喜びのアドヴェント(Advent of Happiness)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 声優:諏訪部順一
- 種族:御使い
- 性別:男
- 年齢:1億2000万は超えている
- 所属:クロノ(改革派)→御使いに戻っている
- 役職・称号など:行動隊長
- キャラクターデザイン:大籠之仁(スタジオG-1 NEO)
人型機動兵器・アスクレプスを駆る青年。「人類の進化を見守る者」を自称する。
長きにわたり宇宙世紀の暗部に潜んできた組織「クロノ」に属しているが、旧来の体制を堅持する「保守派」ではなく、逼塞した事態を打開し、「シンカ(進化/真化)」への道筋を求める「改革派」に属している。改革派、およびアドヴェント本人の真の目的は謎。
常に穏やかかつ優美な物腰を崩さないが、保守派の黒幕であるジェミニスに対しては毅然と、時に傲岸なまでの態度で臨み、明確に敵対を示している。ただ、本人の力はサード・ステージのリアクターであるガドライトにはさすがに及ばないようで、ガドライトと戦うZ-BLUEを援護する形で何度か刃を交えている。
スフィアや太極、次元力についても真実に至る部分まで掴んでいるらしいが詳細は不明。また、ヒビキに対して期待を寄せており、「ガドライトを超えうる者」として評価していた。「血塗られた目」を発症したヒビキに何らかの干渉を行って症状を緩和するなどの能力も見せている。
素性は別の世界の住人であり、ヒビキ同様「テンシ」との接触により「呪われし者」となっているというが、ヒビキのように「血塗られた目」は現れていない。
ジェミニスとの決戦において、「いがみ合う双子」を破るべく捨て身でガドライトを挑発して感情のバランスを崩させ、撃墜される。ガドライトはアドヴェントがスフィア・リアクターではないかと疑っていたがこの時点での真相は明かされることなく終わった。ヒビキの道を切り拓いて戦死したかに思われたが、実際は生存しており後に火星でZ-BLUEの前に姿を現した。
なお、「Advent」とは「降臨」を意味する単語で、ラテン語の「アドヴェントゥス」が変形したもの。
ちなみに彼のキャラクターは、へび使い座の性格分類である
- 穏やかで平和的、微笑みを称えている
- 心の中の意志は非常に強く、炎のように滾っている
- 理性を重んじ、正義感が強い
- 繊細さと大胆さを兼ね備え、リーダーの資質がある
を元に構成されている。
火星での再会以降もZ-BLUEを手助けし続け、いつしかZ-BLUEの面々も疑問を忘れ去り彼等から絶大な信用を得るに至ったが、レドやノノ、ガロードなど、時獄戦役時点で出会っていない面識の浅い者達やクロウ・ブルースト等には疑問を抱かれていた。
その信用が「アドヴェント=正しい」という思考停止に近い前提に基づいた物であったことを暴かれると、Z-BLUEを同志足り得ぬ者と断じて独善的な本性を露わにし、一方的な決別宣言とともに敵対。生身でも高い戦闘能力を持ち、超常的な力でジェニオン・ガイを破壊するとともに自分こそがヒビキが肉親の仇として追っている「テンシ」張本人であることを明かす。血塗られた目の緩和は精神に作用するフィルターによるもので、これによって「テンシ」と同一人物であるという認識を封じていた他、Z-BLUEに自分こそが正義という認識を刷り込ませていた。
その正体はZシリーズを通じての黒幕「御使い」の一人「喜びのアドヴェント」。12000年前に至高神ソルが砕け散った際に他の御使い達と意見を違えたことでその座を追われていたが、ソル再臨の儀式に備えて惑星エス・テランへの帰還を認められ、ドクトリン達から改めて同胞として迎え入れられる。しかし内心では彼らに対して嘗て自身を追放した事への怨みと御使いという存在となっても争いの類を捨てきれない事への失望を抱いており、彼らを利用して至高神になり替わる事を目論んでいた。アサキム・ドーウィンおよびシュロウガと3人の御使いを生贄として取り込み、8つのスフィアと残る4つの代用として取り込んだアサキムたちを3つの神器であるヘリオース、プロディキウム、黒い太陽に融合させることで新たなる至高神「至高神Z」を生み出し、御使いを超越した神「聖アドヴェント」を名乗りZ-BLUEに立ちふさがる。
