ヤヌス侯爵

ヤヌス侯爵は『グレートマジンガー』の登場キャラクター。

ヤヌス
登場作品

マジンガーシリーズ

声優 北浜晴子
初登場SRW スーパーロボット大戦64
SRWでの分類 機体
パイロット
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プロフィール
種族 人間型戦闘獣
性別
所属組織 ミケーネ帝国
所属部隊 諜報軍
役職 火山島前線基地司令官
爵位 侯爵
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概要編集

第23話よりレギュラー入りするミケーネ帝国諜報軍の士官で、前話にて戦死したゴーゴン大公の後釜として火山島前線基地司令官を務めると共に、スパイ部隊キャットルー軍団を率いる。

上官であるアルゴス長官の「私が造った傑作のひとつ」という台詞から彼に因って誕生した事が窺え、基本的には長い爪が特徴的な女性型戦闘獣であるが、一方で美女の姿と怪物然とした醜悪な魔女の顔とを使い分ける[1]等身大の分身体も組み込まれており、戦闘獣から分離して人間と接触する事がある。 諜報軍の高官だけあり、等身大の身体でも変身機能を備えていたり、催眠術や瞬間移動といった超能力が使えたりする。ミケーネ帝国の幹部達は大部分が「機械の巨人」として描かれ、ゴーゴン大公に至っては怪物じみた姿である中、彼女だけが「普通の人間」の姿をとることができ、ある種の異彩を放っていた。

主な役目は諜報と事前の破壊工作であり、暗黒大将軍地獄大元帥とは全く違うキャラクターで、個性ある「女傑」である。剣鉄也を追い詰めるなど、最後の最後まで宿敵として描かれた。武器は専用のビュレットで、生身でもグレートマジンガーを相手にしてはダメージを受けさせる。また、人質作戦や、ブレーンコンドルに細工を施したりと、要所で活躍。アルゴス長官の戦死後は、地獄大元帥に付いていった。

終盤では地獄大元帥の差し金で、鉄也の動きを完全に封じ込め、マジンガーZ単独で戦わせるお膳立てをする。Wマジンガーによる攻撃で無敵要塞デモニカと共に散った。

永井豪氏の漫画版では、ボスに催眠術を掛け、ボスボロットを強化した。桜多吾作氏の漫画版では、「アルゴス長官に並ぶ幹部」となっており、名実共に七大将軍より格上として扱われる。また、指揮を執っていた火山島前線基地を潰された事で鉄也に尋常ではない怨みを抱き、その怨念を物語のクライマックスで晴らす事となる。

劇場版マジンガーシリーズと共通の時間軸で描かれた後日談であるデジタルコミック『ダイナミックヒーローズ』(作:越智一裕)では、無敵要塞デモニカによる奇襲で科学要塞研究所を占拠。更に炎ジュンを操り手出しの出来ないグレートを徹底的に嬲るが、ゲッターロボGの介入によって撤退を余儀なくされ、最終的にグレートブースターとシャインスパークという最強コンボの直撃を喰らい、デモニカもろとも爆死した。

登場作品と役柄編集

単独作品編集

スーパーロボット大戦64
現時点で唯一の登場作品。ルートによってサリィ・ポォ変装したり、ミネルバXを出してきたり、無敵要塞デモニカ撃墜後に生身で戦ったりする。
また、『64』のヒロインとも言えるレラ死亡イベントに関わるなど、割と目立っている。

装備・機能編集

武装・必殺武器編集

怪光線

移動タイプ編集

サイズ編集

M

人間関係編集

黒猫
ヤヌス分身体が常に引き連れている怪猫。黒猫の咆哮でヤヌスの首が180度回転し、美女から魔女への変身を完了する。
闇の帝王
主君。アルゴス長官から紹介されるまで帝王もヤヌスの存在を知らなかった様子から、誕生したばかりである事が窺える。
アルゴス長官
上司だが、彼女を「我が娘」と呼んだ事がある。桜多吾作版では同格。
ゴーゴン大公
前任の火山島前線基地司令官。自身の誕生前に殉職したため直接的な面識は無いが、一定の敬意を払っている。
暗黒大将軍
軍の総司令官。快く思っていない素振りも見せたが、彼がグレートマジンガーに決戦を挑む際には、心意気に打たれて助力する。
地獄大元帥
新しい軍の総司令官。アルゴス長官を通さず、彼に直接報告することもある。「侯爵」という称号といい、彼との関係はなんとなく前身の姿の時のとのそれを思わせる。
怪鳥将軍バーダラー
桜多吾作氏の漫画版では、一時的に指揮下に入れる。
生田信一郎
本来は敵国の一平民に過ぎないが、「闇の帝王と会見させてほしい」という頼みを聞き届け、仲介する。
弓さやか
原作第48話では、彼女の姿に変装する。
みさと
マジンガーZ』後半のレギュラーキャラでTV版『グレート』には未登場だが、桜多吾作版に「ミサト」名義で登場。
火山島を潰された怨みを晴らすべく、シローの身代わりに捕われた彼女を鉄也の眼前で脳天から縦に引き裂いた後、その死骸を「ポイ棄て」するという文字に起こすのもおぞましい鬼畜の所業を働き、読者の心に拭い難いトラウマを刻み付けた。
桜多版では結局ヤヌスの撃破シーン自体が描かれずじまいに終わった事も、読後の遣る瀬無さに拍車を掛けている。

