XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ(Endless Waltz版)
(Wing Gundam Zero Ver.EW)
- 登場作品:新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- 分類:高性能実験型モビルスーツ
- 型式番号:XXXG-00W0
- 全高:16.7 m
- 本体重量:8.0 t
- ジェネレーター出力:3,732kW
- スラスター総推力:88,150 kg
- 装甲材質:ガンダニュウム合金
- 開発者:ドクターJ、プロフェッサーG、ドクトルS、H教授、老師O
- 制作者:カトル・ラバーバ・ウィナー
- 主なパイロット:ヒイロ・ユイ
- メカニックデザイン:カトキハジメ
『Endless Waltz』用にカトキハジメ氏によってデザインされたウイングガンダムゼロ。主人公ヒイロ・ユイの搭乗機。
大河原邦男氏がデザインしたTV版とは他の機体に比べても異なる部分が多く、トリコロールカラーから白と青を基調とした色合いに変更され、マスクもTV通常のガンダムマスクに変更されている他、ネオ・バード形態への変形機構はオミットされた。
そして、最も外見上異なる点としてTV版の機械的な翼(ウイング・スラスター)から、天使の翼のような形状に変更されている点が挙げられる。ちなみに、本機が移動する際、どういう機構なのか謎だが天使のような白い羽が舞い散る(あくまで演出上のもので、実際に舞い散っている訳ではないのかもしれない)。
またこの翼は2対になっており、前方の1対である主翼(ウイングバインダー)は可動範囲が広く、機体の前面に展開する事で敵の攻撃を防御することができ、大気圏突入時のシールドとしても使用される。この主翼は地上では文字通り翼として、宇宙空間ではAMBAC作動肢として機能し、機体にトールギスを超える破格の超大推力・機動性・運動性を与える。後方の1対である副翼にも同様にバーニア・スラスターが取り付けられており、例え主翼2枚を損失したとしても飛行能力を失う事はない。
劇中では張五飛の駆るナタクと激闘を繰り広げ海に墜落する。最後は大統領府のシェルターをツインバスターライフルにより破壊するが、中破した状態の本機はサーペントの集中攻撃とツインバスターライフルの反動により大破した。
TVシリーズと『Endless Waltz』をつなぐストーリーが漫画『新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST』にて語られているが、この作品内でのデザインはEW版のものが採用されている。
本機はTV版のウイングガンダムゼロをデザインし直した機体であるため、本来の名前は同じく「ウイングガンダムゼロ」である。TV版との区別がややこしい為、便宜的に「~カスタム」「~(エンドレスワルツ版)」といった名称が使われている。詳しくは新機動戦記ガンダムW Endless Waltz#ガンダムの機体名称についてを参照のこと。
なおデザインがTV版と異なる事について、幼年誌では「新たなる敵・マリーメイア軍と戦う為に強化された姿」という翻案で紹介されていた。
登場作品と操縦者
シリーズを通して、全体的に高い機体性能を持っている。旧シリーズ等ではTV版ウイングゼロとは別機体でウイングゼロの上位機種的な役割だった。
ゼロは5機のガンダムの中でも移動力と運動性に秀でており、飛行可能であることが特徴である。武装は高威力・長射程のツインバスターライフルが主力兵器。マップ兵器版も当初から存在し、シリーズによっては全周囲攻撃型のローリングバスターライフルも存在する。ただし、ツインバスターライフルは作品ごとに燃費の良し悪しが激しく、Wの世界ではガンダムの使用するビーム兵器は出力が異常に高い事から水中でも使用できることになっているが、スパロボでは作品によって再現されていない場合がある。かつては射程1の武器かつP兵器はマシンキャノンとビームサーベルのみという欠点があったが、第3次α以降それを補うツインバスターライフルの片方だけで使用するバスターライフルを実装した。
α以降は、気力が一定値以上になると発動するゼロシステムが特殊能力として扱われるようになった。
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F完結編
