ギジェ・ザラル
ギジェ・ザラルは『伝説巨神イデオン』の登場人物。
ギジェ・ザラル | |
---|---|
登場作品 | 伝説巨神イデオン |
声優 | 林一夫 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦F完結編 |
SRWでの分類 |
パイロット サブパイロット |
プロフィール | |
---|---|
種族 | バッフ・クラン人 |
性別 | 男 |
年齢 | 19歳 |
瞳の色 | 青 |
所属 | バッフ・クラン軍→オーメ財団→ソロシップ |
軍階級 | サビアの位 |
概要
バッフ・クラン軍の士官で、ロゴ・ダウ方面のイデ捜索隊隊長。下級貴族出身で、武道の達人でもある。のちにイデオン搭乗員となる。男泣きのサムライ。
バッフ・クラン宇宙軍総司令官ドバ・アジバの娘、カララ・アジバとは将来を約束された仲だが、好奇心旺盛なカララをもてあましている。
生真面目な男で、異星人相手にも話し合いの余地を与えるなど、副官のダミドとは異なった考え方を持つ。兵士としてもサムライとしても有能で、任務遂行を第一に、出来るだけ正面からの作戦展開を好む。
救援に来た上司アバデデ・グリマデを失い、ハルルの部下となる。一時ロゴ・ダウに再調査に戻るものの、復帰。合体破りの粒子ドノ・パンや、準光速ミサイルなどの切り札を用いて戦いを挑むもイデオンを倒せず、ハルルに捨てられる。なお、準光速ミサイルの攻撃で、植民星アジアンは半壊滅してしまう。
ハルルに捨てられた後は、サビアの位を捨ててオーメ財団の傭兵になり、ヘアスタイルもオールバックに変えた。私設軍のダラム・ズバの下でイデオンと戦うも、ゲリラ戦法になじめないこともあって失敗を重ねる。結果、遂にはダラムにまで捨てられてしまう。
その後、イデのなんたるかを知りたいがために寄航中のソロシップに乗り込み、そのままソロシップのクルーとなり、戦死したモエラの代わりにイデオンBメカのパイロットとなる。
潜り込む際のいざこざで始まったシェリルとの付き合いは、似たもの同士であるという事もあり、互いに愛し合うところまで発展する。 最終話1話手前の38話で、ステッキン・スターにてコドモン隊と交戦した際、ピンチのカーシャをかばい、身動きが取れなくなった所に集中砲火を受け、その身にアディゴの加粒子砲の直撃を受ける。直後、イデオンソードがステッキン・スターに打ち込まれるのを見つつ、息を引き取る。
劇場版『接触篇』ではアニメ全39話中37話分をまとめた関係上、出番が極端に減少。 アニメ版では半分ほどの回で敵として戦っており文字通りのライバルだったのだが、劇場版では敵として戦闘するのはわずか2回、ソロシップ勢とお互いに個人名を認識しあうこともない。 アニメ版で仲間に加わるときは過去の因縁から特にカーシャの反感を大きく買っていたのだが、劇場版では全く面識がないためカララに紹介してもらう始末。そして『接触篇』の最後に仲間になったと思ったら、『発動篇』の冒頭のスタッフロール中にテレビ版同様に戦死。 その後は彗星の衝突で吹き飛ばされるシェリルを幻の姿で迎えに現れる。全てが終わった後の因果地平では、メシア誕生の瞬間を見ながらシェリルと共に飛んでいた。
登場作品と役柄
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F完結編
- 初登場作品。後半のオーメ財団時の姿で登場。最初は敵だが、原作同様イデオンのサブパイロットとなる。必中・魂を覚えるので、イデオンの攻撃に欠かせない。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 普通に進めると原作通り死亡してしまうが、隠し要素のフラグを立てれば生存し、終盤でガンガ・ルブに搭乗して復帰する。その際に並び順はオリジナル枠に入る。その場合はバッフ・クランに保護された後に軍を抜けたことになっている。機体一つでどうやって脱出してどうやってソロシップに来たのかは分からないが、ガンガ・ルブの操縦構造やギジェの戦闘ボイス的に賛同したバッフ・クラン兵が協力したのかもしれない。
- 彼自身は優秀で、防御はルリア・レーツェルと同等と比較的高く、命中も必要分はある。流石に格闘・回避は低い。加速・攪乱と精神コマンドもそれなりに便利なものもあるが、悪く言えば中途半端で魂も覚えず、搭乗機のガンガ・ルブの性能が今一つ振るわず、何よりEVA初号機F型装備の入手フラグとの兼ね合いが非常に難しい上、仲間にする為のルートを通るとUCガンダム系の隠し機体の早期入手フラグを逃がす為、二周目以降に回すプレイヤーも多いと思われる。見切りがある(使いこなせないが)し小隊長能力が非常に強力なのが勿体ないところ。
