ビゾン・ジェラフィル

ビゾン・ジェラフィルは『バディ・コンプレックス』の登場人物。

ビゾン・ジェラフィル
外国語表記 Bizon Gerafil
登場作品
声優 櫻井孝宏
初登場SRW スーパーロボット大戦X
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
別名 エフゲニー・ケダール
種族 地球人
性別
年齢 20歳
90歳(エフゲニー時)
血液型 AB型
所属 大ゾギリア共和国
所属部隊 193独潜旅団501機動中隊
役職 行政局局長(エフゲニー時)
軍階級 中尉
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概要

ヴァリアンサーネビロスに乗る名門出身のゾギリア軍パイロット。

アルフリード・ガラントの部下で、彼に次ぐ501機動中隊のエースとして活躍する。同僚のヒナ・リャザンとは幼少時からの幼馴染であり、彼女に対して恋愛感情を持つ。プライドが高くエリートらしい面もあるものの、当初は真面目に戦闘をこなし、仲間達とも良好な関係を築いていた。

しかし、自由条約連合軍の渡瀬青葉と出会い、ヒナが青葉と接触したことで彼女に対して異常な嫉妬心や執着心を見せるようになり、性格も歪んでしまう。また、青葉に対しても尋常ではない憎しみを抱き、彼への殺意を募らせる。

ヴィルヘルム・ハーンがカップリング機を開発し、ヒナがそのパイロットに選ばれた際は自ら相方になると宣言し、過酷な調整措置を乗り切る。そしてアラスカ基地攻防戦では青葉やディオと激闘を繰り広げるが、洗脳されていたヒナが正気を取り戻して青葉の下に行ってしまい、自身も敗れて戦場に開いた特異点の中に吸い込まれていった。

エフゲニー・ケダール

完結編において登場するビゾン。アラスカ基地での戦闘で乗機を撃墜されるも辛くも生存しており、2014年の過去へと跳ばされていた彼は、70年間もの長い間を恨み骨髄に徹して生き伸びてきた。

既に90歳という高齢であり、生命維持マスクを付け車椅子に乗るなど、肉体能力はさすがに衰えているが、憎悪とエゴも肥大化。行政局局長に就任した権限を使い、クーデターを起こして国防軍を配下に置くと、宇宙に建造していた軍事衛星を利用し、青葉達への復讐へ乗り出す。

だが、唐突なクーデターや味方を犠牲にした衛星の砲撃で人望も離れてしまい、アルフリードやマルガレタなど多くの人々の決起で再度クーデターが起き、彼の政権は崩壊。そのような事態すら知ったことかと、ハーンが開発したカルキノスに乗り、青葉やヒナに攻撃を仕掛ける。自身の敗北を悟ると、死の間際には軍事衛星で地球のネクトオリビウム産出地帯を撃つ命令を出し、狂喜の笑いをあげながら乗機の爆発と共に死亡した。

軍事衛星は青葉とディオの手で破壊され、地球への攻撃は防がれたが、最後の最後まで憎しみとエゴに囚われており、青葉達と和解することもなかった。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦X
初登場作品。通常の軍服姿、ネルガル搭乗時のマスク姿、エフゲニー・ケダール時の老齢姿の3種類のグラフィックを持つ。
作中では、時間跳躍者としての側面ゆえ、未来予測を行うゼロシステムに強く警戒されていた[1]。ちなみに、アニメ1話ではフルフェイスのヘルメットで顔がわからず、エンディングでキャスト名も伏せられているなど正体が隠されていたのだが、本作では初登場時の名前こそ「???」名義ではあるものの、最初のタイムスリップのシーンから顔が出ている立ち絵が使われている。
エフゲニーも第19話「決別」エンドデモ時で登場する。名前が「???」で全身シルエットの状態だが、直後のインターミッションでキャラクター事典を見ると普通に登録されている。ループしている[2]件についてはエンブリヲの介入によるものとなっており、エフゲニー自身が、その事実を知ってからループを破るため完結編以前の時点から(過去の自分がたどった歴史をトレースするよう)ゾギリア行政局の行動を調整していたと説明する[3]シーンがある。
原作では破滅の道を突き進んでしまったビゾンだが、本作の隠しパイロットになっており、フラグ条件を満たせば終盤に加入。カップリングシステムのスタンドアローンモードの運用データをエルヴィラに送って青葉たちの危機を救い、並行世界として分岐した「自分の可能性の未来」であり、自分をも利用したエフゲニーとの対決も見られる。
加入フラグのポイントは第37話のみで満たせるが、一回目と三回目の分岐シナリオでバディコン組のいるルートを通るとポイント獲得の機会が増えて余裕を持たせられる。

