ゼーレ
ゼーレ(Seele)とは、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する組織。組織名はドイツ語で魂を意味する。
概要
国連や各国政府など、世界の背後で暗躍する秘密組織。議長であるキール・ローレンツが中心となり、ごく少数のメンバーで構成された議会に運営されている。巨額の富を持っており、使徒殲滅を目的に設立された武装組織である「ネルフ」や人工進化研究所である「ゲヒルン」を始めとする様々な下部機関を持つ。
元は組織ではなく中世暗黒期に誕生した宗教団体で、アダム・カダモンへの道…すなわち「不老不死」を教義としていた秘教秘密結社であったとされている。しかし、ゆるやかながらも確実に勢力を伸ばしていき、1900年代中頃には最後の抵抗勢力も壊滅させる事に成功。以降は人類世界を裏から支配する隠然たる勢力となっていったとされている[1]。
部外者に面会する時に素顔ではなくモノリスを見せるのが特徴。また、キール以外は声まで機械で変えている模様。メンバーは各界の有力者等が集っているとされる。一応、人類補完委員会と同じメンバーとみられるが、ゼーレは5人以上のメンバーがいるので詳細な実情は不明。
ゼーレは芸術や学術関連のパトロン集団としての側面も持ち、元が宗教団体であった事もあってか、己の宗教団体に関する古代建造物や遺跡の調査に多額の資金援助を行っていた。この中で、ゼーレのみならず人類にとっても重要な転機となる物が発掘され、それが後に「死海文書」と名付けられた古文書であった。
古文書の解析によって、2015年にて使徒が目覚めて人類に生存競争を仕掛けてくる事や、人類が求めてやまない不老不死になる方法等が記載されている事を突き止めたゼーレは、死海文書に関する情報を隠蔽する。その内容の中でも、重要ではない部分を「死海文書」として一般公開し、重要な部分は「裏死海文書」として自分達だけが秘匿したゼーレは、やがて来る使徒の襲来に備えた対策を行うのと同時に、世迷言としか思っていなかった先祖の信奉していた教義である「不老不死」を求めて「人類補完計画」を立ち上げるに至っている。
劇場版
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では最初からモノリスとして登場しており、『Q』では正体がヒトならざるものであるかのような存在で、モノリスには脳のような影がうっすら浮かんでいた。最終的には冬月によって電源と思われるスイッチを切られてその役割を終えたようだが、ゲンドウ達の反逆行為ではなく最初からこうなる予定である事がゲンドウとモノリスの01番との会話で判明している。
登場作品
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F(F完結編)
- モノリスが登場人物として登録される。『F完結編』の途中でゲンドウ達の暗躍によって皆殺しにされてしまった。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 原作と同じく人類補完計画を遂行するために暗躍し、ダカール演説によって失脚したティターンズを復権させ、裏から操りセントラルドグマに送り込む。
- バグが原因でキャラクター事典には登録されない。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- 諸葛亮孔明に送り込まれた衝撃のアルベルトによって皆殺しにされる(ただし、後のαシリーズではこのルートは正史ではない)。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- アポカリュプシスから逃れる為に、ブルーコスモスを裏から操り、再び人類補完計画を企てる。地球とプラントの戦争が終結し、カルネアデス計画の発動直前の隙を突き、補完計画を発動させるも、αナンバーズに阻止される。その末路は不明。
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 新劇場版設定で登場。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦L
