「フェイズシフト装甲」の版間の差分
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装甲に通電させることで特殊素材が相転移(フェイズシフト)して硬化し、殆どの攻撃を無力化する。そのエネルギーの総量により防げる攻撃手段は拡大する。攻撃を無力化する際はエネルギーを相転移させるため、実弾兵器や実体剣をほぼ無効化する。これは荷電粒子を発射する運動エネルギー兵器であるビームにも作用するが、[[モビルスーツ]]サイズでは低出力のものしか防げず、量産化された携行型ビームライフルクラスの威力があれば貫通されてしまう。このため実弾であってもビームに比肩し得る大出力のレールガンでは破砕される危険性もある。また、要塞クラスともなれば高エネルギー砲すら無力化できる。この理論は応用が利き、関節部への負荷を緩和するなど様々である。 | 装甲に通電させることで特殊素材が相転移(フェイズシフト)して硬化し、殆どの攻撃を無力化する。そのエネルギーの総量により防げる攻撃手段は拡大する。攻撃を無力化する際はエネルギーを相転移させるため、実弾兵器や実体剣をほぼ無効化する。これは荷電粒子を発射する運動エネルギー兵器であるビームにも作用するが、[[モビルスーツ]]サイズでは低出力のものしか防げず、量産化された携行型ビームライフルクラスの威力があれば貫通されてしまう。このため実弾であってもビームに比肩し得る大出力のレールガンでは破砕される危険性もある。また、要塞クラスともなれば高エネルギー砲すら無力化できる。この理論は応用が利き、関節部への負荷を緩和するなど様々である。 | ||
− | 通電した素材に振り分けた電力量で相転移率が変わるため、この装甲を採用したモビルスーツはおおむねカラフルになる。これは材質を形成した分子配列の立ち並びの変化に起因し、コロイドが光の反射能によって色彩変化する理屈と類似するという。このため、装甲に振り分ける電力の違いで防御力に変化が発生。ストライクルージュで実証された後は[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]] | + | 通電した素材に振り分けた電力量で相転移率が変わるため、この装甲を採用したモビルスーツはおおむねカラフルになる。これは材質を形成した分子配列の立ち並びの変化に起因し、コロイドが光の反射能によって色彩変化する理屈と類似するという。このため、装甲に振り分ける電力の違いで防御力に変化が発生。ストライクルージュで実証された後は[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]]へと各勢力で発展した。 |
しかしながら、電力を使用する以上は限界時間があり、コストも高騰するので、これを採用する兵器は限られている。さらに重量も従来の発泡金属と比べるとかなり重く(素のストライクが65tに対して、アストレイシリーズは50t弱、同一フレームの[[ストライクダガー]]は55t)、また、あくまでも「装甲(の表面)が硬くなる」だけで衝撃や慣性の緩和などは難しく、殴る蹴る、ぶつかるなど一定以上の質量体に衝突された場合は装甲下の内部構造にダメージが及ぶ事もある。電力が切れると当然元の鉄灰色に戻るのでエネルギー切れも露見しやすい。 | しかしながら、電力を使用する以上は限界時間があり、コストも高騰するので、これを採用する兵器は限られている。さらに重量も従来の発泡金属と比べるとかなり重く(素のストライクが65tに対して、アストレイシリーズは50t弱、同一フレームの[[ストライクダガー]]は55t)、また、あくまでも「装甲(の表面)が硬くなる」だけで衝撃や慣性の緩和などは難しく、殴る蹴る、ぶつかるなど一定以上の質量体に衝突された場合は装甲下の内部構造にダメージが及ぶ事もある。電力が切れると当然元の鉄灰色に戻るのでエネルギー切れも露見しやすい。 | ||
なお、待機状態(ディアクティブモードとも呼ばれる)の灰色からフェイズシフトすると色が変わる。ストライクガンダムを始めとする初期のSEED系ユニットに搭載されている。 | なお、待機状態(ディアクティブモードとも呼ばれる)の灰色からフェイズシフトすると色が変わる。ストライクガンダムを始めとする初期のSEED系ユニットに搭載されている。 | ||
