『スーパーロボット大戦シリーズ』の戦闘シーンにおいて用いられる演出表現のひとつ。端的に言えば「原作には無い台詞」を発しながら行なう戦闘描写の事を指す。
概要
原作において武器名を叫ぶ事が少ないガンダムシリーズのMSパイロットや、ファイナルダイナミックスペシャルのようなゲームオリジナルの必殺技を叫ぶダイナミックプロ各作品の主人公達などが、代表的な一例である。また、援護攻撃や援護防御といった特殊な状況下で発生するキャラクター同士の掛け合いも、これに該当する。美麗なグラフィックと共に戦闘アニメを楽しむ重要な要素であり、特に声優諸氏による音声収録作品では、新規収録があるかをチェックする手段であり、より「特別さ」を実感出来る演出法となっている。
特殊戦闘台詞には大別して、以下のパターンが存在する。
原作には無かった武器名・技名のシャウト
最も多く見られるケースで、ガンダムシリーズ以外のリアルロボット系作品でも頻繁に採用されている。また、乗り換えによる別機体での戦闘時に発する台詞や、『機動戦艦ナデシコ』のミスマル・ユリカのようにそもそも原作でロボットを操縦した事が無いキャラが発する雄叫びなども、このカテゴリに属する。旧シリーズ時代に施された意図的な設定変更が戦闘台詞にも反映され、後々まで踏襲されている『ゲッターロボ』のジャック・キングや、『V』にてオリジナル設定を大幅に付与され参戦を果たした剣鉄也 (真マジンガー)のように、「全てが特殊戦闘台詞」と言っても過言では無いほど破格の扱いを受けるケースも見受けられる。
同一シリーズや同じ原作者・製作会社繋がり
上述の武器名同様に多く見られる法則で、ガンダムシリーズやマクロスシリーズといった同一タイトルを冠するシリーズものや、マジンガーシリーズ&ゲッターロボシリーズのように原作者が同じ作品など、関連性が濃厚な者同士で発生する演出。
声優ネタ
原作者も製作会社も異なるが、所謂「中の人」繋がりで発生する一種のお遊び的演出。
アムロ・レイの援護に廻る鋼鉄ジーグや、グラハム・エーカーにあしらわれる早乙女アルトなどが代表例。
また、「中の人がファンだから」という極めて私的な理由で、ヒイロ・ユイの援護に張り切るルリア・カイツという稀有な例も存在する。
原作自体が別作品をリスペクトしている場合
『勇者ライディーン』に対する『ラーゼフォン』、『ゲッターロボ』に対する『天元突破グレンラガン』など、オマージュ元の作品に対するリスペクト側のアプローチを掛け合いで再現するケース。
ラスボスとの最終決戦
αシリーズのケイサル・エフェスやZシリーズのジ・エーデル・ベルナルのように、各版権作品の主人公を個別に挑発するものや、逆にオリジナルの敵キャラを名指しで糾弾する版権キャラの台詞を指す。特に『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』とVXT三部作のラスボスは全てのパイロットに対して個別の専用台詞が用意されている。
『第2次Z』では早乙女博士やズール皇帝といった版権作品の首領キャラにも、VXT三部作では中ボスクラスのネームドにも用いられた。
一般化
Zシリーズ以降は音声が新規収録されたほとんどのキャラに、機体群ないしパイロット群ごとに専用台詞が用意されている。ほぼ毎回登場するモビルスーツや人工知能に対する台詞、逆に敵キャラからガンダムタイプへの台詞が代表例。VXT三部作以降は直接名前を口にしないスーパー系の敵、高機動系などに対する台詞も追加された。
一方でこうした台詞のバリエーションが増えた半面、一体のユニットが複数のカテゴリーに認識されてしまう影響でなかなかお目当ての台詞を聞けないなどプレイヤーを悩ませる場面も。