パイロットステータス

精神コマンド

X
集中加速突撃必中不屈

特殊技能(特殊スキル)

X
底力L6、ガードL2、見切りL1、サイズ差補正無視L2、気力+(DEF)闘争心L2
ネビロス搭乗時と味方参入時。
底力L7、ガードL2、見切りL2、サイズ差補正無視L2、気力+ボーナス闘争心L2、気力限界突破L2
ネルガル搭乗時。底力と見切りレベルが上がり、新たに気力+ボーナスと気力限界突破を覚える。
底力L8、ガードL3、見切りL2、サイズ差補正無視L2、気力+ボーナス闘争心L3、気力限界突破L3
カルキノス搭乗時(エフゲニーの名前で搭乗)。執念故か、さらに底力・ガード・闘争心・気力限界突破の技能レベルが上昇。乗機の頑強さを底上げしてくる。

エースボーナス

敵対する軍勢のフェイズ時に与ダメージ1.2倍、最終命中率+20%。
X』で採用。敵対時・味方時・エフゲニー名義のすべてで共通。

人間関係

ヒナ・リャザン
部隊の同僚。幼馴染で好意を抱いている。
渡瀬青葉
ヒナを巡る宿敵。彼に対し激しい憎悪を抱く。
X』では、フラグを満たして自軍に加入した際、彼とヒナの愛を認め、潔く身を引いた。
隼鷹・ディオ・ウェインバーグ
因縁はないが、青葉の相方のため敵対する。
アルフリード・ガラント
アルフリード隊の隊長で、上官。
タルジム・ヴァシリーラーシャ・ハッカライネン
アルフリード隊の同僚達。
マルガレタ・オキーフ
行政局の特務武官。
ヴィクトル・リャザン
強奪作戦時に彼の部隊に同行する。
ヴィルヘルム・ハーン
科学アカデミーの技術研究者。
エフゲニー・ケダール
同一人物であり未来の自分自身。『X』では両者対面し、その醜悪な未来の姿には過去の自分から決別される程。

他作品との人間関係

ヒイロ・ユイ
X』では、彼のウイングガンダムゼロと幾度となく戦い続けた。ビゾン自身は敵愾心を抱いているが、ヒイロからはゼロシステムが注目している「感情のままに動く」相手として、興味を持たれている。彼によって機体を破壊される[4]ことになるのだが、隠し要素のフラグが立っている場合は撃墜まではされず、ゼロシステムの推論データを渡され自身の運命を知り、それと決別することを誓う。
エンブリヲ
X』における仇敵。自身の運命を歪ませた事で憎悪しており、その憎しみを神聖ミスルギ皇国にも向ける程。
皮肉なことに、彼(エフゲニー)の製造した軍事衛星が生み出した特異点がエンブリヲの策を破る契機となったため、間接的にではあるが復讐は成就したことになる。

