ナタル・バジルール
ナタル・バジルールは『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物。
ナタル・バジルール | |
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外国語表記 | Natarle Badgiruel |
登場作品 | |
声優 | 桑島法子 |
デザイン | 平井久司 |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ |
SRWでの分類 |
パイロット サブパイロット |
プロフィール | |
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種族 | 地球人(ナチュラル) |
性別 | 女 |
生年月日 | C.E.46年12月24日 |
星座 | 山羊座 |
年齢 | 25歳 |
没年月日 | C.E.71年9月27日 |
身長 | 174 cm |
体重 | 60.5 kg |
髪色 | 黒 |
瞳の色 | 紫 |
血液型 | AB型 |
所属組織 | 地球連合軍 |
所属部隊 | アークエンジェル隊 → ドミニオン |
役職 | アークエンジェル隊戦闘指揮官・副官 → ドミニオン艦長 |
軍階級 | 少尉 → 中尉(地上降下後) → 少佐(ドミニオン艦長時) |
概要
アークエンジェルの戦闘指揮官。艦長の副官として戦闘を取り仕切る。
軍人家系の出の故にかなりの堅物キャラで、保護したラクス・クラインを人質として駆り出したり、大人なのに酔っ払ったままでは戦場では生き残れないと言って、ジュースを飲んだり[1]と、軍人としての冷徹さと厳しさを併せ持ち、どちらかといえば軍人としては情のあるマリュー・ラミアスと対立場面も何度かあった。しかし子供好きの一面もあり、戦火で焼け出された難民の子供に自分の軍帽を被らせるなどして慰める場面があるなど決して非情なだけの人物ではなく、SEEDシリーズにおいてコーディネイター排除どころか一般市民にまで強硬姿勢を示す連合軍人が出てくる中で、数少ないまともな見識を持った軍人でもある。
アラスカ基地到着時に、上層部の命令でアークエンジェル隊を離れドミニオンの艦長となるが、それ故に連合から離反したマリューらと敵として対峙することになる。ドミニオンではムルタ・アズラエルの言動に悩まされることとなり、最終的にはアズラエルを道連れにする形で、アークエンジェルのローエングリンで戦死した。
登場作品と役柄
原作に準じて最初はアークエンジェルの副長としてアークエンジェルのサブパイロットを務め、後半はドミニオンの艦長となって敵対する。
厳格な軍人というキャラクターは原作と変わらないが、基本的に民間人が多い自軍においてラクスを人質した行為等、軍人としての現実的な思考や厳しい態度が他作品のキャラクターからあまり快く思われていない描写が多い。
ただし、作品によってその捉え方が違ってはいるものの、原作同様に完全な憎まれ役ではない。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 初登場作品。立ち位置は原作と変わらず。しかし、ラクスの人質作戦や大気圏突入時に民間人乗船シャトルの射出をザフトの猛攻の最中にも関わらず強行した事など、状況判断を巡って他作品のキャラから猛烈な批判を浴び、ドミニオン艦長として敵となった際にも、ブルーコスモスに毒されつつある連邦の実態を知っていながら、彼らに加担した事を多くのキャラから戦闘前台詞で批判されたりと、厳格な軍人ぶりが原作以上に叩かれている印象がある(尤も、ナタルに対する信頼があった故の批判であり、原作同様にフレイを気遣う場面があったりと、完全な悪役としては描写されていないが)。任務に忠実であろうとする余り、周囲との軋轢を引き起こすという損な役回りは、『第2次α』での或る人物のポジションをそのまま継承しているかのようである。名前のみの登場ではあるが、最終話で霊体となってαナンバーズに力を貸した。