- 1982年2月6日 ~ 1983年1月29日(名古屋テレビ・テレビ朝日系) 全50話
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦α外伝(2001年)
概要
近代的なドーム都市に住む支配階級と、汚染された荒野に住まう労働階級に人類が二分された荒廃した未来を舞台に、人類の再生、支配階級の打倒による革命といった壮大なテーマを扱った……と書くと、シリアスなSF作品に思えるが、そのシリアスなテーマをギャグとコメディタッチで描いた異色作。英語表記は「Blue Gale Xabungle」。
所謂「白富野作品」であり、『∀ガンダム』や『オーバーマン キングゲイナー』の元になったと思われる部分も見受けられる。
また、「後半でいただきじゃ」「そう簡単に死ぬかよ、アニメでさぁ!」「ハッハッハ、アニメだからね!」などと、メタフィクション的な台詞を多く盛り込んでおり、作品の軽くて痛快なノリに拍車をかけている。
スパロボにおいてもそのノリは健在で、戦闘アニメや会話などにて如何なく発揮されているどころか、他作品とのクロスオーバーを交える事で、むしろ拍車がかかった節も見受けられる。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
アイアン・ギアー
- ジロン・アモス
- 主人公。ロボットアニメでは異色の美形でも整った顔立ちでも無い主人公。
- エルチ・カーゴ
- 本作のヒロイン。交易商人キャリング・カーゴの娘で文化を愛するが、性格は男勝りで女王様気質。
- ラグ・ウラロ
- もう一人のヒロイン。盗賊団サンドラットのリーダー。
- コトセット・メムマ
- アイアン・ギアーのメカニック。
- ブルメ
- サンドラットの一員。性格的に皮肉屋ポジション。
- ダイク
- サンドラットの一員。いわゆる巨漢キャラでサブキャラ的な活躍が多い。
- チル
- サンドラットの一員。味方側の最年少でマスコット的ポジション。
- ファットマン・ビッグ
- アイアン・ギアーの搭乗員。寡黙な筋肉男で過去の恩からエルチに忠誠を誓うが、彼女には蹴飛ばされる事も多い。
ソルト
ブレーカー
- ティンプ・シャローン
- 一匹狼のブレーカーでジロンの両親の仇。
- ビックマン
- 大物ブレーカー。
- カラス・カラス
- グレタ・カラス
- キッド・ホーラ
- ティンプと並ぶジロンのライバル的存在。が、間抜けな場面が多くいまいち冴えない。
- ゲラバ・ゲラバ
- ホーラの弟分。
- キャローン・キャル
- ビリンの姉。
- ギロ・ブル
イノセント
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
ウォーカーマシン
主人公機
- ウォーカー・ギャリア(通常形態、フル装備形態)
その他
- ガバメント
- 登場済バリエーションは灰色(ティンプ用)、茶色
- ブラッカリィ
- ガラバゴス
- 登場済バリエーションはカーキ、緑
- トラッド11
- 登場済バリエーションは黄、緑
- ギャロップ
- 登場済バリエーションはカーキ、黄、緑
- プロメウス
- 登場済バリエーションは青、赤
- カプリコ
- 登場済バリエーションは黄(トロン用)、青、赤
- ダッガー
- 登場済バリエーションは赤、黄、緑、青
- ブラン
- ドラン
ランドシップ
- アイアン・ギアー
- LS形態、WM形態共に登場する。
主題歌とBGM
登場作と扱われ方
ウォーカーマシンはあまりに貧弱過ぎて出演が難しいのではという声もあったが、α外伝において他作品の機体と比して遜色ない能力を与えられ、無事に登場を果たした。(とはいえ、「α外伝」作中においてもモビルスーツ等に比べると戦力としてはレベルが落ちる事が登場人物の台詞等から示唆されている。)問題のありそうな部分は「アニメだから」で全て片付けることが出来る豪放さが幸いした模様。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 本作の物語の中心である未来世界を構成する三作品の一つであり、本作で中心的な存在となっている。また、本作オリジナルのシステムとして、ザブングル世界で通貨的な役割を果たすブルーストーンを用いた「BS取引」が存在する。
- スーパーロボット大戦Z
- 本作ではグラフィティを基準とした原作終了後の話として展開。α外伝以来のバザー復活。作品の雰囲気上、『オーバーマン キングゲイナー』との絡みが多い他、主人公の1人ランド・トラビスは、原作でのイノセントとの抗争時にジロン達の協力者だったという設定である。
- 第2次スーパーロボット大戦Z(破界篇/再世篇)
- 携帯機初参戦。ユニットとして参戦するのはウォーカーギャリアとザブングルのみ。
- バトルロボット烈伝
- 『シャッフルファイト』に続くゲーム出演作。ゲームの性質上、出演出来たのはウォーカーマシンだけで数も少ないが、SRWでは未登場のクラブ・タイプが最弱クラスの雑魚として最序盤から出演している。
