ガン×ソード

2020年9月25日 (金) 19:42時点における超巨大陸上戦闘機械獣 (トーク | 投稿記録)による版 (→‎動画配信: GYAO!ストアのリンク修正)

ガン×ソード』はAIC A.S.T.A.制作のテレビアニメ作品。

ガン×ソード
監督 谷口悟朗
シリーズ構成 倉田英之
キャラクターデザイン 木村貴宏
メカニックデザイン 反田誠二
寺岡賢司
音楽 中川幸太郎
制作 AIC A.S.T.A.
放送局 テレビ東京
放送期間 2005年7月4日 - 12月26日
話数 全26話
初登場SRW スーパーロボット大戦K
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概要

無限のリヴァイアス』、『スクライド』、『プラネテス』に続く、谷口悟朗監督による4作目のテレビアニメ。

キャッチコピーは「痛快娯楽復讐劇」。遠い未来、宇宙のどこかにある地球とは違う惑星「エンドレスイリュージョン」で愛する女を殺され、復讐に生きる男ヴァンと少女ウェンディの旅の物語。

作品のテーマは“復讐”だが、“痛快娯楽”のキャッチコピーの通り作風は明るく、ロボットアニメにもかかわらずそれを前面に出していない異色作。第一話放映完了まで、完全にロボットアニメであると公表されていなかった(それまでは良くある西部劇風としか見えなかった)。予告を含む全ての話に伏線が張られており、完全にギャグ回に思える話も物語としては非常に重要な内容だったりもしている。それらが少しずつ解明されていくにつれて宿敵の元へと近づき、エピローグ(ラスト3分)で全ての伏線が明らかになるという丁寧かつ珍しい作風。復讐を望むヴァンの初志貫徹も踏まえて、文字通り完走しきった作品である。

漫画は2種類。チャンピオン版は本作とはあらゆる面で大きな違いがあり、アニメとの関連性は希薄。『ガン×ソード Another』はアニメの外伝的作品となっている。

ストーリー

ここは宇宙の吹き溜まり「惑星エンドレス・イリュージョン」。荒野に夢が、街に暴力が溢れる、ボンクラたちの理想郷。さすらいの男・ヴァンと、少女・ウェンディは、カギ爪の男を追って旅に出る。1人は「絶望」を、1人は「希望」を見つめながら。

登場人物

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

ヴァン一行

ヴァン
主人公。かつて婚約者エレナを挙式の最中でカギ爪の男によって殺害された過去を持ち、その復讐の為にカギ爪の男を追い続ける。
ウェンディ・ギャレット
本作のメインヒロインにしてもう一人の主人公。誘拐され生き別れになった兄であるミハエルを探す為にヴァンと共に旅に出る。
カメオ
ウェンディの飼っている亀。普段はペンダントのようにウェンディの首にかけられている。
プリシラ
闘技場で出会った孤児出身のヨロイ乗り。ヴァンに好意を寄せ、共に戦うことを決意する。
カルメン99
ヴァンと旧知の情報屋。
レイ・ラングレン
ヴァンと似た過去を持つ流れ者のヨロイ乗り。
ジョシュア・ラングレン
レイの弟。
ユキコ・スティーブンス
エルドラメンバーの紅一点だったチヅルの孫娘。

エルドラメンバー

ヴァン一行に協力する。「エルドラチーム」表記の場合も。

ネロ
エルドラメンバーのリーダー。
ホセ
2号機パイロット。
バリヨ
3号機パイロット。
カルロス
4号機パイロット。

カギ爪の男の集団

カギ爪の男(クー・クライング・クルー)
右腕がカギ爪となっている謎の老人。「幸せの時」と呼ばれる謎の計画を遂行する。
ミハエル・ギャレット
ウェンディの兄。カギ爪の男に傾倒し計画に参加する。
ガドヴェド・ガオード
ヴァンの師ともいえる存在。
ファサリナ
カギ爪の男を崇拝する女性。
ウィリアム・ウィル・ウー
カギ爪の男の息子。
カロッサ
メリッサの双子の兄。気性が荒く好戦的。
メリッサ
カロッサの双子の妹。気弱で大人しい。
ザピロ・ムッターカ
カギ爪の男の集団のチーフエンジニア。

