ガンダムファイト

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ガンダムファイト(Gundam Fight)とは、『機動武闘伝Gガンダム』に登場する競技。

概要

コロニーの代表者によって行われるモビルスーツ格闘戦。

元々はコロニー国家間の全面戦争を回避するため、E.C.デューサー教授が提唱した概念。当初世界各国の首脳陣は難色を示したが、シャッフル同盟の間接的な根回しにより、数週間後全会一致で可決。

参加資格はコロニー国家全てが持っており、ガンダムファイトで勝敗を決め優勝したコロニーは、その後4年間地球の支配権を得る画期的なシステム。未来世紀8年に第1回大会が開催され、以後4年毎に開催されている(第12回大会のみ開催を4年延期している)。

結局は代理戦争の一形態なのだが、(現実における)オリンピックやワールドカップのようなスポーツ祭典のような扱いが強く、決勝大会ともなれば会場は連日お祭りのような状態となる。

開始から11ヶ月間地球上で戦い合うサバイバルイレブン、生き残ったガンダムが前回優勝国で行う決勝大会に分かれる。

特にサバイバルイレブンでは、コロニー側の各国家上層部が地球にガンダムを送り込んで所構わず戦場にするため、自然環境は荒れ果て、町並みも軒並み廃墟かスラムかといった有様に成り果てている。

また、勝者となったコロニーの権益があまりにも大きいことから、犯罪者がファイターとして登録されて好き放題したり、ファイターに非人道的な措置を行って強化するなどといった行為も行われており、地球市民の中にはガンダムファイトを嫌う人間も少なくないなど、様々な問題を抱えたシステムである事が第一話の時点から度々語られている。

第13回大会ではネオジャパンが優勝したが、一連のデビルガンダム事件の責任を取って「主導権の破棄」をカラト議長から声明が出された。

最終回のライゾウ・カッシュ博士とカラト委員長の会話及び最後のテロップ、後日談となる漫画作品『機動武闘伝Gガンダム外伝“ザ・ネクスト・ ジェネレーション”』によれば、あれだけの事がありながら次回(第14回大会)も普通に行われている。(もっとも、カッシュ博士は、『ガンダムファイトにはさまざまな問題点があった』『しかし、問題点がわかっていれば、それを正すことも可能なはず』とも言っているので、従来のような問題点を解消した形式になったと思われるが)

なお、漫画作品『機動武闘伝Gガンダム外伝 暗黒のデス・ファイト』によると裏社会で開催される闇のガンダムファイトも存在する。

内容

以下にガンダムファイトの進行について解説する。なおその内容については、基本的に『機動武闘伝Gガンダム』中に登場した第13回大会を元にする。

サバイバルイレブン

1年間に及ぶガンダムファイトの内、予選に当たる部分。ガンダムファイト国際条約に基づき、全地球上をリングとして(第7条)参加する全てのガンダムファイター達が自分のコロニー国家より提供されたモビルファイターを駆って、他国のガンダムファイターと遭遇して双方の同意があった際には「ガンダムファイト!レディー、ゴー!」の掛け声とともに戦闘して11か月戦い抜く。その際にモビルファイターの頭部が破壊されると失格となる(第1条)が、頭部が無事で修理可能でなおかつガンダムファイターにガンダムファイト続行の意思があるのならば参加資格は失われない(第3条)。この期間中は勝ち星の数はほぼ意味をなさず、生き残ることが重要となる。そのため徹底的にファイトを避けて逃げ隠れするというのも戦略の一つとなる(例えば第13回大会ではネオオランダのネーデルガンダムのガンダムファイターは、自機を11か月間風車に偽装し続け、1度もファイトすることなく決勝大会に進出している)。この期間中頭部破壊を免れ、なおかつ決勝大会開始のカウントダウン終了までに主催国に到着することができれば、次の決勝ラウンドに進むことができる。

