アリー・アル・サーシェスは『機動戦士ガンダム00』の登場人物。
アリー・アル・サーシェス | |
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外国語表記 | Ali Al Saachez |
登場作品 | |
声優 | 藤原啓治 |
デザイン |
高河ゆん(原案) 千葉道徳 |
本名 | 不明(複数の偽名を持つ) |
別名 | ゲイリー・ビアッジ |
種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
年齢 | 35歳(1st)→39歳(2nd) |
血液型 | O型 |
所属 |
KPSA→PMCトラスト→AEUフランス外人部隊→国連軍(1st) イノベイター(2nd) |
軍階級 | 少尉(AEUフランス外人部隊所属ゲイリー・ビアッジとしての偽装) |
概要
民間軍事会社「PMCトラスト」に所属する傭兵で、「ゲイリー・ビアッジ」と名乗っているが、それは表の顔。裏の顔というべき真の正体は、戦争狂の野獣に等しいまでの好戦的な男で、自身でも「戦争屋」または「人間のプリミティブな衝動に準じて生きる最低最悪の人間」と自覚している。
戦いの中で生きる為ならばどんな汚れ仕事も引き受け、また誰にでも付こうとする(ロックオン・ストラトス曰く「戦争中毒」)。モビルスーツでの戦闘は特に白兵戦を好む。作中では刹那・F・セイエイやロックオンのガンダムに対して、性能では圧倒的に劣るイナクトで翻弄し、空中変形も披露している。パイロットとしての実力は超一流であり、生身でも驚異的な戦闘力を持っている。また、粗暴ではあるが頭の回転も速く、状況判断力や予測能力も持ち合わせている。
過去に、クルジスとアザディスタンの戦争で反政府組織「KPSA」の指導者として、少年兵時代の刹那を指導していたこともある(それも傭兵稼業の一環と思われる)。そこでは刹那ら少年ゲリラに「神」の存在を吹き込んで家族を殺させ、戦いやテロを実行させた。また、その結果、ディランディ兄弟の家族が死亡している。その後も世界各地で傭兵として戦っている。
次第にガンダムの驚異的な力に魅せられたサーシェス自身も、ガンダムの力を欲する様になり、ソレスタルビーイングの監視者の一人であるラグナ・ハーヴェイに接触し、ガンダムと同等の戦闘力を持つGN-Xを提供してもらうよう要求。その最中、ラグナが経営するリニアトレイン公社を嗅ぎ回っていた絹江・クロスロードを車に乗せて射殺した。やがて、ラグナが否定的な返答をした為か、今度は造反を目論んでいたアレハンドロ・コーナーらと通じ、既に用済みになっていたラグナも抹殺する。ラグナ抹殺後、アレハンドロから受けたチームトリニティの抹殺命令を受けたサーシェスは、一瞬の隙を突いてミハエル・トリニティを射殺。ヨハン・トリニティも負傷させた後、ガンダムスローネツヴァイを奪取し、乗ってから間もない段階でスローネツヴァイの特性を掴み、ガンダムスローネアインを撃墜してヨハンも抹殺。その後は国連軍と合流し、AEU所属のゲイリー・ビアッジとして刹那やロックオンと宇宙で決戦を繰り広げる。最後はロックオンの捨て身の攻撃に敗れて、スローネツヴァイと共に散った。
だが、辛うじて生存しており(本人曰く「体の半分が消し炭になった」らしい)、2ndシーズンではリボンズ・アルマークに雇われる形で再登場。リボンズの命でアザディスタンを焼け野原にするなど暗躍し、さらに刹那とティエリア・アーデを一方的に手玉に取るなど衰えぬ実力の高さを見せつけた。しかし、その後のダブルオーライザーとの戦いでは刹那を負傷させた上で戦いを挑むが逆に圧倒され、人質をとるといった卑怯な手段に走るも、遂に彼に敗北を喫する。その後はしばらく戦場に姿を見せなかったが、外宇宙航行艦「ソレスタルビーイング」での最終決戦にて再び出撃。ライルとの最終決戦に突入。ライルをあと一歩のところまで追いつめるが、セラフィムガンダムのトライアルフィールドで機体の機能を停止させられてしまう。機能停止した機体を破壊されるも脱出し、ライルを騙し討ちしようとするが返り討ちにされ、額を撃ち抜かれて死亡した。
