天のゼオライマー
天のゼオライマーは『冥王計画ゼオライマー』の主役メカ。
天のゼオライマー | |
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読み | てんのゼオライマー |
登場作品 | 冥王計画ゼオライマー |
デザイン | 森木靖泰 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦MX |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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分類 | 八卦ロボ |
全長 | 50 m |
重量 | 480 t |
動力 | 次元連結システム |
開発者 | 木原マサキ |
パイロット |
概要
『冥王計画ゼオライマー』に登場する八卦ロボの一体。八卦の象である「天風水火月地山雷」の筆頭「天」の名を冠し、八体の中でも他を凌駕する圧倒的な性能を誇る。メインパイロットは秋津マサト、サブパイロットは氷室美久。
その最大の特徴にして驚異的な力の秘密は、同機の製作者である木原マサキによって開発された、異なる次元からエネルギーを収集し攻撃へと転用する機構「次元連結システム」にある。最大の武器は次元連結システムにより収集されたエネルギーを無尽蔵に放出する「メイオウ攻撃」で、都市一つを消滅させるほどの威力がある。その凄まじい威力ゆえ、通常はエネルギーフィールドを形成し、一点集中させて放出している。裏を返せば、万が一その矛先が自身に向けられた時には自らを搭乗者諸共容赦なく焼き尽くし、地上から消し去る諸刃の剣であることを表している。
元々は八卦ロボの頂点として「冥王計画」の中核となるはずの機体であったが、マサキにより鉄甲龍から持ち出され、日本政府の手に渡る。鉄甲龍から離反したマサキは沖功に殺害され、残されたゼオライマーは四分割して保存され、研究材料となった。
その後15年の時が流れ、鉄甲龍による世界征服作戦の始動と共に、ラスト・ガーディアン本部に八卦ロボの一体・風のランスターが襲来。この事態に沖は、マサキ持参の受精卵からの成長体であり、ゼオライマーを唯一操縦する能力を有する秋津マサトを半ば拉致気味に徴集、ゼオライマーのパイロットとして戦いを強いた。しかし、ゼオライマーには、マサトが乗り込んだ時点でゼオライマー自体に記録してある(ゼオライマー本体のモニタリング分まで反映するため、マサキ本人死去後の顛末の一部まで記憶が反映される)マサキの人格が復活するような仕掛けが施されており、皮肉にもゼオライマーにマサトを搭乗させたことで、沖はマサキ復活の手助けをしてしまうことになった。
マサキにより真の力を発揮したゼオライマーは、必殺武器であるメイオウ攻撃により風のランスターを一蹴する。そしてそれと共に、マサキの野望は15年の時を経て再び動き出し、ゼオライマーの圧倒的な力による八卦衆蹂躙劇の幕が上がることとなったのだった。
だが、マサキの野望は最後の最後でマサトの人格という思わぬ障害によって頓挫し、八卦衆は壊滅。幽羅帝だけが残された。そして、行くべき道を決め、「真の冥王」となったマサトによって鉄甲龍要塞を巻き込んで自爆、搭乗者と共に無へと還っていった。
登場作品と操縦者
歴代のSRW登場機の中でも、イデオンと並んで最強の名を欲しいままにするスーパーロボットである。
その特徴は同機の根幹機能といえる次元連結システム、及び超攻撃力を誇るマップ兵器版メイオウ攻撃の2点にあり、原作さながらの反則じみた性能が忠実に再現されている。うますぎWAVE第697回にて寺田プロデューサーも「原作再現でパラメータを設定したらやりすぎた」と語っている。
次元連結システムの発動には気力条件を満たす必要があるものの、ひとたび発動後は各種特殊能力(後述)が追加され、ちょっとのことでは傷一つつかない堅牢さを発揮する。
しかも、『J』ではバリア・HP回復・EN回復の各機能が気力に関係なく発動するため、さらにタチが悪いものになっている。