- 初登場作品。他のEW版の機体よりも先駆けて登場した。終盤、ポセイダルルートにてヒイロが仲間した場合、トロワが改造用のパーツを持ってきて、改造を行うを選ぶと本機に改造される。実質使用できるのたったの3話のみ。しかし、スペックは歴代最高で、飛びぬけた運動性とスーパー系以上のHPと装甲を持つ。さらに強化パーツスロットが3つもある。ニュータイプ至上主義な本作において、能力的に不遇なW系パイロットはこのレベルの機体でないとまともに運用できないのも事実である。パイロットは集中と鉄壁を覚えるヒイロを乗せた場合の反撃戦法は強力。本作のグラフィックはカメラ目線であった為、当時の攻略本に「常にカメラ目線がちょっと恥ずかしい」と記述されたこともあった。その性能の高さに『アムロやカミーユを乗せられたら』と思ったプレイヤーもいるとか……。武装は、ツインバスターライフル(通常版)をフル改造すると、自機中心型マップ兵器のツインバスターライフル2(=後のローリングバスターライフル)が追加される。Wゼロ同様、当時はツインバスターライフルの表記がツインバスタービームライフルだった。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦COMPACT
- 中盤より参戦。今回、HPが普通のリアル系程度のため、運動性を強化して回避力を上げるのが無難。主力のツインバスターライフルは射程がやや短いが燃費はかなり良い。MAP兵器版のツインバスターライフルも弾数制なので使いやすい。しかし、本作もNT至上主義である為使いづらい。マップ兵器担当と割り切るのもあり。
- スーパーロボット大戦COMPACT for WSC
- COMPACTとほぼ同様。本作は2回行動が廃止され、援護システムが導入されたため、NT勢との穴は多少塞がってきてはいる。燃費が良好で射程が長いため、援護攻撃で活躍できるのだが、ヒイロの援護習得レベルが、かなりの高レベルの為活かしきれない。援護をいかすならば、トロワが適任といえる。
- スーパーロボット大戦COMPACT3
- 本作では乗り換え可能。「リーンの翼」を装備してもまともに運用できるほど機体性能は高い。ヒイロをはじめW系パイロットは能力が総じて高いため結構使えるが、射撃武器がメインというのが唯一のネック。パイロットは熱血が使えるヒイロまたはゼクスも良いが、トロワも援護を持ちゼロシステムを活かすために気力の上がりやすい得意を修得し、ステルスマント持ちのガイメレフ対策に必中も持っているのでオススメ。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 無条件で入手可能。カスタム化により武器性能が大幅に変わるW系ユニットの中で、本機は武器性能はほとんど変化していない。変形はなくなったがMS形態で飛行でき移動力も高くなり、シールド防御が出来なくなった事以外は純粋にパワーアップを果たしている。Wゼロと同様にゼロシステムが特殊能力となったのも本作が初。HP以外の全ての性能が高く、二種類の強力なマップ兵器もある他、反撃無双もでき、ラスボスを一撃で倒せるレベルの火力も持つ。資金稼ぎのために幸運持ちのカトルが乗ることも多い。また、なぜかIフィールドが特殊能力としてついている。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- αより、ツインバスターライフルの攻撃力が若干上昇した。今回なぜか、ウイングガンダム→ウイングガンダムゼロ→本機とパワーアップする度に、HPと装甲が下がっていく。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 今回からツインバスターライフルの演出が目標上空より発射するグラフィックへと変更になった。初期EN:110、フル改造:220なのに対して、通常版ツインバスターライフルの消費EN:50とかなり大きい為、αのような反撃を主体とした運用はできなくなった。その為、EN関連の強化パーツの装備が推奨される。しかし、通常版の使い勝手が悪くともマップ兵器版が火力、範囲、弾数が全て優秀なので十分強い。特に今回は援護防御を多用する敵相手に出番がある。マップ兵器主体なら覚醒を修得するヒイロが適任。ちなみに内部データには機体性能が大幅に向上し、ツインバスターライフルの燃費が解消された強化版らしき没データが存在する。
- 第2次スーパーロボット大戦α