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 原作と変わらずなのだが、彼女の軍人キャラというのがJでは味方キャラの空気に馴染めず、また融通が利かない面が強調されており、危機的状況が発生する可能性が浮上しても、後手に回る判断をして周囲から反発を受ける事が多い。それでも彼女の行動を擁護する場面があったり第3次αのように同じ軍人から批判された訳じゃない(ユリカ以外)のでマシと言えるが…。声優ネタでユリカにライバル心を剥き出しにしてくるのも特徴で、戦闘時には特別な台詞も用意されている。艦長乗り換えでメインパイロットにすることもできるが能力差はあまりなく、終盤に強制離脱も控えているため、彼女のカットインを見られる事以外の実用性は薄い。
- スーパーロボット大戦W
- 初めて死亡が回避された作品。無条件で生存することとなるが、今回はスポット参戦のみで、自軍に加わる事は無い。ラクスの人質作戦の事を後から知ったカズマに問い詰められるが、ムウの仲裁によって事なきを得てカズマに対してもお互い謝っている。終盤、原作通りの展開で殺されそうになるが、劾に救出され、以後はバックアップに回る。EDにて連合内のブルーコスモス派の所業の数々を告発し、ブルーコスモス派の一掃に一役買った。ルリからは声繋がりで優秀な艦長になる事を期待される。なお、スポット参戦時の彼女の精神コマンドは正式参戦時にマリューのサブパイロットになっているノイマンのものと差別化が図られている。特に目立つ差はナタルに加速がない事で、彼女が乗っている時のアークエンジェルは足が遅くなる(マリューが愛を覚えていればフォローは出来るが)。
単独作品
- スーパーロボット大戦X-Ω
- レアリティSRのサポートユニット。
- スーパーロボット大戦DD
- 序章ワールド3から登場するNPC。
- 2章Part1で原作同様にドミニオンの艦長になり、アズラエルに撃たれるまでの場面が再現されるが獅子王凱、鋼鉄ジーグに救出される形で生還する。その後アークエンジェルで治療を受けていたが、回復後再び副長に復帰する。
パイロットステータス
精神コマンド
- 第3次α
- 偵察、不屈、努力、狙撃、直撃、かく乱
- 後任のノイマンが彼女と全く同じものを修得する為、ナタル離脱の痛手は感じられない。
- J
- 直撃、鉄壁、気合、熱血、信頼、激励
- W
- 直撃、必中、鉄壁、気合、熱血、激励
特殊技能
小隊長能力
- 命中率+20%
- 『第3次α』で採用。
- 敵対時のみ。
サポートアビリティ
- 堅実な判断
- SR。味方戦艦のHP1/2以上でクリティカル率、命中率アップ。
人間関係
- マリュー・ラミアス
- アークエンジェル艦長。作中においてはやや情のあるマリューとは対照的なその厳格さ故に意見の食い違いで対立する場面が多くあるが、時に相互に補完し合っていく場面も。最終的には対決せざるを得ない状況に陥った。
- キラ・ヤマト
- 部下。基本的に厳しい態度を取っているが、あくまでも厳格な性分故であり、コーディネイターに対する差別意識で評価したりはしない。
- キラの方では「戦争に巻き込んだことを謝った」マリューや、パイロットとしての先輩であるムウに心を開いており、敵対した時も大して動揺しなかったが、さすがに複雑な思いを抱いていた。
- ムルタ・アズラエル
- 上司。しかし軍人ではない彼の無茶苦茶に振り回される事になり、彼女の悲劇の一因となる。彼の言うことが間違っていると理解しつつも逆らえなかったがヤキン・ドゥーエ攻防戦で往生際悪くアークエンジェルに攻撃を仕掛けようとした姿を目の当たりにし、自らの命を捨て道連れにした。『W』では叢雲劾と共に彼を見捨てることに。
- オルガ・サブナック、クロト・ブエル、シャニ・アンドラス
- 部下。あまり交流は無かったが、彼等をパイロットしてではなく消耗品扱いにされている事実に対して、難色を示していた。
- フレイ・アルスター
- 後に自身の艦のオペレーターとなる。
- ムウ・ラ・フラガ
