているが、その時点でファフナーに載れるよう調整が施されている。機体カラーは基本的にパイロットの心理に合わせて決定される。パイロット共々損耗が激しく、HaE終了時点で12機中5機が完全に損失。HaEで1機が新造される。
フェストゥムの核が組み込まれており、パイロットは乗るたびに同化現象が進む。パイロットと感覚を共有しており、操縦のためには「自分がファフナーになる」という意識が必要なほか、痛みなどがフィードバックされる。クロッシングによりジークフリード・システムのバックアップを受けられる。シナジェティック・コードの影響で搭乗者に一時的な性格変化が現れる。ただし、高い意識を持てば抑え込むことも可能だが例は希である。
同化現象の進行速度については、ジークフリード・システムを機体から分離したことでかなり緩和されてはいるが、それでも同化現象進行によるパイロットのリタイア、最悪死亡というリスクは未だ大きい。しかし、後に日野洋治の設計思想を反映した改良を重ね、同化現象の治療法の進歩も合わせてHaEの頃には剣司が「乗っただけでどうこうはならないから安心しろ」と後輩に言えるまでに改善され、性能も大幅に向上した。
名称は『ニーベルングの指環』に出てくる竜を殺した霊剣「ノートゥング」から採られている。さらに言うと「ノートゥング」も北欧神話に出てくる竜(ファフニール)を殺した剣グラムに相当する。 また、各機体のナンバリングはドイツ語の数字である。
- マークアイン(Mk.I)
- 汎用格闘型。ライトグレー。日野道生の専用機。無印で損壊。
- マークツヴァイ(Mk.II)
- 接近戦仕様。黒。蔵前果林の専用機。本編では搭乗直前に蔵前が行方不明となり、マークエルフの修復パーツとなった。以降欠番。
- SRW未登場だが、改修後のマークエルフはコアも含めてほぼ全部ツヴァイのパーツに入れ換わっているため実質マークツヴァイと言えなくもない。
- マークドライ(Mk.III)
- 汎用格闘型。オレンジ。要咲良の専用機だったが、蒼穹作戦ではカノン・メンフィスが搭乗する。HoEでは支援機リンドブルムとの合体状態で使用された。
- マークフィアー(Mk.IV)
- 中距離支援型。ダークグレー。春日井甲洋の専用機。HaEにて損壊。
- マークフュンフ(Mk.V)
- 防御特化型。紫。小楯衛の専用機だったが、HaEでは衛の後輩の堂馬広登が搭乗する。衛のゴウバインヘルメットは広登、広登から更にその後輩へと、フュンフ乗りに受け継がれていく。
- マークゼクス(Mk.VI)
- 空戦型。白。羽佐間翔子の専用機。無印で損壊。
- マークジーベン(Mk.VII)
- 空戦型。紫。遠見真矢の専用機。狙撃担当。HaEではスナイパー役を暉に譲る。
- マークアハト(Mk.VIII)
- 中距離支援型。緑。近藤剣司の専用機。
- マークノイン(Mk.IX)
- 黄。西尾里奈の専用機。マークアハトの同型機。火炎放射器を使用。無印では空席。
- マークツェーン(Mk.X)
- ライトグレー。里奈の双子の弟・西尾暉の専用機。マークアハトの同型機。ドラゴントゥース使用。無印では空席。
- マークエルフ(Mk.XI)
- 汎用格闘型。水色。真壁一騎の専用機。ツヴァイのパーツが流用されたため、カラーリングは2話にして変更。無印で人類軍に接収された後コアをマークザインに移植される。コアを抜かれた本体はモルドヴァ基地の自爆に巻き込まれてロストしたと思われる。
- SRWではファフナー初参戦の『K』では改修後の姿のみだったが、『UX』にて改修前の仕様も登場した。
- マークツヴォルフ(Mk.XII)
- 赤。立上芹の専用機で、マークドライの同型機。特殊すぎる装備『ショットガンホーン』を持つ。無印では空席。
- マークドライツェン(Mk.XIII)
- 真紅。羽佐間カノンの専用機。カラーリングはかつての愛機ベイバロンと同じ。HaEでの完全新造機。
ティターン・モデル
