黒の騎士団

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黒の騎士団(くろのきしだん)とは、『コードギアス 反逆のルルーシュ』及び『コードギアス 反逆のルルーシュR2』に登場する組織

概要

サイタマゲットーにおけるコーネリア直属の部隊との戦いに完敗し、組織の強さを痛感したゼロことルルーシュ・ランペルージが、ゲリラの扇グループを母体に設立した。

攻撃対象となっている神聖ブリタニア帝国からは黒の騎士団だけでなく関係者全体が危険なテロリスト集団と断じられているが、客観的に見ればブリタニアは武力による強行的な侵略を積極的に行い更には制圧した国家の国民達を「ナンバーズ」として奴隷同然の扱いをしている「侵略者」に過ぎない為、それらを解放する為に行動している黒の騎士団は、厳密に言えばテロリストではなく「レジスタンス」という事になる。

単に志願だけで入団する事は出来ず、入団希望者は思想を含めた身辺調査の上、厳しい入団試験を受けることになる。それ故に、劇中の様子からも入団者の中から裏切り者が出る事は殆ど無かったのだが、後に結成当初の人員達の中から裏切りが発生してしまうという皮肉な展開を迎える事になる。

無印編

「正義」を目的とし、ブリタニアのみならず「悪」と対決する姿勢を標榜する。

当初はゼロと扇グループだけの新興勢力だったが、イレヴンを中心に次第にメンバーや支持者が増えていった。無印編後半から、総帥ゼロと四人の補佐官を中心とする大組織として再編成された。

作品第1期終盤で起きたユーフェミア・リ・ブリタニアによる虐殺事件後、ゼロによって「合衆国日本」の建国が宣言。ブリタニアのエリア11駐留軍と全面対決する「ブラックリベリオン」が引き起こされるまでにに至った。

当初は黒の騎士団側が圧倒的有利になっていたが、ゼロの搭乗するガウェインが諸事情で戦線離脱してしまった事で、形勢が逆転してしまい、この戦いはブリタニア軍側の勝利で終わってしまう。

R2編

ゼロ健在時

ブラックリベリオンでの敗退により、大多数のメンバーがブリタニアの捕虜となったか、近隣諸国に逃亡している。日本に残った主要メンバーも卜部カレンC.C.のみであったが、ブリタニア側の圧政を強いられていた日本人達からは、ゼロを中心に支持を受け続けていた。バベルタワーでの事件を経て起きたゼロの復活と合衆国日本建国の再宣言を機に、ブリタニアに捕らわれていたメンバーを救出・合流。更には黒の騎士団に賛同する新たな支持者達と共に日本から脱出して中華連邦に亡命し、再び決起する事になった。

中華連邦で起きた天子を巡る事件を経て、中華連邦側の協力を得る事に成功。「合衆国日本」と「合衆国中華」と改めた中華連邦を中心に、新興連合国家である「超合集国」の構成に大きく関わる事になる。以降は、どの国家にも属しない傭兵的戦闘集団となっているが、資金や人員の提供を条件に超合集国に加盟した47カ国の防衛を担う役目を持っており、事実上、ブリタニア軍に匹敵しうる軍事組織にまで発展した。また、これを機に扇グループに所属していた黒の騎士団の初期メンバー達は、超合集国軍の中でも上位の役職に就く事になり、藤堂鏡志朗や四聖剣のメンバーも軍の重要役職に就任。中華連邦のメンバーの中でも特にゼロに見込まれていた黎星刻は、黒の騎士団の総司令に任命された。

しかし、第二次トウキョウ決戦後に起きたある事件を機に、黒の騎士団は衰退の一途を辿っていく事になる。ゼロの正体が、元ブリタニア帝国の皇子であるルルーシュ・ヴィ・ブリタニアである事と、彼がギアスによって他人を操る能力を持っていた事実を、ブリタニア帝国の第2皇子シュナイゼル・エル・ブリタニアによって暴露された事で、や藤堂といった旧・黒の騎士団のメンバー達は、やや性急とも言える形でシュナイゼルと裏取引を行い、ゼロの排除を決定する。旧・黒の騎士団メンバーのみで、内密にゼロの処刑が実行されようとしたが、ロロ・ランペルージが、蜃気楼を強奪してルルーシュを連れ出した結果、ゼロの排除には失敗する。