- ギジェ以外に本来死ぬはずであったシェリルも生存し、彼と再会したことで正気に戻るのでファンならフラグを成立させるのもいいかもしれない。
単独作品
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2020年10月のイベント「その生命の輝きは」期間限定参戦。イデオンのサブパイロット。Ωスキル演出にてボイスが収録されている。
パイロットステータス
精神コマンド
- F完結編
- 根性、必中、隠れ身、魂、ひらめき、再動
- 魂と必中つきのイデオンガンから逃れられる敵はほとんどいない。再動は覚えるレベルが非常に高いので工夫をしなければまず使えない。
- 第3次α
- 偵察、狙撃、集中、熱血、加速、かく乱
- 偵察とかく乱は自軍全体に、狙撃は小隊員として攻撃に参加するとき(小隊長として攻撃しなければ狙撃の効果が消失しない為)、加速は小隊に貢献できる為、中々有能。ただし、ひらめきも不屈も無いのは辛い。
特殊技能
小隊長能力
人間関係
- ハルル・アジバ
- 上官。アバデデの死後彼女の下につくことに。カララのことを忘れるよう再三に渡って釘を刺されたが、最終的に捨てられる。
- ドバ・アジバ
- 宇宙軍総司令。カララの許婚にし、イデの捜索隊に任命するなど破格の待遇(成功すれば武官では最高位であるハングの位も夢ではないとのこと)を与えていたが、結果として期待を裏切ることに。
- アニメでは直接対面するシーンは全くなかったが、小説では古武士にも通じるギジェのたたずまいを大いに気に入ったとされている。
- カララ・アジバ
- 元・許婚。後々彼女の頼みでベス救出を手伝うというどこか因果な役回りを負うハメに。
- アバデデに言わせれば「もし結婚したら一生尻に敷かれる」とのことだが、言葉通りの意味のほかにもギジェがカララ救出に拘り出世できなくなることを諌める意味もあった模様。
- ダミド・ペッチ
- 同僚で友人。ギジェに対して対抗意識を持っている。失敗続きのギジェに「お前の出世を当てについてきた俺はどうなる!?」と露骨に失望を口にしたことも。
- ダラム・ズバ
- オーメ財団での上官。月で彼に見捨てられてしまうが、後に射殺する。劇場版「接触編」では部隊ごとダラムが戦死して取り残された。
- フォルモッサ・シェリル
- ソロシップクルー。後に恋人関係になる。
- ユウキ・コスモ
- 幾度も戦った宿敵。ソロシップに身を寄せた時は彼のコイントスに自身の生殺与奪を委ね、結果、仲間として迎え入れられる。
- バンダ・ロッタ
- 初めてBメカに乗ったギジェの監視役を務める。
- アバデデ・グリマデ
- 物語初期の上官。ギジェの才能を買い目をかけていたが、単身カララを救出に行った際に拒絶され自らも命を落とす「バカな死に方」をした。SRW未登場。
他作品との人間関係
名台詞
- 「巨神になった!? あんなメカが空中で巨神になった!?」
- イデオンの合体を見て。
- 「うぉぉぉっ! 地面から現れた!? 宇宙船が!? な、何故だ…何故わざわざ地面の中から!?」
- ソロシップが浮上したのを見て。
- 「話し合いのチャンスを与えても無視をする…なんと凶暴な種族だ!」
- 植民星アジアンに準光速ミサイル(亜空間飛行解除中の速度で対地ミサイルを発射することで、通常のミサイルでも惑星規模の広域破壊力をもたらすことが出来るという仕組み)を撃ち込みつつ、ソロシップとイデオンを引き渡すようアジアン基地に求めるが、ちょうどアジアンのコンピューターでイデの力の片鱗が解読されていた。
それに目のくらんだアジアンの基地司令は勧告を無視してバッフ・クランと戦闘を開始、激怒したギジェは準光速ミサイルの第二波発射を決断する。この戦闘でアジアン星はほぼ壊滅してしまった。
もっとも、惑星ひとつ滅ぼせる物をちらつかせて「話し合いのチャンス」と言えるかどうかは限りなく疑問である。 - 「俺は…破廉恥な男かも知れん…」
- 第29話より。イデの行く末を見たいがためにバッフ・クランを裏切った自分を評した独白。なお、「破廉恥」とは「恥知らず」という意味であり、助平な意味ではない。『F完結編』『第3次α』ではDVE。
- 「君も不安だろうが私は嬉しい。このイデのゲージの輝きを、巨神の中から見られるということが」
- 第33話でBメカに乗って初戦闘に臨む際に。口調からしてイデオンの中にいる高揚感を隠せていない。
- ちなみに「君」とはコ・パイロットのマルス・ベントのことで、SRWでは『F完結編』・『第3次α』共に登場しないため、監視役のロッタに言っている。
- 「ロッタさん。私のことで気に入らぬことがあれば、1発とは言わない。10発でも20発でも撃ってくれていい」
