宇宙世紀(Universal Century)
『機動戦士ガンダム』の世界で使用される年号。略号はU.C.。西暦から続く世界観なのだが、西暦何年から宇宙世紀になったのかが明かされていないため、具体的にいつなのかは不明である。
小説及びOVA『機動戦士ガンダムUC』において西暦から宇宙世紀にかわる瞬間が濃密に描写されたが、肝心の劇中が西暦何年であるかはやはり明らかにされなかった。通説では、コロニー第一号に移民を開始した西暦2045年より未来の時間の出来事だというが(漫画版『91』や『Gセイバー』では同年を宇宙世紀元年として換算していた)、これにも諸説ある他、最近では長年続く現実との世界観設定の辻褄合わせを苦慮してか、あえて明確な設定を設けず曖昧な扱いにしているとも言える。
作中で宇宙世紀という年号が使われ、年表の中の一つとして認知されているガンダムシリーズを宇宙世紀シリーズ又は宇宙世紀ものなどと呼称する。具体的にはファースト、第08MS小隊、0080、0083、Z、センチネル、ZZ、逆襲のシャア、UC、ガンダムF90、ガンダムF91、クロスボーン、Vガンダム等(未参戦作品では『Gセイバー』等)。これらの作品を総称し、GガンダムやガンダムW等毛色の違う作品と区別する意味で「宇宙世紀もの」と呼ぶことも多い。特徴は世界設定及び科学設定にある。
スパロボにおいては、スーパーロボット物が日本の基地と敵本拠地周辺及び出撃先で完結している事が多いためか、地球圏規模での世界背景や政治システムについては宇宙世紀のシリーズに準拠する事が多い(但し年号は「新西暦」など)。
もちろん、そんな世界背景の中でもスーパーロボットの研究機関は独立して存在し、日本は驚異的な密度で研究機関が乱立している割には地球連邦政府から目をつけられていないのだが。ちゃんと狙ってくるだけ敵の方が見る目があるようだ。連邦政府の無能を表しているのだろうか。
特徴及び設定
西暦1999年に成立した地球連邦政府は、地球の環境維持と人類存続のための一大プロジェクトとして宇宙移民政策を実行に移す。人類の宇宙進出と共に始まった宇宙世紀。人類は地球と月との重力の均等なポイント、ラグランジュポイントにスペースコロニーを作り、そこへ移民していった。しかし、時は過ぎ、コロニーに生きる者と地球連邦政府との軋轢は高まり、ついには様々な形で噴出するのであった。
……というのが大まかな世界観となっており、主に地球連邦政府とそれに対抗するコロニー勢力が争う……というのを繰り返す歴史として成り立っているが、シリーズ自体が長年続く中で現実とのすり合わせを繰り返し、数々の解釈と設定が追加されていった結果、現在では把握するのも大変なほど膨大な設定が存在するまでに至っており、作品制作におけるある種の制約にすらなっている面もあると言える。
またこれらの設定は自然とガンダムシリーズを形作る定型となり、後の非宇宙世紀作品においても必然的に取り入れられている場合が多い。
ただしロボットアニメの常か、軍事や戦争以外、特に一般人の環境や日常に近い部分の設定はあまり重視されずに厳密な設定化は免れている。
関連する用語
- 地球連邦政府
- 地球圏を中心とする巨大な連邦国家。スペースノイドに対して圧政を敷いており、それが宇宙世紀世界におけるスペースノイドの反乱の一因となっている。
- 地球連邦軍
- 地球連邦政府が保有する軍隊。腐敗が進んでいる組織で、スペースノイドの反乱に対しては後手に回ることが多い。
- スペースコロニー
- 宇宙植民地。気密にした巨大シリンダーの内部をテラフォーミングよろしく造成して大地とする人工天体。スパロボ的には宇宙からの侵略者や地球の圧制に苦しめられるスペースノイドの居住地。
- アースノイド
- 地球に住む人々で、地球連邦政府のスペースノイドに対する圧政の恩恵を受ける人々。地底勢力等の多いスパロボではスペースノイド並に不幸である事も多い。
- スペースノイド
- 宇宙植民者の内、主にスペースコロニーに住む人々。地球連邦政府の圧政の影響で、宇宙の武闘派や革命勢力に対して概ね協力的。
- ミノフスキー粒子
- 光子と対になる粒子。通常では存在せず人為的に散布しないとその効果は現れない。一度散布されると消滅までの約一ヶ月間、その効果を発揮しつづける。
ミノフスキー粒子(以下M粒子)はプラスかマイナスの電荷をもっており、互いの斥力により立体格子状のフィールドを形成する。
これにより「空間そのものが電荷をもっている」状態になる。そのため電波や電子機器、通信機器やミサイルなどの自動追尾装置や照準装置の性能が著しく落ち、ときに使用不能に陥る。
このM粒子によって、安全な小型核融合炉や重力に逆らうミノフスキークラフト、メガ粒子砲や各種ビーム兵装、Iフィールド等が生み出されている。 - モビルスーツ
- 通称「MS」。小型核融合炉を搭載することで、それまでに無い装甲と運動性とを兼ね備えた人型の機動兵器。ミノフスキー粒子の影響下では、この形が一番都合が良いらしい。
- モビルアーマー
- 汎用性と運用性を求めたモビルスーツと違い、機能を特化させるために大型化させ人の形をさせていないものを指す。
……のだが、いろんなメカが登場する間に「でかくてモビルスーツっぽくないのがモビルアーマー」ということになったようである。
宇宙世紀を舞台とした作品
余談
- J以降、コンシューマ機の完全新作に宇宙世紀作品はΖガンダムと逆襲のシャアを除き長期にわたり参戦が途絶えていた。『機動戦士ガンダムUC』の初参戦までこの状態が続くのではないかという説もあったが、OEで約8年ぶりに復帰を遂げた為、この説は否定されることとなった。
- ただし、任天堂ハードには上記二作品も含めてGCを最後に一切参戦できない状態が続いている。