『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』(SRW未参戦)に登場した、竜宮島製ファフナーの第二世代モデル。開発者は日野洋治、ミツヒロ・バートランド。 TSX001〜004の全4機が製造され、全機が「L計画」にて運用された。ティターンはギリシア神話に出てくる巨人から。ノートゥング・モデルにほぼ倍するサイズで機体色は紅色。
動力炉はエーギル・モデルよりは小型化したが、技術的にまだ未成熟であったためジークフリード・システムは内蔵型となっている(後にノートゥング・モデルに搭載されることになる分割型ではないフル規格のもの)。 武装も内蔵された機関砲とミサイル、試作型ガンドレイク(射撃機能を強化したルガーランス系の兵装)と、後に開発される装備と比較すると至って心許ないが、ノートゥング・モデルに匹敵するパワーを持っていた。また、当時はフェストゥムが海中で活動出来ないと認識されていたため、いざという時に海中に逃げるために背部にサイレーンド(水中用推進装置)を装備している。コクピットは胸部にあり、頭部を喪失してもハッチを解放した状態で有視界戦闘が可能。ニーベルング・システムなど、インターフェース周りはノートゥング・モデルに比して洗練されておらず、シナジェティック・スーツも露出の全く無いデザインとなっている。
活動時間(厳密にはパイロットの連続搭乗リミット)もどんなに同化耐性が高くてもわずか15分(交代の時間を除けば10分以内)と、ノートゥング・モデルなどよりも格段に短く、囮として長く戦う目的で投入されたにもかかわらず、使い捨てさながらの機体となっている。ジークフリード・システムによるクロッシングのため、ツーマンセルでのツインドック運用が最低限の前提であるが、劇中ではスリーマンセルのトリプルドック運用も行われた。制限時間が来たらパイロットを交代させることになっていたが、その隙を突かれてパイロットやスタッフが戦死するというリスクも抱えていた。
ティターン・モデルそのものは『RoL』本編よりもかなり以前に完成しており、フェストゥム因子移植第一世代の数が少なくなった一因として、ミツヒロ・バートランドがこの機体を使った、シミュレーターを用いない実機搭乗という無謀な訓練を繰り返したことが挙げられる。
当初は8人シフト制で運用されていたが、ジークフリード・システムの内蔵の影響と技術的に未熟な機体だったため、搭乗時パイロットにかかる同化現象の負担はノートゥング・モデルの数十倍という恐るべきもので、惨たらしいと思うほどの凄まじい早さで同化現象が進行する。しかも、ファフナー乗りの宿命としてフェストゥム因子活性化が乗れば乗るほど悪化するというデメリットもあり、上記の制限時間以内で運用しても早々に同化現象の初期症状である昏睡状態に陥ってしまう[6]。
L計画に参加したパイロットの大半は、戦闘よりも同化現象の末期症状により結晶化して砕け散り「いなくなった」。パイロットの一人であった将陵僚も「敵よりもファフナーの方が怖い」と語っていた。この凄惨な状況にパイロットの一人は「どうせみんないなくなる」という落書きを書いてしまった。
しかし、僚の機体のコクピットブロックが島に漂着し、そこから得られた運用データによって皮肉にも問題点の洗い出しに成功。それが開発中のノートゥング・モデルに反映され、後輩達に希望を残したのが、僅かな救いだった。
エーギル・モデル
最初に設計されたファフナーで別名「ゼロファフナー」。エーギルとは北欧神話の巨人族のこと。HaEで専用機を失った西尾里奈と西尾暉が搭乗。
人類軍製のファフナー
アルヴィスのファフナーとは別に開発されたファフナー。フェストゥムのコアは使用されておらず、その能力はノートゥング・モデルに一歩及ばない。
- メガセリオン・モデル
- 重装型。男性向け。800機製造された。道夫の機体はシリアルコードとパーソナルカラーを与えられている。