3人の御使いを取り込んだ時に失われていた「怒り」「楽しみ」「悲しみ」の感情を取り戻し、人間としての感情をほぼ復活させている。その結果、最終決戦以降はアドヴェントの真の意味での喜び、動揺の感情を見る事ができる。
人々の想いを受けたZ-BLUEに敗れ、半ば自暴自棄気味に口汚く悪態をつくも逆に彼らの説得を受け自身の敗北と己が神の器ではない事を認め、超時空修復に協力。最後に残った「消滅しようとする力」の余剰を抱え、ヒビキ達人類の未来に祝福を告げ、AGと共に因果地平の彼方へと去っていった。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 31話を皮切りに随所でスポット参戦。アスクレプスの性能と相まってかなり強いが、命中が並外れているジェミニス、特にアンナロッタやガドライトを相手に出来るほどではないので無理は禁物。たいていはヒビキとタッグを組むが、1ステージだけ単独で現れるので、援護台詞などを聴くことが出来る。
- 当時、その真意は曖昧なままだった。
- 第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
- 主役を務め、第1話から早速登場。援護役として活躍できるが、14話(ガドライト戦)では参戦できない。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 中盤から本性を明かし、最終的にはZシリーズのラスボスとして立ち塞がる。
- 一度だけ生身ユニットとしてのイベント戦闘があるがその状態で実際に自軍と戦う事はない。
- なお最終決戦において聖アドヴェントを名乗ってからは服装が変わっており、背中に翼がある。なんと最終話に出撃している全味方ユニットに対して戦闘前会話がある。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
改革派行動隊長の肩書きは伊達ではなく、全ての能力が高い。真化融合で立ち向かう事が前提なためか、ラスボス時は回避以外の能力値が300越え、格闘・射撃に至っては350の化け物となる。余りにも能力値が高過ぎてフル改造+回避能力400ですら回避は厳しく、被ダメージも相当なもの。持てる戦力やシステム活用を総動員して、早期決着を目指そう。
精神コマンド
- 第3次Z時獄篇
- 直感、加速、てかげん、愛、覚醒
- スピード型よりの構成だが、「集中」がないのが問題。ちなみに、「愛」と「熱血」が違うだけで構成はアサキムと同じなので、スポット参戦時にメインで使う場合は彼と同様のやり方で良い。連獄篇では3つ目の精神が信頼に差し替えられている。敵対時も同じ。
- 第3次Z天獄篇
- 信頼、激励、祝福、愛、絆
- ヘリオース搭乗以降のラインアップ。例によって全部SP消費10。
特殊技能(特殊スキル)
- 第3次Z時獄篇
- 底力L6、見切り、精神耐性、援護攻撃L2、援護防御L2、サイズ差補正無視L2、マルチターゲット
- 至って普通のスピード型構成で、この地点ではスフィアを想起させるような特異な部分は見受けられない。なお連獄篇ではサイズ差補正無視とマルチターゲットが未習得で、後はそのままである。
- 第3次Z天獄篇
-
- アスクレプス搭乗時
- 底力L6、見切り、精神耐性、援護攻撃L2、援護防御L2、サイズ差補正無視L2、マルチターゲット、2回行動
- 基本的に時獄篇と同じ構成だが、31話以降の敵対時で2回行動が追加される。
- ヘリオース搭乗時
- 超能力L9、ガード、闘争心、戦意高揚、精神耐性、気力+ (ダメージ)、マルチターゲット、3回行動
- 御使いとして対決する61話での構成。本人の高い能力と超能力、そして3回行動とエースボーナスを組み合わせた4回行動は手強いが、機体のサイズがMとそこまで大きくない事と、底力を所持していないので真化融合による攻撃で押し切れる。ちなみに同じ御使いのドクトリンがプレッシャーを所持しているのに対し、この地点では取得していない。イベントでの描写や設定を考えれば所持してもおかしくないので、機体の武装の気力制限の欠点といいこのあたりも「手を抜いていた」という事か?
