後藤喜一

2015年12月23日 (水) 21:10時点におけるサーヒー3 (トーク | 投稿記録)による版

後藤喜一(Kiiti Goto)

特車二課第二小隊隊長で、階級は警部補。かつては公安部に所属しており、「カミソリ後藤」、「本庁でも有名な悪(ワル)」とも呼ばれた凄腕警官だったが、あまりにも切れ過ぎた為に特車二課に「島流し」になってしまう。当時の人脈は特車二課に移っても生きており、様々な場面で活用する。

普段は飄々とした昼行灯を決め込んでおり、現場の指揮は香貫花や熊耳に一任しているが、いざという時は上司を脅したり責任問題をチラつかせて黙認を取り付けるなどの策士ぶりを見せる。

一方で人使いもかなり荒く、遊馬の好奇心や松井の人の良さにつけ込んで事件の捜査に当たらせる事も多い。また、彼の悪知恵の犠牲者も多く、恨みを買う事も多々ある。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦Operation Extend
初登場作品。

人間関係

南雲しのぶ
同僚。劇場版2でのみ好意を持っていることが語られているが、友人以上恋人未満といった関係となっている。それ以外の作品では単なる同僚関係に留まる。
泉野明
部下。未熟な彼女を諭す場面も多い。
篠原遊馬
太田功
山崎ひろみ
進士幹泰
斯波繁男
部下。
香貫花・クランシー
彼女からは「昼行灯」と呼ばれている。
榊清太郎
人生の先輩として尊敬している。
内海
彼の事を「愉快犯」と評した。
熊耳武緒
部下。幽霊が苦手な彼女をからかった事も。漫画版で彼女が内海たちに拉致された際、証拠として送られてきたブラジャーをつまんで匂いを嗅いだこともある(その場にいた野明、南雲、福島はその姿を見て引いていた)。
祖父江守
『アーリーデイズ』での特車二課課長だが、存在感は薄い。テレビ版では後藤の悪知恵の被害者で、自作のレイバーで復讐しようとしたが……
福島隆浩
劇場版以降の特車二課課長。神経質で後藤の悪知恵に振り回される事もあるが、関係は概ね良好。
海法
警視庁警備部部長。後藤の悪巧みに辟易しつつも、時には保身に利用する事もある。
松井孝弘
警視庁捜査課の刑事で、階級は警部補。後藤に関わったのが運の尽き(?)で、彼にこき使われる羽目に。
甲斐冽輝
『アーリーデイズ』5話~6話の事件の首謀者で、自衛隊出身。後藤とは学生時代に交流があった。
荒川茂樹
劇場版2で後藤に事件の調査を依頼してきた人物。陸上自衛隊幕僚調査部第二課別室所属と自称している。

