パソコンは、個人用のコンピュータを指す「パーソナルコンピュータ」の略称。「Personal Computer」を略した「PC」も同様に用いられる。個人から大規模のビジネス用途、その他あらゆるマルチメディアツールとしての機能を備えており、ゲーム機としての用途も持つ。そのため本項ではゲーム対応端末としてのパソコンを中心に説明する。

スーパーロボット大戦シリーズ」に関しては、2013年にPCブラウザ用ゲームがリリースされた後、2019年からはSteamによる本格的なPC用ゲームソフト販売が行われるようになっている。

パソコンゲーム一般 編集

1970年代 編集

コンピュータゲーム=アーケードゲームであった1970年代、家庭でも遊べるパソコン用ゲームの開発が盛んになったのは1977年発売の「Apple II」の登場以降とされる。表示能力の関係でジャンルは文字でもゲーム性を表現可能なテキストアドベンチャー等が中心であったが、有志の手によりアーケード用アクションゲームが移植されたり、著名TRPGをコンピュータRPG化した『dnd』などが登場するなど今日隆盛するゲームジャンルもこの時点で生まれている。

なお、日本国内では当初「micro computer(マイクロコンピュータ)」を略した「マイコン」と呼ばれ、1977年頃より「パーソナルコンピュータ=パソコン」という言葉が用いられるようになっている。

1980年代 編集

1983年発売のファミリーコンピュータを始めとしたコンシューマゲーム機の登場によって家庭向けゲームのメインストリームがコンシューマ向けへシフトし、パソコンゲームはマニア化が進むこととなる。その象徴的なものが1980年代後半より隆盛する18歳以上を対象とした性的表現が含まれる、いわゆるアダルトゲームの存在である[1]

他方「イースシリーズ」「信長の野望シリーズ」といったメジャーヒットタイトルも生まれており、これらはコンシューマ向けに移植されている。

1990年代 編集

1995年よりマイクロソフトより発売されたOS・「Windows95」の登場によって一般家庭へのパソコンの普及が世界規模で加速[2]。同OSに組み込まれたAPI「DirextX」は2025年現在もバージョンが更新され、後年コンシューマ機においても採用されている。コンシューマ機への移植やマルチタイトルが増えてきた時期であり、日本国内ではパソコンのスペックを活かしたロールプレイングゲームやシミュレーションゲームが主流であったが、一方で海外では3Dポリゴンを活用したタイトルが多く開発され、PlayStationなどの家庭用プラットフォームにも移植された。また日本国内ではアダルトゲームの普及は続いておりこの流れは2000年代まで継続する。

1990年代後期にはネットワーク機能を有したゲーム機も発売されるが、パソコンとの連携は2000年代中期以降になる。

その一方、ゲーム機をパソコンのプログラムとして起動する「エミュレータ」の普及により、ゲームソフトをPCに取り込んで遊ぶユーザーや、ゲームデータを改造するユーザーも増えてきた。当然ながら著作権に関わるため、他人にそれらを公開・提供することは違法行為であり、処罰の対象となる。

「ツクールシリーズ」といったコンストラクションソフトも発売され、アマチュア製の無料ゲーム「フリーゲーム」や同人(インディーズ)ゲームの普及も広がっていく。

2000年代 編集

一般家庭におけるインターネット接続環境が本格的に普及し、パソコン及びゲーム機もインターネット対応が標準化していった。それに伴い、オンラインで直接ソフトデータをダウンロードで購入したり、ゲームソフトや攻略本などの関連商品に付属するシリアルコードやプロダクトコードを用いて入手する特典が増えていった。一方で、パソコンの機能やスペックも飛躍的に進化を遂げ、動作に高スペックを要求されるMMORPG(多人数オンラインRPG)やFPS(一人称シューティングゲーム)が主流となっていった。

他方、スペックにあまり依存しないブラウザを介した無料カジュアルゲームも登場し、後に「ソーシャルゲーム」と呼ばれることとなるこの基本無料・アイテム課金型のビジネススタイルは携帯電話やスマートフォンにも波及し、以後爆発的に市場を拡大させていく事となる。

2010年代 編集

PC・コンシューマ機双方のスペックアップに伴い開発費が高騰するようになった結果、パソコンと家庭用で同じゲームを発売するマルチタイトル展開が増加。2000年代よりゲーム用に用いられてたグラフィックボードはより高性能化・高額化が激しくなっていく。

PCゲームのパッケージソフトは一部[3]を除いてほぼ消滅し、ダウンロード販売がメインとなる。2025年現在では国内外ともにValve社の「Steam」がダウンロード販売プラットフォームの主流となっている。

2020年以降 編集

グラフィックボードの機能は高いシェアを持つNVIDIAが中心となりハードウェア、ソフトウェア共にAI関連の技術が著しい発展を遂げた。これによりグラフィックボードはゲーム以外の処理にも利用される事が中心となりつつある。