大森氏の漫画版では、機体を自律起動させて再度襲い掛かるも直後自分の周囲の壁や足場が大爆発を起こし、それに巻き込まれて死亡。誰の手にもかからないという原作以上に呆気ない最期を迎えた。また、同作ではそれ以前にティエリアの攻撃で両足を斬られた直後、不意打ちとはいえ沙慈・クロスロードに背後を攻撃され、さらにダブルオーの量子空間の中で刹那に「小さい奴」「戦いだけに執着し続ける哀れな魂」と哀れみを込めた目で断じられた上に、一瞬の内に機体を真っ二つにされ完全敗北するなどかませ臭の強い、悪行の報いをとことん受けるかのような扱いで、その最期もまさに天罰が下ったようなものだった。
そのあまりの戦闘能力の高さから、真の意味で敗北した事は殆んど無く、大半が全く予想出来ない事象によるものが多い(ある意味、大森版の最期はその極致と言える)。サーシェスに本当の実力で渡り合えたパイロットは、1stシーズンの時点ではロックオンだけであったが、2ndシーズンの後半辺りからは数多の戦いで成長した刹那には敗北を喫するなど、自分の実力を過信しすぎていたとも言える。
実はサーシェスという名も偽名であり、本名は一切明かされてない。また、普段の風貌は髭を生やしたものであるが、ゲイリー・ビアッジと名乗って活動していた時(1st第14話~1st第23話)には髭を剃っている。
争いをなくし理解し合うことをテーマとした本作品において「必ずしも解り合えるわけではない存在」と言える典型的な外道ではあるが、突き抜けたキャラクター性と最後まで悪を貫いた悪としての魅力、高い実力を持っている為にその人気は高い。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 初登場作品。藤原氏の声あては3度目(ガンダムシリーズとしては2人目)。元々悪役を多く演じている関係か、戦闘中の言葉使いが凶暴になったりと生き生きしている。高レベルの底力と、戦闘のプロフェッショナルという経歴から極のスキルを持つ強敵。
- しかしながら、ガンダムスローネツヴァイに乗り換えてからは刹那のエースボーナス『ガンダムタイプと太陽炉搭載機に与えるダメージ1.5倍』が適用されてしまうので、ある程度刹那が育成されていれば意外とあっさり落とせてしまう。
- なお、顔グラフィックのバリエーションとして髭ありと髭なしの2種類がある。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 2nd設定込みで参戦。原作通りアルケーガンダムを駆り暴れまわる。破界篇に比べると出番が減っているが、それでも原作よりは刹那達との交戦回数は多いので、敵役としては存在感がある。前作同様能力値は高いもののアルケーガンダムのHPがそこまで高くないため、やはり刹那がある程度育成されていれば、あっさり落とせる。
- 死に様が原作から多少変更され、最期はZEXISとの戦いに敗北してそのまま戦死する。(ちなみに黒の騎士団ルートではリジェネよりも先に戦死してしまう)。しかし、出番の多さに反して意外にも他作品キャラクターとの特殊戦闘台詞は少ない。サーシェス自身はかなり強烈なキャラクターなので、少し残念である。
- また、『破界篇』でペールゼンに厄介になっていた頃にレッドショルダーの記録フィルムを見ていたらしく、アザディスタンでの戦いにてワイズマンの策謀によって本作オリジナルのレッドショルダーのマーチ「戦騎達の行進」が戦場中に響き渡った際には、本作におけるこの曲のあり方を示す発言を真っ先にしている。
- 中断メッセージではリボンズと共に登場。彼に『再世篇』のEDを特別に見せて貰う事に(本人曰く感想は「凄い」らしい)。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 概ね原作と同じ経緯(ただし、ニールには原作や『第2次Z』と違って完敗する結果となっている)で戦死するが、後にクレディオによりジェリル・クチビやステラ・ルーシェらと共に幻影として復活、再びカイルスと激突する。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