決勝ラウンド

サバイバルイレブンを生き残ったガンダムファイター達による決勝大会。主催国内で行われ、第13回大会を見る限り、ある程度その内容は主催国に一任されるようである。

決勝リーグ戦
決勝大会進出者同士で行われる、総当たり制のリーグ戦。第7回大会では行われておらず、以降の大会において採用されるようになったのか、第13回大会のみの開催なのかは不明。成績優秀者でリーグ戦終了まで戦闘不能になっていなければ最終決戦に進出可能。なお突破の基準として、ネオフランスのジョルジュ・ド・サンド及びネオロシアのアルゴ・ガルスキーが作中で確認できる限り3敗していながら進出できたことから、基準はそれ以下と推定される。
最終バトルロイヤル
前述のリーグ戦を勝ち抜いたガンダムファイター全員による、特定のフィールド(第13回大会においてはランタオ島)内でのバトルロイヤル戦。バトルロイヤルであるため、例えば強大な敵に対してガンダムファイター同士が一時休戦して共同で戦うなど、1体1の原則(第5条)は無視される。ここで戦って戦って戦い抜き、最後に勝ち残った者に、ガンダムファイト優勝者の証、「ガンダム・ザ・ガンダム」の称号が与えられる。

歴代優勝者

優勝者 搭乗ガンダム 所属国家
第1回 ヘローダ・ディオニソス バルカンガンダム ネオギリシャ
第2回 フィアー・フィラデル ガンダムフリーダム ネオアメリカ
第3回 ダハール・ムハマンド ファラオガンダムIII世 ネオエジプト
第4回 サイ・フェイロン フェイロンガンダム ネオチャイナ
第5回 フェルナンド・ロワール バロンガンダム ネオフランス
第6回 ビットリオ・アルジェント ガンダムトーネード ネオイタリア
第7回 ウォルフ・ハインリッヒ カイザーガンダム ネオドイツ
第8回 スキレイ・ジリノフス コサックガンダム ネオロシア
第9回 ジェントル・チャップマン ブリテンガンダム ネオイングランド
第10回
第11回
第12回 東方不敗マスター・アジア クーロンガンダム ネオホンコン
第13回 ドモン・カッシュ ゴッドガンダム ネオジャパン

登場作品

SRWにおいては「優勝したコロニー国家には4年間全世界の主導権が与えられる」という設定が他作品との兼ね合いを難しくするため、原作どおりの規模・意義を持たせられる事はまれであり、「マイナーな格闘大会」扱いされている作品も多い。また、原作では基本的に地球上ならばどこであってもリング扱いかつファイトによる街や自然環境への被害は罪に問われないという形式上、地球市民の中にはガンダムファイトそのものを嫌悪するものも多いという側面があるが、SRWでは規模がそれほどでない、あるいはあくまで格闘大会扱いである関係上、その点は変更されていると思われる。

旧シリーズ

スーパーロボット大戦Fスーパーロボット大戦F完結編
ドモン・カッシュ兜甲児マサキ・アンドーの会話で、「ガンダムが戦うからガンダムファイト」ではなく「ガンダムファイトに出る機体だからガンダム」と珍問答が繰り広げられる。
ドモンとミケロ・チャリオットの会話で『F』の世界にも存在していることがわかるが、代理戦争の意味合いはなく、格闘技大会のような位置付け。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦IMPACT
「優勝コロニーには地球連邦政府から4年間自治権が与えられる」という、原作ほどではないにしてもかなり重要な意義が持たせられているが、ナレーションにおいて、数々の敵勢力の襲来による騒乱が原因で中止されていることが語られている。隠しシナリオにおいてシャア・アズナブルからは「コロニー間の団結を乱し、コロニーの独立を妨げる悪しき風習」として批判されている。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
イネス・フレサンジュ曰く「お互いにその武勇を競う格闘競技」とのことなので、代理戦争という意味合いは無いと思われる。コロニー出身のキラ・ヤマトディアッカ・エルスマンはもとより、アオイ・ジュンらもその存在を知らなかったため、知名度はあまり高くないらしい。
ディアッカは「…ナチュラルの考えることは、ほんとわかんねぇな」と呆れていた。