名(迷)台詞

「時計が狂っているのか…?」
「2014年だと!? まさか、俺は時を超えたのか?」
第1話。西暦2014年の世界に現れた彼は現状を確認し…。
「ハハハハッ…そうだ! 確かにお前だ、渡瀬青葉!」
「ハハハハハッ、こんな所でもお前に会えるとはなぁ!」
同話より。青葉のデータを発見し、歓喜の表情を見せる。
「どぉしてなんだ! ヒナァ!!」
同話より。青葉を助けたカルラのコクピットに座るを見て驚愕することに。
「まさか、お前が来ていたとはな、ヒナ…」
雛「私はあなたが来ることを知っていたわ」
「…そうか、だったらこの先も知っているか?」
「お前は渡瀬青葉と! そしてこの俺と一緒に死ぬんだ!」
同話より。カルラとの戦闘で負傷し、ただでは死なんと乗機の自爆装置を作動させるが…。
「タルジム、我々の目的は敵を倒すことではない」
「怪しい設備や武装を何一つ見逃すな!」
第2話。連合の研究ラボを襲撃して。タルジムやラーシャ、部下に指示を出す。この頃は小隊長としても優秀だったのだが…。
「貴様ぁ! ヒナから離れろぉぉぉッ!」
ヒナ「ビゾン!?」
第3話。ヒナに呼びかける青葉を視認して突撃し、フォルトナを抱えて離脱する。
「中佐、リャザンが…ヒナが敵に通じているはずがありません!」
アルフリード「…分かっている」
第4話。青葉と接触したことで営倉入りとなったヒナ。中佐からは「一日も早く解放されるよう手を尽くす」と言われ、今はそれを信じるしかなかった。
「ヒナ! 一人で行くな! 危険すぎる!」
マルガレタ「そのままやらせなさい。ここで新型を鹵獲できれば、疑いも晴れるというもの。国家戦略にもかなっています」
「…まだ疑われてるのか!」
第5話。マルガレタのヒナに対するスパイ疑惑が消えていないことに愚痴をこぼす。
「そうだな、鹿はいい。特に小鹿の方はトマトで煮込むと、うまいからな」
ヒナ&ラーシャ「えっ?」
第6話。ラーシャが気分転換にとヒナを外へ連れ出し、鹿の可愛らしい姿を見て和んでいた2人だが、このビゾンの言葉で、タルジムがライフルを借りに行ってしまう。
「何故ですか! 何故リャザン少尉の捜索を認めて頂けないのですか!」
マルガレタ「下級士官の捜索などに何の意味が…?」
「なっ…!」
第8話。行方不明になったヒナの捜索をしたいと詰め寄るが、マルガレタの対応に絶句してしまう。
「次から、俺にはもっと早く話すんだ。何があっても信じてやれるのは、俺だけなんだぞ!」
ヒナ「…わかったわ」
第9話。遭難時にどうやって救難信号を出したのかと、ヒナからその真相を告げられて。彼女を心配しつつ、心の中にはヒナに対する疑念が渦巻く。
隊員「家が、隣同士と聞きましたが」
「私が10歳の頃に、隣に越されてきて。あの時は、勇敢で名高いリャザン少佐が、隣に越してくるとは夢にも…」
第10話。ヴィクトル・リャザンの部下達とにこやかに会話して。ヒナと幼馴染になったという思い出を語る。
「ヒナ、お前はゾギリアの軍人で、俺達の仲間じゃなかったのか…!」
「今まで一緒に戦ってきた俺達を…なぜ!」
「リャザン少佐は!お前にそんなことをさせるために死んだわけじゃない!」
「お前は父親をも裏切るのか!!」
第11話。ハワイ基地での強奪作戦中、青葉と一緒にいるヒナを見つけて激高し、ディオが呼んだ青葉の名を脳に刻みこむ。
「ふざけるなぁ!!」
「いいか! お前がなんと言おうと、連合のパイロットと一緒にいた事実は変えられない!」
「俺がそれを報告すれば、さすがのアルフリード中佐も許してはおかないだろう」
「お前を許してやれるのは俺だけなんだ! 余計なことを考えず、俺の言う通りに大人しくしてろ! いいな?」
第12話。ヒナから聞いた青葉の話をでたらめだと決めつけ、彼女が持っていた髪留めを叩き飛ばしたあげく、無理やり彼女にキスをする。もはやかつての冷静で真面目なビゾンの姿はどこにもなかった。
「かまうものか! それでヒナの力になれるのなら、俺は地獄の業火にだって抱かれてやる!!」
同話より。ハーンの言葉に乗せられ、ヒナの相方のカップラーとして名乗りを上げ、苦痛を伴う同調試験すらも耐えて見せると決意する。
「うおおぉぉおお!! ヒナァァ!! コネクティブヒナァァァ!!」
第13話。ネルガルとカルラを強制デカップリングされ、正気を取り戻したヒナの意思すら無視し、錯乱気味のビゾンは無理やり彼女とカップリングしようとするが、その結果は…。
「なぜだヒナ!? なぜなんだぁぁぁぁ!!」
同話より。青葉とヒナのカップリングにより敗れ去る。そしてネルガルを撃墜されるが…。
「フフフ……やっとこの時が来たか。お前に未来などないのだよ。我が怒りを存分に味わうがいい。渡瀬……青葉」
同話のエピローグより。ゾギリア中央委員会政治行政局にて「エフゲニー・ケダール」として重鎮達の前に現れて。物語は完結編へと続いていく。
「お前が悪いんだ! お前が大人しく、俺の下に横たわってさえいれば!!」
完結編よりヒナに対しての恨み節。あまりにも身勝手な発言であり、青葉からも「お前が守りたかったものは、自分のプライドとエゴだ!!」と喝破される程であった。