- 彼に好意を寄せていたらしいが、当の本人がそれを知ることは無かった。
- アーノルド・ノイマン
- 実は彼から好意を寄せられていた。一部のゲームでは彼と結ばれる展開もある。
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
ガンダムSEEDシリーズ
- 叢雲劾
- Wでは終盤に原作通りに死にそうになったところを、彼によって救われる。
- エドワード・ハレルソン
- Wではアズラエルの戦死後に彼と共に国連の平和維持軍と合流し、共にイバリューダーと戦い、ノイ・ヴェルターのバックアップを務めた。
宇宙世紀ガンダムシリーズ
- アムロ・レイ
- 第3次αでは互いに信頼はあったが、ナタルの軍人としてのドライな側面を否定する場面が見受けられ、後に敵対した際はブルーコスモスに毒された連邦軍に従った事を否定される。
- カミーユ・ビダン
- 第3次αでは、戦争拡大を危惧する彼を若さゆえのセンチメンタリズムと断じたり、ブルーコスモスの傀儡と化した連邦軍にいつまでも従順している事を指摘され後述の台詞で迷う事に。決してカミーユの言う事を全て否定しているわけではなく、感情論ではある程度理解している。
- エマ・シーン
- 第3次αでのクォヴレー編序盤ではかつてティターンズからエゥーゴに寝返った一件を問う。双方ともエリートの女性軍人であるが、理不尽な命令に従う事に反したエマの行動は、相反する行動を取る事になるナタルにとっては気になる物であったろうと思われる。
- シャングリラ・チルドレンの面々(ジュドー・アーシタ、ルー・ルカ、エル・ビアンノ、ビーチャ・オーレグ、モンド・アガケ、イーノ・アッバーブ)
- 第3次αでは厳しいナタルを快く思っておらず、特にビーチャには「道を間違えれば、三輪防人の同類になるんじゃないか?」と言われてしまう。
- 『真・ガンダム無双』特定シナリオではジュドーの上司として登場するが、こちらの関係は良好(詳しくは後述)。
アナザーガンダムシリーズ
- 東方不敗マスター・アジア
- Jでは彼の超人ぶりに驚愕し、「化物」と称した。
リアル系
- ミスマル・ユリカ
- 中の人が同じで共に女性艦長という立場であるのだが、性格は正反対で、味方として共に行動していた時期があったJにおいては当然の如く終止波長は合わなかった。Jでは彼女に対する特殊戦闘台詞も存在している。
- アカツキ・ナガレ
- Jでは宗介と同じく冷静かつ現実的な観点でナタルの行動を肯定した。
- ホシノ・ルリ
- Jでは彼女にも色々と非難されてしまう場面もあったが、Wでは一転、彼女に「いい艦長になれる」と期待され、「いい声をしている」とも言われる。
- スバル・リョーコ、メグミ・レイナード
- Jでは基本的にナデシコ組としっくりいってなく、彼女からも反発を受けている。特にメグミからは序盤にかなりキツイ事を言われたが、グゥの音も出せなかった。
- 相良宗介
- Jでは軍人として臨まねばならない厳しい態度を度々味方に咎められてしまう中、彼は同じ軍人としてナタルを肯定していた。
- クルツ・ウェーバー
- Jでセクハラ紛いのナンパを受けた時に、盛大に張り飛ばしている。
- バルザック・アシモフ
- Jで彼の潜入捜査の事情を知っていたらしく、少佐と呼びそうになる。
スーパー系
- 三輪防人
- 第3次αでは直接絡む事はないが、共にアズラエルに従うことになり、またαナンバーズにいた頃は彼女の軍事中心の考えを嫌うシャングリラ・チルドレンの面々から「道を間違えれば同類になるのでは?」と疑念を抱かれていた。ただ、原作でもスパロボにおいても軍人としての冷徹さで共通している部分があるとはいえ、ナタルの場合、個人的な私利私欲や保身の為に動く事は無いのが三輪との大きな違いである。
- 葛城ミサト
- 第3次αでは彼女と共にマリューを補佐する。
- 木原マサキ
- Jでは何かと彼にキツイことを言われてしまう。鉄甲龍の実態と彼の常軌を逸した計画が判明した際には唖然としてしまった。
バンプレストオリジナル
- カズマ・アーディガン