VXT三部作

スーパーロボット大戦T
本作ではおおよそ原作通りにガンダムファイトが設定に組み込まれており、年表では一年戦争の30~40年前(第13回ガンダムファイトの40~50年前)に第1回ガンダムファイトが開催されていることになっている。
『Gガンダム』は原作終了後の設定だが、ガンダムファイター達への超法的措置を逆手にとってやりたい放題している者達がいたことを問題視され、連邦議会で無期限中止を検討されている。それが原因で各ファイター達は心に不安が生まれてしまっているようだ。
また、第33話冒頭にて軍用ガンダムのパイロット達とシャッフル同盟による模擬ガンダムファイトが行われる。
ガンダムファイトには真の目的があり、それはただの代理戦争などではなく『人々に勇気を与えるため』であった。強者同士の戦いは見る者の心を奮わせ、闘志を呼び覚ます。真の戦いは火星で行われ、流派東方不敗伝承者達による激闘が繰り広げられた。
そして、EDでは2年後に第14回ガンダムファイトが無事開催されることが決定した。

単独作品

新スーパーロボット大戦
ドモンとヒイロ・ユイのガンダムファイトイベントがある。
スーパーロボット大戦MX
スーパーロボット大戦NEO
国際競技として世界中に知られる人気スポーツであり、オリンピックやワールドカップの様な扱いである。今までと違い世界中の人間が知っているメジャーなスポーツという扱いであり、扱いは今までで一番良いと言える。
スーパーロボット大戦Operation Extend
コネクトと、キシリア派として独立した正統ジオンが主導権を争う為に、なんとガンダムファイトの作法に基づき、双方の代表による決闘がなされた。キング・オブ・ハートことドモン・カッシュは立会人として審判を務める。
スパロボで初めて「代理戦争としてのガンダムファイト」が再現されたため、プレイヤーに衝撃を与えた。
正統ジオン側の代表たちはジオングトールギススサノオガンダムタイプではないが、Gガンダムにおけるガンダムの定義に当てはめればガンダムファイトに参加した時点でこの3機もガンダムである(トールギスはウイングガンダムゼロの前身となった機体で、スサノオも広義ではガンダムタイプに分類される機体ではある)。

関連用語

ガンダムファイター
各国家を代表する選手・武道家でありガンダムのパイロット。
ガンダムファイト国際条約
ガンダムファイトに関するルール。
モビルファイター
ガンダムファイター達の乗るガンダムの総称。各国が誇りと威信をかけるだけの事はあり、国の総力を挙げて開発・バックアップされる高性能機である。また、機体のデザインが非常に国際色豊か(悪く言えば色もの揃い)なのも特徴。
モビルトレースシステム
モビルファイターの操縦形態。モビルスーツとは異なり、パイロットがファイティングスーツと呼ばれる特殊スーツを着て動くことで、パイロットの動きをそのまま機体がトレースして動く。ファイティングスーツは全裸の上に着用すると一番伝導率が高い。ちなみに手持ち武器はガスで再現される。この機体操縦法の関係からMFの性能を最大に引き出すのは訓練を受けた軍人よりも、自身の肉体を鍛え上げた格闘家・武道家が望ましいとされる。作風からガンダムシリーズの中で特殊な立ち位置にある『Gガンダム』だが、この点においてロボットが人型という理由付けにきちんと説得力を持たせている。
ガンダム・ザ・ガンダム
ガンダムファイト優勝者個人に贈られる称号。意味は「ガンダムの中のガンダム」「真のガンダム」といった意味がある。
リジェスファイト
コンパチヒーローシリーズのダンジョンRPG『ロストヒーローズ』においてシナリオ中盤で行われるガンダムファイトをモチーフとしたイベント。
光の国(ウルトラマンシリーズの舞台の一つ)を内包した異世界であるウルトラ・キューブの所有権を巡って争われる格闘大会でヒーローチームも参加する事になる。
主催は本作の敵組織であるリジェスの幹部であるマスターガンダム。ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムそれぞれから猛者が参加している他、ウルトラマンの世界が舞台だというのにクエスト名や台詞もほぼ全て『Gガンダム』のパロディになっている。

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