アクレイド・バロム
アクレイド・バロム(Akraid Barom)
- 登場作品:魔装機神シリーズ(バンプレストオリジナル)
- 声優:松本保典
- 種族:ラ・ギアス人
- 性別:男
- 年齢:不明(30代)
- 所属:シュテドニアス連合国→北部シュテドニアス連邦
- シュテドニアス連合国(魔装機神F)
- 階級:中尉→少佐→准将
- 役職・称号など:北部軍司令官→北部シュテドニアス連邦上院議員
- シュテドニアス連合国議会上院議員(魔装機神F)
- 主な搭乗機:ダイオン→ジンオウ
- キャラクターデザイン:下山剛史
シュテドニアス連合国を代表する智謀の士。「神算鬼謀のバロム」とも呼ばれるほど先を読む力に長けている。
「シュテドニアス南北戦争」時には北部シュテドニアス連邦に属し戦争の早期解決の為にその智謀を振るっていたが、やがて軍人として戦うだけでは戦争は終わらないと考えるようになり、階級が高くなりすぎて上層部から邪魔者扱いされている事もあって議員に転向。政界でもその手腕を発揮し最終的には南北統一の演説も任されている。南北統一後はアンティラス隊との調整役を任され奔走していた。
実は「未来見」の能力を持っており、彼の神算鬼謀はこれに由来するものであった。5000年前の戦記の時代に登場したビルセイア兄妹がもつ「予感」と同質の力であるとも思われる。彼が自分の力を周囲にひた隠ししている理由を、プロデューサーは「自分の力を未来見と違う特異なものと思っているため」(実際にはアクレイドもラングランによくいる未来見の一人にすぎない)と解説している。彼の「予感」とラングランの王女モニカがマサキに披露してみせた「未来見」はかなり実態が異なっているが、ユーザーの知らない部分を把握している可能性もあるため、寺田氏の理解が間違っているとも言えないだろう(言い訳も含めて見破られた時、「よくある能力ならひた隠しにする必要はない」という趣旨の発言がある。ただ、プロデューサー側が把握している設定で、ラングランにも「予感」の力を持った未来見が複数いるということなのかもしれない)。実は、この能力は静死の柩の影響で少しずつ誤差が発生してきており、計画の最終段階時には全く機能しなくなっていた。その後、計画失敗に伴い、少しずつ元に戻っている模様。
登場作品と役柄
いずれの作品でも完璧な策士としては描かれていない。
魔装機神シリーズ
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
- 初登場は「神算鬼謀のバロム」。アンティラス隊と交戦する機会は数えるほどだが、彼と接触した多くの人間が得体の知れない違和感を嗅ぎ取り、警戒の念を抱いている。一方でヴォルクルス教団と手を組むオンガレッドへの対応に苦慮するシーンもある。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- 本作では、ロドニーとともにシュテドニアスとアンティラス隊との間に協調路線を展開しようと精力的に活動する様が描写されている。私事では、シュテドニアスルートの序盤で食した「砂糖より甘いテュッティの料理」をフルコース完全制覇という無謀を果たす。しかし、その時の衝撃を忘れることが出来なかったらしく、あれこれと遠回しに彼女を会食に誘い出して好意を告げようとするも、積極的且つ自分の上を行くヅボルバの登場で戦術も含めて空回りしだしてしまう。最後までテュッティの携電(スマートフォン)のE-mailアドレスと電話番号すら把握できないなど、恋の鞘当において孤独な一人相撲を始終演じきったようにしか見えない。
- 俯瞰するに、告白する機会はテュッティのフルコースを食べ終えたときにしかなかった。そもそも、テュッティが好意を抱いたことがある人間は自己犠牲ともとれる無謀さを持つ人間ばかりなのに対し、彼は安全策を講じるタイプなので見事なほど相性が悪い。ヅボルバのように周囲も気にせずプロポーズするだけの勇気があればあるいは変わったかもしれない。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END
- 序盤から登場。今作で彼の『神算鬼謀』の正体が予知能力であった事が判明する。しかし前作から不調だったこの能力は今作で全く機能しなくなっており、かつての名将ぶりは見る影もない。しかし終盤は原因であるヨーテンナイが倒されたため徐々に復調、巨人との高いに貢献している。スポット参戦する機会があるが、ここで1機撃墜しておくとトロフィーが獲得できる。撃墜させなかった場合は後程スポット参戦するロヨラとレッフェンにトロフィー獲得の役目を託すことになるので、余裕があるなら撃墜を狙おう。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
「操者としての腕は三流」と評価される通り、戦闘能力自体は凡庸。
精神コマンド
特殊技能