- ベイバロン・モデル
- 高機動型。女性向け。200機と希少。
- グノーシス・モデル
- 汎用量産型。約30000機が製造され、全長20mとファフナーで最も小型。武器腕タイプの機体。
ザルヴァートル・モデル
スパロボに登場している中では最新型のファフナー。人類軍で開発されたフェストゥム・コア搭載型ファフナーであり、決戦用として位置付けられる超高性能モデル。 ザルヴァートルとはドイツ語で救世主の意。開発者は日野洋治、ミツヒロ・バートランド。
性能は既存の人類軍ファフナーはおろか、アルヴィスが保有するノートゥング・モデルをも遥かに上回っているが、その分同化速度も非常に速いのが欠点。ティターン・モデルよりも僅かに小さく、ノートゥング・モデルよりも大型のボディを持つ。装甲材質の一部にフェストゥムと同じシリコンを使用しているためか、自己修復能力すら備えているようである。
ザルヴァートル・モデルはコア周りに常気性の永劫導電回路を持つ。要するに空気中の物質を同化してエネルギーに変えており、本来の電源を消耗しないことから、機体そのものは半永久的に稼働出来る。ザインのそれは非常に強力なようで、同化した武器が威力を増していたのはこれが理由と思われる。
乙姫がいみじくも指摘したとおり、その本質は「人工フェストゥム」に他ならない。いずれの機体もフェストゥムの影響を非常に強く受けて変化し、作品を重ねるごとに変化を続けているため、変化前のザルヴァートル・モデル本来の性能は全く不明。変化前のザインがマスター型フェストゥムを退けている時点で、それまでのファフナーとは比較にならないほどの力を持っていたことは確かだが、今となってはそれを知る術は無い。結果的に開発者達それぞれのコンセプトを達成しているが、物語が進む中で加速度的にスーパーロボットじみていき、人の手に余るようになっていく。
その性能ゆえか敵味方、成功未遂を問わずとにかく盗まれるモデルで、ニヒトに至ってはアルヴィス・人類軍・フェストゥムの三勢力全てを渡り歩くハメに。
スパロボシリーズでの関連機体
- モビルスーツ
- 『UX』では、アルヴィスを極秘裏に支援しているオーブやザフトが、30年前のフェストゥム襲来から次の本格的な襲来に備えて、ファフナーに並ぶ対フェストゥム用兵器として開発しているという設定。
- ゲーム的にも一部のMSが持つVPS装甲や特殊回避、トランザムといった特殊能力はフェストゥムに対して有効に作用するため、偶然か計算かは不明ながら本当に対フェストゥム用兵器としての様相を呈している。
- 『UX』劇中にグノーシス・モデルが登場しないのは、MSの量産により主力機としての役割を奪われたからだろうか(モルドヴァ基地にもGN-X IVが配備されているのが確認できる)。幾度もバージョンアップが繰り返され、ファフナーと異なり技量で機体の幅の選択肢が増えるなど、様々な背景を考えるのが非常に面白い設定である。
脚注
- ↑ スパロボ未登場だが、後に竜宮島に帰化して現場あがりのオペレーターとして準レギュラーになる。
- ↑ 無印冒頭ではマークエルフが自爆に巻き込まれ大破したが、物語が進むにつれ操縦技量の向上や竜宮島の技術向上によりファフナーがある程度なら耐えられるようになっていき、格闘武装も増えていく。
- ↑ 鋼線使い、ワイヤー使いとも。極細の糸で敵を拘束・切断することを得意とする。某吸血鬼マンガや某美少女アニメなどに登場。
- ↑ 同化が施された状態で投げつけられたルガーランスに弾丸が弾かれた。
- ↑ ただしこれは本編時点での話で、RoLのティターンモデルは短い短剣型、以降も同様の機構を持つ発展型の兵装が発展されるなど技術の進歩が見れる
- ↑ 最短では6回目の戦闘(二週間・約50分前後)で同化現象の末期症状が発生していた。なお、『RoL』の時点では同化現象の治療法は確立されておらず、発症した場合は結晶化して砕け散る、つまり「いなくなる」のを待つしかなかった。