その他

エレナ
ヴァンの婚約者だった女性。結婚式当日にカギ爪の男によって殺された。回想でヴァンやガドヴェドと会話するシーンはあるが、一度も素顔が写されていない。ゲームでは「神は裁き」の演出で後姿を確認できる。
シノ
レイの妻だった女性。やはりカギ爪の男によって殺された。シルエットのみで、こちらも素顔は写されなかった。SRW未登場。
ラッキー・ザ・ルーレット
エバーグリーンの街を襲っていたならず者のリーダー。ミハエルを攫いカギ爪の男へと引き渡した。
ハエッタ
トリノリアに住む花売りの女性。カルメンの幼馴染。
ジョー・ラッツ
孤島ラビアンローズに住む富豪の男性。丁寧な口調と柔らかに物腰を持つ。
カイジ
作中屈指の人気を持つ海の男。主な出番は二話分だったのだが、様々な名台詞を残した。
チヅル
エルドラメンバーの紅一点。老齢まで生きたが作中では既に故人。ゲームではエルドラVエルドラソウルの攻撃の際に若い時の姿がカットインが見れる。
フランコ
ユキコの幼なじみ。ユキコに一緒に町を出ようと誘っていたが、結局ユキコはエルドラメンバーとともに旅に出てしまった。
キャサリン・ナカタ
ミズーギィの街で「水着王国」を建国?した。実は金属繊維の研究者でもある。
マンソン
キャサリンの夫。こちらも同じく金属繊維の研究者。
ブッチ
グローリアの街に住む研究者。被害妄想に駆られヨロイで暴れたが、エルドラメンバーに懲らしめられ改心。G-ER流体を扱えるなど、その道では優秀な人物。
バリカール
ウェンディが(騙されて)購入したラクダに近い動物。通称ロバ。ウェンディは可愛がってたがどう見ても駄馬。ちなみに自主規制の達馬。

登場メカ

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

オリジナル7

ダン・オブ・サーズデイ
ヴァンのヨロイ。
サウダーデ・オブ・サンデイ
ミハエルのヨロイ。
ディアブロ・オブ・マンデイ
ガドヴェドのヨロイ。
メッツァ・オブ・チューズデイ
ウーのヨロイ。
ダリア・オブ・ウェンズデイ
ファサリナのヨロイ。
シン・オブ・フライデイ
カロッサのヨロイ。
セン・オブ・サタデイ
メリッサのヨロイ。

レプリカ

ブラウニー
プリシラのヨロイ。
エルドラV
5体合体のヨロイ。
エルドラソウル
エルドラVの強化機。
ヴォルケイン
レイのヨロイ。
ヴォルケイン改
ヴォルケインの改修機。
ドラッヘ
龍の形をした試作型ヨロイ。
ドラクル
ドラッヘの改良機。
ゴールデンクレイドル
ジョー専用のヨロイ。
ブラッドクレイドル(ワンオーワン)
カギ爪の男の集団が使うゴールデンクレイドルの量産型ヨロイ。
バースデイ
カギ爪の男のヨロイ。