- 新劇場版設定で登場。やはり人類補完計画を進めようとするが、ゲンドウがストーリー登場初期から危惧していた「13の不確定要素」に加え加納渚ら「リリスを始祖としない人類」の存在などの歪みにより死海文書のとおりに進まなくなり、使徒が現れなくなった、という理由で計画が頓挫してしまった。カヲル曰く「次に期待するしかないんじゃないかな」とのこと。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 青のライトに照らされた男が「委員A」、黄色のライトに包まれた男が「委員B」としてグラフィック付きに。他はモノリスのままである。かつては木原マサキを利用し、鉄甲龍の創設にも一枚噛み、人類補完計画の保険としてツェントル・プロジェクトを発足させるなど、相変わらずの暗躍を見せる。似たような存在である『ラーゼフォン』のバーベムと水面下で腹の探り合いをしていた。最期は二体の真聖ラーゼフォンを利用して補完計画を発動させるも、マグネイト・テンに阻止された挙句ゲンドウに道連れにされ、全滅する。
- スーパーロボット大戦DD
- 序章ワールド2に登場するNPC。「SEELE」名義。01・03・04の三人が登場。
人物
関連人物
他作品の関連人物
ゼーレはいずれの作品においても、「地球側の陰の黒幕」として扱われている為に、地球の様々な軍事組織や秘密結社、危険人物等が、ゼーレの尖兵や協力者になっている。
スーパー系
- 木原マサキ
- 『MX』ではかつてのゼーレの協力者。彼の開発した次元連結システムを利用してガフの扉を開こうとしたが、マサキに裏切られてしまい、ゼオライマーも持ち逃げされる。
- 現代に秋津マサトとして甦ったマサキは、ゼーレへの復讐と補完計画の破綻を企てていたが、ゼーレはそんなマサキの考えを読んでいた。そもそも『MX』の世界で本物が沖に暗殺されたのも、ゼーレの差し金だった可能性がある。
- ルラーン
- 『MX』ではかつてのゼーレの関係者の一人。同作での鉄甲龍の創設にはゼーレも一枚噛んでいた。現在でも鉄甲龍は時折ゼーレに行動を命令されており、逆らう事ができない立場にある。
- しかし幽羅帝を初め、多くの者はゼーレと繋がりがある事実を知らない。
- 塞臥
- 『MX』ではゼオライマーに倒された彼を拾い上げ手駒とし、三輪と共にNERV攻撃の尖兵とした。尤も、三輪同様彼もゼーレを利用する気満々で、最終的にはゼオライマーを手に入れて裏切るつもりだったようであるが。
- 三輪防人
- 『MX』ではバーム戦争で失脚した彼を拾い上げて手駒とし、復帰させてNERV攻撃の尖兵とした。三輪本人は利用されているのを知りつつも、司令の座に返り咲くためにゼーレを利用しているつもりだった。
- なお、『第3次α』において三輪はブルーコスモスに加わっている為、同作でもゼーレの尖兵という事になる。
リアル系
- ティターンズ
- 『α』にて、クワトロのダカール演説によって失脚した彼らを拾い上げ、手駒とする。同作でのNERV攻撃の尖兵は彼ら。最終的にはゼーレの後押しを得て地球圏での権力を復権させるも、『α外伝』にて壊滅してしまう。
- ブルーコスモス
- 『第3次α』におけるティターンズに代わる新たな手駒。彼らの連邦内での急速な勢力拡大やプラント攻撃もゼーレの支援を受けてのものと思われる。盟主であるアズラエルにはEVAの鹵獲も命じていた。同作において『SEED DESTINY』は参戦していないが、ゼーレの権力は明らかにロゴスのそれを上回っているのもあってか、アズラエルも内心腹立たしく思いながらもゼーレには逆らえなかった。
- 『L』においてはメンバーの一部がゼーレの構成員だった。
- 石神邦生
- 『L』にて「リリスを始祖としない人類」の存在を予見する報告書を作成していた。
バンプレストオリジナル
- ミタール・ザパト
- 『MX』における人類補完計画の保険・ツェントル・プロジェクトの主任。彼自身は研究の成果と地位と名誉の為にプロジェクトに加わっており、わりと常識的且つ現実的な考えで行動している。内心ゼーレの計画を危険視しており、ゼーレの意向に従おうとはしていなかった。
- エルデ・ミッテ
- ミタールと同じくツェントル・プロジェクトのメンバー。己の欲望を満たす為にプロジェクトに加担しており、彼女もまたゼーレの計画などに関心は無い。ただ、ミタールとは異なり、狂気染みた歪んだ欲望に満ちている。最終的には自身の欲望の為に暴走するも、その行動も結局はゼーレのシナリオの範囲内だった。
- ↑ ゲーム「エヴァンゲリオン2」機密情報より