他作品との人間関係編集

サリィ・ポォ
64』では彼女に変装。
レラ
『64』では彼女に変装を見破られるものの、人質に取って、重傷を負わせた上で見事脱出する。
エリカ
『64』では彼女をスパイに使う。

名台詞編集

「私がこの基地の司令官に任命されたヤヌス公爵だ」
「科学要塞研究所との戦いはいま始まったのだ。亡きゴーゴン大公の為にも、全力を挙げて闘う!」
第23話で完成直後の火山島前線基地に到着し、大挙して出迎えたミケーネスや戦闘兵士からの喝采を浴びつつ科学要塞研究所の打倒を高らかに謳い上げる。前任者たるゴーゴンへ敬意を払う意外な武人気質が窺える台詞でもある。
「ハハハ…科学要塞研究所よ、束の間の夢を見るがいい」
同上。火山島を潜水させつつ科学要塞研究所攻略の第一段階に取り掛かる。
「スカラベス将軍、わざわざ司令室へ来る必要は無い。直ちに作戦に入るのだ!」
「ハハハ…戦いが終わったら幾らでも歓迎してあげるから我慢するんだね」
第26話より。火山島まで出向いてきたにもかかわらず、出迎えが誰ひとりとして居ない事に立腹するスカラベスからの悪態をスルーしつつ、火山島とミケロスの二大要塞を駆使した研究所挟撃作戦を開始する。帝国内では一応「先輩」に当たるスカラベスを早速アゴで扱き使う辺り、ヤヌスの女傑振りが窺える一幕。
暗黒大将軍「何ぃ? グレートマジンガーの弱点がわかっただと!?」
「はい。我々が今までの戦闘データを分析して発見した物です」
暗黒大将軍「で、その弱点とは!?」
「ご覧ください…グレートマジンガーには幾つかの武器があります。アトミックパンチ、マジンガーブレード、グレートブーメラン、サンダーブレーク。…写真でおわかりの通り、奴の腕は奴の腕は重要な役目を負っている事。そして腕なくしては、これらの武器は全て使用不能できない事がわかると思います」
第27話より。暗黒大将軍との通信会話時のグレートへの指摘。この後、腕を封じれば残る武装はネーブルミサイル、グレートタイフーン、ブレストバーンとなるため(この時点ではキック関係の武器は未実装)、「奴の力は半減するどころか、3分の1の力も発揮する事も出来ないでしょう」とまで断言し、暗黒大将軍もその弱点となる両腕をまず攻める作戦を承諾し、決行となる。
なお、永井豪の漫画版でもゴーゴン大公が戦闘獣ゼランギア(SRW未登場)と共に出撃して同様の弱点を看破して、グレートの両腕や更にはグレートブーメランすらもゼランギアの触手でキャッチしてしまい、ブレストバーンすらも封じる展開になっている。
「科学要塞研究所を倒すには一刻でも休息を与えては成らない。作戦を変えて連続的に攻撃するのは、勝利への道だ!」
第28話より。前回の戦闘で受けた大ダメージから漸く再建しつつある研究所の息の根を止めるべく、最大の障害たるグレートマジンガーに狙いを絞った「溶岩責め作戦」を発動させる。
この台詞通りヤヌスが着任して以降、絶え間ない大攻勢に晒されグレート(若しくは鉄也)や研究所が毎回のように損壊し、せっかく修理したのにもかかわらず更に深刻な被害を受けるシチュが増加する。

余談編集

  • ヤヌス侯爵の名前の由来は、ローマ神話に登場する「前後二つの顔(あるいは、左右二つの顔として表現される場合もある)を持ち、過去と未来の間に存在する扉を司る」ヤーヌスである。
    • また、ヤーヌスは一年の始まりの月である一月を司る神でもあり、一月を意味する英単語「January」の語源にもなっている。
    • なお、ヤーヌスに外見が近いキャラクターを強いて挙げるとするならば、「身体の右半分は女性で、左半分は男性になっている」あしゅら男爵だろうか。

脚注編集

  1. 美女から魔女への変身時に首が180度回転するシークエンスは、『グレート』放映前の1973年に公開され世界的なブームを巻き起こしたモダンホラーの開祖的作品『エクソシスト』からの影響が窺える。