一方マップ兵器版のメイオウ攻撃は、ガンダム試作2号機のアトミックバズーカに並ぶ高威力とサイバスターのサイフラッシュに並ぶ攻撃範囲の広さを誇り、かつ次元連結システムによるEN回復効果のおかげで無補給でも連発が可能、と歴代SRW作品の中でも群を抜く使い勝手を誇る。
あまりの凶悪さからプレイヤーに与えた影響は大きく、ゼオライマーが登場しない作品においても、凶悪なマップ兵器を持つ味方ユニットがいるとまず間違いなく「今作のメイオウ枠」として比較対象に挙げられるほど(例:グランゾン、テッカマンイーベル、ニルヴァーシュ type ZERO spec2、ガンダムデスサイズヘル(EW版)、レジェンドガンダム等。なお最後の2機はパイロットの声優がいずれも関俊彦であり、いわゆる声優ネタでもある)。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 『MX』での暴れぶりを知るユーザーからは「2度目の参戦だし弱体化するんじゃないのか」と囁かれていたが、蓋を開けてみれば確かに次元連結システムはバリア・HP回復・EN回復がオミットされて弱体化した……代わりにオミットされたバリア・HP回復・EN回復が別途追加されたため、常時発動になり、スーパー系優位のバランスもあって『MX』よりも強化されていた。
- ちなみに強制出撃以外でゼオライマーを出撃させず、さらに八卦ロボを全てゼオライマーで撃墜した場合、鉄甲龍壊滅後に隠しユニット「グレートゼオライマー」が手に入るが、味方キャラの生存フラグをことごとく無視しなければならず、本機の出番が減るのが難点。
- 『MX』に比べパイロット二人の精神コマンドはやや控えめに変更されている。地形適応が空Bなので、移動時以外は地上に降ろしておきたい。
- ストーリー上の役割もMX以上に重要化しており、オリジナル敵組織フューリーと最も深い因縁を持つ版権味方機体となっている。かつてラースエイレムを一度目撃した木原マサキはそれを独自研究、再現して次元連結システムを開発してゼオライマー(入手していればグレートゼオライマーにも)に搭載した。本人曰くまだ本家には及ばない出来のようだが、超先史文明の最高技術を目撃しただけで原理解析し独自開発してしまう時点で天才の所業である。
- このような開発経緯から主人公機とは兄弟機というか従兄弟機のような親和性を持つため、ゼオライマーは主人公機への独自のサーチや通信機能を備えている。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX(PORTABLE)
- 初登場作品。忠実な原作再現がなされ、時折マサキの人格が出てNPCとなり、イベントで他の八卦ロボを片っ端から消し飛ばしていく。が、そのせいで味方からも警戒されてしまう。原作との相違点として最後の一撃の後に帰還するため、以降も使用可能。
- 途中数ターンパワーダウンする以外は初登場から能力は変わらず、上記の通りマップ兵器版メイオウ攻撃、次元連結システムに裏付けされた凶悪な能力を持つ射撃型スーパーロボット。ヒット&アウェイを付ければより扱いやすくなる。後半にパイロット二人が(再動がない作品で)覚醒と愛を別々に覚え、他のキャラで激励と期待でのフォローできるようになれば開幕からメイオウ攻撃の乱射が可能。MAP兵器版で雑魚を、通常版でボスを消し飛ばすという上記の本領を存分に発揮できる。
- ただし、武器改造の攻撃上昇率が悪く「天」の割に何故か移動適応が空Bなどの欠点も有り、何よりその性能は気力に大きく左右される。初期気力でも燃費の良いエネルギー波で反撃できるとはいえ、改造や精神コマンド、パーツの足りない序盤は耐久力も安定せず、ライディーンやラーゼフォンに比べると扱いづらい。後半になってから起用し、一気にレベルを上げるのも手だろう。
- なお、「冥王、暁に出撃す」ではNPCだが、ヒット&アウェイをつけていた場合、なんと行動後にプレイヤーが移動させる事が可能。あまり意味はないが、一応、敵を自軍で倒したい場合に誘導する事が出来る。
- PS2版のNPCゼオライマーはHP強化補正で大ボスクラスのHPを得たが、PORTABLEでは味方仕様とまったく同じで無限復活するおかげで何度も塞臥らに倒されて話が進まない場合もある。余談だが、没データの中には正真正銘の敵仕様ゼオライマーがある。