- 長射程の全体攻撃とマップ兵器の二種類のツインバスターライフルがあり、特にマップ兵器版は覚醒持ちと組ませれば簡単に敵陣を壊滅出来る程強力。全体攻撃版も反撃で敵を倒すのに有用。シールドは装備していないが、防御時ウイングバインダーを展開して機体前面を覆う動作を取る。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 「ウイングガンダムゼロ」名義で参戦。前作から性能が大幅に変更。ツインバスターライフルが単体攻撃になり、その代わりローリングバスターライフルが追加。気力が上がるまでは運用が難しいユニットになったがローリングバスターは地形適応Sで威力も高く、移動後可能。ただし、燃費が悪いので多用するとガス欠になり易い。また、必要気力が高く、ゲーム序盤では気力を上げる手段に乏しい為、使用出来ないシナリオも多いが、中盤からファイアーボンバーが加入すると気力面の問題は解消される。小隊攻撃として「バスターライフル」が追加され、通常戦闘の選択肢は増えた。
Zシリーズ
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- ヒイロ専用機。ツインバスターライフル通常版は消費EN:50と燃費がかなり悪いため考えて使わないとすぐにEN切れになる。マップ兵器版は弾数制。高威力のビーム兵器が主力武器の為、木連メカのディストーションフィールドを破るのに有用。ナデシコ系最終話で敵増援が多数出てくる時、対カトンボで重宝する。
- スーパーロボット大戦A PORTABLE
- 「ウイングガンダムゼロ」名義で参戦。ヒイロ専用機。グラフィックがパワーアップし、ツインバスターライフルの演出も磨きがかかっている。今回ヒイロが援護攻撃Lv4まで行くので、援護攻撃を活用するためにもエースボーナス"武器消費EN-30%"を追加したい。ただし、武器改造による攻撃力上昇値が低い為、最大改造でも攻撃力がトーラスのビームカノンより200高いだけ(ビームカノン:6000、ツインバスター:6200)という酷い扱いで、歴代でも最低レベルの使い勝手である。フル改造ボーナスは"ゼロシステムが気力120で発動"であるが、欠点を補えるほどの能力ではない。マップ兵器役としては優秀なので割り切るのもあり。
- スーパーロボット大戦R
- ヒイロ専用機。ツインバスターライフルの消費ENが30に減ったため、使いやすさが向上した。地形適応が陸:Bな事と、ヒイロの援護攻撃習得レベルが高い事が残念。
- スーパーロボット大戦W
- 「ウイングガンダムゼロ」名義で参戦。ヒイロ専用機。第一部では早くから加入するが、第二部では中盤まで離脱してしまう。第一部では主戦力となれるが、第二部では味方のインフレに付いていけず息切れする。ツインバスターライフルは使う度に大気圏に突入してから狙撃する演出がある(元ネタはTV版)。なお本作で「プリベンターの告死天使」という二つ名が付いた。
- スーパーロボット大戦L
- 加入は32話と遅いが、スポット参戦で何度か姿を現す。ローリングバスターライフルの代わりに低燃費のバスターライフルが追加された。また、戦闘アニメの演出が変更された。MAP兵器が過去最悪の範囲の弱体化となっているが、ツインバスターライフルが射程8(フル改造ボーナスで射程10)で砲台としてはまずまずの性能で、ハインド・カインドあたりと組めばさらなる長距離射撃が可能となる。地味にゼロシステムの必要気力が120と低めになっている。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander
- 味方ユニットでは最速の移動速度を持ち、長距離戦を得意とするがHP・装甲共に最低クラス。無傷での戦闘は難しいバランスだが、少しでも被弾を抑えるように敵機とは必ず距離を取ろう。ローリングバスターライフル(表記はツインバスターライフルR)はヒイロの射撃レベル6以上で使用可能になる隠し必殺技。
- スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
- 全味方ユニットの中で最高クラスの破壊力と広範囲の必殺技による殲滅力を誇り、ヒイロの射撃も最高値にまで上昇するため砲撃戦の要とも言える。欠点は味方にもダメージを与えてしまうシステムのため味方との連携を取ると、攻撃力の高さゆえ味方を撃墜してしまう危険性が大きい。
単独作品
- スーパーロボット大戦64
- TV版ゼロをフル改造する(改造段階の限界が7段階なため、改造費用は比較的安く済む)と、本機に変化。パッケージに堂々と登場しているため、隠し機体かどうかは微妙。パーツスロットが1に減ったが、スペックはF完結編とほぼ同等のスペック。カスタム化は本機においては良い事づくめなため、早期にフル改造することをお勧めする。また、W系パイロットの2回行動レベルが早まっているため主力を張れる。戦力的にはF完結編同様、集中の使えるヒイロが良い。資金稼ぎをするなら、幸運持ちのゼクス・マーキスやカトル・ラバーバ・ウィナーもオススメ。細かいところで、ポーズ自体はCOMPACTやA、Rと一緒だが、右手で武器を持ち、ビームサーベルは柄まで再現されている。