事件後、参謀格であるディートハルト・リートの進言で、ゼロは表向き第二次トウキョウ決戦での戦闘で死亡した事にされ、信憑性が低すぎる事から、ギアスについても公表される事は無かった。

なお、ゼロ追放に関しては扇達の裏切りが取り沙汰されることが多いのだが、そもそも黒の騎士団団員と指導者であるゼロ(ルルーシュ)との間の信頼関係が希薄なものであったことも、ゼロ追放の原因の一つであったと言えなくもない(詳しくはルルーシュの項を参照)。

ゼロ追放後

ゼロの追放後、黒の騎士団は藤堂星刻を中心に運営されていく事になるが、ゼロルルーシュ)がいてこそ、黒の騎士団および超合集国は結成までに至れた為に、扇達だけの黒の騎士団でブリタニアに抵抗し続けていくのには、限界があった。

そんな中、神聖ブリタニア帝国内では、姿を消していたゼロことルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが、シャルル・ジ・ブリタニアに代わって皇帝の地位に電撃的即位を果たす事になる。ナイトオブラウンズをほぼ一掃したルルーシュは、日本の名称に戻ったエリア11での会談で、ブリタニアの超合集国への加盟を要請する。

しかし、ルルーシュの目的がブリタニア最高評議会における過半数の票獲得によって超合集国そのものの実権を握る事にあったのを察知していた黒の騎士団と超合集国は、それを阻止する為とはいえ、ブリタニアに対し、「ブリタニア国土の分割」か「投票権を人口比率の20%まで下げろ」という、難癖に等しい法外な条件を突きつけ、[1]それを受け入れられないと見るや、ルルーシュの捕獲による排除へと移行する等、政治の最低限マナーさえ無視した暴挙に出てしまっている(超合集国加盟国の首脳と思わしき人物からも「これは失礼ではないか?」と言われている[2])。が、ルルーシュには、それらの謀略は見抜かれてしまっており、待機していた枢木スザクに「皇帝救出」の大義名分を与えて乱入を許し、ルルーシュ率いるブリタニア側が超合集国の首脳陣を捕らえた事で、ブリタニア軍と全面的に対決する事になった。

超合集国の支援を受けた状態でも、黒の騎士団がブリタニア軍に対抗するのは困難であったため、殲滅兵器であるフレイヤを大量搭載した機動要塞「ダモクレス」と、生き残ったナイトオブラウンズのメンバーを戦力に加えていたシュナイゼル・エル・ブリタニアと同盟を結ぶという、妥協に等しい苦肉の策に出る事になる。ルルーシュに捕らわれた超合集国首脳陣を救出する為に、星刻は「フレイヤを使用しない」のを条件に、黒の騎士団の指揮権を全てシュナイゼルに委譲。この結果、黒の騎士団は完全にシュナイゼルの配下にまで収まってしまう。

サクラダイトの原産地であるフジサン付近を舞台に、黒の騎士団はルルーシュ率いるブリタニア軍と全面的決戦を迎える事になるが、ルルーシュが繰り出す様々な策略の前に、戦力は殆ど失われていき、エースパイロットであった藤堂、紅月カレンも次々と撃墜される。そして、ラウンズのメンバーも倒れていく中、シュナイゼルの保有していたダモクレスも、ルルーシュ自らの手で制圧される。フレイヤの発射と同時に全世界に皇帝ルルーシュの勝利宣言が行われ、圧倒的不利に陥った黒の騎士団は、ブリタニア軍に全面降伏する形で敗退を迎えるのだった。

決戦後、皇帝ルルーシュが黒の騎士団のCEOの座に就く形で、黒の騎士団は彼に乗っ取られてしまう結末となった(扇達に一方的に追放されて黒の騎士団を乗っ取られたゼロの正体のルルーシュが乗っ取り返したという方が正しいが)。

