戦闘における被ダメージキャンセル要素のひとつ。主にパイロットに設定された能力を中心に記述する。
概略
敵の攻撃に当たり続ければ最後には撃墜され、自軍戦力の低下に繋がるため、回避は重要な行動。装甲の薄い機体は一撃受けただけで撃墜されてしまうことも珍しくない為、敵の攻撃は回避することが前提となる。さらに近年は、敵の攻撃にも特殊効果が付与されることが多いため、事前の対策はほぼ必須と言える。
ただし、装甲が厚く、必殺武器や強力な特殊技能・特殊能力の必要気力が高い場合は、あえて攻撃を受ける事で気力を素早く上げるという戦術も選択肢となる場合がある。もっとも、現行作品では回避で気力の上がる(またはダメージを受けると気力が下がる)性格や、養成で付与される「気力+(回避)」などの特殊技能もあるので一概には言い切れない。
回避(能力)
敵の攻撃を回避する能力。スパロボでは回避に絡むパラメータが複数あり、その全てが加味された上で総合的な回避力が決定される。計算式は非常に複雑。
回避力が高い主なパイロット
リアル系主人公格が高い傾向にある。
- アムロ・レイ等ニュータイプガンダム系主人公
- アムロを筆頭にカミーユ、ジュドー、クワトロ(シャア)、シーブック、ウッソなどは非常に高い。さらにNTの補正がかかる。特に『X』のシーブックは回避をトリガーとするエースボーナスが存在するため尚更のこと需要が高い能力となる。
- キラ・ヤマト等ガンダムSEED系主人公
- キラ、アスラン、シンらは非常に回避が高い。特殊技能(特殊スキル)「SEED」と精神コマンド「集中」により、最終回避率を50%から60%へと引き上げることも可能。特にキラはエースボーナスで更に回避が上がる傾向があるため、作品によってはスパロボシリーズでも屈指の回避率を持つようになる。
- グラハム・エーカー
- 『第3次スーパーロボット大戦Z』『スーパーロボット大戦V』では最終回避率を30%上げる特殊スキル「極」を所持。愛機も回避特化型。
- ショウ・ザマ
- ダンバイン系のエース。さらに聖戦士の補正がつく。
- アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
- レイズナー系のエース。レイズナーに乗れる唯一のパイロットでもあり、V-MAXを発動すれば安定した回避力を誇る。
- 一条輝等バルキリーパイロット
- 輝、フォッカー、マックス、イサム、ガルド、バサラ、アルト等、最高クラスの回避値を持つ。
- テンカワ・アキト等エステバリスパイロット
- エステバリスが回避力重視に路線変更後から、アキト、ガイ、リョーコ、ヒカル、イズミ、アカツキ等の回避力が高い(この中でもガイはやや控えめだが)。
- 神隼人等ゲッター2系パイロット
- かつては回避が他スーパー系パイロットとさほど変わりなく避けるのは分身頼みだったが見直され、近年はリアル系と比較しても遜色ない程の回避能力を持つ。OVA版の隼人に至っては固有エースボーナスが回避力をさらに高めるものばかりである。
- 飛影
- 忍者技能の補正も加わり、『IMPACT』では回避力が高すぎて分身が無用の長物と化すレベル。
- なお他にもボルフォッグや虎太郎等といった忍者系のキャラはいわゆるスーパー系であっても回避力が高く、リアル系とほぼ同様の運用ができる場合が多い。
- 真上遼
- 前代未聞の避けるマジンガーの担い手。ただリアル系一線級には流石に及ばない。
- 生身ユニット全般
- 基本的に回避重視の事が多く、サイズ差補正の影響もあり、高い回避力を持つ。
- ギリアム・イェーガー
- スーパーロボット大戦シリーズ最強の回避率を誇る。特殊スキル予知とエースボーナス「最終回避率+15%」、「集中」込みで最終回避率75%まで引き上げることが可能で、必中使わないと当てられない強者となる。しかしOGMDではエースボーナスが変更された関係で、同作ではシャイン・ハウゼンに最強の回避率の座を奪われてしまった。
- アンジュ等ラグナメイルパイロット
- 数あるリアル系パイロットの中でもトップレベルの回避率を誇り、アンジュに関しては固有エースボーナスおよびヴィルキスの特殊回避も手伝って正に「回避の鬼」と化する。
回避率に影響する主な要素
ユニット側のステータス
- 回避
- パイロットの回避力。
- 運動性
- 機体の機動力と追従性の良さ。『NEO』・『OE』ではこちらについても「回避」表記。
- 地形適応
- 空・陸・海・宇宙の適応力で、自分が得意な地形にいると回避力がアップする。「A」を基準として、機体とパイロットの地形適応が「S」の場合は上昇、「B」以下ならば下がる。武器の適応は影響しないことが多い。
- サイズ