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+ | 発展技術として、[[デスティニーガンダム]]や[[ストライクフリーダムガンダム]]、[[インフィニットジャスティスガンダム]]はPS装甲材がフレームにも使われており、負荷に応じてフレームが各機体ごとの色に発光するようになっている。 | ||
=== 設定の変遷 === | === 設定の変遷 === | ||
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:ビーム兵器を防ぐ効果に特化した特殊装甲で、フェイズシフト装甲とは真逆のタイプ。フェイズシフト装甲と同時に装備する事は出来ず、主に艦船の装甲かMSのシールドに装備される。 | :ビーム兵器を防ぐ効果に特化した特殊装甲で、フェイズシフト装甲とは真逆のタイプ。フェイズシフト装甲と同時に装備する事は出来ず、主に艦船の装甲かMSのシールドに装備される。 | ||
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+ | == 余談 == | ||
+ | *上述した関連技術・PS装甲材フレームの特徴である「発光による負荷軽減」だが、現実でも発光により熱を放出する物質は2024年に開発されており<ref>[https://x.com/NikkeiScience/status/1835478693864669680 日経サイエンスの2024年9月17日のポスト]より。</ref>、ある意味フィクションの存在に現実が追いついた一例といえる。 | ||
== 資料リンク == | == 資料リンク == |
2024年9月17日 (火) 22:25時点における最新版
フェイズシフト装甲(Phase Shift Armor)とは、『機動戦士ガンダムSEED』及び『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などに登場する特殊装甲。
概要編集
地球連合の内、大西洋連邦が開発した特殊装甲。
装甲に通電させることで特殊素材が相転移(フェイズシフト)して硬化し、殆どの攻撃を無力化する。そのエネルギーの総量により防げる攻撃手段は拡大する。攻撃を無力化する際はエネルギーを相転移させるため、実弾兵器や実体剣をほぼ無効化する。これは荷電粒子を発射する運動エネルギー兵器であるビームにも作用するが、モビルスーツサイズでは低出力のものしか防げず、量産化された携行型ビームライフルクラスの威力があれば貫通されてしまう。このため実弾であってもビームに比肩し得る大出力のレールガンでは破砕される危険性もある。また、要塞クラスともなれば高エネルギー砲すら無力化できる。この理論は応用が利き、関節部への負荷を緩和するなど様々である。
通電した素材に振り分けた電力量で相転移率が変わるため、この装甲を採用したモビルスーツはおおむねカラフルになる。これは材質を形成した分子配列の立ち並びの変化に起因し、コロイドが光の反射能によって色彩変化する理屈と類似するという。このため、装甲に振り分ける電力の違いで防御力に変化が発生。ストライクルージュで実証された後はヴァリアブルフェイズシフト装甲へと各勢力で発展した。
しかしながら、電力を使用する以上は限界時間があり、コストも高騰するので、これを採用する兵器は限られている。さらに重量も従来の発泡金属と比べるとかなり重く(素のストライクが65tに対して、アストレイシリーズは50t弱、同一フレームのストライクダガーは55t)、また、あくまでも「装甲(の表面)が硬くなる」だけで衝撃や慣性の緩和などは難しく、殴る蹴る、ぶつかるなど一定以上の質量体に衝突された場合は装甲下の内部構造にダメージが及ぶ事もある。電力が切れると当然元の鉄灰色に戻るのでエネルギー切れも露見しやすい。
なお、待機状態(ディアクティブモードとも呼ばれる)の灰色からフェイズシフトすると色が変わる。ストライクガンダムを始めとする初期のSEED系ユニットに搭載されている。
発展技術として、デスティニーガンダムやストライクフリーダムガンダム、インフィニットジャスティスガンダムはPS装甲材がフレームにも使われており、負荷に応じてフレームが各機体ごとの色に発光するようになっている。
設定の変遷編集
『SEED』が始まった当初は「発動すると色が変わり、実弾装備を無効化する」という基本設定しかなかったのだが、『SEED』終盤ではジェネシスが陽電子砲を防いでいる。陽電子は反物質であるために物質と衝突した際は対消滅を起こすのだが、どうやら要塞レベルの装甲では陽電子でさえも相転移させてしまうらしい。