登場作品

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
エリア11ルートでは扇グループとしての小規模な活動からスタートし、指導者としてゼロが加わった事で一大レジスタンス組織へと変貌する過程が描かれる。
なお、主要メンバーの中で吉田透、井上直美の2名のみ未登場。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
ブラックリベリオンが再現され、敗退した事がプロローグにて描かれる。原作のゼロによるメンバー救出はソレスタルビーイングアレルヤ救出作戦にとって代わられた。終盤の原作再現でゼロレクイエムルートに進むと、そのあまりに短絡的な行動を関わりの深いガンダムWのメンバー(特にヒイロ五飛)に指摘される。その後は原作とは違ってZEXISに残り、ルルーシュシュナイゼルの両方と敵対する道を選ぶので、シュナイゼルの手玉に取られ続けた原作と比較すれば、マシかもしれない。
逆に騎士団ルートに進んだ場合はメンバー全員でゼロの真意とこれからの動向を問い、以前通りゼロを筆頭とした「正義の味方」として戦っていく様子が描かれる。
特に何も言われていないが、EDでゼロとC.C.以外の黒の騎士団メンバーは各々の生活に戻る事が語られているので解散したものと思われる。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
今回はゼロ、カレン、C.C.以外の面々は自軍部隊に参加しない。
フルメタル・パニック!』に登場したテロ組織『A21』が黒の騎士団に参加していたというクロスオーバーがある。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
時獄篇同様、ゼロ、カレン、C.C.以外は自軍に参加しない。
「新日本義勇軍」として再編され、新地球皇国に善戦していたものの、バルビエルの持つ、怨嗟の魔蠍のスフィアによって一般市民が暴徒化してしまい、敗北を喫する。
その後、オペレーション・エクリプスでは新日本での反攻作戦に参加した。

単独作品

スーパーロボット大戦Card Chronicle
日本への全ての侵略勢力に対し、徹底抗戦を宣言したことが説明されている。
スーパーロボット大戦X-Ω
吉田透と井上直美が初登場。一部のユニットクエストでは、前身となった扇グループ時代の彼らも描かれている。
スーパーロボット大戦DD
序章ワールド3でゼロによる立ち上げ演説が再現され、異世界からやってきたアークエンジェルにカレンを派遣する。

構成員

最高幹部

ゼロ
騎士団の総帥。超合集国構成後は、CEOとなった。後に素性を知った扇の煽動によって追放処分となった。
扇要
副司令。最高幹部筆頭で、騎士団のナンバー2。超合集国構成後は事務総長に任命されていたが、ゼロの素性を知ったのを機に、他のメンバーを扇動して、彼を追放処分に追い込み、事実上黒の騎士団の全権を掌握する。
第2次Z再世篇』では、ゼロ追放の論議が持ち上がった際に(フラグ立てが必要だが)扇がそれでもなおゼロを信じるか否かで、ゼロや黒の騎士団、そしてZEXISの命運が決まる。
藤堂鏡志朗
軍事補佐官。22個の実戦部隊を統括する。超合集国構成後は統合幕僚長。
ディートハルト・リート
情報補佐官。超合集国構成後は媒体情報管理長。
ラクシャータ・チャウラー
技術補佐官。超合集国構成後は科学長官。
黎星刻(リー・シンクー)
超合集国構成後、中華連邦側の最高幹部及び、黒の騎士団の総司令に任命される。

幹部構成員

元・扇グループ

紅月カレン
総帥直属親衛隊である零番隊隊長。
南佳高
扇グループの一人。首席補佐官付き副官で、超集国構成後は斑鳩の艦長を務める。
玉城真一郎
扇グループの一人。第二特務隊隊長で、超合集国構成後は内務掃拭賛助官。
杉山賢人
扇グループの一人。第一特務隊隊長で、超合集国構成後は特務隊長。
吉田透
ブラックリベリオンにて戦死。
井上直美
ブラックリベリオンにて戦死。

元・四聖剣

千葉凪沙
超合集国結成前から結成後に至るまで、四番隊隊長を務める。
朝比奈省悟
壱番隊隊長。
卜部巧雪
ゼロ奪還作戦時に、自爆
仙波崚河
弐番隊隊長。ナナリー捕獲作戦時に、戦死。

中華連邦出身

周香凛(ジョウ・チャウリン)
超合集国構成後、参謀長官に任命される。
洪古(ホン・グ)
超合集国構成後、二番隊隊長に任命される。

その他

篠崎咲世子
諜報部員。
C.C.
役職は無いが、「ゼロの私兵(一部で囲っている愛人とも)」と解釈されている。
木下
ゼロ番隊副隊長。
双葉綾芽、日向いちじく、水無瀬むつき
日本から中華連邦への亡命後に新規加入。斑鳩のブリッジクルー。
枢木スザクコーネリア・リ・ブリタニアユーフェミア・リ・ブリタニアアンドレアス・ダールトンギルバート・G・P・ギルフォード
NDS版『反逆のルルーシュ』のIFルートにて参加。
ライ
PSP用ソフト『Lost Colors』の黒の騎士団ルートにて参加。
黒の騎士団団員
一般構成員

