ノーヴル・ディラン (Noble Dylan)
ライオットシリーズの開発責任者。分け隔てなく接する人柄や、技術力の高さで周りからの信頼も厚い。
本編開始から200年前、奇械島にて「オデュサイト」を触媒とする粒子加速炉を開発するが、実験中の事故により、人の意志が時空を超えることを知り、そしてこの宇宙がループしていることを知り、それに終わりがあることを知る。その時から彼女の、あまりにも永く孤独な戦いが始まった。
自らの意思を未来へ飛ばすことにより記憶を保ったまま何度も転生し、繰り返される輪廻の中で宇宙の終わりを回避するための手段を模索し続け、最終的にはすべての可能性を一つに重ね、「無限に加速する意思の力から『命の始まり』を創造する」という答えを導き出した。
最後の最後までUXの前には姿を現さなかったが、ユガの狭間において専用機として完成させたアヴァターラを駆ってUXの前に立ち塞がり、これから神に挑まんとする彼らの覚悟を戦いによって問う。そしてUXに打倒された彼女は後のすべてをUXに託し、永きにわたる戦いを終えた。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦UX
- プロフィールは上記の通り。セミファイナルボスとして、最終話前半にて戦うことになる。
- ある意味ではナイアと並ぶ本作の物語の黒幕ポジションの一人だが、彼女は「敵役」であっても「悪人」ではなく、その立ち位置や目的は過去のバンプレストオリジナルのキャラと比較するとビアン・ゾルダークやエルガン・ローディックたちに近い。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
本職は技術屋のはずなのだが、どういうわけか回避以外はトップクラスの高さを誇る。 これも幾度と無く輪廻を重ねてきた故であろうか。
特殊技能(特殊スキル)
人間関係
- サヤ・クルーガー
- 自らが生み出したエルプスユンデであり、娘とも言える存在だが絡みはほとんどない。悠久の時を旅する「共犯者」となったリチャードに生命の始まりに到れる可能性を持っている彼女を一縷の望みをかけて託した。
- アユル・ディラン
- 自らが生み出したエルプスユンデであり、娘とも言える存在。ナイアに「最低の失敗作」と断じられるなどオデュサイトのコントロール適性は今ひとつであったが、ノーヴル自身は実の娘のように可愛がっていた。
- リチャード・クルーガー
- 永年の盟友。前述のサヤを彼に託した。
- アニエス・ベルジュ、ジン・スペンサー
- サヤ、アユルを成長させるための相棒として見出した人物(正確にはアーニーはリチャードの後継者であって、彼女が直接選んだわけではないが)。
- カリ・ユガ
- 最後に乗り越えるべき壁であり、ノーヴルの計画はユガを倒すためにあったと言える。
版権作品との人間関係
スーパー系
- アイラ
- かつてノーヴルが奇械島で研究していた科学者であったことをUXの面々に伝える。
- 真上遼
- 直接絡む場面は無いが、彼の出自を考えると、何らかの因縁があるものと推察される。
- ローニン・サナダ
- UXでは同じ基地の同僚。
- ハザード・パシャ
- 人類軍での上司。直接絡む場面は無いが、彼が「事象」に弄ばれている存在に過ぎないことも知っている。
- 加藤久嵩
- UX第3部にてUXと彼の全面対決によって未来が悪しき方向に向かうことを阻止すべく、ジンとアユルに彼の救援に向かわせる。
- 沢渡拓郎
- ロストバレルのファクターとなり加藤機関を離脱した彼を自身の許へ招き、彼に一旦表舞台から退場するよう促す。
- …尤も、EDでのコトを考えると、結果的に彼の命運を悪しき方向に導いてしまったと言えなくもない。
- マスターテリオン
- ある意味似た存在でもあり、互いの素性を理解している。
- ナイア
- UXにおけるある意味宿敵ともいえる存在。彼女の紡ぐ悪しき運命と因果を断ち切り、「ユガの終焉」を乗り越えるべく、皮肉にも彼女のやり口とも似たような形で、「事象」を操作し策動していくことになる。
- ただし、決定的に違うのはナイアは私利私欲に塗れたものであって、彼女の行動は後の世に生きるであろう皆のために行っていたことである。
リアル系
- ミツヒロ・バートランド
- 人類軍での同僚。未来のために必要な「事象」を起こすべく、回収したマークフィアーのコアを彼に提供し、マークニヒトの開発を仕向ける。
- ショット・ウェポン
- 人類軍での同僚。「浄化」を乗り越えてこの世界にたどり着いた彼に「真実」の一端を話し、人類軍内部でのジンとアユルを除いて唯一の「世界の真理」に迫っている同士となり、いくつかの秘密を共有する協力者となる。
名台詞
- 「サヤ…命の名前! 貴方に宿った命こそが、未来を紡ぐ!」
- 対サヤの特殊セリフ。字面だけ聞くと別の意味にも取れてしまう。…まぁ、サヤの方も割とそういう誤解を招きかねない発言をしているのだが。
- 「時間ピッタリのご到着ですね、少佐。乙女座の男性は几帳面だったかしら?」
- 第2話で、カリフォルニア基地に到着したグラハムに対して。彼が乙女座、というのはよく知られているのだろうか?