スパロボシリーズの名(迷)台詞

「お、お、俺は…裏切られた…! ヒナァァァァァァッ!!」
X中断メッセージ「ビゾンとヒナ」より。未だ序盤で止まっているヒナに対してアドバイスを送るが、進みが遅いのは全滅プレイを繰り返していたからで、既にほとんどの機体がフル改造済みである事を知り憎悪の叫びを挙げるのだった…。
「…エンブリヲ…」
「必ず貴様を殺してやる…」
『X』第31話対ミスルギルート「ふたりの絆」より。エフゲニー時の台詞。協力関係にあるエンブリヲとの会話終了後に本心が出る。2行目では睨み付けている。
「俺は…自分が許せない…。ヒナを苦しめた自分が…」
「その醜い己の行き着く先がお前なら、俺は戦う事をためらわない!」
「エフゲニー・ケダール! 俺はお前を倒し、弱い自分自身を超えてみせるぞ!」
『X』第44話レコンギスタ軍ルート「あの空に還る未来で」におけるエフゲニーとの戦闘前会話
「これからは奴に…渡瀬青葉に守ってもらえ」
青葉「お前…」
「渡瀬青葉…。ヒナを頼むぞ」
『X』第45話レコンギスタ軍ルート「光る風の中」より。自身の行動を謝罪するビゾンに、ヒナは「守ってきてくれてありがとう」と過去に感謝すると同時に彼の想いには応えられない事を告げる。しかしビゾンは憑き物が落ちたかのような穏やかな態度でその言葉を受け入れ、このセリフと共にヒナを青葉に託す。その様子には原作を知る多くのファンを驚かせた。ビゾンが本当の意味で報われた瞬間と言えるだろう。

搭乗機体

ネビロス
TVアニメ序盤・中盤の乗機。
ネルガル
TVアニメ終盤の乗機。
カルキノス
完結編での乗機。

余談

  • 第1話で彼が2014年の現代へとタイムスリップしたこと[5]で物語が始まり、完結編においても青葉たちの前に憎悪を露わにしつつ立ちはだかるなど、物語では終始大きく取り扱われており、影の主役とも呼べるキャラクターでもある。
  • 2014年のアニメ流行語大賞では、『ジョジョの奇妙な冒険』や『妖怪ウォッチ』といった他の有名どころのアニメの台詞に混じって、ビゾンの「コネクティブヒナァァァ!!」が12位にランクイン。放送当時からあまり知名度が高いとは言えなかった『バディ・コンプレックス』だが、終盤からのビゾンの活躍(?)によってネット上ではある程度認知されるに至ったようだ。
    • 普通のライバルキャラだったはずが徐々にネタ方面で弾けていった経緯もあってか、ネット上では今でも親しみを込めて「ビゾンさん」とさん付けで呼ばれることが多い。

脚注

  1. ゼロシステムが一兵士に注目することを初めは訝しがっていたヒイロも、ゾギリア軍と対峙するうちに彼らの手回しの良さなどから「ゾギリアは何らかの未来予測をする手段を持っていて、ビゾンはそのキーとなる存在ではないか」という推論にたどり着いた。
  2. 『X』第37話までの時点では、ビゾンが過去に飛ばされてエフゲニーになるというループはまだ絶たれていない。
  3. 同時に『X』劇中でゼロシステムがビゾンに注目していた理由でもある。
  4. これにより『X』の世界では「ビゾンが70年前にタイムスリップして、青葉たちの前にエフゲニーとして現れる」というループは断たれ、並行世界として分岐した。
  5. 第1話のエンディングクレジットでは「パイロット ???」と表記されていた。