YF-21
YF-21は『マクロスプラス』の登場メカであり、同作の主役機の一つ。
YF-21 | |
---|---|
登場作品 | |
デザイン | 河森正治 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦α |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
---|---|
分類 |
可変戦闘機 【バルキリー】 |
生産形態 | 試作機 |
型式番号 | YF-21 |
全長 | 18.62 m |
全高 | 3.94 m |
全幅 | 14.87 m |
空虚重量 | 9,550 kg |
動力 | 熱核反応炉 |
エンジン |
|
推力 | 56.500 kg×2 |
最高速度 |
|
開発者 | ガルド・ゴア・ボーマン |
開発 | ゼネラル・ギャラクシー |
所属 | 地球統合軍 |
乗員人数 | 1名 |
パイロット | ガルド・ゴア・ボーマン |
この項目では「ファストパック」を装備した形態についても説明する。
概要編集
VF-17 ナイトメアを開発した実績を持つゼネラル・ギャラクシー社が開発した次世代可変戦闘機(AVF)。
「シュツルムヴォーゲル(シュトゥルムやボーゲル、フォーゲルなどの表記揺れ有り)」という愛称があり、後にVF-22のペットネームにも採用された。
機体概要編集
テストパイロットでもあるガルド・ゴア・ボーマンが開発主任を担当。競合機のYF-19と同等の技術を導入した上で、ゼントラーディ軍のバトルスーツを参考に開発されたため、脳波コントロール(BDI)による操縦が可能となっている。この点で、YF-19とはコンセプトを異にする。
主翼の構造材に液体金属の類を応用しており、従来機とは異なりフラップやエルロン等の動翼を持たない。これは可動部分や開口部の削減に繋がりステルス性に寄与する他、状況により翼形を自在に変化させ、より最適な形で揚力を得ることができる。
BDIの導入によりパイロットと機体を神経接続し制御をすべて脳波で行い、文字通り機体を自分の身体の様に自在に操れるため、機体の操作性・追従性は非常に高い。機体各部に設置した広角或いは精密光学・赤外線カメラが捉えたイメージを直接脳が捕らえるため、目を瞑っていても全周囲を認識出来、さらには各種センサーの映像やミサイルの飛行機動予測図まで見ることが出来る。反面操縦者の心理動揺がそのまま機体の挙動に反映されるため、操縦者の脳波が安定していなければ使いこなせないという欠点がある。また、操縦者のやろうとした事を忠実に実行するということは、危険な行動を冗談などであっても考えればそれもダイレクトに反映してしまうという事でもある。作中ではガルドの精神状態から一時制御不能に陥り、救出に来たイサム・ダイソンに対する憎悪から彼の乗るVF-11 サンダーボルトに対して危険な行動を実際に行う気が無かったがイメージしてしまった結果その行為を機体が行ってしまい、重大な事故を引き起こした。そのため、後にVF-22S シュツルムボーゲルIIとして採用された際には従来の操縦系に戻され、BDIは簡略化され機体制御の補助に使われている。
従来機と異なり、脚部に推進系が収納されていないため、非常時にはファイターモードでデッドウェイトとなる四肢を排除し、機体の限界性能を引き出すハイマニューバモードが存在する。この状態では、在来機を遙かに超えた超高速戦闘が可能になる反面、操縦者に肉体の限界を超えるGが加わるため危険である。
オプションパック編集
- ファストパック
- 尾翼と胴体下面部に追加される武装・燃料追加パック。被弾時には強制排除する事で機体へのダメージやデッドウェイト化を防ぐ。
劇中での様相編集
同機の開発主任を担当したガルド・ゴア・ボーマンが搭乗。トライアルやマクロス・シティでの戦闘では、正規軍人のイサム・ダイソンが操縦するYF-19に一歩も引かない性能を誇った。
