サイボーグ
サイボーグ(cyborg)とは、生命体(organ)と機械ないし自動制御系の技術(cybernetic)を組み合わせた存在である。
概要編集
サイバネティック・オーガニズム(Cybernetic Organism)の略であり、人工臓器などの人工物を身体に埋め込んだり、身体の機能を電子機器を筆頭とする人工物に代替させる事により、身体機能の補助や強化を行った人間のことを指す。広い意味で人造人間の一種として扱われるが、以上の点から機械のみで構成されるアンドロイドとは異なる。
極端な例だと脳以外の全ての身体を機械に置き換えたというパターンもある。「人間が人型機械を動かしている」という点では、搭乗型ロボットの亜種とも言える。
アニメや漫画などでは超人的な力を得るための身体強化目的でサイボーグとなる事が多く、サイボーグ化された人物は頑丈であったり特殊な力を持ったりしていることが殆どである。また、救命・延命措置として行われたサイボーグ化手術に、身体強化の要素が付加されるケースも非常に多い。
なお、サイボーグという技術は身体機能強化の面から考えると理想的に見えるが、言い換えれば人間性の喪失という側面も持ちうるため、サイボーグ化された当人が「生身の肉体の喪失により、普通の人間ではなくなってしまった事に対して苦悩する」というシリアスなドラマ性がテーマとして敷かれることがある。逆にサイボーグ技術が一般的になり忌避観がなくなったことで普通の人間として扱われる世界観もある。また、現実的な観点から見れば生身の肉体に異物を埋め込むということに他ならないため、身体の拒絶反応やメンテナンスの煩雑さなどから登場人物の行動を制限する理由付けとして扱われるケースもある。
該当人物編集
版権作品編集
ダイナミック系編集
- ブロッケン伯爵
- Dr.ヘルによりサイボーグ化。SRWに登場するサイボーグとしては最も古株。
- Dr.ヘル
- 『グレートマジンガー』で地獄大元帥として復活する。
- また(繋がりがあるかは別として)時間軸上ではその更に後の最終エピソードと思われる『スーパーロボット大戦F完結編コミック』収録の短編漫画(原案・団龍彦(ダイナミックプロ)、作画:丸山功一)ではある人物によって脳髄を保管されデビルマジンガーに搭載される形で登場する。
- エリカ(機械獣エスピオナージR1)
- あしゅら男爵によると改造人間らしく、人間になることに憧れていた。
- 兜剣造
- 『グレートマジンガー』では光子力実験中の事故で瀕死の重傷を負い、兜十蔵に改造されたことで一命をとりとめた。
- αシリーズではマジンカイザーの暴走に妻共々巻き込まれ瀕死になったところを改造されている。
- 『真マジンガー 衝撃! Z編』ではかなり変わり果てた姿となっている。
- クロス
- 全身を超合金Zで覆ったサイボーグ。
- 兜甲児
- 桜多吾作版(冒険王)『マジンガーZ』エンディングでの設定。戦闘獣に敗北し重傷を負った甲児は機械への改造なしには生き残れなかった。
- 『真マジンガーZERO』ではDr.ヘル一派との戦いで一度は死亡同然に陥った状態から、クロスオーバー的テクノロジーによりサイボーグ化して蘇生。続編の『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』冒頭では生身に戻るが、差異次元の繰り返しによりサイボーグ化も繰り返している模様。
- 司馬宙
- 知らないうちに父親によって改造されていて、しかも気付いていなかったという例。
- 帝王ゴール
- 『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』では武蔵の自爆に巻き込まれサイボーグ化する。
- 『ゲッターロボ大決戦!』では死亡後にプロフェッサーランドウにサイボーグに改造されて復活する。
- バット将軍
- 『ゲッターロボ大決戦!』では死亡後にプロフェッサーランドウにサイボーグに改造されて復活する。
- ブライ大帝
- 学年誌『小学二年生』の特集記事によると「少年時代、ある日突然に角が生えてきて超能力を得たミュータントで、自作のロボットに命じて自身をサイボーグにした」らしい。
