アークライト・ブルーは『スーパーロボット大戦64』のリアル系男主人公。
アークライト・ブルー | |
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外国語表記 | Arklight Blue |
登場作品 | |
デザイン | 河野さち子 |
SRWでの分類 |
パイロット 主人公 |
プロフィール | |
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愛称 | アーク |
性別 | 男 |
年齢 | 17歳 |
所属 | 民間人→地球解放戦線機構→マーチウィンド |
概要
戦争で両親を失い、叔父夫婦に引き取られていたが、ムゲ・ゾルバドス帝国のゲリラ狩りで叔父夫婦とガールフレンドだったエミリアを失う。自身も危ういところをレジスタンスが強奪していた帝国の試作機ソルデファーに搭乗し、その後現れた地球解放戦線機構のクワトロ・バジーナらの助けもあり辛くも生き延びる。序盤では成り行きで戦争を始めたことに迷い、クワトロやアポリーから心配されることもあった。実際ル・カインによる帝国の本格的なレジスタンス狩りが始まった際には弱気になることもあったが、自分と同じ境遇でありながら『戦えなくなったら、死ぬしかない』とまで言い切る少女レラとの出会いが彼を変えることになる。
その後、ライバルであり当初は仇とも思ったエルリッヒとの和解や、レラとの死別(この辺りはルートやら選択肢で順番・内容が多少変わる)を乗り越えて、最終的には恩師とも言えるシャア(クワトロ)と真っ向から立ち向かえる程に成長する。64はエンディングがあっさりしているため、その後が描かれていないが、第1話モノローグや、レラとの会話などから、自分の住んでいた街に戻ったと思われる。
スパロボでは珍しい何の訓練も受けず操縦に役立つ特技も持っていない(一応ニュータイプ能力があるがこれは特技というより素質)、戦闘とは縁のない民間人のリアル系主人公。民間人で戦闘に縁のない生活を送ってきた描写として、第1話の戦闘終了直後はまともに会話できる状態ではなかった、第2話開始前に戦うか去るかの選択肢が発生する、などが存在する。
声が収録されていない作品での登場だが、シナリオライターの鏡俊也氏は彼の声を白鳥哲氏で想定していたらしい。また、名前は「アークライト=地球の光」「ブルー=青」とかなり単純な比喩となっている。愛称が「アーク」なのはリンクバトラーにおける文字制限によるもので、鏡氏自身はこの愛称をあまり気に入っていないとの事。
歴代主人公でも最大級に不幸なキャラであるが、あまり他と不幸をくらべることには意味はない。鏡氏のシナリオにより、女性がらみでも不幸である。実際に、彼の後継キャラとも言えるジョシュア・ラドクリフの相手グラキエースもシリーズを代表する薄幸ヒロインであり、ジョッシュはEDで彼女との死別を宿命づけられる事になる。
版権能力であるニュータイプが設定され、かつイベントでもきちんと生かされるという珍しい展開が存在する。実際に境遇や立場等が似ているカミーユと同じように扱われたり、レライベントではNT主人公達が落ち込むアークを信じる台詞を言ったりしている。また、選択肢次第では一度地球解放戦線を離れる選択をしたアークが、襲撃を受け劣勢のクワトロ達を見て戻ってきてソルデファーに乗り込む。さらにその後、ブライトから初代ガンダムでアムロに言ったのと似た台詞を頂くという、初代ガンダムのオマージュが存在する。戦闘中でもどこかで聞いたような台詞が飛び出しておりシリーズ屈指のUCガンダムのノリを体現したリアル系主人公である。
登場作品と役柄
単独作品
- スーパーロボット大戦64
- リアル系男主人公。第1話・第2話でのほとんど無意味な選択肢(後の会話内容がちょっと変わる)、リアル系でのみ登場するレラとの絡みや、独立軍ルート・OZルートでエルリッヒとレラを中心とした全く違うイベントが見られるなど、シナリオ面では4人の主人公中もっとも優遇されている。
- 明らかにイロモノであるリッシュを除いたリアル系三名は集中・ひらめき・加速・熱血・魂という隙のない精神コマンドを持ち、残り一枠が個別となっている。アークは努力。天才技能がない本作においては、素人からエースパイロットへ成長していく彼にふさわしいコマンドといえる(まあシステムの都合上、歴戦のゲリラであるセレインと最初から同等のステータスなのだが)。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