- 至高神Z搭乗時
- 超能力L9、SP回復/底力L4、プレッシャーL4、戦意高揚、精神耐性、気力+ (ダメージ)、マルチターゲット、3回行動
- ラスボス時はこちら。意外にもラスボス御用達の極を持たないが、更に高くなった能力とそれに依って大抵発動するプレッシャーによる攻防強化、そしてヘリオース搭乗時から引き継ぐ4回行動はそれを補って余りある。
- 敵が持つには完全な死に技能であるSP回復を始めて所持するラスボスであるが、イベントが発生すると底力に代わる。レベルは4と過去のラスボス達と比べると断然低いが、本人の能力の高さや至高神Zの素の硬さもあってLv4でも十分厄介(Lv9だとゲームバランスが崩壊する)。底力を所持したのは後述の名台詞にもある様に、人間らしさを取り戻して「まだ死にたくない」という意思の現れと思われる。
固有エースボーナス
- 自軍フェイズ開始時、自チームパイロットのSP+10
- アスクレプス搭乗時のエースボーナス。時獄篇では早くて1周目終盤、大抵は2周目から習得して現れる。ポイントはメイン限定でないことで、サブのSPもターンごとに15回復することになる。時獄篇スポット限定なので恩恵を受けられるのが本人以外ではヒビキ&涼音のみ。連獄篇では強制的にブルーと組むことが多い。因みに天獄篇敵対時もこのボーナス。
- 気力130以上で、自軍フェイズ開始時に「覚醒」がかかる
- ヘリオース搭乗以後はこちらに変わる。発動すると自前の3回行動と合わせて、何と脅威の4回行動を仕掛けて来る。これはシリーズ初。ちなみに気力制限があるので、脱力とバサラの歌で下げてしまえば発動しない。超天死神雷を封じる意味でも、ダメージコントロールの意味でもやっておきたい。
パイロットBGM
- 「THE SON OF SUN」
- 専用曲。訳すると「太陽の子」。搭乗機のモチーフであるアスクレピオスは、太陽神ヘリオスと同一視されることの多いアポロンの子とされているのが由来。
- Zシリーズの世界観的に考えると、太陽=太極の子、とも取る事ができ、この辺りからも本当に味方なのかとユーザーから怪しまれることが多かった。
- 「天より遣われし者」
- ヘリオースを解放後はこちらになる。
- 「終焉を看取る神」
- 聖アドヴェントとなった後はイベントが起こってBGMが変更になるまではこちら。
- 「決戦~the final round~」
- イベント後はこちら。
人間関係
- ヒビキ・カミシロ
- ガドライトを超える存在として期待をかけ、幾度となく彼を助ける。実際は彼の肉親を亡き者にした仇敵であり、本性を明かしてからは完全な敵対関係となる。
- ジェミニスとの初の衝突の際、ジェニオン・ガイを起動させた彼とZ-BLUEを見て「適任」と称したが……。
- アサキム・ドーウィン
- 一時はZONEから解放された彼と結託するも、他の御使いたちと同じく独善的な性格であることを見抜かれ決別される。エス・テランでその正体を暴露し至高神Z降臨の為の生贄として取り込んでしまう。
- ガドライト・メオンサム
- 仇敵の一人。時獄戦役の最後にて彼が御使いの一人と確信し殺害しようとするものの、結局失敗してしまった。ヒビキとの最終決戦の際、スフィアを奪われる瞬間、彼の母親を殺したのがアドヴェントだと気付いていたようである。
- エルガン・ローディック
- 改革派の同志の一人とされるが直接の面識はない。アドヴェントは御使いである為ジ・エーデル=エルガンにとっては同志どころか倒すべき大敵の一人である。
- 次元将ヴィルダーク
- 天獄篇終盤で、彼から「立ち上がる射手」「沈黙の巨蟹」「欲深な金牛」「怨嗟の魔蠍」のスフィアを奪う。
- コード:ブルー、コード:レッド、コード:ブラック、コード:ホワイト
- 量産型アスクレプスに搭乗する部下達。ブルーの死亡時のアサキムの発言から彼らのことは使い捨ての手駒としか見ていなかったようだ。
- 怒りのドクトリン、哀しみのサクリファイ、楽しみのテンプティ
- アドヴェントの同胞である他の御使い。ドクトリンは一万二千年前にアドヴェントを御使いから追放し、最後の慈悲としてヘリオースを与えた。
- アドヴェントはこの事で彼らに怨みと失望を抱いており、至高神Z降臨のための生贄にしている。
- ネオ・リアクター
- スフィアの力を使う為だけに生み出した人造生命。
他作品との人間関係
- イオリア・シュヘンベルグ
- 改革派の同志の一人。ただし、イオリアは百年近く冷凍睡眠しているため、アドヴェントに余程特殊な事情でもない限り直接の面識は無いと思われる。
- 篠崎咲世子
- 第48話「重力の井戸の底で」ではナナリーの警護をしていた彼女を部隊を率いてアシストしている。
- 不動ZEN
- アドヴェントを「最後の一人」と称する。その意味は……?