- また、漫画『ゲッターロボG』追加エピソードでは「元々人間だったが、未確認飛行物体で改造された」存在。
- 更に、漫画『真ゲッターロボ』では『ゲッターロボG』で倒された後、未来から来た宇宙人により改造されて復活を遂げる。
- 『ゲッターロボ大決戦!』では死亡後にプロフェッサーランドウに自我を失ったサイボーグに改造されて復活する。
- 敷島博士
- 幾つかの作品で身体を半ば(以上)機械化、多数の銃火器を内蔵している。早乙女研究所は歴代、所内深部まで敵兵に襲撃されやすい施設なので、割とまともに活躍する事も。
- ドル・ガイスト
- 「弱者に受け継ぐ聖なる血よりも、強きメカニックに流れる油の方がよほどマシというもの」という信念故に、自身の肉体をサイボーグ化させている。
その他スーパー系編集
- キラー・ザ・ブッチャー
- とある異星の野蛮人をコンピュータドール第8号が改造した。
- 獅子王凱
- 本編開始前に瀕死の重傷を負い、科学者であった父親の手でGストーンを動力とするサイボーグとして蘇生する。本編最終話以降はエヴォリュダーへと進化。
- なお、小説版『勇者王ガオガイガーFINAL』においては、(表には出さないものの)生身の人間ではなくなったことに対する凱の苦悩が描かれている。
- ルネ・カーディフ・獅子王
- Gストーンで活動するサイボーグの一人。ただし、内臓は生身のままである。元々はバイオネットに未成熟なサイボーグ技術の実験台とされ、後に延命のために再改造された、という経緯を持つため、戦闘力は高いが放熱機構の不備など問題を抱える。
- ソルダートJ
- 赤の星で製造された31人の生体サイボーグの一人で、固有名は「ソルダートNo. J 002」。Jの左腕には、命の源であるJジュエルが埋め込まれている。
- アラン・ゲイブリエル
- 「ブーギー(お化け)」という異名を持つサイボーグで、肉体の半分を機械化している。
- なお、ビッグデュオ・インフェルノを無理矢理操縦した際の言葉から察するに、自身の身体をサイボーグ化した時には最高の気分であった模様。
- 葵豹馬
- 物語の途中で両腕がサイボーグとなる。SRWでは再現されないことも。
- シャピロ・キーツ
- OVA『白熱の終章』にてサイボーグとして復活する。
- ギル・バーグ
- 初登場時点で身体の幾分かを機械化していたが、一度敗北した際に更に大幅な改造を施される。
- ベラリオス
- 元は地球に生息していた普通のライオンであったが、エリオス帝国に献上された後にサイボーグ化されたという経緯を持つ。ちなみに、改造後も記憶と理性が残っている。
- メデューサ将軍
- ヘドロン皇帝によってサイボーグにされる。
- キール・ローレンツ
- 劇場版でLCL化した際、その半身が機械だった事が描写されている。
- ホワイトドラゴン
- アースティアに住まうドラゴンであるが、過去の戦いで負傷した部位をサイボーグ化することによって延命している。
- ライカ・クルセイド
- 魔術的な改造人間であり、白い仮面の戦士メタトロンの正体(アニメ版では描写されない)。
- ジャック・スミス
- サイボーグ処置により自身がアルマ「タケミナカタ」となった。
- 藤兵衛
- 自分自身をサイボーグ化した天才科学者。ドット絵では分かりづらいが、頭部はクリアパーツであり、中の機械部分が透けている。
ガンダムシリーズ編集
- キンケドゥ・ナウ
- 損傷した身体の一部を人工義体で補った。
- リヒテンダール・ツエーリ
- 半身が機械化しており、本人に言わせれば「生きているのか、死んでいるのか…」。
- ルイス・ハレヴィ
- 左腕を失った上にGN粒子の毒性によって再生治療を受けられない体になったため機械仕掛けの義手を使用する。最終的には回復を果たした。
- SF由来の技術が使えなかったので現実的なサイボーグ技術で代替した例。リヒティの描写と併せるとSF由来の技術があった故に現実的なサイボーグ技術が忌避されていると解釈できる。
その他リアル系編集
- ゴステロ
- 第2部で再登場した際改造されている。なお、改造後は「脳がはちきれそうだぜぇ!」「脳がぁぁ~! 脳が痛えぇぇ~!!」等、と頭脳に負担が掛かっていることを推測させる迷台詞を残している。