全ての能力値が高く、ラスボス以外ではトップクラス。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
- 第2次Z破界篇
- 極、気力限界突破、サイズ差補正無視、カウンターL8、底力L9、再攻撃
- どれをとっても厄介なスキルばかり。高レベルの底力と極の併用で戦闘能力が格段に上昇するため、脱力をかけてやるのも良い。再攻撃はゲームバランスの問題からか序盤では未修得(???)の状態になっている。
- 第2次Z再世篇
- 極、気力限界突破、サイズ差補正無視、カウンターL8、底力L9、闘争心、ガード
- 基本的には前作に準じているが、イノベイターの再生治療の弊害か再攻撃を失い、最終的な攻撃力は低下したが、代わりに防御能力を高めるガードが追加された。
固有エースボーナス
- 反撃時の与ダメージ1.3倍。
- 第2次Z破界篇。ゲーム中でエースボーナスを習得する事は一度も無いが、内部データにはこのボーナスが設定されている。反撃時限定とはいえ、与ダメージが1.3倍も増加するのは脅威。
- HP30%以下で、1度だけ精神コマンド『ド根性』が掛かる。
- 第2次Z再世篇。特殊スキルの再攻撃消失に加え、エースボーナスも生存能力方面に変更されている。敵として見れば厄介な能力だが、ゲーム本編ではエースボーナスを習得しないので特に問題は無い。
人間関係
- 刹那・F・セイエイ
- かつてKPSAに誘拐された幼少時代のソラン(刹那)を洗脳し、両親を殺させる原因を作った。また、刹那のナイフを使う格闘術の師匠でもある。
- 刹那の事は1stシーズンでは「クルジスのガキ」「クルジスの小僧」と呼んでいるが、2ndシーズンでは彼が成長したので「クルジスの兄ちゃん」と呼んでいる。
- 刹那の戦いの師だけあって、実力では彼を圧倒していたが、2ndシーズン後半では彼に完敗を喫する事に。ちなみに、大森版では彼に戦闘・精神面で完全敗北する。
- ニール・ディランディ
- KPSAのテロで家族を失ったロックオンにとっては、サーシェスは家族の仇である。1stシーズン終盤とロックオンと相討ちとなる。
- スパロボではコーラサワーに代わって彼を負傷させており、『第2次Z破界篇』では原作同様相討ち、『CC』では彼に撃墜されるという正反対の結末を迎えている。
- また、サーシェスをモビルスーツ戦闘において、生の実力で追い詰めた唯一の人物でもある。
- ライル・ディランディ
- 自身を一度死の寸前まで追いつめた男の弟。
- 原作ではライル自身は当初はサーシェスに対してはそれほど怒りを露にしておらず冷静に受け止めていた(後に対峙した際に改めて怒りを露にする)が、『第2次Z再世篇』では最初から怒りを露にしている。そして最期は彼に引導を渡される事に。
- ティエリア・アーデ
- 2ndシーズンではロックオンの仇として、サーシェスを強く敵視する。
- アレハンドロ・コーナー
- サーシェスにとってのスポンサーその1。『第2次Z破界篇』では、原作よりも多くの彼との会話がある。
- ヨハン・トリニティ
- トリニティ兄妹の長男。抹殺すべく、あえてモビルスーツ戦で彼を倒した。
- ミハエル・トリニティ
- 彼を真っ先に銃殺し、彼の愛機を奪取した。
- ネーナ・トリニティ
- アグリッサを破壊した張本人。彼女の兄たちを手にかけ、彼女にも引導を渡さんとするも、刹那の介入で取り逃す事に。
- 2ndシーズンでも一度相対しており、命を狙われるも軽くあしらっている。2ndシーズンの小説版では、軽くあしらったアニメ版と違って相当酷い仕打ちをしている。
- ラグナ・ハーヴェイ
- アレハンドロの使いだったが、ガンダムが手に入らないことを苛立って、暗殺命令を依頼され殺害する。
- 絹江・クロスロード
- ソレスタルビーイング取材のためラグナのところまでたどり着いた彼女に、正体を明かし殺害する。
- リボンズ・アルマーク