リアル系主人公らしく射撃・回避・命中が高く、ライバルであるエルリッヒやセレインと同じ数値である。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
パイロットBGM
- 「哀しみの戦場へ」
- アークの専用曲。アークの不幸っぷりに拍車をかける名曲として、セレインの「I'm Space Woman」と並んで人気が高い。
シナリオ担当の鏡氏が作った非公式の歌詞が存在するが、約三分の曲のうち歌詞は二分ほどで終わってしまう。
人間関係
- エルリッヒ・シュターゼン
- 『ブロック・ブレイカー』の異名を持つスペシャルズの士官。ライバルとして戦場で幾度となく戦い、アークに戦いの意味を問う。その問いにアークが答えられるほど成長したころ、エルリッヒの恋人が人質に取られている事を知り、助けることとなる。
- レラ
- 戦場で出会ったレジスタンスの少女。展開次第ではアークにとって大事な存在となっていくが…。
- エミリア
- 好意を寄せていた少女。顔は設定されておらず、第1話の会話上で死んでしまう。度々モノローグなどに名前が登場する。
- ゲリラ
- 第1話『流転』にてアークの街を襲撃した帝国の無人機を迎撃するゲリラ達のリーダー(一般兵ゲリラは数種類存在するが彼のグラフィックはこのイベントにしか出てこない為、一応ネームドキャラとも言える)。逃げ遅れたアーク達を巻き込んでしまったことに謝りながら、アークの逃げる時間をガンタンクで稼ぐ姿は、シリーズ屈指のガンタンクの見せ場となっており、ファンも多い。
版権作品との人間関係
導入(64のOPで流れる個別のテロップ)
- A.C.195年。地球……
- 1人の少年がいる。
ジオン独立戦争で両親を失った、コロニー生まれの少年だ。
少年は戦後、地上のおば夫婦のもとへと身を寄せていた。
ムゲゾルバトス帝国の強圧な支配体制の只中にあっても、彼の3年間は、あるいは平穏であったといえたかもしれない。
少なくとも、彼の住んでいた町が帝国軍のゲリラ狩りによって、戦場と化すまでは。彼のおば夫婦、そして彼が好意を寄せていた少女の命が、爆発の閃光の中に、恐ろしい破壊の中に、一瞬にして消え去ってしまう、その時までは……
そしていま……運命の扉が開く……
名台詞
- 「ちくしょう!! どうせ死ぬんなら、1機くらいはっ!!」
- ソルデファー搭乗時の台詞。実にリアル系主人公っぽい始まり。この後1機どころかほぼ主人公の独壇場となる。
- 「あんたはぁぁぁっーー!」
- エルリッヒを相手にしたときの特殊攻撃台詞。「人類の勝利、そして‥‥後編」で、ヤヌス侯爵との戦闘前台詞でも似た台詞が発生したりする。
- 「どういうつもりか知らないが、俺はもうあんたを憎いとは思わないよ、エルリッヒ・シュターゼン」
「この時代の中では、いつああなってもおかしくはなかった」
「確かに不幸なことだ。許せないし認めたくはない」
「だけどね、そんなのは世界中で起こった、そして今も起こり続けていることなんだ」
「大勢の人が死んだんだ。苦しんだのは俺だけじゃない」
「俺にそれを気づかせてくれた女の子がいったよ」
「認められないものに対して抗い続けていれば、戦い続けてさえいれば、誇りを持って生きられる」
「誇りを持って生きてさえいれば、いつ死んでもかまわないって」
「でもね、そんなのは間違ってるんだ。そんなふうにしか考えられないのは不幸なことだ」
「そんなことはもう終わらせなくちゃいけないんだ」
「俺はそのために戦ってみせると決めた」 - 独立軍ルートでのアークのライバル説得時の台詞。復讐を乗り越え、実に清く正しく真っ当に成長した富野系主人公である。ここで語られる少女とはもちろんレラ。
- 「ああ、約束する。絶対に、俺たちが実現してみせる。だから、死ぬな! 俺が絶対に平和な地球圏を見せてやるから!」
- OZルート『人類の勝利、そして……(後編)』の戦闘後のレラとの最後の約束。OZルートではこの後、アークはかなり積極的になり、ライバルとのイベントだけでなく、トレーズやハマーンとの会話にもそれが現れるようになる。独立軍ルートでも似たような約束はするのだがこちらはレラ死亡後はアークがメインとなるイベントが少ないため、変化が見られない(そのかわり、こちらはアークがレラとのふれあいの中で、自分自身の戦う理由を見いだす過程が描かれる)。
- 「ムダなものかよ! 帝国軍は絶対に排除してみせる。そして、俺たちはロームフェラには従わない!」
「地球圏は平和になるって、俺たちの手でそれをつかむことができるって、そう信じて死んだ女の子がいた。俺はあいつと約束したんだ。だから戦いぬくことであいつが望んだ未来が見れるなら、俺はどこまでも戦い続けてやる。その覚悟がついただけだ」 - OZルート『月は地獄だ』でのライバル説得イベント。ロームフェラ派と共に月面基地攻略を行う『ムーンアタック』に比べると、かなり難易度が上がるがその分熱い展開となっている。なお『ムーンアタック』ではライバルは自軍にスポット参戦となり、勝手に説得フラグ1が立つ。
