紅エイジ
紅エイジ(Eizi Shigure)
グランナイツの一員で、Gアタッカー及びGeoミラージュのパイロット。苗字の「紅」は「くれない」ではなく「しぐれ」と読む。唯一の肉親であり、育ての親でもある姉の紅アヤカが行方不明になったのが切っ掛けで、アースガルツに関わり、グラヴィオンに乗って戦う事になる。
人物
性格は直情的且つ熱血感であり、行動力に優れている。しかし、その生い立ち故に、重度のシスコンで、序盤は姉のことになると周りが見えなくなる場面も多かった。また、短気な面もあり、思った事を率直に口走ったり、目つきも悪い事から、誤解を受けてしまうが、基本的には他人思いである為に、アースガルツに関わる以前より複数の友人を持っている。一本的性格からサンジェルマンのメイドなどからも、割と短い間で慕われるようになった。
1期9話でアヤカからのメッセージを受け取って以降は、それまでのアヤカ熱がなりをひそめるようになり、まとめ役になっていく。小説版ではグランナイツを兄妹として見立てた中で自分自身を長男と評しており、斗牙やリィル、小説版では琉菜も含め度々彼らの世話を焼く兄貴分となっていった。
その立ち位置や性格から物語の主人公として見られたことで、本作が「主人公が足に乗るロボットアニメ」として話題になった。しかし原作の大張監督は「(この作品の)『主人公』はサンドマンであり、エイジはヒーロー」と表現している。このことから、特に1期は彼がヒーローになるまでの物語ととる事が出来る。1期は彼の視点から物語が描かれており、小説版では2期も含め最後まで彼の視点となった。
来歴
サンドマンの居城「サンジェルマン城」から届いた実姉のアヤカからの手紙を読み、彼女を見つけ出すべく侵入を試みる。しかし、それは彼を呼び出すべくサンドマンが送ったものであり(手紙は実際にアヤカが書いたのだろう)、理由は自身がグランディーヴァを操る能力「G因子」の持ち主だからであった。
彼の侵入とほぼ同時にゼラバイアの侵攻が発生し、当初はグラヴィオンで戦う事を拒否するが、些細な挑発を受けた事で逆上し、結局はなし崩し的にグランナイツの一員となってしまった。姉のアヤカを探し出す事が最優先事項であった為に、初期は事あるごとに問題行動を起こすトラブルメーカーとして周囲に迷惑を掛ける事も多かったが、戦いを通して心身ともに大きく成長していく。
当初は主にサブアタッカーとしての役目であったが、次第に斗牙に匹敵するパイロット能力を発揮していき、グランナイツメンバーを引っ張って行く。ソル・グランディーヴァが投入されてからは、中心部となるGeoミラージュに搭乗する事になり、ソルグラヴィオンの攻撃の要として活躍する。
なお、グランΣをコアとしたソルΣグラヴィオン搭乗の際は、グランΣからのメイン操縦を担当。斗牙のゴッドグラヴィオンと共に、真・超重斬を発動させている。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- グランナイツメンバーでは最も他作品との絡みが多いキャラクター。これは彼の元々の性格さともいえるのだが、劇中では全体的に熱いキャラというよりは、口の悪いキャラに近い描かれ方をされている。斗牙との対立や関係性は原作以上に描写されている。
- 何かとシン・アスカに似ている部分があるので、彼とは親友同士となり、行動を共にすることが多い。年上という事もありシンに比べると精神的にはまだ大人であり、非戦闘員への攻撃に反感を抱いたり、捕虜を無断解放したシンが一切不問となった事に「ヌル過ぎるんじゃねえか」と厳しい評価を下したりもしている(間違ってはいない)。また、一切不問の件でシンがデュランダルに認められていると履き違え、増長した発言をしてしまった際には、叱責しようともしている(ともあれ、シンもすぐ自分の過ちを認めて反省しているので、安心して叱責はしなかった)。