- 1stシーズン終盤でのロックオンとの死闘で瀕死の重傷を負ったところを彼に再生治療で蘇生させられ、2ndシーズン以後は彼に雇われる。
- リボンズからは「ある意味人間の枠を超えている」と評せられ、サーシェスはリボンズを「大将」と呼ぶ。
- リジェネ・レジェッタ
- 2ndシーズン終盤、リボンズに反旗を翻して一度はリボンズを屠った彼を射殺する。
- ソレスタルビーイングの監視者達
- 小説版では1stと2ndの間に、リボンズの命令でソレスタルビーイングの監視者達全員を暗殺していた事実が判明している。
- フォン・スパーク
- 外伝シリーズに登場するソレスタルビーイングの支援組織『フェレシュテ』に所属していたガンダムマイスター。
- 少年時代、一時期サーシェスと共にテロリスト活動をしていた。サーシェスをも面食らわせる程の狂気と実力を持つ危険人物である。
他作品との人間関係
- ヨラン・ペールゼン
- 『第2次Z破界篇』では彼から「もう少し従順であれば、自分にとっての理想の兵士だった」と評される。
- インゲ・リーマン
- 『第2次Z破界篇』ではPMCトラストでの同僚。彼からも戦争狂としての本性を見抜かれている。
- キリコ・キュービィー、グレゴルー・ガロッシュ、バイマン・ハガード、ムーザ・メリメ
- 『第2次Z破界篇』ではレッドショルダーがPMCトラストに雇われている為、『破界篇』序盤での彼らは、立場上ではサーシェスの部下という事になる。
- ガウルン
- 『第3次Z時獄篇』の戦闘台詞にてガウルンがサーシェスの名前を出しており、その言動から察するに彼からも一目置かれていたようだ。
- また、リニューアル後の『X-Ω』では彼と友にヴァンアインを追い詰める。
- クロウ・ブルースト
- 『第2次Z再世篇』にて、彼からもニールの仇として狙われる。
- ムウ・ラ・フラガ
- 『CC』では過去にサーシェスを連合の外人部隊で見かけていた。
- フルギーロ
- 『CC』では自身の戦死後、彼の力により同じく戦死していたジェリルやステラ達と共に幻影として召喚される。
名台詞
- 「ところがぎっちょん!」
- 口癖。相手が油断しているところに突然襲い掛かる時に言う事が多い。
1st
- 「この戦いは、神の御前に捧げられる聖戦である…」
- 第1話におけるサーシェスの初台詞。『機動戦士ガンダム00』の物語は、彼の台詞で始まった。
- なお、以下「KPSA」の少年兵達を洗脳する言葉が続くのだが、その中の一人であるソラン・イブラヒムだけは「この世界に、神なんていない!」と心中で反論するのであった。
- 「ったくひでえもんだなぁ、ソレスタルなんたらってのはよ」
「ここにある石ころが取れなきゃこの国の経済は破綻。その影響を受ける国や企業がどんだけあるか…」
「戦争を止められりゃあ、下々の者はどうなってもいいらしいや」 - 第6話より。ソレスタルビーイングの矛盾を突いた台詞。
- 太陽光発電を推進したのはソレスタルビーイングの創設者で、その悪影響を受けた中東の現状に何も考えてないことへの反論とも受け取れる。無論、本音は戦争がしたいだけなのだが。
- 「命あっての物種ってな」
- 第7話より。ソレスタルビーイングのモラリア武力介入の際に自分の部下だけを岩陰に隠しておいたサーシェスが部下達にかけた言葉。彼の人生観を表している一言。
- ガンダムとまともにやりあっても貧乏くじを引くだけだと踏んでいたサーシェスは自分だけでガンダムエクシアの鹵獲を試みたが、失敗するや兵力を温存したまま作戦行動を終えた。
- 戦争狂ではあるが、隊長という肩書が有る時は一応いたずらに手駒を失うような事が無いように考えて行動している事がわかる。
- 「戦争屋です。戦争が好きで好きでたまらない、人間のプリミティブな衝動に準じて生きる最低最悪の人間ですよ…」
- 第20話より。ラグナの動向を追う絹江・クロスロードの取材に応じるサーシェスは、言葉静かに自身の本性を明かす。稀代の戦争狂・サーシェスという男を最も表現した名台詞。
- なお、小説版では一部台詞が異なり、「最低最悪のロクデナシ」になっている。
- 「ウロチョロしていた鼠を掃除しておきましたよ」
