モビルドール(Mobile DOLL)
『新機動戦記ガンダムW』に登場。略称は「MD」。
「MOBILE Direct Operational Leaded Labor(直接指揮及び作戦用機動作業機)」の略称。
ロームフェラ技術陣とOZが開発したシステム。機体に兵士を搭乗させるのではなく、最初から兵士の戦闘処理能力等を持つ演算回路で代用するシステム。これにより、兵士の徴収・育成を省いて効率的と思われるが、トレーズが「戦争がゲーム感覚になる」と否定、最終的にはホワイトファングによって運用された。
性能は高いが、プログラム制御故に設定されたパターン以上の行動は出来ない等融通の利かないところから、ヒイロ達とミリアルドには、文字通り「人形(ドール)」扱いをされる。事実、ヒイロの計略によってモビルドール機の認識プログラムを欺き味方を攻撃の対象にしてしまったり、ガンダムを開発した5人の科学者達によってプログラムに細工が施された事で、性能面で劣る有人機とすらまともに戦えなくされてしまったこともあった。また採用された機体の武装傾向や作中の描写からも分かる通り、比較的には遠距離の射撃戦を得意とする傾向があり、細かい判断要素が多くそれらを手早く処理せねばならない近接白兵・格闘戦はやや不得手である。後にヴァイエイトとメリクリウスに、ガンダムのパイロットのデータを組み込んだMDとして運用されてもいるが、こちらも同様で、同等の実力であるデュオのガンダムデスサイズヘルによって、あっけなく撃墜されている。
モビルドールへの過度なまでの期待は、デルマイユ派のOZやホワイトファングに、戦略的な失敗を促してしまうに至り、後のAC196年でのモビルドール採用機体は、拠点防衛システムの代用品的な扱いになっており、主力機動兵器の座は、サーペントを始めとする有人式のモビルスーツとへ戻った。
有人型の追加システムとして採用されているトーラスでは無人のコックピットの中で機体に命令を下す操縦桿が逆に機体の挙動に合わせて動く場面があった。
登場作品
自動操縦システムの一種なので、大抵の作品では操縦者は「モビルドール」名義となっている。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 中盤以降、黒い方のガンダムMk-IIが量産され、モビルドールとして運用される。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 現代ではティターンズとマリーメイア軍がモビルドールのトーラスを、未来世界ではイノセントが発掘した機体をモビルドール化して利用する。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 「エモーション・ハイ」でザフトの戦力として登場。また「青き清浄なる世界のために」にて連邦軍のモビルドールが第3軍として登場する。
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 序盤の終わり頃から雑魚として登場する。原作通りトーラスやビルゴに搭載されている他、アイムがUCWの機体のデータをリボンズに渡したことで、バイアランやゲルズゲー、ユークリッド、はてはデストロイガンダムまで搭載されて出てくる。
- AIに毛が生えた程度の能力値だった過去のシリーズとは異なり、全体的に高い水準の能力値(中でも命中はそこらの並のネームドキャラよりも高い)と、見切り、援護攻撃&援護防御、サイズ差補正無視、戦意高揚といった特殊技能を豊富に所持しており、その上たいてい一度にウジャウジャ出てくるため、雑魚と侮ると痛い目を見る。
携帯機シリーズ
類似するもの
- ダミープラグ
- 「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する無人型制御システム。
- ゴーストX-9、AIF-7S ゴースト、AIF-9V ゴースト
- マクロスシリーズに登場。
- ODEシステム
- OGシリーズに登場。こちらは学習型であり、複数の機体に戦闘データを常時送信・共有によって次々と戦略を変えてくる。
関連人物
- トレーズ・クシュリナーダ
- 戦争に対する価値観から否定。
- マージ・グルドア
- 第3次αではシャロンにコーディネイターの手で改良されたMDシステムを組み込んだ。
- スメラギ・李・ノリエガ
- 第2次Z再世篇第2次Zでは、彼女が卒業論文として構築した理論をもとにAEUで研究し、後に連邦軍が完成させている。
- AEU士官時代に実験中だったモビルドールの暴走によって恋人エミリオを失った過去を持つ故に、スメラギはモビルドールを否定する。
- ミスター・ブシドー、イプシロン
- 第2次Z再世篇ではモビルドールを共に「戦士の誇りを汚すもの」として否定しており、イプシロンに至っては「誇りも何もないマシン」「醜悪な機械」と憎悪の念を隠していない。