- 「できるわけないだろッ!? 何があったか知らないけど、あんたはまだ生きてる! なら、やるべきことをやってみせろよ! それすらかなわず……死んでいった人たちだって、大勢いるんだぞ!! 理屈ならべて死んで楽になろうなんて、逃げてるだけじゃないか!」
- OZルート『トレーズ抹殺指令』におけるライバル説得イベント2。恋人を人質に取られ意に沿わない戦いを強制されたため、アークにわざと撃墜されようとするエルリッヒを責める言葉。
- 「あなたはひきょうですよ、トレーズ・クシュリナーダ。あなたがしてきたことの罪を、俺たちは忘れちゃいない。だけど、俺たちはそれでも、あなたを信じた。それで平和に手が届くと、そう信じたから。なのに、あなたは自分勝手な理屈で舞台を降りて、勝手に傍観を決め込んで、何もしようとしない」
- OZルート『トレーズ抹殺指令』におけるトレーズとの会談の際の言葉。アーク(というか主人公)を含むマーチウィンドの言葉により、トレーズは表舞台へ戻りOZを統一し、銀河帝国に対抗する決意をするが……。
- アーク「あなたは、どうしてッ!」
シャア「アーク、残念だがいまの私には君を相手にしている時間はない」
アーク「シャア!」
シャア「そうだ! 私はシャア・アズナブルだ。クワトロ・バジーナではない! 手加減はせんぞ、アークライト!」 - 『絶叫の宇宙』よりシャアとアークの戦闘前台詞。64主人公はラスボスとの戦闘前会話が存在しない(というか絡みもない)ため、後述のアクシズ阻止イベントと併せてシャアが実質的なラスボスと言われている。
- アーク「あなたにだってあの放送は聞こえたでしょう!? あれを聞きこの戦いを見た人間たちは、きっと地球のことだってもっとよく考えられるようになる。こんな状態になった地球圏だからこそ人類はもう1度やり直すことだってできるんでしょう!?」
シャア「無駄だな。いまのままでは何も変わらんよ」
アーク「人間って、そんなに愚かなわけがないでしょうに!」
シャア「かもしれん。だがその人間が地球を破壊するのも、また事実だ。それをわかれ!」
アーク「わかりませんよ!!」 - 最終話1つ前『絶叫の宇宙』でアムロのアクシズ阻止イベントを起こさずにアクシズの落下を阻止した時に発生する会話イベント。原作の会話イベントのアムロの代わりをアークがつとめている。
- 「だけどね、それでもみんな精一杯生きてるんだ。お前たちの目には映らない、銀河全部なんかと比べたら、取るに足らない小さな存在かもしれないけど、1人1人が、泣いたり笑ったりしながら、必死に生きてるんだよ! 地球圏はようやく、やりなおせるかもしれないってところまで来たんだ。俺たちはそのために戦ってきた。大銀河の意思の体現者なんてものになるために、命をかけてきたわけじゃないんだ! そんな未来はいらない。そんな干渉は邪魔なんだよ!」
- アル=イー=クイスとの最終決戦において、アル=イー=クイスの後を地球人類が継ぐことを否定するアーク。ただの少年から、多くの出会いと別れを経て成長してきたアークだからこそ言える台詞である。
- 「だけどさ、俺は……これでよかったんだって、そう思うよ」
(なあ……そうだろ、レラ。俺たちさ、これで……よかったんだよな……) - アル=イー=クイスとの戦闘後今までの長い戦いを振り返った、アークの最後の台詞。このあと旧シリーズから続く重鎮、アムロ・万丈・甲児・リョウ・ブライトの台詞で物語は終わりを迎える。
富野節編
64の脚本を担当している鏡俊也はいわゆる「富野節」に定評があり、アークも富野節的な台詞回しに定評がある。
- 「目をつぶせばっ!」
「散れ!スプラッシュブレイカー!」
「俺だってこのくらいはさ!」
「読めるぞ、敵の攻撃が!!」
「この程度の攻撃でさ!」 - 以上は戦闘台詞より。
- 「宇宙ってのはさ、悪いもんじゃないんだ。ちゃんと人間が生きていけるようになってるんだ。それに、なんていうのかな、地上にいるよりも感覚が鋭くなるような感じはあるな」
「……ああ、わかってるさ、レラ。あいつは戦いを終わらせるために、力を貸してくれるかもしれない……」(注:この台詞はレラ死亡イベント後)
「……やってみるさ」
「ここは、あんたの恋人が軟禁されている場所なんだぞ!あんたの女は薬で眠らされてた。それをやらせてるのは、バスクだろ!?」
「こういう奴は許せないんだって、あんただってわかるはずだ!だったら自分の女を守ってみせろよ!」