- 暗黒寺闇太郎
- 地上ルート第40話「封印されし闇」では彼をスカウト(?)した。ただ、この時暗黒寺は剣造の命令でミケーネ復活の企みをくろがね屋に知らせに来ており、結果的に見ると自軍の邪魔をしたことになる。
- ガロード・ラン、ノノ、レド
- 天獄篇では付き合いの浅い彼らからは不審の目で見られていた。
名台詞
戦闘中
時獄篇
- 「ターゲット・インサイト!!」
- Gディメンション・リベレーターの照準チェックの台詞。レオナ・ガーシュタインやヴィレッタ・バディムらの台詞から引用している。
- 「君を因果から解放する!」
「これが世界の真の姿だ」 - Gディメンション・リベレーター使用時。
- 「太極の力を使えるのが自分だけだと思わぬ事だな!」
- ガトライトへ攻撃する際の特殊台詞。アドヴェント自身も太極の力に何らかの関わりがあるのだろうか……?
- 「いがみ合う双子のスフィアでは、私は倒せない!」
- ガドライトの攻撃を回避した際の特殊台詞。いがみ合う双子のスフィアでは倒せないという物言いが、若干引っかかる所。やはり彼も……?
インターミッション
時獄篇
- 「喜ばしいことだね。……では、機会を見て、こちらから接触を図ろう」
- 「光と闇の狭間」クリア時、ジェミニスを退けたZ-BLUEとジェニオン・ガイを起動させたヒビキを見て曰く。
- 「ガドライト。君とこうして話をするのは、これが最初で最後だ」
「宣言しよう。君たちの計画はZ-BLUEと私たちが必ず阻止してみせる」
「言いたいことはそれだけだ」 - 「忘却の霧の中」クリア時、「SPEAK EASY」で飲むガドライトに対して。普通にパラダイムシティに入り込んでいる辺り、次元力による事象制御もそれなりに使いこなしているらしい。
- 「動かないで。少しだけ頭を触るよ」
「落ち着いたようだね。喜ばしいことだ」 - 各ルートでヒビキに何らかの処置を施して曰く。「血塗られた目」の症状を緩和する能力を持っているらしい。この時は近くにガドライトが来ていたが(ステージには出てこない)、この処置を受けた後、ヒビキはエピローグで尸空の存在を感知するまで「血塗られた目」を発症していない。この処置の正体は天獄篇で明かされる。
- 「操る…などというつもりはない。我々はあくまで見守る者のスタンスを崩すつもりはない」
「だが、事態は加速していっている。1万2000年の輪廻の環がもうすぐ閉じようとしているのだからな」 - 「シンカを見守る」というスタンスはクロノ改革派の方針らしいが、これは図らずもゼウスやカヲルなど、正しくシンカして神に至った者たちの姿勢とも繋がる。これは何を意味するのか。
- 「アンナロッタ・ストールス。全てが君たちの思い通りに行くと思ったら大間違いだ」
「そして、クロノの全てが君たちに屈したと思うのも間違いである事を私が教えよう」 - 「人類の進化を見守る者として、その使命を果たす!ジェミニス!真のクロノの名を継ぐ者の怒りを思い知るがいい!」
- 「温かな声」での戦闘前会話。亡き同志達に代わってクロノの名を受け継ぐ者……その意に従い、太陽の子たる蛇使いが監視者たちに襲い掛かる。
- 「……サード・ステージに入ったスフィア・リアクターを相手にするほど、私も無謀ではない」
- 各ルートの38話にて、ガドライトと対面して。さすがに分が悪いらしい。
- 「あれは私の宿敵……いわば、立ちふさがる運命だ」
- “テンシ”について。
- 「暗黒寺刑事ですね?」
「全てわかっております。そのために我々もこうしてここに来たのですから」
「我々はクロノ…人類の進化を見守る者です」
「私の名はアドヴェント…人類の未来のためにあなたを迎えに来ました」 - 「封印されし闇」開始時、あしゅらのミケーネ復活計画をつばさに知らせるべく、くろがね屋にやって来た暗黒寺に対して。この後彼は全く姿を現さなくなるが、果たしてどこへ行ってしまったのだろうか?