- エンディングでは、マサトの意思を尊重した沖功の手によって完全解体された模様。
- スパロボ学園
- ユニットデータとして参戦。メイオウ攻撃の威力が過去の作品に比べて低く、使い勝手はいまいち。だが、次元連結システムの効果もあり、打たれ強さはまあまあと言ったところ。
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- レアリティによってメイオウ攻撃が単体攻撃か全体攻撃かが異なり、全体攻撃版は補正のせいでダメージがやや低い。
- 高レアリティカードになると「次元連結システム」の特殊能力が用意され、気力130を超えるとかなりの性能を見せる。
- ストーリーではジェネシスの砲撃を防ぎきる、次元連結システムの応用で並行世界へのゲートを作るなど、相変わらず強力な機体である。
装備・機能
武装・必殺武器
武装
- エネルギー波
- 手甲部の光球からエネルギー波を放射する。
- 非P属性なので使いにくいが、射程が長いので、敵フェイズの反撃には重宝する。
- 次元連結砲
- 同じく手甲部光球から次元連結システムの力で別次元から取り出したエネルギーを集束し、ワープさせて敵にぶつけるという恐ろしい攻撃。メイオウ攻撃のダウンスケーリングと言える。
- 名称はSRW参戦に際して付けられた。移動後に使える有射程武器なので、比較的使用頻度は高い。さらに『MX』ではダブルアタックにも対応しており抜群の使い勝手の良さを誇る。
- SRWではローズセラヴィー戦での三連射をシーンとして採用しているがその使用法はローズセラヴィーの破壊すべきパーツが三箇所あったので三回発射しただけであり、本来は単発発射も連射も可能である。
- メイオウ攻撃
- 次元連結システム駆動後に追加される、ゼオライマー最強最大の必殺技。システムによって異次元から膨大なエネルギーを取り出し、それを奔流として放射する。異次元から取り出されるエネルギーは実質無尽蔵であり事実上防御手段はなく、これを受けた標的は原子レベルで分解され、マサキの言葉通りに「チリ一つ残さず消滅」する。使用時はゼオライマー自身が「メイ・オウ!」と叫ぶように聞こえる、発声のようなサウンドエフェクトが生じる。発動時に「天」の文字が現れるエフェクトはSRW参戦にあたって追加されたオリジナル演出。[1]
- SRWでは非P属性でEN消費が激しいが、この技が使用可能になっているということは下記の次元連結システムも発動済みであり、さしたる問題にはならない。
- なお、原作での発動ポーズはランスター戦で使用した手の光球をぶつけ合わせるものと、二話以降で使用した胸の前に腕を掲げる(胸と手の光球が横に並ぶ形)ものの大きく二種類が存在する。『MX』は前者、『J』は後者をベースに再現されている。
- 特徴的なポーズと文字、威力などの絶大なインパクトから「⊃天⊂」のAAが作られており、プレイヤーの間でメイオウ攻撃といえばこのAAで通用する。
特殊能力
- 次元連結システム
- ゲーム内では下記の特殊能力を複合した能力となっており、『MX』では気力130以上で効果を発揮する。
- 分身…「次元連結システムのちょっとした応用」と思しき空間跳躍の一種。『J』ではこの機能のみ気力が130以上にならないと使えない。
- バリア…全方位対応のバリア。装甲の値がスーパー系としては標準程度のゼオライマーにとっては非常にありがたい機能だが、無駄にENを消費する危険性も。ちなみに『J』の裏データでは「冥王フィールド」という名称となっている。
- 移動制限無視(EN無消費)…「次元連結システムのちょっとした応用」と思しき空間跳躍の一種。『MX』ではメイオウ攻撃の戦闘アニメーションでの演出だったが、『J』で機能として搭載された。空間跳躍を行うため、移動に必要なコストとENを無視する。『J』の裏データ内名称は「冥王ジャンプ」となっている。なお同作では同様の機能として、ブレンパワード系の「バイタルジャンプ」がある。
- HP回復(小)・HP回復S