- 「リチャード、ジン、アユル…そして、この場にたどり着くことなく散っていった、数え切れないほどの可能性たち…今こそ、あなたたちの志に殉じましょう」
「この宇宙に行きとし生ける、すべての命の、始まりを掴むために…!」 - 最終話でのモノローグ。
- 「蜘蛛…?」
- 最終話で道明寺から蜘蛛と言われて。元ネタは京極夏彦の「絡新婦の理」であるが、当の本人は困惑気味だった…。
- 「この宇宙の輪廻は、無限ではない。 この『ユガ』は、まもなく終わりを迎える。 だから、私は…」
ルカ「待って下さい! 宇宙が終わるなら、未来から来た僕たちはどうなるんです!?」
尚香「そうよ、おかしいじゃない! 未来がないなら、そもそもあたしたちはいないはずでしょ!?」
「そうじゃない…。未来から来た人間など、ひとりもいないの」
「過去は変えられない。 過ぎ去った運命は、消して覆らない…。 つまり、あなた達は…一度は終わりを迎えた宇宙から…過去の世界から、この現在へとやってきた人間たちなのよ…」 - 最終話で撃破された際に、彼女は衝撃の事実を明かす。
関連機体
- ライオットA、ライオットB、ライオットC
- UX本編の世界で開発したライオット。
- ライオットX
- かつての世界で開発したライオット。
- オルフェス、ライラス(オデュッセア)
- 「命の力」を体現させるための機体。しかし、この機体だけでは「命の力」の半分しか発揮する事は出来ない。
- ヴィジャーヤ、ドラウパ
- オルフェス&ライラス同様、「命の力」を体現するための機体。本編では、オルフェス&ライラスが覚醒させた「命の力」を目覚めさせることはできなかったが、オルフェス&ライラスだけでは発現させられなかった「命の力」のもう一つの面――「死」を補完した。
- アヴァターラ
- 繰り返される輪廻の中で幾度と無く改修を重ねて完成させた、自らの専用機。
余談
- 敵役ではあっても悪人ではなく、人造人間のヒロインの母親でもある女性科学者という点は過去のバンプレストオリジナルのキャラクターと比較すると、レモン・ブロウニングとも共通している。
- ノーヴルとは英語で高貴さを意味する名前であり、宇宙の終焉に挑み続けた姿勢は正にその名の通りであった。ちなみに、ジ・エーデル・ベルナルも「(『エーデル』というドイツ語で)高貴さを意味する名前を持ち、宇宙の終焉に挑んだ」という点でノーヴルと共通している。もっとも、彼は諦めて享楽に走ってしまったのだが…。
- ノーヴルを演じるゆかな氏は、無限のフロンティアシリーズにてヒロインの一人である楠舞神夜を演じており、氏がバンプレストオリジナルのキャラクターを演じるのは、神夜に続いて二人目となる。
- さらにUXの数ヵ月後に発売となった魔装機神IIIにおいてセレマ・ゼオラ・オクスティンを演じることとなる。……役者が同じでも役によって雰囲気がまるで異なるというのは珍しい話ではないが、神夜とノーヴルとセレマは相当にギャップがある。
- 前世の記憶を受け継ぎながら失敗を糧として積み重ねた結果、
など人類抹殺以外のバンプレストオリジナルの敵キャラが掲げていた目的を達成している(形はさすがに異なるが)。その人類抹殺も、直前のループでは人類は絶滅しているのが確定なので、ある意味では達成されていると言え、そういう点ではユーゼス・ゴッツォとは清々しいほどに真逆である。