- 「そうやって嫌なことから、また逃げ出すのか?」
「それでいい。君はそうやって逃げていれば……」 - 「禁断の領域」にてシンジの意識に現れた際に。この直後の場面では初号機への搭乗を拒否するシンジに「自分の意思であるのならそれでいい」と述べており、シンジが最後にどう選択するのかを待っていた模様。
- 「人類の進化を見守るのが本来のクロノの役目だ。それを歪ませる存在を私は認めない!」
「行くぞ、ジェミニス! スフィアの力を使いこなせるのが自分だけだとは思わないことだ!!」 - 「再来する絶望」にて、対ガドライト。
- 「お前にはわかるまい…! 彼に秘められた力が…希望が!」
「だから、私は…!」 - 「それといい加減に気づくのだな。太極の力を使えるのは自分だけではないことに!」
- 第49話でガドライトに対して。
- 「運命の分岐点である特異点は大きな運命のうねりに引き寄せられる。そして、その運命を司る者たちが動き出そうとしている」
ヒビキ「運命を司る者…?」
「自らを神と称する者達だ」
「それだけではない。宇宙の暗黒の化身、そして憎しみに身を焦がす堕天翅……彼らが欲望のままに動き続ければ、人類はエタニティ・フラットを迎える前に滅びることもありえるだろう」
「偽神との戦いの中、運命は流転していく……そして、その先に特異点は現れる。私はそう考えている」 - 49話でヒビキの答えを聞いて。
- 「また会おう、ヒビキ…そしてZ-BLUE。次に私達が会う時は、全ての真実を明かし、この世界の命運を賭けて共に戦おう」
- 第49話の去り際。
- 「人恋しい秋……独り、思索にふけるために散歩をしていたら、道に迷ってしまってね」
「冗談だよ。たまには、こういう私も悪くないだろう」 - ボーナスシナリオ「フィーリング・カップル」より。意外とジョークにも通じているようだ。
- キング「保守派と改革派……二つに分かれたクロノのうち、どちらが真の代行者たるか……」
アドヴェント「その答えは、もうすぐ出ます。シャア・アズナブルとZ-BLUEによって」 - 「飛べ、宇宙へ」より、キングとの会話の〆。クロノ保守派はガドライト同様サイデリアル、つまりは太極の意志の代行者のようだが、注目すべきはアドヴェント達改革派が対応に挙げられているということである。
- これは取りも直さず、改革派もまた太極の意志の代行者である、という事実の示唆になる。完全に対立する保守派と改革派、そして「代行者」の立ち位置。この二つの事実は何を意味するのか? アドヴェントの真意とは?
- 「もろいものだな、ガドライト。少し自分の内面に触れられただけで、たやすく激昂するとは」
「彼女の指摘したとおりだな。君は故郷を滅ぼされた怒りと同時に自らの無力への諦めを持っている」
「その相反する感情がジェミニアに装備されたスフィア……いがみ合う双子を稼動させている」 - 「怒りと諦めの狭間で苦しむ…無様だな、ガドライト」
「その苦しみから抜け出す方法を教えてやろう」
「それは、自らの手でもっとも愛する者…アンナロッタ・ストールスを殺し、圧倒的な怒りに身を焼くことだ」
「かつて、高名な画家は地獄絵図を描くために愛する娘が焼け死ぬ様を見届けたという…君は地獄を味わったと言ったが、まだ足りない。自らの手で地獄の扉を開けた者だけがより高みに進めるんだよ」 - ガドライトに対して。怒りと諦めの板挟みから逃れたければ、アンナロッタを殺して自ら怒りに支配されろ、と述べた上でこう言い放つ(しかも後半2行は笑顔)。何となくだが、アサキムの物言いに似ていないこともない(笑顔の振る舞いまでそっくり)。
- このように、ジェミニス、とくにガドライトに対する苛烈極まる物言いが原因で、ユーザーからは「本当に味方か?」と疑われることが多い。そして実際、それは正しかった。
- ちなみに「高名な画家は~」の部分は芥川龍之介の「地獄変」ネタだろう。本作のタイトルは「時獄篇」なのがミソ。
- 「いい仲間を持ったな、ヒビキ。今こそ、私の正体を君に明かす時が来た」
「私は忘れ去られた最後の一人…そして、私も君と同じくテンシに魅入られた者…。その呪いを解くために戦っている」
「このアスクレプスは、君のジェニオンと同じく奴等を討つための力だ」
「君の感じているとおりだよ。私は、この世界で生まれた人間ではない。存在する全ての世界を守るもの…。それが私達だ」 - ヒビキに対して明かした素性の一部。ただし、その意味は大きく異なっていたが。
- 「天は自ら助くる者を助く、これは必然だ」
「お前も思い知るがいい! 人類の持つ可能性を!!」 - ガドライトへ切った啖呵。
- 「相反する感情を力とするいがみ合う双子……その力を封じるには、相反する感情を意志で自在に操る『嘘』を司るスフィアが必要になる……」
- ガドライト撃破時。未だ足掻く「いがみ合う双子」を制するには、アサキムごとZONEに眠る「偽りの黒羊」が必要となる。その手を取れない以上、確実にガドライトを倒す方法はない。だが……。
- アドヴェント「これ以上、君にスフィアを使わせるわけにはいかない!」
ガドライト「お、お前だ! お前がいつもいつも俺の邪魔をするから! だからっ!」
アドヴェント「その苦しみから君を解放してあげよう」 - 「いがみ合う双子」を破るべく、アドヴェントはガドライトと対峙する。が、その物腰からガドライトはようやくアドヴェントの正体を悟る。それは……?