パイロットBGM
- 「終わりなき戦い」
人間関係
- マサキ・アンドー
- 幸か不幸か、マサキからはあまり警戒してもらえていない。ただし「操者としての腕は三流だが、率いる部隊は鬱陶しい」と一定の評価をしている。
- シュウ・シラカワ
- 直接の面識はF以前はない。『シュテドニアス南北戦争』の折、アクレイドとマサキたちが交わした会話データを求めてアンティラス隊に自ら接触してきている。Fにおいて自身が『普通の人間』でありながら未来を読み取る能力者であることを彼に見抜かれており、自身の能力に支障を生じさせている黒幕であるヨーテンナイの情報を提供されている。
アンティラス隊
- テュッティ・ノールバック
- IIIでぞっこん惚れ込むことになった意中の女性。想いを告げる事すら出来なかったため、テュッティはアクレイドを単なる知人と認識している。尺の都合もあったと思うが、恋敵にあたるヅボルバと三角関係を演じる展開にもこぎつけなかった。まあ、続編で三角関係に発展する可能性はあるが……。
- ちなみに、何の因果かIIの第二弾PVでは彼女のガッデスと交戦していた。
- セニア・グラニア・ビルセイア、ギド・ゼーホーファー
- 彼らからは南北戦争時に警戒されていた。
- ガエン
- ヴォルクルス教団の教徒が使う説法に似た話術を使うとマサキに忠告している。それ以外にも、Fのキャンペーンマップでは自身の大喰らい振りを彼から絶句されることに。
- レミア・ザニア・ヴァルハレヴィア
- 「サブミッションのラーミス」に師事した同門。初対面で彼女に関節技を極められそうになるが、逆に見事なアームロックを返してみせた。「ラーミス様に気性がそっくり」と彼女を評す。
シュテドニアス連合国
- リシェル・グレノール
- 部下。彼からは少々頼りないと思われていた。
- ニコ・サンドリーブ
- 部下。当初はサンドリーブ姉と呼んでいた。
- ロヨラ・ブラックバーン
- 彼の暴走を食い止めようとする。
- ロドニー・ジェスハ
- 彼には警戒されつつも、他に信頼できる人間がいないと北部の内政及び戦略について相談し合っている。一方のアクレイドも、軍人としてではなく政治家としてシュテドニアスに尽くそうとするロドニーに影響されて、自身も政治家に転身することになる。それなりに親しくなったようで、IIのEDによってはロドニーに「早く結婚しろ」と忠告されている。……その忠告を受け止めた結果がアレだったとも言えるが。
- ムデカ・ラーベンス
- Fでは彼から「売国奴」と罵倒されている。が、何度か指揮下で戦っただけの彼を覚えていたことを驚かれる。
ラーダット王国
- ヅボルバ・ポフ・ミマンサー
- ラーダットの州知事秘書。恋敵と呼べるほどの関係にもなれなかった。
名台詞
戦闘台詞
- 「やれやれ、どうも魔装機の操縦は苦手なんだよなぁ」
- わざわざ自己申告までする。
魔装機神シリーズ
魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- 「まあ、そうなんですけどね。でも、あなた方の仕事でもあるんですよ」
- 北部シュテドニアスに捕まってしまったロドニーを開放する代わりにアンティラス隊に奇襲を仕掛けてきた南部軍の対処を依頼する。アンティラス隊に恩を売ると同時にアンティラス隊の性格を把握し南部の奇襲も処理しさらには反攻作戦も行うという一石四鳥のやり方にアンティラス隊の面々は彼を警戒することになった。
- 「私が?まさか。死者を減らすとは言ったけど、無くすとは言ってないんだよ。要するに、どれだけ効率よく人を殺せるか、そんな事ばっかり始終考えてる人間なんだよ、私は」
- 自分の軍を囮にして南部軍との戦力差をひっくり返し五分にまで持ち込んだのをリシェルに賞賛され。この言葉にリシェルからは偽悪的と返されるが本人は偽善的よりは良いらしい。
- 「ああ、それでしたらご心配なく。私を含めて18人しかいませんから」
- 北部要塞を攻略され降伏を申し入れて。あまりの少なさにセニアやギドは驚きを隠せなかった。彼の優秀さがわかる。
- 「選択肢を先に提示してあげただけですよ。選択肢があると、人は無意識にその選択肢の中から行動を選びます。選択肢以外の行動があるにも関わらず」
- ロドニーから相手の動きを読む秘訣を聞かれ。内心は冷や汗ものらしい。
- 「行ってらっしゃい。……忙しい方だなぁ。まあ、それが政治家というものだけど。私にも勤まるかね……」
- 北部ルートエンディングで呼び出したアクレイドを残して慌ただしく出て行くロドニーを見て。准将に上り詰めたアクレイドだがこの頃から政治家に興味を持っていた。別のルートでははっきりとロドニーに議員になることを伝えている。
魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- (こ、この甘さは……!?糖分が脳に直接流れ込んで……!!あっ……視界が……っ!?)