- 持っている精神コマンドは熱血、気迫と熱い。終盤に気迫を覚える時には、琉菜も熱血を持っているのでバランスよく使うのがいいが、その頃には戦闘開始から3ターン目には、いつの間にか気力が120まで上がっていたりするので、ターン制限によるSRポイント取得で必要でもない限りは、エイジを熱血専用、琉菜を直撃専用として割りきるのも良い。
- スーパーロボット大戦Zスペシャルディスク
- サンドマン杯ではルナマリア・ホークとペアを組み、念願の打倒斗牙を果たす(卓球だが…)。その後の戦闘でも勝利を盾に斗牙から主導権を奪い、完全に調子に乗っていた。しかし、決勝まで勝ち進むもミヅキが予想していた通り、サンドマンに一蹴されてしまった。ちなみに原作の同時期には既に斗牙への対抗心は無くなっているが(小説版では真っ先に斗牙とコンビを組もうとしている)、そうでも無かったようだ。
- 第2次スーパーロボット大戦Z(破界篇 / 再世篇)
- 精神コマンドから必中が無くなった。また、早乙女アルトにちょっかい出す他、破界篇ではゼロに不信感を抱いている事を口にするシーンも。
パイロットステータス設定の傾向
精神コマンド
人間関係
- 天空侍斗牙
- グランナイツの一員。彼の人間性に乏しい一面を良くも悪くも引き出した。最終的にはお互いを認め合う間柄となる。
- 城琉菜
- グランナイツの一員。エイジ曰く「ドリル女」。幼い頃に出会っていた斗牙への想いとは対照的にエイジとは「喧嘩するほど仲がよい」といった間柄だが、それ以上の感情があることも見え隠れしている。そのため一般的なアニメであればエイジと斗牙の間で揺れるヒロインポジションだっただろうが、本作ではどちらとも特に進展は無い(ただ、特典映像では琉菜の結婚相手候補にエイジが挙げられている)。小説版では作者の趣味か、助けに行って抱きつかれたり宇宙でドライブしたりと結構いい雰囲気になっていた。
- ミヅキ・立花
- グランナイツの一員。ミヅキがアヤカと親友だったので、アヤカ絡みで行動を共にすることが多かった。初期設定では彼女がエイジを「食っちゃう」展開も考えられていたとか。
- エィナ
- グランナイツの一員。
- リィル
- グランナイツの一員。妹分としてよく面倒を見ており、斗牙が彼女の心を傷つけた時は怒る余り殴りつける。後に義理の叔父と姪の関係となるが、エイジ本人は叔父様呼ばわりを嫌い、「せめてお兄ちゃんで」と呼び方を希望している。
- クライン・サンドマン
- サンジェルマン城の主。物語序盤ではアヤカ絡みで彼に疑惑の視線を向けていたが、後に理解し、信頼するようになる。原作最終回後は義理の兄弟となった。
- 紅アヤカ
- 行方不明のエイジの姉。姿を変えてエイジを見守っている。
- ブリギッタ、アーニャ、セシル
- エイジの世話をするちびメイド。とても懐かれているが、たまにからかわれることも。
他作品との人間関係
スーパー系
- 千代錦
- Zでは脱走したエイジを見つける為に勝平がエイジの靴下の臭いを嗅がせるが、余りの異臭に失神。キラケンには「殺犬級」と言われてしまう。なお、原作にはこんな設定はない。
- 吉良謙作
- Zでは闘志也に「エイジの靴下が超重剣ならお前は無双剣」で互角の勝負と評された。その会話を聞いていたリィルは失神しかけた。
- 剣鉄也、兜甲児
- Z終盤では彼らに追従してアークエンジェル隊への怒りを爆発させた。
- 藤原忍
- 第2次Z再世篇では彼の台詞「やってやるぜ!」にウンザリさせられていた。
- F.S.