- 「これが……私の役目だったん……だろう……」
- 直後のイベント戦闘での撃墜時。
- ヒビキ「何故あなたは、そこまでして俺を…!?」
アドヴェント「それが私の…喜び…。なぜなら、君は…私の……」 - 最期(DVE)。命と引き換えにヒビキの道を切り開き、シンカを見つめる者は宇宙に消える。だが……。
連獄篇
- 「案ずることはない。私と引かれ合う運命を持った戦士達が、この翠の地球にいる」
「スフィア・リアクターと呼ばれる者達だ」
天獄篇
- 「何故……? 逆に私から訊きたい」
「何故、私に疑問を持つ?」
「各機へ。Z-BLUEは我々の同志たり得ないようだ」 - 31話でクロウたちに自分の行動を疑問視された末に突如の決別宣言。遂にプレイヤーたちが抱いていた疑惑が現実となった瞬間である。
- 「いい機会だ。時獄戦役で君の精神に張ったシールドを解除しよう」
「これで君は私をダイレクトに感じるようになる」
(中略)
「そうだよ。私がヒビキの追っていた存在…。彼の言葉で言えば…」
「テンシだ」 - ジェニオン・ガイを生身で倒し、交際を続けていた女性が敵であるという残酷な真実を見せつける事で心身ともにヒビキをボロボロに追い込んだ挙句、トドメに自分こそが家族の仇「テンシ」であることを明かした。数えきれぬほどの絶望を矢継ぎ早に叩きこまれたヒビキは遂に精神を停止させてしまう…。
- ちなみにこのシーンのイベント戦闘で使用したのはヘリオースの「アンゲルス・サルース」でポーズも同じ。
- 「救世の戦士、太極への旅人、法の守護者、因果律の番人、呪われし放浪者…」
「やはり君も、彼等と同様に私に刃向う道を選ぶのか」
「残念だよ」 - 46話でアムブリエルを撃つ前の台詞。かつて黒のカリスマが挙げた名前を彼も列挙しているが、これらはかつて御使いに挑み、敗れていった他のジ・エーデル達の名なのかもしれない。だとすると、「因果律の番人」たちの中にもいたのだろうか。
- 「ヒビキ……君は禁断の扉を開けてしまったよ」
- スフィアの共鳴による時間遡行で攻撃に割り込んだヒビキに対して。
- 「そう驚くようなことではない。彼のように私の実験の対象となった子供達は、全宇宙で9万4372人ほどいる」
- 「アサキム・ドーウィン。よくもブルーの生命を奪ってくれたな」
- アサキムの攻撃でブルーが戦死した際に。当のアサキムからは「つまらない芝居はやめろ」と一蹴されている。
- 「私の意志は変わらない」
「彼らをここで脚止めしろ。命に代えてもだ」 - 「耳ざわりのいいだけの言葉はやめるんだ、ドクトリン。君達は1万2000年前に私を追放するという大罪を犯した」
「あの時に私は思い知ったのだよ。宇宙を救うには御使いという存在でも足りないことが」 - 「αから始まった世界は、この世界でΩとなって終焉を迎えるはずだったが、ほんの少しのきっかけでZへと変貌した」
「至高神Z……古き世界の終わりを看取る神として、これ以上の名はあるまい」 - 新たな至高神が「ソル」ではなく「Z」である理由。ちなみにZシリーズは本来「Ω」とナンバリングされるはずが、版権に引っかかってZへと改題された経緯があるため、ある種のメタ発言とも取れる。
- 「クソ野郎共がっ! よくもこの私を……!」
- Z-BLUEに追い詰められた際に発した言葉。以前のアドヴェントからは想像もつかない台詞だが、これは他の御使いを吸収し感情が戻った故の発言である。一方で敗北を認める潔さも見せ、良くも悪くも人間らしさを取り戻したことの証明となっている。