- 敵機から攻撃された際、自機のサイズが小さいほど敵機の最終命中率にマイナス補正がかかって避けやすくなり、逆に大きいとプラス補正がかかって避けづらくなる。「M」を基準として、小さい順に「SS」>「S」>「M」>「L」>「2L(LL)」>「3L」。ただし近年のシリーズでは彼我のサイズ差のみを参照する(例えばSSサイズ同士ではまったく補正がかからない)ため、単純に小さければ回避しやすいとも言えなくなった。また作品によってはサイズが小さいと最終与被ダメージで不利になるので、「サイズ差補正無視」の特殊技能や、武器の追加効果が欲しい。
外部的な影響
- 地形効果
- 森林や軍事基地などマップの一部地形で待機すると、回避率ボーナスが得られる。
- 距離補正
- 敵機と自機の距離が離れているほど、敵機の攻撃命中率が下がって回避しやすくなる。ただし、自機の攻撃も当てづらくなる。
過去作品のみで影響
最終回避率
攻撃命中率は0%~100%の間で表示されているが、計算上は0%以下や100%以上まで計算されている。反撃コマンドで回避を選ぶとそれがよくわかる。内部の敵機の命中率計算が110%の場合、命中率を99%以下にするには回避を11%以上上げなければならないことになる。
しかし一部の精神コマンドや特殊技能・特殊能力などには『最終回避率』を上昇させるものがある。これは、回避率の計算式の最後に固定の回避値を加算するというもの。分かりやすく言うと、表記上の敵機の命中率をそのまま変動させる(同じように『最終命中率』も存在している)。
仮にこちらの最終回避率が30%あった場合、敵機の計算上の命中率が131%以上あったとしても、敵側に最終命中率補正があるかこちらの最終回避率が下がらない限り、命中率70%から上回ることはないことになる。
回避率を上昇させる手段
自機の回避率を上げる他、敵機の命中率を下げる要素も含んでいる。
精神コマンド
基本中の基本だが、SPを消費する上に一時的にしか効果がない。
- ひらめき
- 一度だけ、自分に仕掛けられた敵の攻撃を必ず回避する。『OE』のみ効果が弱い。
- 見切り、直感、愛、奇跡、奇襲
- ひらめきの効果を含む複合系コマンド。
- 集中
- 最終回避率と最終命中率を30%アップ。ただし、『K』のように最終補正にならない場合も。
- かく乱
- 敵ユニット全体の命中率を半減する。
- 順応
- 地形適応が上昇することで回避率も高まる。元々その地形での適応がSの場合はそのまま。
パイロットの回避値や、機体の運動性を上げる
- スキルパーツ(アイテム)
- 回避アップ系パーツは『A PORTABLE』で初登場。
- パイロット養成
- PPやBPを消費して、パイロットの回避パラメータを上げる。
- 強化パーツ
- 装備中のみ有効。主に命中との複合型もあるが、単純に回避率(運動性)のみ底上げするパーツがある。
- また地形適応を上げるパーツも存在。
- 運動性の改造
- 資金を消費して機体の運動性を上げる。スパロボにおいてユニットの回避率を底上げする基本手段の一つ。
- 機体フル改造ボーナス
- 選択により更に機体の運動性を上げる事が可能。また地形適応を上げられればそれによっても回避率を高められる。
- カスタムボーナスを採用した作品では、機体によってフル改造ボーナスとは別に運動性が上がるものも存在。
特殊技能による補正
先天技能(専用スキル)では「ニュータイプ」や「強化人間」、「超能力」など。基本的にリアルロボットものとされる作品の設定に由来するものが主となる。
特殊能力による補正
ジャミング機能や、EWACなどを持つユニットの同伴で底上げを狙う。また分身系の能力があれば表示以上の回避率になる。
その他
- 小隊長能力(隊長効果)
- 一部のキャラで回避率アップ効果を持つものが存在。
- エースボーナス
- 固有ボーナスが設定される場合、一部のキャラで回避率アップ効果を持つものが存在。
- 信頼補正
- 一部の作品では特定の味方同士が隣接すると、回避率に補正がかかる。
- 乗り換え(Jのみ)
- カティア・グリニャールを主人公機のサブパイロットにすると、運動性が+10。
- トライ・フォーメーション(Zのみ)
- 小隊全体の回避率が+20%。
- 戦術指揮(UX・BX)
- 一部の指揮官に回避率アップ効果を与えられる者が存在。『BX』では最終補正となる。
- インスパイアシステム(BX)
- 特性「回避」を持つパイロットの乗る機体と隣接することで回避値が上昇する。
自機の回避率が下がる要素
回避(反撃行動)
敵から攻撃を受けた際に選択可能なコマンドのひとつ。回避行動を取り、敵の最終命中率を半減する(ただし『NEO』・『OE』では-30%で、最終補正ではない。しかし半減ではなくマイナスなので選択前で30%以下なら0%にできる)。反撃は不可能で、もし被弾した場合はダメージをそのまま受けてしまう。
なおマップ兵器で攻撃された全ての機体や、コンボやダブルアタックで狙われた2機目以降の機体などは、反撃行動自体を取れない。