- イデオンBメカのパイロットになった際、監視役で乗り込んだロッタに対しての台詞。『F完結編』では一つ上の台詞も含めてDVE。『第3次α』にも同様のDVEが収録されているが、ゲーム中では使われておらず没データとなっている。
- 「まさにイデの力の発現だ!」
「イデの発現なのか!?」 - イデオンに乗り込むようになって以降の口癖のようなもの。後述する死に際の思いまでこれの派生だった辺りにイデへの執着が見える。
- 「因果の地平、つまり宇宙の果てにな。そうすれば運命なんてものからも逃れられる」
「そうでなければ、このイデオンの戦いは悲しすぎる…」 - 第38話で酒浸りのシェリルを慰めようとして発した「どこまで逃げればいいのか」という見解。「因果地平」という言葉が直接登場した場面だが、その前のかなりくだけた口調のギジェも見物。とは言え本人にしてみれば根拠のない希望のようなもので、かつてイデの発現にはしゃいでいたギジェも相当に疲れていることがうかがえる。
- 『第3次α』では、バッフ・クランに加えゼ・バルマリィ帝国監察軍、宇宙怪獣、プロトデビルンとの戦いをも強いられるαナンバーズの状況を悲観して言っている。
- 「おやおや…」
- 第38話でレストタイムを「カーシャと一緒に寝て過ごした」と語るコスモのアダルトジョークに対する反応。直後に膨れっ面で反論するカーシャを見て苦笑するなど、完全にソロシップクルーの面々と打ち解けた事がうかがえる。
- 「こ、これが…イデの発現か…」
- 第38話にて。既にアディゴの加粒子砲により致命傷を受けており、ステッキン・スターの大地を貫くイデオンソードの輝きを目に映しながら頭に浮かんだ最期のセリフというか思念。前話のフォルモッサ・リンの時にしろギジェの時にしろ、人間が死ぬ間際にイデが発現しているようにも見える。『第3次α』ではDVE。
スパロボシリーズの名台詞
- 「この種族…私の想像を超えた精神構造なのか…!」
- 『第3次α』第18話「銀河流浪」における熱気バサラとの戦闘前会話。戦闘中、誰彼構わずに歌う彼が相手なだけに、戸惑うのも無理は無い。
- 「ソロシップ!シェリルとルウはこちらが保護した。二人とも無事だ!」
シェリル「あ…ああ…」
「シェリル…私だ。ギジェ・ザラルだ」
シェリル「ギジェ…!ああ…ギジェ…生きていたのね!」
「そうだ。そして、私はイデの善き発現を見るために戻ってきた」 - ギジェ生存フラグを立てていた場合の、対バッフ・クランルート第57話「憎しみの環の中で」における台詞。
- ハルルによって攻撃を受けたソロシップからルウと共に宇宙へ放り出されそうになったシェリルを、ギジェが間一髪で救い出す。
- 原作では決して有り得なかったシチュエーションの1つ。
- コスモ「ギジェ…あんた…」
「手を貸すぞ、コスモ!このまま戦いを続けていれば、我々はイテによって本当に見捨てられる!」
「一刻も早く、この無益な戦いに終止符を打つんだ!」
コスモ「ああ!」 - 同上。
- 死んだと思っていたギジェの復活劇に驚いていたコスモに、ギジェは無益な戦いを一刻も早く終わらせなくてはいけないことを伝えた。
- 「そうだ、シェリル…。私は戻ってきたんだ」
「あのステッキンスターでの戦いで宇宙に投げ出された私はバッフ・クランの艦隊に保護されたのだ」
「そして、傷の癒えた私は再び軍を抜け、こうしてαナンバーズに戻ってきた…」
「この目でイデの善き力を見るために」 - ギジェ復帰後の、対バッフ・クランルート第58話「発動」でのシナリオ開始デモより。シェリルとの再会を喜びながら戻って来た経緯を語る。しかし、これが本当ならギジェは個人的な探究心のためにバッフ・クランを二度も裏切ったことになるのだが…。
- (イデの善き力…やはりそれを引き出すのは彼らしかいない…)
- 同上。
- ルウを犠牲にしかけたシェリルの過ちを赦したαナンバーズと感涙するシェリルを見つめながら、イデの善き力が、ベスとカララとの間に身籠った子供であることに気付いた台詞。
- 「我らもイデに踊らされているに過ぎないのかも知れん! それでも私は…イデの善き現れにかけてみたいのだっ!」
- 同話において、ドバとの戦闘前会話。
搭乗機体
余談
- ギジェを演じた林一夫氏は、『伝説巨神イデオン』に非常に強い思い入れを持っており、氏の代表作欄にも『イデオン』が記されているのだが、これは林氏本人の希望によるものである。
- 林氏のプロフィール写真は髪型がギジェと同じなのだが、これは舞台の役作りのため髪型をオールバックにして髪を伸ばしていたところ、偶然にもギジェと同じ髪型になり、これが気に入った為その後もこのヘアスタイルを維持しているという逸話もある。