- 「私を許す必要はない、ヒビキ」
「それが君達の選んだ選択ならば、去り行く私からいう事は何もない」
「私という大きな障害を乗り越えた君達の前途に祝福を送るだけだよ」 - 生と死の狭間にて、ヒビキと邂逅して。AGからは「最後の最後まで上から目線ですか」と呆れられていた。
- 「では行こうか、ジ・エーデル・ベルナル。神になろうとした男と、悪魔と呼ばれた男は、ここで歴史から退場するとしよう」
「さらばだ、ヒビキ。そしてZ-BLUE」
「君達の進む未来に幸の在らんことを!」 - 真化に至った人類の進む未来に幸福が在る事を祈り、「神になろうとした男」は「悪魔と呼ばれた男」と共に「消滅しようとする力」の余剰を抱え、因果地平の彼方へと消え去った。
迷台詞
- (これはお湯の……いや、水の交わり!)
- 「無限芭蕉実拳」を炸裂させたアクエリオンを見ていわく。不動が心を繋げることのたとえに使った足湯のイメージがダブったらしい。ちょっと微笑ましい一幕。
- ちなみにこの時の顔グラは専用のもので、ここでしか見られない。
- 「そうだよ、ボン太くん。私が神だ」
「いくら私でも、それを許すわけにはいかない」
「いいだろう、ボン太くん。君と宇宙の命運を懸けて戦おう!」 - 天獄篇最終話でのボン太くんとの戦闘前会話。一体、どういう会話をしていたのであろう……。
- 「借金返済が未来へ進む…!?理解できない…!」
- 天獄篇最終話でのクロウとの戦闘前会話。破界と再世、二つの戦いでクロウという男を見続けていなければ、理解は不可能だろう。
搭乗機体
- アスクレプス
- 専用機。次元力で稼働し、スフィア搭載機(恐らくセカンドステージ相当)に匹敵する。
- ヘリオース
- アスクレプスに秘められた真の姿にして砕け散った至高神ソルのコアから作り出された神器の1つ。
- 実は連獄篇におけるイベント戦闘で登場している。
- 至高神Z
- 8つのスフィアと3つの神器、足りないスフィアの代用として自分以外の御使いとアサキムを融合させて誕生した新たな至高神。旧き世界の終わりを看取る者としてZを冠している。
余談
- 「アドヴェント」の名前の由来はラテン語『Adventus(アドべントゥス)』、降臨祭。別名:エピファネイア(Epiphaneia)、公現祭。『クリスマス』の日である。神であるキリストが降臨するクリスマスの日までの間、11月11日から断食の週3日の修練する。キリスト教の行事として有名であるが、断食に関しては各々の宗派で異なっており、定まったことはしてない。
- アドヴェントの搭乗機『アスクレプス』の名前の由来はおそらくへびつかい座のモデルである「アスクレピオス」。
- 正体判明後は、ユーザーから「蛇使い→巳使い→御使い」という伏線だったのでは、と言われている。
- 『至高神に仕える御使いで在りながら、自らが新たな神に成り替わろうとする』というこの姿と行動から、天使階級上級第1位の熾天使(セラフ)で、神に次ぐ地位に在りながら、それゆえ驕り高ぶり、神の座まで求めるようになって反乱を起こし、神を倒して新たなる神になろうとした「堕天使ルシファー」を思わせる。
メモ
- 仮面ライダーBLACK RXこと南光太郎にも太陽の子(サン・オブ・ザ・サン)の異称があり、彼と共演しているギリアムやロアとの関連を示唆している可能性がある。ついでにそのギリアムがかつて名乗ったのが太陽神と混同されるアポロンであり、座していたのは「ヘリオス」要塞である。