- 初対面時は例の人質作戦の事で彼に咎められ口論になりかけるが、ムウの仲裁によりすぐに和解した。彼には「厳しい人だが悪い人ではない」と見られている。
名台詞
TV版
- 「ザフト軍に告ぐ!こちらは地球連合軍所属艦、アークエンジェル!当艦は現在、プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの令嬢ラクス・クラインを保護している」
「偶発的に救命ポッドを発見し、人道的立場から保護したものであるが…以降、当艦へ攻撃が加えられた場合、それは貴艦のラクス・クライン嬢に対する責任放棄と判断し、当方は自由意志でこの件を処理するつもりであることをお伝えする!」 - 第9話より。簡単に言えば「アークエンジェルを攻撃したら救出したラクスをどうするか知らないぞ」という恫喝である。アスランは「卑怯な!」と憤り、クルーゼは「恰好の悪いことだ。援護にきて不利になったらこれか」と渋い顔をし、味方側のムウも「なんともまあ…」と呆れ、キラは「あの子を人質にして逃げ回るのが地球軍って軍隊なんですか!?」とムウに非難を浴びせている。
- 尤もクルーだけではなく、ヘリオポリスの住民の安全も考慮しなければならないため一概に非難できる事ではないのも事実であり、ムウは「俺やお前(キラ)が弱いからだろ」と擁護している。
- 「彼の両親はナチュラルでヘリオポリス崩壊後に脱出し、今は地球にいます。それを軍が保護すれば――」
- ハルバートン「ふざけたことを言うなッ! そんな兵が何の役に立つッ!!」
- 「……ッ! も、申し訳ありません」
- 第12話より。第八艦隊と無事合流し、少年兵として徴兵したキラ達を除隊させる事をハルバートン准将、ホフマン大佐らと議論した際の台詞。
- マリューはキラの除隊を承認すべきとの見解に対してホフマン大佐が難色を示したことに便乗し、キラの除隊に反対する。しかし、Gの機密を知り尽している事を口実にするという意見はハルバートンに退けられ、本人にその意思がないという事実を突き付けられた際に上記の発言が飛び出す。
- 保護と言えば聞こえは良いが、実態は両親を人質としてキラに同胞殺しを強要するという提案に他ならず、この発言は温厚なハルバートンがデスクを激しく叩くまでに激怒させてしまい、恐縮したナタルはそのまま謝罪して引き下がる。
- しかし、結果的にキラは地球連合軍に自分の意志で残留する事になる。
- 「そ、そんなにはないんだ……こ、困ったな」
- 第18話より。ザフトの攻撃で街を焼かれた難民キャンプで、怪我をして泣いていた子供に自分の軍帽を被せて御菓子を上げるという彼女の人としての優しさを垣間見せるシーンだが、御菓子に釣られて周囲の子供たちが一斉に集まってしまい、困惑してしまった際の彼女の台詞。
- 普段冷徹な女軍人としての印象が強いナタルの数少ない微笑ましいシーンでもある。
- 「ヤマトしょ…しょう…ねん」
- 第20話において、キラをいつもの調子で少尉と言いそうになってしまい、即座に訂正する。ナタルの唯一の赤面シーン。
- 「受け止めろ。割り切れなければ、次に死ぬのは自分だぞ。」
- 第31話より。キラとトールのMIAを受け入れられないミリアリアにあえて厳しく言い聞かせた。その後、彼女は呆然とブリッジを飛び出す。
- 普段のナタルなら戦闘中だからと呼び止めるが、そうしなかったのは二人の仲を彼女もよく知ると共にその時の精神状態では管制は無理だと判断したからだろう。
- 「艦長がMIAと認定したんだ。これが決まりだ。…よすがを見つめていては、次は自分が死ぬことになる。戦場とは、そういうところだ。」
- 第31話より。キラとトールのMIAが認定されたため、サイに二人の遺品を整理するように告げ、まだ死んだと断定されたわけではないのにと反論するサイにナタルは規律に則ってそれを説き伏せる。
- とはいえ、正規軍人ではない学生達を戦場に送り込んだ立場という意識からナタル自身も負い目を感じていた。サイ一人のところで頼んだのも、フレイとミリアリアを気遣ってのことだろう。