- 原作(漫画版)では無から有を生み出すに等しい超高速自己修復(吹き飛んだ胸部を、同じく蒸発したパイロットの上半身ごと一瞬で再生してしまう!)を見せたがOVA版では修復機能は削除されている(月のローズセラヴィー戦では各部の角状パーツが切断される損傷を受けているが、戦闘終了後の格納庫での収容状態でも修復の描写は無い)。それも有って流石にゲーム中で漫画版のような超修復を再現する訳にもいかず、プレイヤーフェイズ開始毎に最大HPの10%分のHPを回復するにとどまっている。
- EN回復(大)・EN回復L
- 次元連結システムの力で別次元からエネルギーを取り出す事で、エネルギーを回復する。これも流石に即時全回復とはいかず、プレイヤーフェイズ開始毎に最大ENの30%分のENを回復するにとどまっている。それでも毎ターンENが30%分回復するのも自軍においては滅多にない存在。
- 状態変化耐性
- 『MX』の没データである敵ユニット版ゼオライマーに搭載されていた能力。直撃も通さない。
移動タイプ
サイズ
- L
機体BGM
対決・名場面
- 冥府の王、その名は「天」
- 富士の樹海における初陣。当初は風のランスターに押されていたが、覚醒したマサキによって真の力の一端を発揮し、一撃のもとに消し飛ばした。
- 燃える透水、凍る鬼火
- シ姉妹の操る火のブライスト・水のガロウィンとの対決。
- マサトの不調もあって苦戦を強いられるも、最後はランスター同様マサキによるメイオウ攻撃でまとめて吹き飛ばした。
- 月下の惨劇
- 美久を拉致され、次元連結システムが使用できない(その為メイン動力部である胸部中央の光球パーツが消灯した状態である)という最悪の状態で月のローズセラヴィーと戦う事になってしまったマサキ。
- さらに牽制の攻撃を喰らった際にマサトの人格に戻るというアクシデントが発生。そのため終始圧倒されるも、再度人格の主導権を取り戻したマサキは余裕を取り戻して挑発、美久を呼び戻して真の力を見せつけた。
- この際に最大出力のJカイザーをバリアで受け止め(前の方にある通常出力版の発射シーンと比較すると分かるがJカイザーがバリアに“当たっている”のが分かる)、かつそのバリアを維持した中から上空へ移動(おそらく空間跳躍によるもの)。最後は次元連結砲で弄ぶようにローズセラヴィーの主要パーツを破壊し、メイオウ攻撃でとどめを刺した。
- 冥府への扉
- 残る3体の八卦ロボ、地のディノディロス・山のバーストン・雷のオムザックを同時に相手取っての激戦となった。マサキは不調であったが、ゼオライマーの圧倒的な力に翳りはなく、まず次元連結砲でディノディロスを破壊。続いて向かってきた残る2機をメイオウ攻撃の餌食にする。
- しかし、これに伴いマサキの人格が消滅し、マサトに取りこまれてしまう。結果、マサキの冥王計画は思わぬ終幕を迎える事となった。
- ゼオライマー、暁に出撃す
- 『J』で実現した最終決戦。ルラーンの遺作たる最強の八卦ロボ、敵組織の名を冠した「ハウドラゴン」を駆る幽羅帝と、マサキの遺産たる天のゼオライマーを駆るマサトと美久が砂漠の中心で激突する。そして戦いに敗れた幽羅帝は要塞を自爆させて散り、それを追ったゼオライマーも大破。ラスト・ガーディアンと鉄甲龍の戦いはここに終焉を迎えた。
関連機体
- グレートゼオライマー
- 八卦ロボの長所を全て備えた強化型。改造前に輪をかけて凄まじい性能を誇る。
余談
- 『スーパーロボット大戦L』に登場するオリジナル主人公機ラッシュバードは初期から天のゼオライマーとの類似点が指摘されている。
具体的には「異空間からエネルギーを取り出す」「腕のクリスタル状の部分からエネルギーを放つ」「起動には女性型アンドロイドの同乗が必要」「必殺技の構えが似ている」等。
ゼオライマーをモチーフとして創作された可能性が高い。 - SDガンダムシリーズの一作『新SD戦国伝 超機動大将軍』に登場する機動武神天鎧王はモチーフこそΞガンダムではあるが、必殺武器「輝道天鎧砲」を展開する際のポーズが設定本で確認できるメイオウ攻撃の没バージョンほぼそのままである事など、ゼオライマーのパロディ要素も随所に盛り込まれている。これはΞガンダム・ゼオライマー共にメカデザイナーが共に森木靖泰氏である事が由来と言われている。
- 原作漫画版では敵組織が完全なクローン再生技術を有しており、人格復活はその機能限定版と言える能力。
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