沖田十三

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沖田十三は『宇宙戦艦ヤマト2199』の登場人物。

沖田十三
読み おきた じゅうぞう
外国語表記 Juzou Okita
登場作品 宇宙戦艦ヤマト2199
声優 菅生隆之
デザイン 結城信輝
初登場SRW スーパーロボット大戦V
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人(日本人)
性別
生年月日 2141年12月8日
年齢 57歳
出身 日本・福島県
所属 地球連邦・国連宇宙軍
役職 連合宇宙艦隊司令長官
宇宙戦艦ヤマト艦長
軍階級 宙将(提督)
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概要

ヤマトの艦長。階級は宙将(中将に相当)。

優れた軍人であり、同時に宇宙物理学博士号を持っており、科学者としても優秀。二次内惑星戦争で勇名を馳せ、さらに第二次火星沖海戦において初めてガミラス艦隊を退けることに成功し、英雄として尊敬を集めている。

実は「遊星爆弾症候群」を数年前から患っており、周りにはその事実を隠している。病気に苦しみながらも、ヤマトの艦長として指揮を執り、イスカンダルを目指す。

旅の途中で倒れたり、後半は戦闘時以外はほぼ寝たきりで療養しながらも任務を完遂。イスカンダルからコスモリバースシステムを受け取り、地球への帰還の途に着くも、地球の目前に辿り着いた時点で息を引き取った。

登場作品と役柄

VXT三部作

スーパーロボット大戦V
初登場作品。担当声優の菅生氏は魔装機神シリーズレッフェン・ダスドレーシュ役を経て、初の版権作品の参加となる。
ヤマトのメインパイロットを務める。第1話から自部隊の総司令として登場し、原作通りの頼もしい活躍を見せる。自軍の中ではアムロ以上の技量を有し、ヤマトの性能の高さやサブパイロット達の精神コマンドのバランスの良さもあって強さは自軍トップクラス。技量の高さを生かすため優先的に再攻撃を習得させたい。加入当初からレベル10と高く、彼で撃墜させると、他のメンバーが育たなくなるため、SRポイントの早期取得以外では削り役に回そう。原作では死亡するキャラなので離脱を不安視されがちだが、最終話まで使えるので安心していい(EDでは原作通り静かに息を引き取る)。

パイロットステータス

精神コマンド

V
先見信頼期待突撃気迫
ただでさえ高いヤマトの攻撃力を更に向上させる魂、開幕から全力を出していける気迫を併せ持つ。これらを覚えるまでは先見と期待で自軍の補助に回れる…と至れり尽くせり。

特殊スキル

V
艦隊指揮指揮官L4、底力L6、精神耐性
最初から最大レベルの指揮官が目立つ。そして、新スキルの艦隊指揮によって更に強化されるので、第3話でのアマクサ戦で大いに役立ってくれる(無論、それ以外の状況でも同様である)。

エースボーナス

サブパイロットを含め、自軍フェイズの開始時のSP回復+5
V』で採用。自身はもとより、サブの精神コマンドも優秀(特に真田のかく乱は終盤の生命線となる)であるため、大幅な戦力増強となる。

人間関係

家族

息子
第二次火星沖海戦におけるガミラス艦隊との交戦で戦死している。彼とともに写った写真を艦長室に置いているが、これは旧作から継続している描写。
ちなみに彼ら親子と一緒に写っている女性も旧作から存在するが、当時から今に至るまで何者なのか一切設定されていない人物であり、2199でも同じく一切言及されていなかったのだが、むらかわみちお氏による同作のコミカライズにおいてこの女性は息子の結婚相手であることが判明。また、作中における彼女の状況も判明した。

国連統合軍

土方竜
航宙軍士官候補生学校の校長。沖田とは同期。
沖田が「遊星爆弾症候群」を患っている事を知っている一人。
藤堂平九郎
沖田が「遊星爆弾症候群」を患っている事を知っている一人。
古代守
第二次火星沖海戦以来の部下。
山南修
副官でありキリシマの艦長。