用語

惑星EI
EIは「エンドレス・イリュージョン」の略。物語の舞台となる地球から遠く離れた惑星であり、ナレーションでは「ボンクラ達の理想郷」などとも言われる。かつて地球の囚人惑星だったという歴史がある。
マザー
地球のこと。惑星EI住人の故郷であるが、「永遠の春休み」と呼ばれる細菌兵器の誤使用によってほぼ滅亡している(原作)。カギ爪の男はその唯一の生き残りである。
ヨロイ
惑星EIにおける高度な駆動機械のこと。その適用範囲は幅広い。
オリジナル7
囚人惑星であるエンドレスイリュージョンを監視し、有事の際に刑の執行を行うために存在した7人の処刑人、及び彼らの乗っていたヨロイのこと。
G-ER流体
オリジナル7ヨロイの駆動系に用いられている物質。電流を通すことで固まったり液体に戻したり出来る青黒い色をした流体(解り易く言えば液晶のような物)。これを使用していないヨロイは二足歩行が不可能となっている。ちなみにER流体という物質は実在する。
ヨロイインターフェイスインプラント
オリジナル7に乗る者達の体に施された技術。略称は「YII」。
プリズン・プラネット・デストロイヤー
の正体。処刑人であるオリジナル7でも対応できない事態が発生した時に、惑星全域に対する粛清を行う機能を持つと考えられる。唯一サウダーテのみがこの惑星破壊システムにアクセスできる機能を持つ。
テラフォーミングベース
カギ爪の男の本拠地となっている大陸そのもの。その正体は過去に惑星EIをテラフォーミングする際に使用された超巨大宇宙船である。
幸せの時
この作品の全ての鍵となる計画。カギ爪の男の夢。
カギ爪の男の集団
カギ爪の男が率いる組織のこと。
エルドラメンバー
エルドラVを操縦する勇者

楽曲

オープニングテーマ
「GUN×SWORD [opening theme]」
演奏:中川幸太郎 feat.鬼太鼓座
西部劇風のアニメだが、イントロ部分は和のテイストが組み込まれている。最終話EDでは特別編集版「GUN×SWORD [starting again]」が使用された。
『K』『T』『X-Ω』で採用された他、『T』限定版にて原曲が採用。なお、スパロボでは『T』限定版収録の原曲を除き、イントロがカットされている。『X-Ω』ではイベント「愛の果てに…」、「神に抗う者たち」にてクエストBGMに採用。
エンディングテーマ
「A Rising Tide」
作詞 - Damian Broomhood / 作曲・編曲・歌 - 沖野俊太郎
通常ED。英語のみの歌詞が特徴。第22話のみアコースティック版となっている。
『T』限定版にて原曲が採用。
「Paradiso」
作詞・作曲・編曲・歌 - 黒石ひとみ
9、11話ED。最終話のみ挿入歌。
「S・O・S」
作詞 - 阿久悠 / 作曲 - 都倉俊一 / 編曲 - 中川幸太郎 / 歌 - カルメン(井上喜久子)、ウェンディ(桑島法子)、ユキコ(ゆきのさつき)、プリシラ(千葉紗子)
17話ED。昭和のアイドルとして名を馳せた「ピンク・レディー」の同名曲のカバー。
「Calling you」
作詞 - Damian Broomhood / 作曲・編曲・歌 - 沖野俊太郎
24話ED。25話では挿入歌。
挿入歌
「虹の彼方」
作詞・作曲・編曲 - 酒井ミキオ / 歌 - ユキコ(ゆきのさつき)
3、19、25話。3話ではユキコが歌った。
『T』限定版にて原曲が採用。
「La speranza」
作詞・作曲・編曲・歌 - 黒石ひとみ
16、25話。
劇中BGM
「El Dorado V」
エルドラIVへの合体及びエルドラソウルのテーマ曲。『K』でエルドラV(エルドラソウル)専用曲として採用。
「Dann Of THURSDAY」
サテライトベースからダンが呼び出された際に流れる曲。『K』『T』で採用。

登場作と扱われ方

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦K
初参戦作品。目立ったクロスオーバー等は特になく、せいぜい「ダリウス殺しのヴァン」といった通り名がある程度。世界観の再現率は他作品と比べると高い方であるが、あくまで比較しての話。ヴァンやレイなど一部キャラの性格改変やムッターカカイジなどキャラクターの珍妙な扱いが多く、(本作に限った話でもないが)原作ファンからは不満の声が多い。
一方で、ユニットアニメーションは非常に気合が入れられており、能力も申し分ない。特にダン・オブ・サーズデイの追加能力は凄まじいの一言であり、育てておいて損はない。
ちなみに地形適性が隠しユニットのサウダーデ・オブ・サンデイを除いて全て宇宙Bなのが辛い所。原作で宇宙でまともに戦えたのがサウダーデだけだったので仕方ないと言えるが。