続いてゴーストX-9との戦闘ではハイマニューバモードで挑み、ゴーストをガルドの命と引き換えに撃破した。OVA版とMOVIE EDITIONでは撃破時の展開が異なり、前者はゴーストと激突して相打ちとなる形で爆散しており、後者はゴーストを貫いた後大気圏を突き抜け宇宙を漂うこととなった。
登場作品と操縦者編集
αシリーズ編集
- スーパーロボット大戦α
- 初登場作品。以降、ガルドが専用パイロットを務めるが、2回行動の早さも相まって充分YF-19とともに主力となれる存在。そちらと同様回避率はお墨付きだが、一斉射撃で使用しているミサイルが武装としては登録されないため、近距離主体となる。ファイター形態ではピンポイントバリアパンチ以上の火力を持つ、リミッター解除が武装としてあるため、火力はあちらを上回る。ただリミッター解除がENの限り気軽に使えるというのは原作はもちろん、手足を捨てる戦闘デモを見ているとツッコミどころしかない。イサムとのバルキリーでの喧嘩イベントでは敵となる。
- スーパーロボット大戦α外伝
- ミュンのためにガルドが敵に回るが、イサム相手にしか戦わない。イベントをこなせばマップ中で味方になり後半も使えるが、撃墜するとそのまま未来編まで使えない。後半月ルートでは、単独で大気圏を離脱できる機体と言うことで、一足先に月へ向かうメンバーに抜擢される。
- 2回行動が無くなり、回避が高いとはいえガルド固定なのでガッツの恩恵を受けられないが、魂リミッター解除は格闘武器では屈指の攻撃力。だが射程補正ダメージを考慮すると反応弾に劣り、通常戦闘ではYF-19と同様、射程への不安が残る。
- リミッター解除の演出が三次元的な軌道をふんだんに取り入れたものになり、ピンポイントバリアパンチも機体のカットインの他、一度回転も挟む躍動感のある移動、正拳からの裏拳の2連撃、接近とは違う形での離脱、と『α』のスライド移動からの地味な一撃から、これでもかと言わんばかりに演出が強化された。その代わりガウォーク形態では使用不可能になった。一部バージョンではピンポントバリアパンチと誤植されている。
- タイトルデモでは、その「ピンポイントバリアパンチを特殊戦闘台詞を伴いながらYF-19と打ち合う」という、『α』から『α外伝』への進化を実感できるものとなっている。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 序盤からYF-19と共に参戦。ファストパックを装備している。
- さすがにリミッター解除は本作でオミット。イサムからもガルドへの負担を考慮して止められている。代わりに合体攻撃でダブルピンポイントバリアパンチが追加。後半では(元々YF-21は反応弾の使用は前提としていないが)反応弾も追加される(ないと全体攻撃がないというゲームバランスの都合上でもあるが)。
単独作品編集
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2019年6月のイベント「百舌と隼」にて期間限定参戦。大器型SSRシューター。
- 原作のイメージか、各種ランスロットやスコープドッグ系に似た、HP3/5以下で強烈なバフがかかる、いわゆる底力系ユニット。
- アリーナでも性能の傾向は同様。ランスロットsiNに比べると回避バフの最大値は劣るもののコストが低く、コア獲得アビリティや特殊回避アビリティを持つ。昨今のユニットには珍しくバリア・特殊装甲を突破する手段を持たないため、それをカバーできるユニットとの同時編成は必須。
装備・機能編集
武装・必殺武器編集
- 格闘
- バトロイド・ガウォーク形態のみ使用可能。第3次αでは不採用。
武装編集
- エリコーンAAB-7 対空ビーム砲
- これまでのVF同様に頭頂部に設置されたレーザー砲。実際に発砲した描写が無い為かそのレーザー砲身はスタビライザーやフィン状の頭部装飾と勘違いされ易い。SRW未採用。
- マウラーREB-22 レーザービームガン
- 両腕に内蔵されたビーム砲。どの形態でも使用可能。
- SRWでは作品ごとに名義が異なり、『α』『α外伝』では「半固定ビーム砲」、『第3次α』では「内蔵式ビームガン」名義で、後者のみバトロイド形態限定となる。
- スタビライザー兼腕部シールド