ヤマトのクルー

古代進
ヤマトの戦術長。旅の中で彼に様々な心得を説いた。
島大介
ヤマトの航海長。
佐渡酒造
ヤマトの軍医。
沖田が「遊星爆弾症候群」を患っている事を知っている一人。
徳川彦左衛門
ヤマトの機関長。旧知の仲であり戦友。

ガミラス帝国

エルク・ドメル
宿敵ながら互いに敬意を表する間柄。

他作品との人間関係

ブライト・ノアオットー・ミタスホシノ・ルリテレサ・テスタロッサスメラギ・李・ノリエガラクス・クラインスベロア・ジンネマン
V』にて共に旅する艦長たち。DLC「戦いの星海」では艦隊戦の手ほどきをすると共に、彼らの実力を評価する[1]。また、満場一致で自部隊の総司令として頼りにされる。特にブライトに対しては大きな信頼を寄せており、自身が倒れた際には、部隊の司令を継いでもらおうと考えていた。
トビア・アロナクスキンケドゥ・ナウ
『V』では版権作品としては唯一の同じ新正暦世界出身。コスモ・バビロニア建国戦争木星帝国との戦いの際はお互い面識が無かったが、本編では序盤に乗船した頃からの長い付き合いとなる。
ベルナデット・ブリエット
『V』ではヤマトに密航した彼女の報告を聞いて「またか…」と呆れた。
ダグザ・マックール
『V』ではエコーズとして異世界の戦力を接収しようとするダグザに対し、軍人としての心構えを説き、成長を促した。
叢雲総司
『V』ではメ号作戦の際、月面航空隊第25部隊に所属していた。同部隊を結果的に壊滅させてしまったことを後悔しており謝罪したが、ソウジは沖田の立場や任務の意義を理解していた為、気にしなかった。
ネバンリンナ
『V』での生涯最後の敵。困難ルートでは彼女の決定的な欠陥を見抜いた一方で、ガーディム再建の使命を最後まで諦めようとせず果たそうとした彼女の姿勢に対し、敬意を評していた。