スパロボシリーズにおいて編集
『第3次α』で特殊能力として初登場。ビーム属性以外を軽減するバリアという特性は、名有りの敵MSの撃破難易度向上に一役買った。特に攻撃の手段が整わない序盤は厄介。何より、ビーム属性でさえなければフィン・ファンネルだろうがブレストファイヤーだろうがストナーサンシャインだろうが問答無用で軽減してくる絵面は非常に印象に残る。なお、ビーム・サーベルはそれまでビーム属性が付いていなかったが、SEED参戦と共にビーム属性が付くようになった。
一部作品ではバリア貫通武装でも無効化できないが、『J』と『K』では武器の隠しステータスでPS装甲無効が存在するため注意。また、『J』と『W』にはビームでなくとも軽減できない武器がある。
基本的には「ビームではないがエネルギーを直接ぶつける」武器に設定されることが多いが、中にはアイアンカッターのように他作品側の設定を尊重するため[1]にPS装甲無効属性を付けたと思われる武器も存在する。
『K』ではVPS装甲の下位仕様、『Z』ではVPS装甲と同じ効果。加えて『Z』、『第2次Z』では特殊装甲扱いとなっている。ただし『第3次Z』ではバリア扱いに戻っている。
『DD』ではビーム属性と特殊属性以外の攻撃を軽減する。再びビーム・サーベルにビーム属性が付かなくなった点は注意。
作品 | 軽減量 | 消費EN | PS装甲無効 | 例外 |
---|---|---|---|---|
第3次α | 2000 | 10 | ||
J | 800 | 10 | あり | あり |
W | 1000 | 10 | あり | |
K | 1000 | 10 | あり | |
Z | 2000 | 10 |
フェイズシフト装甲を用いた兵器編集
- ストライクガンダム及びその換装形態、デュエルガンダム、バスターガンダム、ブリッツガンダム、イージスガンダム
- 礎となった五機のMS。
- デュエルガンダム アサルトシュラウド
- 本来はMS本体にしか装備されていないが、大抵のゲームでは追加装甲にも装備されている。
- ストライクルージュ及びその換装形態
- 改良型を装備しており、後のVPS装甲の雛形となった。
- ブルデュエルガンダム、ヴェルデバスターガンダム
- アクタイオンプロジェクトで開発されたG兵器の改修発展機。
- アストレイゴールドフレーム天 (未完成)
- ブリッツガンダムから移植した右腕のみがフェイズシフト装甲製。
- アストレイゴールドフレーム天、アストレイゴールドフレーム天ミナ
- 右腕とマガノシラホコがフェイズシフト装甲製。
- ドレッドノートガンダム(Xアストレイ)、フリーダムガンダム、ジャスティスガンダム、リジェネレイトガンダム、プロヴィデンスガンダム
- ニュートロンジャマーキャンセラーによる核エンジンにより、従来のバッテリーから稼働時間の大幅延長を実現。
- ジェネシス
- 要塞内部の莫大な電力によりエネルギーをも無効化。劇中その描写が出た際はいささか説明不足。
- ジェネシスα
- ジェネシスのプロトタイプである当機にもPS装甲が使われているが、ジャンク屋組合に接収された際に表面装甲を剥がされた挙句、自動車のフレームに転用され民間に売り出されてしまった。…重大な機密漏洩になる気がするのだが良いのだろうか?
関連人物編集
- マリュー・ラミアス
- アークエンジェルの艦長。艦長となる前は技術士官としてフェイズシフト装甲の開発を主導していた。
関連項目編集
- トランスフェイズ装甲
- 地球連合による発展型。攻撃を受けた時だけフェイズシフトを行う事により、消耗を抑えている。
- ヴァリアブルフェイズシフト装甲
- 連合・ザフトによる発展型。エネルギー供給を調整可能にし、消耗を抑えている。
- ラミネート装甲
- ビーム兵器を防ぐ効果に特化した特殊装甲で、フェイズシフト装甲とは真逆のタイプ。フェイズシフト装甲と同時に装備する事は出来ず、主に艦船の装甲かMSのシールドに装備される。
余談編集
- 上述した関連技術・PS装甲材フレームの特徴である「発光による負荷軽減」だが、現実でも発光により熱を放出する物質は2024年に開発されており[2]、ある意味フィクションの存在に現実が追いついた一例といえる。
資料リンク編集
脚注編集
- ↑ アイアンカッターはTV版マジンガーシリーズでは直撃すれば必ず相手の装甲を貫通していた。
- ↑ 日経サイエンスの2024年9月17日のポストより。