- 同上。サーシェスは独断で絹江を殺害した事をラグナに報告。その上、彼は証拠隠滅の為に彼女が所持していた記録媒体(携帯電話、ノートパソコン、USBメモリ)を全て破壊している。
- 「殺し屋」としても躊躇いや抜かりが無いサーシェスの手口には、戦慄させられる。なお、報告を受けたラグナはサーシェスの事を「まったく食えん奴だ」と評しているが、彼もまた、その男によって「掃除」される事となる。
- 「スポンサーから『あんたらをどうにかしてくれ』って、頼まれてな」
- 第22話より。味方を装ってチームトリニティに接触した際の台詞。ヨハンはラグナに頼まれたのかと問い質すが…。なお、サーシェスは「助けに来た」とは一言も言っていない。
- 「ラグナ? あぁ、ラグナ・ハーヴェイの事か。やっこさん死んだよ」
「俺が殺した」 - 上記の台詞の後、悪びれも無くラグナを暗殺した事をカミングアウトしつつミハエルを殺害(正確には一行目の台詞の直後、銃撃)、スローネツヴァイを強奪する。
- 殺しに対しては全く躊躇しないサーシェスを象徴する場面だが、あまりにも流れるような展開だったためか、即死したミハエル共々よくネタにされる。
- 『第2次Z破界篇』では、上記の台詞の後に「こんな風にな」と発言しミハエルを銃殺する展開となった。
- 「行けよ! ファングゥ!!」
- 拍子の無い台詞だが、藤原啓治氏の言い回しによりドスの聞いた台詞に聞こえる。
- 「てめえの許可がいるのかよ!」
- スローネツヴァイを奪取した際、ガンダムに搭乗していることを詰る刹那に返答した台詞。
- 「てめえだって同類じゃねぇか! 紛争根絶を掲げるテロリストさんよぉ!」
- 第23話より。ロックオンとの対峙。確かに互いにテロに殉じているが、背負っているものが決定的に違う。
- なお、このシーンではロックオン役の三木眞一郎氏共々サーシェス役の藤原啓治氏も鬼気迫るレベルの名演を見せており、他の声優陣がリアルに絶句したというエピソードがある。
- 「一人じゃさびしいだろお嬢ちゃん! アニキのところへ送ってやるよ!!」
- 田口央斗版(講談社・刊)でスローネツヴァイを強奪した直後、ネーナを始末しようとして。最終的にはサーシェスもアニキのところへ送られたが。
- 「ハハッ!! 俺の勝ちだ!! やれるもんならやれ! しかし言っておくがオレみたいなのはこの世界の歪みの一つでしかない! わかるか! お前らのやっていることは無駄なんだ!! 無駄なんだよ!!」
- 大森倖三版(角川書店・刊)で原作通りアザディスタンで刹那と交戦し、機体を破壊されたが目的は達したので刹那に言い放った勝利宣言。
- この言葉に刹那は動揺しつつも、この後刹那は原作通りマスード・ラフマディを保護したので彼の目論見は潰える。
- 「アァ゙ーけったくそ悪い。この世界から消えてくれよ、ガンダム」
- 同じく、大森版で原作終盤通り国連軍に入り、ヴァーチェを急襲した際の台詞。
- …とは言え、この時サーシェスが乗っているのは立派なガンダム顔をしたスローネツヴァイであり、この後その性能に酔う発言をするのであまり説得力が無い。
- 「なっ バッ バカヤロー!! こんなことして何の得が…」
- 大森版でロックオンが自分を巻き込んで自爆する事を察し、動揺した台詞。
- 「戦争屋が、戦争でくたばるか…」
- ニンテンドーDS用ソフト『機動戦士ガンダム00』より。三国合同軍事演習にてソレスタルビーイングのガンダムマイスターが駆るガンダムによって自身の乗機を撃墜された際に。
- サーシェスを演じる藤原啓治氏による実際の台詞(音声)を聞いてみるとわかるが、戦場における自身の戦死を潔く受け入れられている。原作よりも死期が早まってしまったとはいえ、比較的マトモな最期であると言えるだろう。
2nd
- 「そうよ! そのまさかよ!!」
- 第5話より。2ndシーズン初登場時の台詞。アルケーガンダムを見た刹那の「まさか!?」という台詞に応じたもの。ちなみにこの時、通信は繋がっていない。
- 「さあ! 始めようじゃねえか! ガンダム同士によるとんでもねえ戦争ってやつをよお!」