装備・機能
武装・必殺武器
- マシンキャノン
- 両肩に内蔵された4銃身式のバルカン砲。MSも容易に破壊する威力を持つ。
- ビームサーベル
- 両肩に装備。第2次αでは最大射程が2の為、強化パーツで射程を拡張出来る有用な武器だった。Wではマルチコンボ対応武器。
- バスターライフル
- ツインバスターライフルを分割して片方のライフルのみで攻撃。第3次αで小隊攻撃対応のPLA武器として追加された。
- ツインバスターライフル
- 2挺のバスターライフルを平行連結させたウイングゼロ最強の武器。その威力はウイングガンダムのバスターライフルの2倍以上で、最大出力ではスペースコロニー級の重量物質でさえも破壊可能な威力。さらに、カートリッジ式でなく機体本体ジェネレーターから直接供給されている為、安定した連続発射が可能である。劇中のクライマックスで大統領府のシェルターシールドを正確に射撃して貫いた。ゲーム内でも本機のメイン兵装で長射程、高威力が売りで、反撃戦法を取るのに向く。燃費は基本的には良好であるが、一部作品(A,α外伝)では劣悪なため、非常に使い辛い作品も存在する。第2次αでは全体攻撃武器だが第3次αでは下記のローリングバスターライフルの追加により単体攻撃になった。
- Wでは撃つ度に大気圏に突入というツッコミどころ満載の演出がある(Lでは別演出に変更になった)。過去作品では「ツインバスタービームライフル」と表記されていた。
- ウイングバインダー
- シールドとして機能する主翼。平常時はこのウイングバインダーの裏側にツインバスターライフルが分割された状態で収納されている。F完結編ではこれをシールドとしてシールド防御可能だった。以降の作品では不可能なのだが、設定的にはF完結編の扱いが正しい。
特殊能力
- 剣装備 盾装備 銃装備
- 切り払い、シールド防御、撃ち落としを発動。シールド防御は、残念ながらF完結編以降の作品では、採用されていない。
- ゼロシステム
- 操縦者の意識に膨大な未来予測データを書き込むことで、操縦者の反応速度を飛躍的に増大するが、強い負荷が掛かる。その負荷に耐え切れないと暴走・死へと繋がる。αから特殊能力として実装。
- なお、エンドレスワルツ劇中においてはヒイロはこのシステムを一度も作動させていない。
- Iフィールド
- α、α外伝にて実装。原作にはIフィールドそのものが存在しない為、なぜ搭載されているのかは謎である。
移動タイプ
サイズ
- M
カスタムボーナス
機体BGM
- 「WHITE REFLECTION」
- α外伝まではこのBGMが採用されている。
- 「LAST IMPRESSION」
- 第2次αからはこちら。
対決・名場面
- 対アルトロンガンダム(EW版)
- 地球に向かうヒイロのゼロであったが五飛のナタクに行く手を阻まれる。
- 対地下シェルター
- 物語ラストにて、リリーナを人質にしたマリーメイア軍の立て込もった大統領総督府の地下シェルターに対して、バスターライフルの連続射撃を行った。見事シェルターに穴を開け、リリーナ救出を果たすも、五飛との激闘で破損していた機体はその衝撃に耐え切れず、大破した。
関連機体
- ウイングガンダム(EW)
- 本機の設計思想を最も反映し、デチューンされた機体。独自に変形機構が加えられている。
- ガンダムデスサイズ(EW)、ガンダムヘビーアームズ(EW)、ガンダムサンドロック(EW)、シェンロンガンダム(EW)
- 本機を元に設計された。
- ウイングガンダムセラフィム
- 漫画『新機動戦記ガンダムW~ティエルの衝動~』(SRW未参戦)の主役機。パイロットは同作の主人公であるティエル・ノンブルー。青と白を基調とし、ところどころエメラルドグリーンというカラーリング。ウイングバインダーが収納式で、腰部に取り付けられている。一般兵士に対応した「ゼロシステムver2.5」を搭載。またツインバスターライフルは一丁だけのバスターライフルとなっている。
- ガンダムルシフェル
- ウイングガンダムセラフィムの試作実験機で同作に登場。グレーを基調としたカラーリング。欠陥プログラム「ゼロシステムver2.0」を搭載し暴走する。
- ウイングガンダムゼロ
- TV世界観における本機の位置の機体。漫画版『新機動戦記ガンダム Endless Waltz 敗者たちの栄光』では本機の原型機の位置(ウイングガンダムプロトゼロ)である。
余談
野球界でも屈指のガンダム愛好家として有名な前中日ドラゴンズ監督・落合博満氏が、最も好きなMSに本機の名を挙げている。
商品情報
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