他作品との人間関係

ゼブリーズ・フルシュワ
彼のキャラクターは後藤がモデルとなっている。

名台詞

「みんなでしあわせになろうよ」
後藤を象徴する台詞。元ネタは、後藤のキャラクターモデルとなった仲代達矢の映画から。漫画版では何とも悪そうな表情とオーラを醸し出している。
後藤「あー、あー、篭城中の犯人に告ぐ。聞こえるかー」「この銭湯は完全に包囲されている。速やかに人質を解放し、レイバーを停止させて降りてきなさい。」
犯人「来るなー、近寄るとこの親父握り潰すぞー!」
後藤「やめなさいって。女なんか広い世間に一杯いるじゃないの」
犯人「うるせー!てめぇなんかに、俺の気持ちが分かってたまるか。俺には、俺にはあいつしか・・・」
後藤「みんなそう思うの。振られた時は特にあいつしかいないって。俺にはあいつだけだったって。あいつと一緒になれない世の中なんか、ぶち壊して死んでやるって。」
「そういう自分を見れば、きっとあいつも俺って男を振ったことを悔やむだろうって」
「でも、それは間違いなわけ。そういう事は全然無いわけ」
「馬鹿な男の馬鹿な死が、三面記事を飾り立て、世間の物笑いの種になるころ、女は別の男と引っ付いて子供コロコロ産んじゃって、自転車に乗っけて買い物なんか行ったりして塾なんか行かせたりして、それで世の中、収まったりするわけ」
「馬鹿馬鹿しいと思うだろ?」
犯人「う・・・そりゃあ、まぁ・・」
後藤「だったら、もうやめようよ」
犯人「何なんだよ!それで、説得しているつもりかよ!帰れよ。俺と対決する気がないんだったら、帰れー」
後藤「だからさぁ」
犯人「だからさぁじゃねーだろ!さっさと帰れよ。それとも、あんたが誰かを紹介してくれるのかよ」
後藤「警察はそういうことはしない!」
テレビ版14話の冒頭で交わされた、後藤と暴れレイバーのパイロットとの漫才(?)。説得する気があるのか無いのか良く分からないやり取りである。なお、犯人を演じているのは何と『超時空要塞マクロス』の一条輝役で知られる長谷有洋氏である。
「こういうときは『警察には知らせるな』って一言いうべきだよ。」
漫画版の終盤、内海と電話でやり取りしたときの台詞。この言葉に内海は爆笑し、後藤を「自分と同じ悪党」と評した。
「奴はそんなロマンチックな男じゃないよ。警察なんざ、端から相手にしてはいない。」
「自分のプログラムに絶大な自信を持っていたのさ。そうでなけりゃあ、結果を見定めずに死んだりはしない。」
「おそらくあいつは、俺たち・・・いや、この街に住む全ての人間を嘲笑しながら、飛び降りたに違いないよ。」
劇場版の事件の首謀者、帆場英一を評して。後藤の本性を垣間見せる名シーンである。
「特車二課、第2小隊最後の出撃だ。存分にやれ。」
劇場版2で、この言葉と共に第2小隊を柘植の元に送り込む。
「まともでない役人には、2種類の人間しかいないんだ。悪党か、正義の味方だ。」
「俺がここにいるのは俺が警察官だからだが、あんた、どうして柘植の隣に居ないんだ?」
劇場版2で荒川を拘束したときにかけた言葉。押井節全開である。
後藤「欲しい?」
南雲「え?」
後藤「あの新型機、欲しい?」
南雲「・・・欲しいわ」
後藤「あげない」
『アーリーデイズ』第1話より。第二小隊に搬入された98式を前にして。
TV版でも香貫花着任時に同様のやりとりがあり、その際南雲は「どうせくれないんでしょ?」と応答している。

余談

  • 名前の由来は元官房長官の後藤田正晴氏と元首相の宮沢喜一氏から取られている。後藤田氏も「カミソリ」と呼ばれていたが、後藤の場合は「切れ者と言ったらカミソリ」という理由で付けられたもの。
    • 『パトレイバー』本編の十数年後を描いた実写作品『THE NEXT GENERATION -PATLABOR-』の特車二課隊長の名前は「後藤田継次」となっていて、逆に元々の元ネタに近くなっている。
  • OVA『ミニパト』によれば、特車二課の予算不足解消の為にハゼの干物の通販事業を展開して、独自の財源を確保したらしい。無論、違法行為である。
  • 後に今野敏氏の小説『夕暴雨 東京湾臨海署安積班』に名前だけ登場(同作の主人公とは同期・同階級という設定)。舞台が同じお台場付近という繋がりからパトレイバー製作者の一人押井守監督とコラボしたものと思われる(その後押井氏がパトレイバーの世界を舞台に書いた小説『番狂わせ 警視庁警備部特殊車輛二課』(後に発表された『THE NEXT GENERATION -PATLABOR-』とは隊長の姓が「後藤田」という共通点がある)には逆に『夕暴雨』の主人公が出てくる)。
  • 押井守監督曰く内面のモデルは、押井氏と親交があり押井作品にも度々出演するスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーとの事。