- 第2次Z破界篇にて彼の元で世話になったが、おかげでグランナイツ達は「奉仕活動」としてテロリスト及び次元獣の殲滅、それも世界中で活動する羽目になった。
ガンダムシリーズ
- フォウ・ムラサメ
- Zで、香港で戦った際、戦意喪失して退却しようとした彼女のサイコガンダムが、暴走した斗牙によってトドメを刺されようとした際、Gアタッカーのブースターを点火して、太刀筋の軌道を強引に変更して彼女を救った。また、Z38話で仲間になった際は、彼女が生きていた事を喜んでいた。
- シン・アスカ
- シスコン(シンは妹が対象だが)、チームにルナと呼ばれる女性がいる、そして何より同じ声と共通点が多い人物。Zでは斗牙と喧嘩して脱走したエイジを徹底的に批判しながらもその帰還を信じていた。また原作ルートではエイジが敵対したシンを止めようとする場面も。第2次Z破界篇では前戦を経て温和になった者同士、時折口ゲンカを交えつつも親密度を増している様子が窺える。
- アスラン・ザラ
- Zのセツコ編38話にて、優柔不断な彼に対してエイジも怒りを露にし非難した。
- ルナマリア・ホーク
- ZSPDでは卓球でペアを組む。
- ヨウラン・ケント、ヴィーノ・デュプレ
- Zにて香港で女装してお忍びで外出していた斗牙とエイジをナンパした。
- カガリ・ユラ・アスハ
- Zの終盤にて後述にある通り、それまでアークエンジェルと共に「テロみたいな事」(エイジ談)をしておきながら、オーブの実権を取り戻すと反デュランダルの意思を表明する彼女、そしてアークエンジェルのクルーに不快感を露にした。
- キラ・ヤマト
- Zでは彼を最も嫌っていた人間の一人で、終盤は暴言も飛び出す(後述)。そもそも「グラヴィオンの足部分」に搭乗しているエイジとしては、ロボットの手足を狙えば血は流れないというキラの考え方に憤慨するのは仕方ないといえば仕方ないのかもしれない。最終話では他の面々同様和解。ZSPDでは彼の天然振りを見て、斗牙と重ね合わせてか「俺の天敵かもしれない」と評した。
- ラクス・クライン、マリュー・ラミアス
- Zの終盤に、後述にもある通り協力を申し出る彼女達に対して鉄也や甲児と共に怒りを露にし、暴言をぶつけた。最終的にキラと同じく和解したと思われる。
リアル系
バンプレストオリジナル
名台詞
- 「アヤカってのは、こう胸がボンってしてて、腰がキューンとしてて、すっげえ美人で!」
- 斗牙にアヤカの人となりをジェスチャーを交えて説明する。
- 「お前一人で戦っているような面してんじゃねえ! エィナが死んで悲しいのはお前一人じゃねえんだぞ!!」
- Zwei第9話においてお互いにぶつけあった中、エィナを失った悲しみを一人で抱え込もうとする斗牙に対して。
- 「れ、レイヴンがアヤカぁ!? 嘘!? マジ!? 何で!?」
- Zwei最終話においてレイヴンの正体がアヤカと知って。まぁ、声や体格まで男になってたので当然の反応である。
- 「…当たり前だろ? 俺達は姉弟だぜ?」
- 今まで自分がレイヴンとして正体を隠していた事を謝るアヤカに対して。
スパロボシリーズの名台詞
前述のとおり、Zでは暴言が目立ってしまっているが、第2次Z破界篇以降はおとなしい。
戦闘台詞
Z
- 「今は奇麗事は聞きたくねえ…。勝平だけじゃなく、俺達全員がな…」
- Zの人間爆弾イベントの後に、ZEUTHの面々に追い詰められたテラルを庇おうとしたデューク・フリードに対して。この時のエイジ達は上記のイベントにより、異星人に対する怒りと憎しみが高まっていた状態であった為、その時点でエイジ達を説得しようとしたデュークはタイミングが悪かった。結局この件で、デュークは去ってしまう事に。
- 「ああ!相手が昔のダチだろうと悪い奴は悪い奴だ!」
- Zの38話にて優柔不断な態度が悪化したアスランに対して、鉄也や闘志也、クワトロに続いて彼も怒りを露わにして非難した。
- 「俺も同感だぜ。アークエンジェルのやってた事ってのはテロと似たようなもんだったしな」