名台詞

沖田「『バカめ』と言ってやれ」
通信士「は?」
沖田「『バカめ』だ」
メ号作戦において敵からの降伏勧告への返答。旧作においても特に有名な発言でもある。
沖田のこの返答を「勝ち目が無いにも関わらず、敵の降伏勧告を挑発で返す愚かな行為」と批判する意見もあるが、これは地球に住む人々を守る為に例え勝ち目が無くても徹底抗戦すると言う意思の表れなのである。そもそも降伏するにもタイミングがあり、「戦いの果てに降伏する」「国民の安全が保障されたから降伏する」なら兎も角、人々を守るために軍を冥王星まで進めて来たのに戦わずに降伏など論外でり、ガミラスはそんな事も解らないのか「バカめ」なのである。[2][3]
元ネタは1944年バルジ(ベルギー南部)の戦いでアメリカ軍の空挺師団長代理(師団長は会議の為、帰国中)が、ナチスの降伏勧告に対し「To the German Commander, "Nuts!"(ドイツ司令官へ“バカめ!”)」と返した事に由来する。
「ダメだ、もう今は防げない……我々にあれを防ぐ力は無い……。この赤く醜い星が母なる地球の姿だとは……」
「見ておれよ悪魔め。ワシは命ある限り戦うぞ……決して絶望しない。最期の一人になっても、ワシは絶望しない」
遊星爆弾の攻撃で、荒廃しきった地球の姿に心を痛める。アニメ史において、これほど絶望的なプロローグは無いと言える。
「古代守は漢だった。立派な男だった。……だが、その彼を死に追いやってしまったのは、この私だ……すまん」
メ号作戦からの帰還後、艦隊が本当は陽動だったことを知った古代進を前にして。自分のために殿を買って出た守を褒め称え、謝罪した。
「宇宙さえ、滅ぼしかねない力……我々は禁断のメギドの火を、手に入れてしまったのだろうか……」
「いや……今は思うまい……」
「これが試しであるならば、我々はその行動で良き道を示していくだけなのだ」
「正しき道を進めば、そこに正しき力は集う……彼等が、その力であるとワシは信じる……」
木星の浮遊大陸を波動砲で破壊した事に、自分たちが手にした力に畏怖しつつも、良き道を歩む事が若者達への希望になると信じる。
沖田「ユキカゼについて、報告してくれ」
古代「はっ、地球連合軍宇宙駆逐艦ユキカゼ艦内を捜索するも、生存者は……発見されず……」
沖田「そうか……古代、地球をユキカゼのようにはしたくはないな……」
土星の衛星エンケラドゥスで発見された、ユキカゼの報告を受けて。ユキカゼ乗員の死を悼むと共に、地球を救う決意を新たにする。
「数えたくないな。いや、数えてはならんのだ。人の命は数じゃない」
第7話「太陽圏に別れを告げて」にて、徳川との思い出話において。
「みんな、よく見ておけ。これが、我々が取り戻すべき本来の地球だ。」
第8話「星に願いを」より、恒星シリウスから見えた8年前の地球。遊星爆弾の攻撃を受ける前の青い地球の姿に身を引き締める。
「だが、軍人であっても一人の人間として行動しなくてはならん時もある」
「人は間違いを犯す。もし、それが命令であったとしても間違っていると思ったら、立ち止まり、自分を貫く勇気も必要だ。そうワシは思う」
第12話「その果てにあるもの」にて、地球側から先制攻撃を指示されたのを拒否したことについて。
『2199』における沖田の性格を印象付ける台詞[4]
『V』では、この言葉がダグザリディを動かすことになる。
「地球か……何もかも皆、懐かしい……」
最期の台詞。この言葉と共に事切れ、その魂はコスモリバースシステムへと取り込まれた模様[5]
『V』ではDVEであり、エンディングに原作同様息を引き取ってしまう。
「人類滅亡の日まで、あと○○○日」
旧作にもあった人類滅亡までのカウントダウンで、TV版の予告編のラストで沖田がカウント。365日から始まり、話数が進む程にカウントが少なくなっていく演出は嫌が応にも緊迫感を増していった。

迷台詞

「何? プラモデルは子供の玩具と言っている奴がいるだと? そういう奴には『バカめ』と言ってやれ。『バカめ』だ!」
プラモデルCMより。名言を採用した挙句、非常に大人気ない台詞となっている。
とはいえ、プラモデルキットの出来栄えは旧作放送当時から大きく上がっているため、侮ると本当に『バカめ』と言われるかもしれない[6]

スパロボシリーズの名台詞

「ガンダムと戦うことになるとはな…」
ガンダムタイプとの特殊戦闘台詞
「牽制のつもりか…。バカめが…」
回避時の汎用台詞。
「我々が戦うのは魔だ」
「人の心に巣くうもの…。それこそが我等の戦うべきものだ」
V』第2話「火星の海賊」より。地球人同士で戦う事に躊躇する古代への深い言葉。戦争の本質を的確に言い表している。
「これ以上、戦闘を続ければ、互いに恒星に呑み込まれるだけだ! 停戦を呼びかけろ!」
相原「ガミラス艦から返答、来ました! 馬鹿め…だそうです!」
「そうか…」
『V』第7話「交差する宇宙」より。シュルツの艦に停戦を呼び掛けるが、返ってきたのはかつて自分がガミラスに送ったのと全く同じ返答であった。
なおヤマトからシュルツ艦への投降の呼びかけや返答は小説版の描写が基になっている。
「ダグザ中佐…」
ダグザ「……」
「君は命令に従って、行動した…。軍人として、それは当然の事…正しい行ないだ」
「だが、軍人であっても一人の人間として行動しなくてはならん時もある」
ダグザ「一人の人間として…」
「人は間違いを犯す」
「もし、それが命令であったとしても間違っていると思ったら、立ち止まり、自分を貫く勇気も必要だ」
古代「艦長…」
「ワシはそう思う」
ダグザ「では、我々はどうすればいいのです?」
「答えは自分自身の中にあるはずだ」
「少しだけ周囲に目を向ければ、それに気付けるはずだ」
『V』第25話ロンド・ベルルート「孤立」より。総司令部に命令され、良心の呵責に苛まれながらネェル・アーガマを制圧したダグザに対して。この台詞はダグザを動かすのみならず、リディにも強く印象に残っていたらしく、後にレーンにこの時のことを話している。
なお、第24話独自ルート「岐路」ではネェル・アーガマを制圧している最中のため、冒頭台詞が「君は命令に従って行動している…。」と微妙に変わっている。
(皮肉なものだな…滅亡に瀕した我々が指導者に滅亡をつきつけられた星滅亡した星再興を願う者を討つ…とは…)
第49話にてスリニバーサを撃墜した時の台詞。

