ヨハン・イブラヒム・レビル(Johann Ibrahim Revil)
経歴
地球連邦軍の大将。このフルネームは近年発表された安彦良和氏の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』において設定されたもので、一般的にはレビル将軍と呼ばれる。ちなみに彼は艦隊指揮を執っていても、『提督』ではなく『将軍』と呼ばれ続けていたことから、連邦宇宙軍成立以前は陸軍か空軍の指揮を執っていたのではないかと思われる。小説版では、士官学校の初等科からを首席卒業したエリートとなっており、連邦・ジオンともに名の知れた名将でもあった。
一週間戦争では各サイドの生き残りとルナツーの戦力を取りまとめ、第一連合艦隊を編成。それを指揮しルウム戦役に臨むが、新兵器モビルスーツの前に、圧倒的な戦力差を誇りながらジオン軍に惨敗。自身も乗艦「アナンケ」を破壊させられ捕虜になるが、南極条約調印直前に脱走に成功する。
その後「ジオンに兵なし」演説で、捕虜として垣間見たジオン軍の実情を暴露し徹底抗戦を主張する。おかげで事実上の講和条約だった南極条約は、休戦条約から核兵器やコロニー落としなど大量破壊兵器の使用禁止、捕虜交換などの交戦規定の軍事条約に留まった。その後、戦意高揚の為に英雄を求めた連邦議会により、陸・海・空・宇の全連邦軍の指揮権を持つ最高司令官として抜擢。一時的にとはいえ、連邦軍の実質上のトップとなる。
ソロモン攻略後、デギン・ザビとの休戦条約締結時に、ギレン・ザビによるソーラ・レイ発射により乗艦「フェーベ」と共に宇宙の塵となる。
人物評
付与された多大な権限を背景に、自身がモビルスーツの脅威を一番身近で感じた為か、連邦のMS開発計画である「V作戦」の主導。また、連邦とジオンの地球上におけるパワーバランスを変える事になった「オデッサ作戦」では直接の指揮を取るなど、一年戦争を連邦の勝利に導く為には無くてはならない存在であった。
また政治力にも優れており、保守派や日和見主義の多い参謀本部からの突き上げをうまく回避し、台所事情の苦しい連邦軍を上手く纏め上げて戦闘態勢を維持し続けたのは評価に値する。しかし、その文武に優れ先見性もある恵まれた能力故に、連邦の主流派に入ることはできなかったようで、あくまでも戦時の英雄に過ぎないと言う意見もある。
レビルはニュータイプに理解があり、ホワイトベース隊を個人的に支援した他、「ソロモンの亡霊」による奇襲時にはニュータイプ同士の共鳴の為か頭痛を訴えるなど、彼自身もニュータイプか、もしくはその素養があったことが分かる。
登場作品と役柄
旧シリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦
- ジャブロー基地がインスペクターに襲われた際の通信でのみ登場。それきり登場しないので戦死したとも思われるが、作中では語られない。
単独作品
人間関係
他作品との人間関係
名台詞
- 「我が軍以上に、ジオンも疲弊している」
- 「ジオンに兵なし」の演説の一部分。情報媒体により、内容が変化している。小説版では、独裁体制をとるジオン公国とギレンを徹底批判し、弱腰の連邦政府と軍上層部も批判した。
- 「ニュータイプというのはな、戦争なんぞせんでもいい人間の事だ。超能力者の事ではない」
- 宇宙世紀全体を通じて、「ニュータイプとは何か」を理解していた唯一の人ではなかろうか?
- 「いや、あれでいいんだ… 彼らはあれで生き延びてきた… これからもまた……」
- 冒険王で連載された漫画版の台詞。ゴッグがホワイトベースに押し潰された直後に発言。ちなみに横にいた士官は「ムチャクチャだ、あんな作戦は…」とドン引きしていた。
関連機体
- アナンケ
- マゼラン級戦艦。ルウム戦役時に搭乗していた地球連邦軍の旗艦で、黒い三連星によって撃破され、彼らの手によって捕虜となった。
- ビッグ・トレー
- オデッサ作戦時に使用した陸上戦艦。
- フェーベ
- マゼラン級戦艦。ソロモン戦以降にレビルが搭乗していた戦艦。
- ゼネラル・レビル
- ドゴス・ギア級宇宙戦艦。レビルの名を冠したドゴス・ギア級の2番艦。『UC』に登場。
余談
『機動戦士Vガンダム』の終盤に登場する「ムバラク・スターン」(SRW未登場)は、容姿・性格・階級がそっくりである。