- ファイター形態での尾翼。バトロイド・ガウォーク形態では両腕に装備。ピンポイントバリアとの併用により防御能力を向上させる事が可能。
- ヒューズ/GE GV-17L/BP-14D ガンポッド
- 銃身の長いガンポッド。他機種とは異なり二挺を標準装備しケースレス弾を使用する。
- 『X-Ω』では「ガトリングガンポッド」名義で通常攻撃に採用。
- ボフォーズ BML-02S マイクロミサイルランチャー
- 機体内蔵分とファストパック装着分を併用。
- ピンポイントバリア
- 一部分のみカバーするバリア。3つ発生し、バリアパンチとしても利用できる。バトロイド形態のみ使用できる。
オプション装備編集
必殺技編集
- ピンポイントバリアパンチ
- ピンポイントバリアを拳に集中させて、敵機に打撃を与える。
- 『第3次α』では両手で放つカットインとなっている。
- 一斉射撃
- 『α』ではバトロイド時の武装。ビームガンとマイクロミサイルを敵機に叩き込む…が、左腕のレーザービームガンを撃っていない。これは他の機体の一斉射撃とグラフィックが共通で、そのアニメーションがガンポッドを構えての攻撃であるからである。
- 『第3次α』ではファイター時の武装となり、マイクロミサイルを多数発射しつつ突撃し、怯んだ所でバトロイド形態へ変形し敵前でジャンプ、逆さになりつつ敵の背後からガンポッドを叩き込む。撃墜時は専用の爆発デモとセリフが用意されている。
- リミッター解除
- 手足を強制排除し、エンジンのリミッターを解除してのハイマニューバ・モード。機動力が爆発的に向上するが、同時に極めて高いGによりパイロットへの負担が大きい正に奥の手。エンジンのリミッターは普段のパイロットの肉体の限界から機体の限界に合わせられる。また高G下での操縦にはBDIの恩恵も大きく、劇中ではガルドの眼球が高Gで潰れた後もしっかりとゴーストX-9を視認していた。
- ガルドはこのモードをゴーストX-9戦で使用。無人機であるゴーストX-9に匹敵する機動を見せた。長時間高Gに晒された結果肉体が破壊され、ゴーストに特攻し機体が大破し死亡している。
- 『α』では単なる体当たりだが、『α外伝』では高機動挙動からの体当たりへとグラフィックが進化している。『第3次α』では削除され、代わりにダブルピンポイントパンチが追加された。
- 「リミッターを解除する」「パイロットに過負荷がかかる」というシチュエーションはロボットアニメにおいては珍しくないが、その中でも原作で実際にパイロットの肉体を破壊し死に至らしめた類稀な実績(?)と鮮烈な印象を伴った代物であるため、ユーザーからは「絶対に使ってはいけない必殺技」とすら扱われており、これが代償はEN消費のみであり連発すら可能(また、これもよくある演出だが使うたびに手足を排除する)なことはユーザーにツッコまれた。第3次αで未実装という形になったのもやむなし。
- ガトリングガンポッド(コンボ)
- 『X-Ω』での必殺スキル。前方に突撃し、敵機体の周りを3次元的に移動しながら集中攻撃を浴びせる。
合体攻撃編集
特殊能力編集
移動タイプ編集
サイズ編集
- S
- 「αシリーズ」。
- M
- 『X-Ω』。
機体BGM編集
- 「DOG FIGHT」
関連機体編集
- VF-22S シュツルムボーゲルII
- 正式採用機。通常の操縦系するなど改良されている。
- VF-27 ルシファー
- 本機の設計思想を更に推し進めた機体。
余談編集
- ベースデザインはノースロップ社及びマクドネル・ダグラス社により開発された試作戦闘機YF-23 ブラックウィドウIIである。
- MOVIE EDITIONでリミッターを解除したYF-21がゴーストX-9と交戦するシーンでは、わずか5秒間でセル画116枚を使用し、ゴーストが放った29発のミサイル全てをYF-21が避けきる様を描き切っている。アニメーターが手描きの限界に挑んで完成させたそのシーンは板野サーカスの集大成、転じてセルアニメーションの最高到達点とも言える圧巻のクオリティであり、「伝説の5秒」とも称されている。
商品情報編集