- Zの46話にてカツがカガリを批判していたことに対して。今まで散々滅茶苦茶な行動をとってオーブを放置しておきながら、突然アークエンジェルと共に帰国して復権するや否や反デュランダルの意思を表明した彼女の行動に対して、カツやシンと共に彼女を非難していた。ただし、デュランダルが影武者を使っていた事が明らかになった際には、すぐさまデュランダルに怒りの矛先を方向転換している。
- 「お前らの手助けなんかいるかよ! 邪魔だから、とっとと帰れ!」
- Zで援軍としてやって来たアークエンジェル勢に対して言い放った暴言。しかもエイジがこのセリフを言ったのはキラ達が正式参戦するシナリオである。
- 「いきなり愛の告白かよ!お呼びじゃねえんだよ!」
- Zの第59話にて本性を現したシュランに対する突っ込み。ただ、当のシュランは「この感情がそんなありふれた言葉で表せるものか」と返しているが…。
- (やばい…。天然だとしたら…俺の天敵かも…)
- ZSPDにて天然な態度でサラを追い詰めていくキラを見て。間違いなくキラを斗牙と重ね合わせているのだろう。
第2次Z
- 「それにあのゼロってのはどうにも薄気味悪くて信用ならないからな」
- ZEXISを一時離脱した際にゼロへの不信感を代表するように言葉にしている。
- 「俺の感も言ってるぜ! こいつは底無しの悪党だってな!」
- アイムとの戦闘前会話で彼の虚言を無視した斗牙にアイムがどう言う人物であるのかをこの台詞で表している。
- 「顔がいい馬鹿って犯罪スレスレだな…」
- 第2次Z破界篇にて、ランカとシェリルからの好意を全く気付いていない台詞を吐いたアルトに呆れかえっての一言(ただし、アルト本人は鈍感を装っていたらしい)。
- 「ズールの野郎が心を奪おうともあいつは弟の絆を取り戻したんだぞ!」
- 第2次Z破壊篇にて敗れてもなおタケルと戦おうとするロゼを見かねて忍、闘志也と共に説得する。
- 「闘志を燃やすのもいいが、心に余裕を忘れちゃいけねえな」
- ガイオウとの初遭遇で、熱くなりすぎた事を自省して述べたもの。
- 「馬鹿を言ってんじゃねえよ!斗牙はお前みたいな悪党と話すような舌は持ってねえんだとさ!」
- 南極におけるアイムとの戦闘前会話で、彼の虚言を難無くスルーした斗牙に便乗して発した挑発。自身の十八番を無視された事で、流石のアイムも表情を歪ませる。
- 「要するに、あの中年4人が変人って事なんだよ」
- 第2次Z再世篇中盤、「秘密主義」という悪癖で共通点があるサンドマン、不動GEN、F.S.、田中司令らを指して発したジョーク…のつもりであったが、自分の父親が「変人」呼ばわりされた事でショックを受けたリィルの落ち込む様に、大慌てで弁解する。
- 「そろそろ答えを出すんべきなんじゃじゃないか? シェリルか、ランカか…」
「もちろん、どっちも選ばないというのもありだが、両方共って答えを出した時には…」
「ZEXIS男性陣で吊るし上げてやるぜ」 - ZRルート55話/黒の騎士団ルート57話のIMにてアルトに対して。無論、「二股をしたら(女性陣を含めた)全員で締め上げる」と言う発言は冗談ではあるが、アルトはこの言葉をきっかけに、自分は鈍感を装って恋に逃げているだけだと気づく切欠となった。
…もしアルトが本気でZEXISとZEUTHの面々を敵に回したら命はないのは確実だろう(作中においてZEXISとZEUTHの面々によって血祭りにあがった人たちがいるので尚更か)……。 - 「そうそう。女装は意外と癖になるもんだぜ」
- 再世篇黒の騎士団ルートEDにてティエリアの女装の話題になった際の一言。ちなみにZシリーズにて女装したのは何人かいるが、原作において4回も女装している(このうち3回はアヤカや仲間のために自発的にとった手段であり、残り1回も罰ゲームとしてであるが)ので楽しむ余裕さえ出たようだ。ところがこの発言のせいで直後にロランがハリーに「やはり趣味でやってるのか」と疑われてしまう…。余談ながら、原作のおまけにて女装した人はあと3人いる。