搭乗機体

ヤマト
艦長として指揮を執る。
キリシマ
メ号作戦時に座乗していた金剛型宇宙戦艦の5番艦。同作戦唯一の生き残りであった。

余談

  • 本作では、古代から問い詰められる内容が「艦隊が陽動だったのを兄たちは知っていたのか」だったが、旧作では、「どうして兄を無事に連れ帰ってきてくれなかったのか」だった。これは、原作者である松本零士氏の父親が第二次大戦中、戦死した部下の遺族に言われた言葉だったという。
  • 本作での病名は「遊星爆弾症候群」だったが、旧作では「宇宙放射線病」となっている。こちらでも旧作では終盤で息を引き取るものの、それは佐渡の誤診(最終的に脳死には至っていなかった)であり、表向きには病死したことにして密かに治療を続けており、「完結編」では完治した状態でヤマトクルーの前に姿を現し、艦長に再就任した。旧作を題材にした実写映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」でも病気を患っているものの、それが宇宙放射線病かどうかは最後まで不明だった。ちなみに「宇宙放射線病」という病名はヤマトシリーズをリスペクトしたOVA作品「トップをねらえ!」とその続編である「トップをねらえ2!」にも登場している。
  • EDクレジットでは古代を抑えトップ位置。ヤマトを代表するキャラクターであるということか。SRWでもそれを踏襲してクレジットはトップとなっている。
  • リメイク以前の「宇宙戦艦ヤマト」シリーズでは、声優は納谷悟朗氏が、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」では名優・山崎努氏が担当していた。
  • 名前はSF作家の海野十三と新撰組の沖田総司から取られているとのこと。彼だけでなく、土方、藤堂、山南、芹沢など苗字が新撰組のメンバーから取られている人物は何人もいる。

脚注

  1. ラクスだけは艦長ではないが、彼女の存在がエターナルの高い士気に繋がっていると見抜く。
  2. これは『2199』でその傾向が強く、旧作で通信士は困惑したような態度だったが、『2199』の通信士は微笑のノリノリで返信している(因みに原作は通信士のリアクションがギャグのノリの為、一番緊張感が無い)。
  3. また、ガミラスは地球人を「野蛮なテロン人」「猿」と見下している為、降伏したとして命の保証がある訳でもない。「どうせ降伏しても死ぬのだから、それなら戦って死ぬ」と言う意味もある。
  4. 旧作ではむしろ逆に軍人は命令に従うものと古代を叱りつけた事さえあった。
  5. なお、旧作においてもこれが沖田十三最後にして屈指の名台詞なのだが、後に『完結編』にて誤診により実は生きていたという台無しにも程があるオチが付けられた。流石に『2199』では描写上、そのような事はないと思われるが……。
  6. なお、旧作当時のプラモも非常にクオリティが高く、ガンプラに匹敵する人気であった。