- 第8話より。刹那とティエリアの前に現れ、喜々として言い放つ。
- 「おうよ! けどな、お前らのせいで身体の半分が消し炭だ! 野郎の命だけじゃ物足りねえんだよぉ!! 再生治療のツケを払え! テメエの命でなぁ!」
- 第9話より。刹那の「生きていたのか」という台詞に対する返答。よく生きていたものである。「治療費で全財産がほとんど無くなったのでは?」と邪推するファンもいたとか…。
- ちなみに、小説版では「野郎の命だけじゃ物足りない」という発言に刹那がマジギレしている。
- 「あるよ。お前には理解できないだろうがな」
- 第14話より。刹那に「あんたの戦いに意味は無いのか」と問われて。サーシェスにとっては、自分が楽しめる戦争が出来る事が一番意味が有るのだろう。
- 「フッ…俺の生き甲斐は、戦いでね!」
- 刹那を銃撃したが、わざと急所を外した理由。しかし、この後サーシェスは乗機を破壊されるまで圧倒されるハメになる。刹那とダブルオーライザーを甘く見過ぎていた。
- 「きれいごとぬかすな!! 忘れたか!? お前は俺と同類なんだよ。お前がしてきたことを!! 俺が教えたことを!! 殺した相手を!!」
- 田口版で刹那と対峙して。確かにテロリストという面では同じだが、完全に身勝手な欲望で力を使う彼と刹那では決定的に大きな違いがある。
- なお、刹那に原作通り圧倒されて追い詰められたサーシェスは「たまたま通りかかった家族連れを人質にする」という卑劣な手段を用いたが、刹那にあっさり破られてしまうこととなる。
- 「さっさと始めようぜ! あの世で待ってんだろ? イノベイターのねーちゃんがよ!」
- 田口版でライルと対峙して。アニューのことをダシにしてライルを挑発し、激昂させる。
- 「何がどうなってやがる!? くそっ、動けってんだよ!」
- 第24話より。アルケーがトライアルフィールドで機能停止した際の台詞。彼が自分でも知らないうちにヴェーダのバックアップを受けて戦っていた事が判明した瞬間。
- なお、はるか前の作品に登場したとある人物が、この時のサーシェスと同様の事態に直面して、これと似た趣旨の台詞を吐いていた。
- 「馬鹿があッ!!」
- TV版での最期の台詞。この台詞と共にライルを騙し討ちしようとするが、次の瞬間、サーシェスの眉間には銃弾が叩き込まれており、呆気なく返り討ちにされた。
- あまりの呆気なさに生存説すら囁かれた程だが、小説版では「サーシェスは急所に何発も銃弾を撃ち込まれて、動かなくなった」事が明言されている。
- なお、「ガンダムに乗っていない時に断末魔すら言えずに銃殺される」という末路は自分が殺したミハエルと同じものである。
- 「てめえ!!」
- 田口版で銃を持って現れたライルを撃とうとするが、原作とは異なり即射殺された。
- 「な…何…」
- 大森版で刹那に「小さい奴」と哀れみをこめた眼で見られた直後、アルケーを一瞬の内に真っ二つにされて。何とか脱出に成功するも、何が起こったかも解らずサーシェスは敗北を喫してしまう。
- 「ハッ 傑作だ。兄弟揃って俺様に殺されに来たってワケだ!」
- 大森版でライルの素性を知って言い放った台詞。
迷台詞
- 「いくぜぇ? ヴァサーゴなんとかさんよ!」
- 「いくぜぇ? ストライクフリーダムなんたらさんよ!」
- 「いこうか! インフィニットなんとかさんよ!」
- アーケードゲーム『ガンダムExtremeVS』シリーズにおいて、それぞれ上からガンダムヴァサーゴチェストブレイク、ストライクフリーダムガンダム、インフィニットジャスティスガンダムを僚機として戦闘開始した際の台詞。機体名が長くて覚えきれなかったのだろうか…。しかし、C.E.のガンダムタイプは原作中では「ガンダム」と付いておらず、「ストライクフリーダム」や「インフィニットジャスティス」が正式名称なので、なんたらを付ける必要はない。
スパロボシリーズの名台詞
- 「モビルスーツの操縦はお上手だが、生身での戦いはなっちゃいねえな」
- 『第2次Z破界篇』の中盤で原作通りにミハエルを射殺して、ヨハンを返り討ちにした時の台詞。