- 「軍には厳しく統制され、上官の命令を速やかに実行できる兵と、それに広い視野で情勢を見据え的確な判断を下すことのできる指揮官が必要です。でなければ、隊や艦は勝つことも生き残ることもできません」
- 第33話より。ディアッカを殺そうとミリアリアとフレイが起こした騒動の後に、マリューへの注意と同時に語った台詞。
- 正に教科書通りで、軍人としては全く間違っておらずマリューも艦長の器でないことも自覚しており『あなたならきっと良い艦長になる』とマリューもナタルを評価していた。が、この時すでに軍上層部そのものがブルーコスモスに毒され、コーディネイター殲滅という狭い視野で情勢を見、民間人が指揮しているという的確な判断もできなくなっていた。そのため皮肉にもこの考えが後にナタルの悲劇へと繋がってしまう。早い段階で「では軍や上層部が腐っていたらどうするのか?」と誰かが問うていたら、あるいは彼女自身が気づくのが早かったら違った道があったかもしれない……。
- 「いい加減にしろ! これは本部からの命令だ。君は従わねばならない」
- 第34話にて、査問会が終わりサザーランド大佐からムウやフレイと共に転属命令を出された後、アークエンジェルから下船する際に頑なに転属を拒否するフレイを一喝する。
- 小説版では下記の台詞に至る過程で、規律に忠実な身でありながらもアークエンジェルやそのクルー達に愛着を抱いたことを自覚し、フレイが転属を拒んだ気持ちを理解する心情が描写された。
- 「おいッ! その話――」
- 第35話より。転属命令に従い、アラスカ基地から発進した潜水艦の貨物区で他の連合軍兵士の「アラスカに残った連中は、奮戦やむなく殲滅」「本部は最後の手段に出る、全てドカンさ」という会話が耳に入ってしまった際の反応。彼女らしくもなく大声で詰め寄ったが、アークエンジェルがアラスカ基地に残留している事を考えれば、ナタルの心情は察しても余りあるだろう。
- 小説版ではその後転属先にムウもフレイも現れず、搭乗艦に乗船しなかった事が確認されるとアークエンジェルはおろか二人までサイクロプスに巻き込まれたと思い込み、自身のみが生き延びてしまったという事実を前に激しいショックを受けている[2]。更に結果的にアークエンジェルがオーブ軍に付いて地球連合軍と敵対したという情報を聞いても彼女が感じた感情は裏切りの憤りではなく、仲間が生きていた事に関する「安堵」だった。
- 「何をやっているかッ! 貴様らッ! 対応が遅すぎる。これでは初陣で沈められるぞッ! 分かっているのかッ!」
- 第43話より。ドミニオンの艦長に就任し、地球連合軍の月面プトレマイオス基地周辺宙域で訓練していた際の台詞。敵戦艦を発見し、戦闘準備までを整えたのはいいが、ナタルの攻撃命令に対してCIC担当員達の動きが鈍く、碌な迎撃動作を取ることなく撃沈。……というシミュレーション訓練の結果に対する激しい叱責。
- 小説版ではこの時のナタルの心情が描かれており、アークエンジェルのブリッジ要員たちは全員がまともに訓練をする時間もなく、素人である学生たちも全員が立派に役目を果たして生き延びてきたという経験があったが為に、それと比較して今のクルー達の不甲斐無さに我慢がならなかった模様。
- 「クロト・ブエル。強化インプラントステージ3、X-370の生体CPU、個人データは全て削除」
「オルガ・サブナック。X-131の生体CPU、ステージ2、やはり個人データは無しか」
「シャニ・アンドラス。ステージ4、X-252の生体CPU、個人データ無し」
「三人ともパイロットではなく装備なのか…。消耗パーツ扱いとはな…。しかし…」 - 第43話より。新たにドミニオン隊に配属された三名のブーステッドマンがパイロットとしてではなく、戦争のための「消耗品」扱いされている事実に対して、ナタルは言葉を失ってしまう。
- コーディネイターに対抗するためならば、同胞であるナチュラルをも犠牲にするというブルーコスモスの問題点を示した場面でもある。
- 「アラスカでの事は自分も聞いています。ですがどうかこのまま降伏し軍上層部ともう一度話を!私も及ばずながら弁護いたします。本艦の性能はよくご存じの筈です」