ユニットとしては全体的に実弾兵器を豊富に所有し、ビームに耐性を持つが実弾攻撃には弱いヘビーメタルに対するカウンター的存在となっている。
当時のウィンキーソフト側のプロデューサーだったじっぱひとからげ氏がザブングル好きで、当時のスパロボにはまだ参戦出来ていなかった事もあってこの作品への参戦が決まった、と当時発行されていたファミリーコンピュータマガジン上のスタッフインタビューにて語られている。
用語
- イノセント
- 惑星ゾラの各地に点在するポイントと呼ばれるドームの中で暮らす人々。シビリアンには製造することが出来ない物資を支給してくれることから、援助をしてくれる絶対的な存在として認知されている。シビリアンには理解できない優れた科学力を持ち、その決定は絶対的なものと考えられていた。その実態は、天変地異により月面へ避難していた人々の子孫。地球が安定してきたことで再び地球に戻ってきたが、管理された人工空間で数世代もの間生活してきたために外的要因への耐性が極端に低下しており、対処をせずに地球の外気に触れると短時間で死亡する。そのため、ポイントと呼ばれる透明な半球状のドームの無菌状態にした空間でしか生きられない。人類を再び地球に根付かせるために「人類再生計画」を実施しており、その実験で現在はシビリアンに、経済教育としてブルーストーン本位の経済を行わせている。また、シビリアンの社会に騒乱を引き起こすことによる社会性の進歩を観察している。
- ウォーカーマシン
- 惑星ゾラにおいて使用されている歩行メカ。WMと略される。大小様々なタイプがあり、殆どは二足歩行。中には六本脚のウォーカー・タンカーなども存在するが、一般的なWMのカテゴリーに含まれるか否かは不明。当初はブルーストーン採掘でも使用する汎用作業機械という位置づけだった。そのため、本作について語られる場合「ウォーカーマシンは自動車や作業機械みたいなものなのになぜか番組タイトルは『戦闘メカ』」という点が、悪意のあるなしにかかわらず笑いのネタに使用される事もあるのだが、ザブングルやウォーカー・ギャリアは明らかに戦闘用に作られており、従ってウォーカーマシン全般ならともかく、ザブングルのみを指しているなら「戦闘メカ」というタイトルは正しい。また、物語が進むにつれて他にも戦闘用に特化したタイプが登場する。全てガソリンを燃料としているのが特徴。
- サンドラット
- ラグをリーダーとする盗賊団。
- シビリアン
- ゾラの大地で暮らす人々。生命科学を駆使した人工人類で、「人類再生計画」により、2度の失敗の後に作られた。生命体としてはほぼ完成されたと判断されており、現在は社会性の形成などに実験段階は進んでいる。しかしそのことは当のシビリアン達には知らされておらず、現在の状況に何の疑問も持たず生活していた。
- ソルト
- シビリアンによる反イノセント組織。当初はカタカム・ズシム(SRW未登場)がリーダーでジロン達アイアン・ギアーの面々はなし崩しにこの組織に加わる事になる。カタカムの失脚後はジロンが組織の中心となり、元々素人レベルであった戦力も次第にイノセントに対抗できるようになった。劇場版では登場せず、α外伝でも反イノセント運動はあるものの、ゲーム中では登場していない。
- ブレーカー
- 壊し屋。ウォーカーマシンなどを用いた戦闘から、強盗や殺人、用心棒など暴力行為を行う職種。交易商人に雇われている者が多い。
- ブルーストーン
- 青い希少鉱石。BSと略される。イノセントはシビリアンに対しブルーストーンを上納させることで様々な生活物資を物々交換で与えている。それによりイノセントは経済社会を形成させ、経済教育を行っている。
- ランドシップ
- 惑星ゾラにおいて使用されている陸海両用浮上式航行艦。基本的には大型のホバークラフトで、大きさ・形状とも様々なクラスが存在する。ほとんどが武装しており、中でも巨大WMに変形できるアイアン・ギアー級は絶大な戦闘力を誇る。
- ロックマン
- ブルーストーンという希少鉱石を採掘する人々、鉱夫。時々巡回してくる交易商人のバザーでブルーストーンを貨幣や金、コンピュータコアなどシビリアンでは造れない製品と交換し、バザーでにわかに出来た街で日用品を買い、次のバザーまでまたブルーストーンを採掘するという生活をしている。ジロンの父親もこの職業であった。
- 惑星ゾラ
- 「ヒトに良く似た人類が住むどこかの惑星」と思わせる描写が成されていたが、物語の後半に天変地異により荒廃した地球そのものであることが暗示される。
余談
マクロスシリーズにも惑星ゾラが登場する(こちらは明確に地球とは異なる惑星であり、そこに住む人もゾラ人という人間とは別の種類である)が、この設定が生かされたクロスオーバーは今のところ存在しない。
主要スタッフ
- 制作
- 日本サンライズ(第2スタジオ)
- 監督
- 富野由悠季
- キャラクターデザイン
- 湖川友謙
- メカニックデザイン
- 大河原邦男
- 出渕裕
- 音楽
- 馬飼野康二
商品情報
DVD
書籍