「Steam Deck」(後述)の様な、携帯ゲーム機の思想を持ったモバイル式の小型パソコンが徐々に発売される傾向が進んだ。

ダウンロードプラットフォーム  編集

Steam(スチーム)
米Valve softwareがサービスを開始したプラットフォーム。
2010年代前半から爆発的に普及し、現在では国内外のメジャータイトルからインディーゲームにいたるまで幅広く扱っており、ゲームのみならずアニメや映画の配信サービスも行われている。2020年代現在も最大規模のゲームインターネットサービスで、アカウントに紐付けされる事よりユーザーの購入履歴も保証される。
一方で配信基準が緩く、レーティングの審査を受けていないソフトも多い。また、一部の国、特に日本に対してのみ販売を一切行わない、俗に言う「おま国」("お前の国では売らねえよ" の意)の横行や粗悪なアセットフリップ[4]タイトルの蔓延など、ラインナップに関しては玉石混交の趣が強い。
2019年には、『スーパーロボット大戦V』がSteamプラットフォームにて販売された。2021年発売の『30』以降のシリーズ新作は、Steam版も家庭用のコンソール版と同時発売されている。
2022年にはSteamでのゲームプレイに特化した携帯型ゲーム端末[5]である「Steam Deck」をValve Corporation自身がAMDと共同開発し発売した。Steam向けスパロボシリーズはいずれもSteam Deck上で快適に動作する。
Epic Games Store(エピックゲームズストア)
「Unreal Engine」を開発した米Epic Gamesによるデジタルゲームストア。2018年に運営開始。
毎週1~2作のゲームを無料でユーザーに配布している。
Steamがパブリッシャーから徴収する販売手数料30%は高すぎるとして、こちらは販売手数料は12%に設定している。
また、他ストアに対抗するため、6ヶ月~2年程度の期間、先行独占販売されるゲームを用意している。AAAタイトルでは『FF7リメイク』や『アサシンクリード ヴァルハラ』などがEpic Games先行で販売された。
Microsoft Store / Xbox
マイクロソフトの運営する公式ストア。Windowsゲームのダウンロード販売も行っている。
また、月額課金のサブスクリプションとして、個別にゲームを購入せずとも対象のパソコンゲームをダウンロードしてプレイできる「Game Pass」などのサービスも用意している。

商品情報  編集

スーパーロボット大戦シリーズ 編集

ブラウザゲーム  編集

パソコンをプラットフォームとするSRW作品は長らく存在しなかったが、2013年に『スーパーロボット大戦Card Chronicle』のmixi移植版がリリースされ、シリーズ作品における初のパソコン向けタイトルとなった。

スーパーロボット大戦Card Chronicle
2013年5月9日にソーシャルゲームサービス「mixiゲーム」よって配信され、パソコンのウェブブラウザよりプレイが可能となった。
2015年12月21日にサービスが終了している。

ダウンロードプラットフォーム  編集

2019年にSteam向けに『スーパーロボット大戦V』が移植されたことで、シリーズの主流タイトルが初めてパソコンに登場することになる。『スーパーロボット大戦30』以降の新作は、Steamプラットフォームにて家庭用と同時発売されている。

スーパーロボット大戦V
PlayStation 4(PS4)/PlayStation Vita(PSV)の移植版。2019年10月3日よりSteam配信。
スーパーロボット大戦X
PS4/PSVの移植版。2020年1月10日よりSteam配信。
スーパーロボット大戦30
PS4、Nintendo Switchとのマルチプラットフォーム。Steam配信。家庭用作品としては初のコンシューマ機とパソコンのマルチ発売である。
スーパーロボット大戦Y
PlayStation 5(PS5)、Nintendo Switchとのマルチプラットフォーム。Steam配信。

参戦作品  編集

機神咆吼デモンベイン
パソコンゲーム『斬魔大聖デモンベイン』のPS2移植版『機神咆吼デモンベイン』より参戦。2019年にはPS2版からの逆移植として『機神咆吼』名義でも発売されている。アニメ版が『UX』にて初参戦。PS2版は『X-Ω』にて初参戦。
サクラ大戦
『1』から『4』までの移植、5つのデスクトップアクセサリー集が発売。
マブラヴ オルタネイティヴ
オリジナルとなるアダルト版と全年齢版が発売。『X-Ω』に参戦。
ROBOTICS;NOTES ELITE
2020年よりSteam移植版が発売。PSV版の移植となる。
LIVE A LIVE
Switch版の移植版が発売。PS4/PS5とのマルチプラットフォームでいずれもダウンロード専売。

関連作品 編集

  • 関連作品として『デスクトップアクセサリー スパロボシリーズ』[6]が2000年12月1日に発売されている[7]
    • 「Vol.1 マジンガーZ」「Vol.2 ゲッターロボ」「Vol.3 真ゲッターロボ」「Vol.4 超獣機神ダンクーガ」「Vol.5 勇者ライディーン」の5作品が発売された。なお、説明書は「デスクトップアクセサリーVol.1~5」と全作品共通のものとなっている。
    • デスクトップマスコット(3Dデザインのメカ)、壁紙、メールチェッカー、付箋、ランチャーツールバーを収録。
    • バンプレスト公式サイトでは『スーパーロボット大戦 デスクトップアクセサリーシリーズ』の表記もある[8]

脚注 編集

  1. ただし、アダルトゲームのレイティングを行う「コンピュータソフトウェア倫理機構」が設立されたのは1990年代となってからであり、それも未成年者によるアダルトゲームの万引きが切っ掛けとなっている。
  2. シェアの面においてはDOS/Vの登場以降「PC/AT互換機」が日本国内でもデファクトスタンダード化、国内PCメーカーは富士通のFM TOWNSを最後に独自アーキテクチャ展開より撤退している。
  3. パッケージ版もネットワークを介してソフト本体をダウンロードする形式が主流。一部の家庭用ゲームもこの方式を取り始めた。
  4. 「アセット」とはゲーム開発ツールに予め用意されたサンプルデータ(3Dモデルなど)を指す用語で、「アセットフリップ」とはそれらのサンプルデータをそのまま流用したゲームを指す。
  5. 正確には「ゲーミングウルトラモバイルパソコン」(またはポータブルゲーミングパソコン)というパソコンの一種。
  6. パッケージ表記は『デスクトップアクセサリーVol.〇 (数字) スパロボシリーズ ○○ (作品タイトル)』
  7. 2000年発売ソフト一覧(バンプレスト公式サイト)2004年12月17日アーカイブ
  8. スーパーロボット大戦 デスクトップアクセサリーシリーズ(バンプレスト公式サイト)2009年4月3日アーカイブ