- 第43話より。アークエンジェルと対峙し、降伏勧告を行う場面で。共に戦ってきたアークエンジェルに対する感情はナタル自身とても深いものとなっていた様で、必死に降伏をマリューに薦めている。しかし、拒絶されてしまう。
- アラスカの件は、ナタルから見ても明らかに軍上層部側の裏切り行為と捕えている事が窺える。尤もナタルが弁護した所で、アラスカ基地は地球連合軍上層部の策略で仕掛けられた自爆装置「サイクロプスシステム」によりザフトの主力と地球連合軍の守備部隊を巻き添えに消滅したという事実を知る者達を連合が生存を許す可能性は限りなく低く、この場でも降伏勧告はナタル自身の個人的な感情が出ているだけに過ぎない。
- 事実、この直後にアズラエルからは嘲りを込めた笑い声で呆れられる。
- 「ミサイル発射管、1番から6番、コリントスの終端誘導を自律制御パターンBにセットして装填。照準、オレンジアルファ17から42まで、5ポイント刻みの射角で発射せよ! 同時に転進、進路インディゴ13、マーク20チャーリー、機関最大!」
- 第43話「立ちはだかるもの」より。アークエンジェルと交戦に入り、クルーに出した指示。アズラエルが言う所の「(目標と外れた)明後日の方向にミサイルを飛ばしている」のだが、最初は意図が理解できなかったアズラエルも後に結果を見て賞賛した。軍事用語が理解できない視聴者には意味すら分からない指示だが、アズラエルは意図は理解できずとも意味は理解しているという点で、「軍事関係者ではあっても戦略に精通した軍人ではない」という立ち位置が示されている。
- 「急げ!アークエンジェルへ行け!」
「あなたは…ここで死すべき人だ…私と共に!」 - 第49話より。最終決戦で劣勢に追い込まれてもなおアークエンジェルに執着するアズラエルを見て、一段目の台詞でクルーを退艦させ[3]、彼をブリッジに閉じ込めた際に二段目の台詞を叫んだ。もはやアズラエルは憎悪に駆られ周りが見えなくなっており、ナタルは彼をこれ以上生かしておいてはならないと確信した。
- 「あなたの…負けです…!」
- 同話。ローエングリンも割って入ったムウの犠牲で食い止められ、愕然とするアズラエルに敗北を宣告する。直後、激昂したアズラエルに鉛弾を叩きこまれ、苦悶の声を上げるも…
- 「撃てぇぇっ! マリュー・ラミアスゥゥッ!!」
- 息も絶え絶えになりながらも、必死にアズラエルを制止しながら叫んだ。直後、アークエンジェルのローエングリンが直撃。ナタルはアズラエルを道連れにドミニオンと運命を共にしたのであった…。
漫画版
- 「これは戦争ではない! 私闘です! そんなものに大切な部下たちを巻き込むわけにはいきません!」
- マガジンZ版で部下たちにアークエンジェルに投降するよう指示を出したあと、アズラエルに「何を言っている!?艦長!」と問われた際の返答。多大な犠牲を自軍が受けたにも関わらず無用なプラントへの攻撃をなおも主張するアズラエルに対して遂に叛意を抱くに至った。
スパロボシリーズの名台詞
戦闘台詞
- 「前方の目障りな艦を攻撃!」
- 『J』より。ナデシコと対決すると出てくる台詞であるが、アズラエルに「何か私見が入ってませんか?」と突っ込まれる。
- 「あんな艦の艦長にしてやられるとは…」
- 同上。こちらはナデシコの攻撃を喰らったときの台詞。対するアズラエルは「あなたも大した事ありませんね」とバッサリ。
- 「あの艦の艦長…、ラミアス艦長より何を考えているのか解らない…」
- 同上。同様にナデシコの攻撃を喰らった際の台詞。ユリカもそうだが、地味にラミアス艦長も馬鹿にしているような台詞とも取れる。この台詞に対し、アズラエルは「そうですか? あなたならよく解るのでは…」と返す。
- 「私は…あの艦の艦長より劣っていると言うのか…」
- 同上。ナデシコでトドメを刺すとこの台詞。アズラエルも「あんたを信じた僕が間違っていたよ!」と怒り心頭のご様子。しかし、本作のナデシコとの戦闘時におけるアズラエルとの一連の掛け合いは、まるで吉本興業のお笑い芸人のコンビがやる、漫才顔負けの見事なボケツッコミである。