他作品の協力者

キリコ・キュービィー
「Zシリーズ」ではゼロによって、傭兵として雇われる。交わした言葉は少ないが、絶対服従のギアスを持つゼロとは対極の位置にいるにも関わらず、互いに信頼し合っており、ゼロから素顔を明かされている。
後に黒の騎士団でゼロ追放の議論が持ち上がった際には、「ゼロには借りがあるはずだ」と異論を唱えている。
ブールーズ・ゴウト
「Zシリーズ」では後方支援担当。扇グループからの付き合いで、黒の騎士団成立後もそれに協力している。
バニラ・バートラー
「Zシリーズ」では後方支援担当。ゴウトに同じくレジスタンス活動に直接参加しないものの、黒の騎士団に協力する。特に、玉城とはケンカ友達ともいうべき関係。
ココナ
「Zシリーズ」ではゴウト、バニラと行動を共にする。特に、カレンとは仲が良い。
ロジャー・スミス
「Zシリーズ」ではネゴシエイション能力を買われてゼロに雇われ、黒の騎士団に同行するうちに彼の正体に興味を持つ。
後に黒の騎士団でゼロ追放の議論が持ち上がった際には、「ゼロの事情を考慮もせず、一方的に責め立てるのはアンフェアだ」と再考を促している。
カミナ
「Zシリーズ」では互いに意気投合した後、ゼロから「黒の騎士団特別団員」という肩書を贈られる。一方、ゼロはカミナから「グレン団新米団員」という肩書を贈られている。
エルガン・ローディック
「Zシリーズ」ではキョウトとの仲介役。エリア11における反ブリタニア武装組織であった黒の騎士団を国連の特別国際救助隊―ZEXISに参加させた人物。
武知征爾
「Zシリーズ」では零番隊部隊長として黒の騎士団に参加していたが、戦いが終わった後に「幼い子供を戦力にしていた」事で糾弾され最終的に自殺。タクマセイナら残ったA21メンバーは、解放したエリア11(新日本)ではなく日本へ復讐する。
ヒイロ・ユイ
『DD』のイベント「クロッシング・パイロット第2弾」では自ら黒の騎士団に参加。『第2次Z』と『DD』のどちらも自力でゼロの正体に気付く。

余談

  • 「R2」のとあるシーンでは、ゼロによる団員の能力値評価が示されている。直接戦闘に参加しているわけではない3人の戦闘技術が0となっているのは仕方がないことではあるが、それよりもゼロの玉城に対する評価の低さが目立つ。また、四聖剣の朝比奈・千葉は最後までゼロに対する懐疑的な姿勢を崩さなかったため、忠誠心の面で低評価を受けている。
知性 戦闘技術 カリスマ性 忠誠心 総合
藤堂鏡志郎 70 100 90 75 345
皇神楽耶 80 0 100 90 270
ラクシャータ 100 0 80 80 260
紅月カレン 30 100 20 100 270
扇要 70 20 75 80 245
南佳高 60 30 65 45 200
杉山賢人 50 45 45 60 200
朝比奈昇悟 65 90 20 20 195
ディートハルト 80 0 50 50 180
千葉凪沙 60 85 20 10 175
玉城真一朗 10 10 10 10 40

脚注

  1. 既にブリタニアは全エリア・ナンバーズの解放を行っており、国土の分割と事実上の投票権低下を自発的にやったにも関わらず、更にやれと言っているのである。仮にブリタニアが敗戦し弱い立場であったなら兎も角、国力の上では圧倒的に有利(逆に寄り合い所帯の超合集国の方が不利)であり、超合集国側の言い分は難癖以外の何物でもないのである。
  2. 正確には「やはり、これは失礼ではないか?」。つまり、ルルーシュ捕獲を加盟国の首脳に知らせており、その際にも反対意見が出たが、押し通したと言う事である。