ガンダム・センチネル

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概要

機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士ガンダムΖΖ』と同時代を背景とする、もう一つのガンダムの物語。模型雑誌『モデルグラフィックス』(アートボックス編)に掲載された。模型とショートストーリーを中心に、設定・解説・非登場機の模型からなる作品である。小説化のほか別冊ムックも発行されている。

『ガンダムΖΖ』放送終了と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』劇場公開の間に生ずるプラモデル展開の空白期間を埋めるため、プラモデルを販売するバンダイが『モデルグラフィックス』にプラモデル新シリーズの企画協力を求めたことで企画がスタートした。しかし『逆襲のシャア』のプラモデル展開が予定より早められることになったため、第1弾キットを発売しただけで企画凍結となってしまう。これを受け『モデルグラフィックス』はバンダイに許可を受けたうえで独自に連載企画を開始。これが人気となり『逆襲のシャア』のプラモデル展開終了後に改めてプラモデル企画が再開されることとなった。

ストーリー

宇宙世紀0088年1月25日、ティターンズの掲げる「地上至上主義」に共感する地球連邦軍教導団の一部将校が武装蜂起した。教導団の根拠地である小惑星ペズンを制圧した彼らは、「ニューディサイズ」と名乗り、地球連邦に対し徹底抗戦を宣言した……。

版権のややこしさについて

ガンダムシリーズの当日版権が唯一許諾されるガレージキット販売イベント「JAF-CON」において、本作に関わるガレージキットも販売許可が出されていたのだが、1996年に開催された「JAF-CON V」において本作関連のガレージキットのみが販売中止となってしまった。『モデルグラフィックス』側は誌面で本作について一定の権利を有しており、バンダイから商品化料も受け取っていることを主張したが、翌年には商品化料ではなく企画協力費であったとこれを撤回。ガンダムシリーズの版権は「創通エージェンシー・サンライズ」のものとして落ち着いた。

現在はバンダイが『センチネル』関連の商品を発売する際に、アートボックス側に事前承諾を入れているとされている。

『SDガンダムGジェネレーション』シリーズにおいて、『ZERO』『F』では原作ストーリーが再現されたものの、その後は一部のMSとパイロットだけ。『ガンダムバトルクロニクル』や『ガンダムvsガンダム エクストリームバーサス フルブースト』のようなMSがリアル等身なゲームでは、他の機体とは異なりパイロットが搭乗している描写がない。『エクストリームバーサス フルブースト』について、開発者がこの処置について「諸事情」とだけコメントしており、『センチネル』のゲーム出演については現在においても何かしらの制約があると見るべきだろう。

登場人物

※現状本作は機体のみの参戦なので主要人物のみ抜粋。

リョウ・ルーツ
主人公。連邦軍少尉でα任務部隊所属。Sガンダムを駆るMSパイロット。Gジェネシリーズでの担当声優は藤原啓治氏。
ALICEシステムの開発者を母親に持つ。短気で荒っぽく、非常にプライドの高い反骨心の塊のような性格の持ち主で、軍人になれたのが不思議でならないぐらい極めて素行不良な青年。その割りにパイロットとしての技量はお世辞にも高いとは言えず、ALICEシステムの操縦支援を得てようやく多少はまともな戦闘がこなせるという有様。しかし、彼がパイロットに選ばれたのにはある隠された事実があった。
ストール・マニングス
α任務部隊の戦闘司令官、大尉。若手・未熟者揃いのα任務部隊では唯一のベテラン軍人で、同時に最年長。Gジェネシリーズでの担当声優は大塚明夫氏。
部隊内では戦闘の作戦指揮を主に担当するが、エリートだが実戦経験がほとんどない若手司令官の補佐、未熟なパイロットたちの訓練など、その他の部隊運営にも中心的に関わっており、曲がりなりにもα任務部隊が戦闘部隊としての体裁を保ちつつ生き残っていられるのは、彼の存在によるところが大きい。一年戦争から活躍しているベテランパイロットだが、当時の負傷で右脚が義足となっており、基本前線には立たない。
トッシュ・クレイ
ニュー・ディサイズ参謀で、元地球連邦軍大尉。アースノイド至上主義者。Gジェネシリーズでの担当声優は堀内賢雄氏。
ニュー・ディサイズ結成の立役者だが、策謀家の自身はトップに相応しくないとしてブレイブ・コッドを擁立し、ナンバー2としてその補佐に回る。指揮官としてもパイロットとしても優秀な人物で、電撃的にニュー・ディサイズの勢力を拡大していく。α任務部隊のストール・マニングスとは戦友同士。
ブレイブ・コッド
ニュー・ディサイズのトップに立つ首領で、元地球連邦軍大尉。アースノイド至上主義者。Gジェネシリーズでの担当声優は玄田哲章氏。
一年戦争以来のベテランパイロットで、「MS戦は機体の性能ではなく、パイロットの技量(ウデ)で決まる」を信条とする生粋の武人肌。恐るべき操縦技量と一種のカリスマを併せ持ち、一部のアースノイド至上主義の若手軍人から崇拝に近い信奉を集めている。そのカリスマと行動力を買ったトッシュの誘いを受け、ニュー・ディサイズの首領として擁立される。