- 「過分なお褒めの言葉、恐れ入ります。ですが、私は好き勝手にやるのが性分なんですよ」
- 『第2次Z破界篇』第39話「ザ・ラストレッドショルダー」でペールゼンから「もう少し従順であれば、自分にとっての理想の兵士だった」との評価を受けた返答。
- 戦いを無上の喜びとするサーシェスが本当に従順である事など無いだろうが。
- 「あのウイングゼロってのはお前のお友達が乗っていたらしいな!」
「どうだい? ダチ同士で殺しあった感想は!」 - 『第2次Z再世篇』中盤、神根島にてヒイロ搭乗のウイングゼロを鹵獲後、刹那へと浴びせた挑発。辛うじて怒りを堪える彼を、サーシェスは更に嘲笑う。
- 「この曲…ペールゼンの旦那の所で観たレッドショルダーの記録映画のBGMか」
「どこのどいつだか知らないが、粋な演出をしてくれたもんだぜ。じゃあ、どっちも頑張れよ…!」 - 『第2次Z再世篇』第29話「戦士達の叫び」にて、突如流れ出したレッドショルダーのマーチに反応した。
- 「ははは、戦争、戦争だぁ! ぬがあああああっ!!」
- 『第2次Z再世篇』における最終戦限定の撃墜台詞。戦争が好きで好きで仕方ない男は、皮肉にも戦争によって己の命を絶たれる事になるのであった。
- 「俺がやられただと…!?」
「まだだ! まだなんだよ! 俺はまだ満足しちゃいねえんだ!」
「もっと俺は生きるんだ! 生きて、戦って…」
「くそがぁぁぁぁぁっ!!」 - 『第2次Z再世篇』での断末魔。最期まで往生際悪く生への執着と渇望を叫ぶも、刹那とライルにその見苦しさと所業を糾弾された挙句切り捨てられ、稀代の戦争狂、今度こそ、ネオ・プラネッツに散る。原作では断末魔すら言えずに戦死したので、それを考えるとまだマシな扱いである。
搭乗機体・関連機体
- サーシェス専用AEUイナクトカスタム
- 1stシーズンで最初に搭乗した愛機で、カラーリングは濃い青色。サーシェスの高い技量でエクシアを圧倒した。実は、一度も撃墜されてない。
- GN-X
- 大森倖三氏の漫画版でのみ搭乗。ミハエルのスローネツヴァイを鹵獲する。
- ガンダムスローネツヴァイ
- 1stシーズン終盤の搭乗機。ミハエル殺害後に奪取して、ヨハンのスローネアインを撃墜。後に国連軍に参加する。
- アルケーガンダム
- 2ndシーズンでの搭乗機。スローネツヴァイの改良機。ガンダムという姿に留まらない禍々しい姿に変貌している。
- ヤークトアルケーガンダム
- 公式外伝『機動戦士ガンダム00V』で搭乗。アイン・ツヴァイ・ドライのスローネ三機分の機能を集約した機体。アルケーガンダムに追加装備を施した機体であるが、主に量産機の部隊を相手にすることを想定した対集団戦指向の装備であるため、重量増加による対MS性能の低下を理由に本編では搭乗していない。
余談
- 人間関係の欄を見れば解るように、アリー・アル・サーシェスは作中において主要や脇役に関わらず多くのキャラクターを手にかけており、その中で特筆すべきはガンダムパイロットを3人も殺害しているという事実である。
- その狂暴な性格と「戦争を楽しむ」という点から、ファンの間ではサーシェスと同じように並外れた実力に加え、奸智にも長けた戦闘狂であるヤザン・ゲーブルと比較される事が多い。
- ただし、ヤザンは「部下思いの一面を持ち、無抵抗の民間人の虐殺を嫌悪する」といった点でサーシェスとは根っこの部分が決定的に異なる。また、サーシェスは基本的に誰も強く信用はせず、かつ誰からも強く信用はされていない。
- とはいえ、サーシェスは部下が民間人に対して暴行や略奪を行ってもそれを黙認していたようで、ご同類からはそれなりに理想の上司であった模様。
- 担当声優の藤原啓治氏といえばアニメ『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役で知られており、そんな藤原氏演じるサーシェスが2ndシーズンにてアザディスタンを焼け野原にした事から、一部ファンの間では「焼け野原ひろし」の渾名で親しまれている。
- なお、この渾名は藤原氏が演じたサーシェス以外の悪役キャラ達に対して用いられる事もある。