VXT三部作

スーパーロボット大戦T
初の声付き参戦。『学園』以来約10年ぶりの参戦となる。PS4版はソニー製プラットフォーム初参戦にもなる。
惑星EIの世界観が火星に組み込まれており(この関係で一部のキャラがA級ジャンパーの資質ありと判定されているクロスオーバーがある)、登場キャラも『K』より増えている。ストーリー面でも最序盤から話が展開し最終盤まで引っ張っていくなど、メイン格として扱われている。
地形適性に関しては、ダン・オブ・サーズデイは宇宙Aに引き上げられたが、それ以外はBのまま。

単独作品

スパロボ学園
何故か公式サイトの紹介年代が1998~1999年になっていた(現在は修正されている)。
スーパーロボット大戦X-Ω
2019年5月のイベント「愛の果てに…」期間限定参戦。『オーバーマン キングゲイナー』や『機動武闘伝Gガンダム』と共演する。
2020年6月には、イベント「神に抗う者たち」にて復刻参戦。今回は同じ谷口監督作品の『スクライド』と共演。

各話リスト

話数 サブタイトル 初登場メカ 備考 再現スパロボ
第1話 タキシードは風に舞う ダン・オブ・サーズデイ OP無し 『T』
第2話 ファニーストリーム
第3話 勇者は再び エルドラV   『K』
第4話 そして、雨は降りゆく
第5話 ツインズ・ガード ヴォルケイン
第6話 ハートに火をつけて
第7話 復讐するは我にあり ゴールデンクレイドル    『T』
第8話 その絆に用がある ドラッヘ   
第9話 カルメン 故郷に帰る   特別版ED 『T』
第10話 海よ サンキュー サンキュー海サイッコー号   
第11話 さよならのありか   特別版ED 『K』
第12話 帰らざる日々… ディアブロ・オブ・マンデイ   『K』『T』
第13話 夢の途中 サウダーデ・オブ・サンデイ   『K』『T』
第14話 スウィフト・ブラウニー ブラウニー
第15話 ネオ・オリジナル メッツァ・オブ・チューズデイ  
第16話 輝くは電流火花     『T』
第17話 座標Xを追え エルドラソウル 特別版ED
第18話 祈るはサウダーデ ドラクル
第19話 素懐の果て シン・オブ・フライデイ
セン・オブ・サタデイ
第20話 ワンダフル・ユニバース
第21話 空に願いを 地には平和を ブラッドクレイドル
ダリア・オブ・ウェンズデイ
第22話 誰がために 特別版ED
第23話 みんなのうた ヴォルケイン改
第24話 夢の終わり 特別版ED
第25話 バカがヨロイでやってくる バースデイ
第26話 タキシードは明日に舞う   『T』

余談

  • 本作では、宇宙空間に出た際「コクピットから発する通信、音声」を除いて全てが無音となっている。これはリアリティの追求の一環であり谷口監督が手がけたアニメ『プラネテス』で得たノウハウが生かされている。以後、超常現象から成るものは除いて宇宙空間での行動は全て無音となる。これは後に発売された『無限のリヴァイアス』のリニューアルBOXでもわざわざ再編集されて処理されている。
  • 本放送時は本来4月から開始する予定だったが、制作の遅れから『勇者王ガオガイガーFINAL GRAND GLORIOUS GATHERING』を本作を放送予定だった枠で放送し、その後『ガオガイガー』の後番組として放送を開始している(予算の都合がつかなかったためである。そのため『ガン×ソード』は高クオリティに反する超低予算で作られている(当時放映されていた『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の三分の一以下)監督が「潤沢な環境で良作ができるのは当然」というスタンスに反逆し、敢えて中小のプロダクションで一から奔走し、貫徹したためであった)。

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