- イッシー・ハッター
- VCa2年のサンド・サイズ戦役の終盤に重傷を負い、VRと一体化したサイボーグになっているという説が存在する。『マーズ』では作品の演出傾向により、乗機であるアファームド・ザ・ハッターが顔グラフィックになっていることもあってか、SRWでは意図的に正体不明を貫いている。
- T-elos
- アンドロイドかと思われたが、身体の80%が生身の女性サイボーグであると判明する。
- ブレラ・スターン
- 全身をインプラント化しているため、各種性能を設計限界まで高めた専用機VF-27γ ルシファーの操縦を可能としている。
- グレイス・オコナー
- 自ら望んで全身をインプラント化した理由は、グレイス自身の野望実現の為である(TV版より)。
- その一方で、劇場版作品では「インプラントの支配から脱して、シェリルを助ける」という見せ場が存在する。
- ジェレミア・ゴットバルト
- 無印終盤、神聖ブリタニア帝国によって改造される。改造後の副作用からか、情緒が不安定であった。
- しかし、R2では完全な調整を受けた故に情緒が安定している。また、ジェレミアの左目にはギアスを無効化する「ギアスキャンセラー」が装着されている。
- ラダァ・ニーバ
- パーフェクトソルジャーへの改造および過去にレッドショルダーに重傷を負わされ恐怖を植え付けられた影響で、凶暴かつ異常な性格になっている。
- テイタニア・ダ・モンテ=ウェルズ
- 幼少期に事故に遭い、戦闘用サイボーグ「ネクスタント」へと改造された。なお、テイタニアの腹部には戦闘用の補助脳が埋め込まれており、身体には緑色の人工血液が流れている。
- ゲオルグ
- ルージとの戦いに敗れた後、終盤にて身体の大部分が機械化されて復活を果たす。
- ジル
- かつての戦いで右腕を失い、機械製の義手をしている。
- ネオ・イコン・エピファネス
- 祖国滅亡の際に重傷を負い、全身のサイボーグ化と強固な洗脳をガーゴイルに施される。
- 最終局面で意志を取り戻してから露わにされたコンセントとケーブル。そしてその最期は、視聴者に強烈なインパクトを残した。
- 北斗星司
- 過去の飛行機事故によって四肢を失うが、命の恩人のヤプール制作の義手義足を使用している。
- 界塚伊奈帆
- 1クール目の最後にスレイン・トロイヤードに銃で撃たれ左目を失っている。2クール目から義眼として高性能コンピュータの「アナリティカルエンジン」をつけている。
バンプレストオリジナル編集
- メキボス・ボルクェーデ
- ウェンドロに一撃で倒されるもかろうじて生還、両足・右腕・左目がサイボーグになった。
- ライディース・F・ブランシュタイン
- ブラックホールエンジンの事故により左手を失い機械式の義手となっている。
- ヒューゴ・メディオ
- ミタール・ザパトの手によりサイボーグ化されるが、意図的に生体部分との拒絶反応を起こすよう「調整」されていた。
集団編集
サイボーグ兵器編集
特殊スキル編集
『スーパーロボット大戦DD』では特殊スキルとして採用。
関連用語編集
余談 編集
- 冒頭で説明したサイボーグ化された当人の苦悩は、当人以外にもサイボーグがいた場合、他者に対してデリカシーを欠いた描写となり得る。SRWでも『DD』で豹馬が戦いの厳しさを語るべく両腕を失ってサイボーグになっていると説明する際に「宙さんの前で言うのも何だけど」と前置きしている。そしてサイバネティクス技術は現実がフィクションに追いつきつつある分野でもあるため、義肢やペースメーカーなどの手術を行った者に対しての配慮から、否定的な描写や特別な描写についても控えられつつある。
- コンパチヒーローシリーズに数多く出演している昭和世代の仮面ライダーの面々もほとんどは改造人間=サイボーグである。しかし、平成以降に制作された仮面ライダーシリーズではサイボーグの条件に該当する者は非常に少なく、「仮面ライダー=改造人間」という図式は現行シリーズには当てはまらない。これも同じ理由である。
- 『DD』では自軍部隊の中でサイボーグは誰かというクイズが出されたことがある。正解は宙、凱、ベラリオスの3名で、豹馬と伊奈帆は含まれなかった。