- 余談であるが、アズラエル役の檜山修之氏はトークなどで、どんな細かいボケも見逃さない凄腕のツッコミ力(?)の持ち主として知られている。
第3次α
- 「君のセンチメンタリズムな持論は結構だ。今の我々は戦いに勝つ為なら、あらゆる手段を使う事も考えるべきだろう」
- 第3次α序盤、憎しみの連鎖による戦争拡大を危惧するカミーユからの苦言を、上述の台詞で一蹴する。そして、この直後に起こるザフトとの戦闘で、ナタルはラクスを利用した人質作戦を実行に移す事となる…
- (それでも私は…軍人なのだ…)
- 第46話宇宙ルート「永遠を信じて」より。敵としてカミーユと対決した際に、ブルーコスモスに毒された連邦軍をかつてのティターンズと同じであると断じたカミーユの言葉を受けた時のナタルの心中。
- 彼女自身、今の連邦軍の違和感を強く感じつつも愚直なまでに軍人を務めようとする彼女の心苦しい心情が現れている。
携帯機シリーズ
J
- 「か、勘違いをするな。我々はなんとしても、奴らを止めねばならんのだ。それをゼオライマーだけに託す気はないというだけだ。ことの重大さを考えれば当然のことだろう」
- 第32話月残留ルート「怨念の終焉」より。マサトが全ての決着をつけるべく一人で幽羅帝の元へ行こうとしたときにその覚悟を認めつつも一人では行かせないと言った際にマサトにそんな事言うのは珍しいと言われて返した台詞だが、明らかにツンデレ気味な台詞である。
W
- 「いや…こちらも軍人として民間人に対する不適切な言動があった事を陳謝する」
- 第2部第31話「姫と道化、女王と勇者」より。カズマにラクスを人質にした件で詰め寄られ、言い争いになったのだが、ムウが仲裁してカズマが納得し、謝罪した事を受けて。
- 「…ラミアス少佐…自分は間違っていたのでしょうか…」
- 第2部第50話プラントルート「憎悪と運命の螺旋」より。劾に救出され、マリューと再会した際に。止む無くブルーコスモスに従わざるを得なかったナタルには非がない事をわかっているマリューはナタルを責めず、彼女に労いの言葉をかける。
- 「はい…。そして、こんな事を言える立場ではないでしょうが…またお会いできる事を願います」
- 同上。連合軍を本来の組織に戻し、地球圏を守る為に新国連の平和維持軍との合流に向かう際に、マリューに対して。スパロボシリーズにおいてようやくナタルが救われた瞬間といえる。
DD
- 「私の考えが間違っていました」「アズラエル理事に思い知らされたのです。命令を機械的に実行するだけが軍人の務めではないと」
- 2章Part1第6話「終わらない明日へ」より。凱らに救出され、マリューと再会した際に。状況はWと同じだが、先述の原作第33話での台詞を踏まえたものになっており、自分は間違っていたと断言している。
搭乗機体
余談
- 『真・ガンダム無双』のとあるオリジナルシナリオでは主役として活躍する。役柄は要人護送中のアウドムラ艦長で、連邦上層部から派遣された4人のガンダムパイロット達と共にオードリーを護衛する。原作よりも性格が丸くなり、オードリーがリィナと一緒にさらわれた後すぐに二人の奪還を命じ、さらに停戦中のザフトとの衝突も回避した。後に誘拐事件が連邦とジオンによる裏取引だと知り……と、ある意味で彼女がマリューと同じポジションになる。
- また、『GジェネレーションDS』においてもライバルルートではプレイヤー部隊の艦長及び事実上の主人公格として活躍。原作通りアズラエル配下だったのだが、当初共闘関係にあったアズラエルとトレーズが方針を巡って対立し、アズラエルのやり口を嫌ったジェリド、マウアー、シーマ(諸事情で性格が丸くなっている)がトレーズ側に寝返る中、当初は迷っていたナタルもシーマのハッパを受けて為すべき事を為すためにトレーズ側に寝返る展開になる。この後、戦争を終結させるために(ジェリドを含めて万場一致で)エゥーゴと合流する道を選び、エゥーゴ側にいたマリューと再会。無事和解した。
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