登場メカ

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

Sガンダム
Ζプロジェクトの一環として作られた試作機。ムーバブル・フレームを最大限活用した構造を持つ。「スペリオル・ガンダム」と読む。
Ex-Sガンダム(変形形態:Gクルーザー)
Sガンダムに各種パーツを取り付けたもので、厳密には「Gクルーザー」という巡航形態を取るための状態。「イクスェス・ガンダム」と読む。
バーザム
『第2次α』において、本作準拠のデザインで登場する。

用語

ニューディサイズ
地球連邦軍教導団の内、ティターンズの掲げる「地上至上主義」に共鳴した将校達の一団。元々教導団だけに、MS戦闘・運用において他の部隊に対し一日の長がある。
α任務部隊
ニューディサイズ討伐の為に編成された部隊。少数精鋭とは名ばかりの、不採用となった試作機と未習熟のスタッフで構成された部隊であった。ただ、規格外性能の試作機も使っているので戦闘力自体はそれほど低くない。
ALICE
Sガンダムに搭載されているAI付き教育型コンピューター。

登場作と扱われ方

直接機体が登場したのは『バトルドッジボールII』や『第4次スーパーロボット大戦』と移植作の『第4次S』のみ。その後は機体が没データとして残された例があるものの、本編には一切登場していなかった。未参戦作品/一覧も参照のこと。

旧シリーズのデータベースソフトである『全スーパーロボット大戦電視大百科』では、本作に関わる資料が収録されなかった。このことから「『第4次』にSガンダムなどを登場させたのは版権元に無許可であり、その影響で現在に至るまで本作は未参戦である」という説があるが、この説は現在のところソースが確認されておらず俗説・都市伝説のようなものである。『第4次S』発売から『電視大百科』発売までの期間には、1996年夏に上記のガレージキット販売トラブルが発生しているが、これとの因果関係を含め未参戦の理由は不明である。

ここまで書いたような不自由さを抱える一方で、2011年7月にゲームアーカイブス版『第4次S』の配信が始まり、現在も続いている。さらに『スーパーロボット大戦UX』にもゼータプラスがモチーフの陸遜ゼータプラスが登場している。他のバンダイナムコ販売のゲームと同じように、機体だけの登場なら問題がないものの、キャラクターも併せたり原作再現することに問題があるのかもしれない。

旧シリーズ

第4次スーパーロボット大戦S
リアル系主人公を選んだ場合にSガンダムを入手でき、ルート次第でEx-Sガンダムに強化される。強化パーツではALICEが登場。
スーパーロボット大戦FF完結編
リメイクに伴い没となった他の要素と共に、SガンダムEx-Sガンダムの没データも存在する。グラフィックは元となった画は同じだが、ハードの画質向上に伴い新たに書き直されている。

αシリーズ

第2次スーパーロボット大戦α
バーザムのデザインが『機動戦士Ζガンダム』のものではなく本作でリファインされたものになっている。
またSガンダム、Sガンダム(ブースター)、Ex-Sガンダム、Ζプラス、Ζプラス(アムロ機)、FAZZ、ゼク・アイン、ゼク・ツヴァイ、ガンダムMK-V、ゾディ・アックの没データが、新規書き起こしのグラフィックと共に存在する。
連邦軍だけではなくニューディサイズの機体も存在していることから、『SDガンダムGジェネレーションF』の要素を引き継いで今回参戦した『機動戦士クロスボーン・ガンダム』と同じ形式で参戦予定だったのかもしれない。
他にも、部隊名決めでαナンバーズが候補に挙がった際に、アデルツグミが「連邦軍に似た名前の特務部隊があった気がする」と発言するなど、それを匂わせる要素がいくつか見られる。
第3次スーパーロボット大戦α
前作のデータが削除されずに残されている。

関連作品

バトルドッジボールII
ガンダムシリーズの敵MSで結成された「モビルスーツキラーズ」の一員としてガンダムMK-Vが登場。

余談

  • 幕末および戊辰戦争(新撰組)をモデルにしていることは有名。リョウ・ルーツは坂本龍馬、トッシュ・クレイは土方歳三、ブレイブ・コッドは近藤勇とされており、ここら辺の設定は『銀河烈風バクシンガー』と通ずる部分がある。
  • 本作には女性キャラクターが一人もいない(正確に言えばALICEという女性人格のAIがいるが)。男臭い作風といえど女性キャラクターが数人いる『ボトムズシリーズ』よりも男臭い。

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