- テュッティの料理を食べて。視界にも影響を与えたらしく彼の眼にはテュッティの周りに小さなテュッティが砂糖をもって飛び回りテュッティが輝いて見えた。
- (ああっ……これ以上の摂取は危険だって、身体は分かっているはずなのに……あの笑顔を見てしまってから、脳がとろけて、たがが外れてしまった……もう、手を止められない……)
(ああ……なんて甘美な笑顔なんだ……そうか……この料理の甘さより、彼女の笑顔の方が、ずっと甘い……砂糖の女神がいるのなら、きっとこんな姿なんだろうな……) - テュッティの料理を食べてる間の感想。ちなみに食べ終えるのにかかった時間は30分21秒で砂糖固めでKO負けと言っている。
- 「それでその……ボディガードが必要かなって思ってね」
- テュッティをデートに誘う口実。
- (な……何だ、この展開は……!?一体……何がどうなっているんだ!?)
- テュッティとデート中に現れたヅボルバに困惑して。
- (まいったなあ。タイミングがズレてる)
- 疲れた様子のテュッティに声をかけようとしたがヅボルバの電話で失敗して。神算鬼謀と呼ばれた彼も恋で鈍っているのかもしれない。再登場した時も同じ愚痴を呟いている。
- 「色々あるけど、もう二度とあんな戦争はしたくないっていうのが一番かな」
- ラーダットのポトミア州の調査のためにフリングホルニに乗り込んだ際、サンドリーブ姉妹との会話の中で話した政治家になった理由。
- 「テュッティ……ヅボルバの事だけど、あまり肩入れし過ぎない方がいいと思う」
「……僕の見立てだと、ヅボルバとセウラントはほぼ確実に繋がっているよ」 - テュッティに自分が集めた情報をもとにヅボルバとセウラントとの繋がりを指摘する。しかしテュッティを怒らせてしまい後悔することに。
- 「これは……南北戦争の時の話だけど、君の過去を調べた事があるんだ。その時に知ったんだけど……君は、大きな喪失体験を何度もしているね。家族を、恋人を、そして主君を……」
「シュテドニアス人の僕が、そこを掘り返すのは、本当に申し訳ないんだけど……でも、僕にはテュッティが、そんな過去に囚われて、感じなくてもいい負い目を感じて……それで、無理にヅボルバを追おうとしてるんじゃないかって、そんな風に感じられてね」 - ヅボルバの要求に応じて彼の言った場所に一人向かおうとするテュッティに声をかけて。彼女が義務感や罪悪感からヅボルバにこだわっているのではないかと思っていたが、アクレイドのこの言葉でテュッティは自分の本当の想いに気づくことになった。
- (……こうなってしまうのは、分かっていたんだけどね……『恋愛上手』な人だったら、この隙に自分の方を向かせたりって考えるのかもしれないけど……僕はただ、テュッティにとって、一番幸せな結果になって欲しくて……でも……それじゃ、僕の気持ちは……僕はどうすればよかったんだろうな)
- テュッティから彼女の本当の想いを聞いて。恋のライバルにもなれず自分の想いも伝えられず彼の恋は終わってしまった。
- (実はそれも、なんだよなぁ。あのパーゼミュート社が、そんなヘマをするとは思えない……とは言え、じっと待ってるだけじゃ士気が下がるし……難しいところだよな)
- セウラントの居場所を見つけられずに行き詰っていたアンティラス隊にセウラントと繋がりがある可能性があるパーゼミュート社の工場を捜索することを提案して。テュッティに失恋した後も彼の調子は戻らずにいた。この後、要塞跡の捜索を提案するがこれも何か引っ掛かっていたが分からずじまいだった。
- 「いや、焦ってしまうのは当然だよ。僕だって、大切な人に何かあったら、冷静なままじゃいられないよ」
(そう、僕だって、もしも大切な人に何かあったら……そんな心配をしてしまうからね) - ヅボルバを心配するあまり焦っていた様子のテュッティに声をかけて。彼のこの言葉にテュッティも気が楽になった様子だった。
搭乗機体・関連機体
余談
- 一見うだつの上がらない男だが戦術・戦略には非常に優れている、自分の意に反して軍内部でどんどん出世していく等の共通点から、モチーフになっているのは『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーではないかと言われている。しかしヤンには一切の野心がなく、軍での出世や政界進出などに対する意欲もゼロである。これらの点ではその辺りを時折うかがわせるアクレイドとはやや趣を異にする。
- キャラクターデザインでは独身男性が一人で食事する様を淡々と描いた怪作『孤独のグルメ』の井之頭五郎に酷似しているとしばしば指摘される。アクレイドも独身であり、ロドニーの愛妻弁当に興味を示すなど食に関するエピソードの描写が多いなど、設定面での影響も存在する。