紅蓮装曹操ガンダム
紅蓮装曹操ガンダム(GurensouSousouGundam)
- 登場作品:SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors
- 声優:乃村健次
- 種族:三璃紗人
- 性別:男
- 二つ名:紅蓮の覇将軍
- 所属:曹操軍→機駕
- 演者:ガンダムダブルエックス
曹操軍の総大将。
三候の一人であり、雀瞬の魂を継ぐ者。
『三国伝』の物語の主人公である劉備のライバルであると共に、劉備や孫権と同様に、彼も物語の実質的な主人公の一人である。
董卓軍との戦いの後、鎧を新調し、曹操ガンダムから紅蓮装曹操ガンダムになった。
「乱世の奸雄」や「紅蓮の覇将軍」の異名を持ち、優れた武将であると共に、軍事だけでなく政治や芸術など多彩な分野において天才的な能力を持つ。実力主義者であるが高潔な魂と大器を持つ人物であり、絶対的な統率力とカリスマ性で敵味方問わず多くの武将を惹きつける。配下の武将たちからは「大殿」「お館様」とも呼ばれる。
董卓打倒後、三璃紗統一こそが平和に繋がることを信じ、呂布や袁紹などの群雄を打ち破り勢力を拡大させていき、遂に三璃紗の未来を巡って劉備・孫権と赤壁にて激突。互いに天玉鎧を降臨させての死闘の末、最後は二人に敗北、自身を打ち破った劉備や孫権たちを讃えながら、流星となって散り、生死不明となった。
赤壁の戦いの後、曹操軍の手で許昌に機駕が建国された。
漫画版
旧シリーズの『BB戦士三国伝』においては、人物描写や性格が微妙に異なっている。BBW創世記での「うるさいよお前」という現在の曹操らしからぬ発言は、ファンからも公式からもネタにされるほど親しまれている。英雄激突編では理想の実現のためには手段を選ばぬ苛烈な一面がピックアップされ、自分達の主君を謀殺し曹操軍に寝返った武将が失態を演じると、同じく裏切った上司の片腕を問答無用で叩き落とし「次はしくじるな」という旨の厳命を下している。戦神決闘編では、機武帝曹操ガンダムに覚醒。闇の勢力との戦いに備えて密かに孔明と接触し、正体を隠して機駕の動向や闇の力について単独で調査しつつ、馬超が「天の刃」として成長するよう導いていた。コミックワールド版とケロケロエース版では結末が異なり、コミックワールド版では戦い終えた後、機駕に戻って息子の曹丕を正式に皇帝とした。ケロケロエース版では劉備、孫権、呂布と共に司馬懿を倒した後、鳳凰となり、天に昇っていったようにも描かれ、エピローグにも姿を見せなかった。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦UX
- 初参戦作品。プロローグにて赤壁の戦いのクライマックスにおける劉備・孫権との激突が描かれ、その後、彼ら同様に「UX」の舞台の地球へと転移する。プロローグ後の登場は劉備や孫権よりも少し遅れての第14話(アメリカルート)で、第15話にてUXの危機を颯爽と救い、元の世界に戻る方法を探すと共に、この世界の真実を見極めるためにUXに加わる。三璃紗にて赤壁の戦いで激突した劉備や孫権たちとも一時休戦し、共闘する。「UX」の世界でもその覇王ぶりは健在で、物語の要所要所で様々な活躍を見せる。特に、ホウジョウの王たるサコミズとの掛け合いは白眉ともいえる描写で、必見といえるシーンとなっている。
- なお、今回はある場面でとあるガンダム作品の名脇役キャラにちなんだ声優ネタと思わしき発言をする(後述)。
- 因みにウイングバインダーが背にあるが飛べない事に注意。
装備・機能
武装・攻撃手段
- 炎骨刃(えんこつじん)
- 手に持っている片刃剣。峰の部分に無数の棘があり、炎を吹き出す。
- 七星剣(しちせいけん)
- 輝く星のような七つの宝玉が埋め込まれた美しい剣。『BBW』のみ、董卓の暗殺を図った際に使用した。
- 星鳳剣(せいこうけん)
- 三候・雀瞬の宝剣。焼け落ちた洛陽の都から発掘された。実は威天剣という対となるもう一振りの剣が存在しており、2つ揃って初めて真の力を発揮する。
- 『BBW』では、七星剣が覚醒した姿になっている。
- 元ネタは演義で曹操が使っていた「青釭の剣」だが、実は演義では趙雲に奪われている。
- 大紅蓮斬(だいぐれんざん)
- 当初からの必殺奥義。炎骨刃から噴き出した焔で斬りつける。コミックワールド版では焔を纏った炎骨刃で回りを薙ぎ払いながら突撃するというド派手なものだった。
- 大獄焔斬(だいごくえんざん)
- 大紅蓮斬の強化型。星鳳剣の刀身を発火させ、炎の奔流で焼き尽くす。
- 天鳳華焔斬
- 天玉鎧・炎鳳を身に纏い、鳳凰を模した炎の如く敵を切り裂く。
- 炎鳳獄焔燐
- 天玉鎧・炎鳳を身に纏い、その身を豪炎と化して突撃する。
特殊能力
パイロットステータス設定の傾向
能力値
- 紅蓮の覇将軍の名は伊達では無く、劉備・孫権よりも全体的に能力が高い。さすがはBBW本編ラスボスと言う事か。
精神コマンド
- 集中、直感、直撃、理想、魂
- 曹操らしく精神コマンドに「理想」が存在する(専用ではない)。
- 劉備に似通ったコマンドではある物の、彼と違い「覚醒」が無いため、1ターン中の最大火力と言う点では彼に軍配が上がるか。
特殊技能(特殊スキル)
人間関係
- 司馬懿サザビー
- 曹操軍の筆頭軍師。七星剣は彼から受け取る。漫画版では、どんな野心家であろうと有能ならば取り立てる曹操の大器を利用され、曹操軍、ひいては機駕を彼の『使命』に利用されることになってしまう。
- 夏侯惇ギロス
- 古参の将であり、副将。曹操の右腕的存在で、最も信頼する武将の一人である。呂布との戦いで左目を失い、以降は眼帯をつけるようになる。
- 夏侯淵ダラス
- 夏侯惇の弟。兄同様に曹操軍の古参の副将で、曹操の左腕的存在。
- 余談だが、三国伝では兄弟だが、史実では従兄弟の関係になっている。曹操も夏侯惇とは従兄弟の関係でもある。
- 典韋アッシマー
- 配下。曹操を救う為に自ら犠牲となった。彼の死は劉備と曹操の決別の一因となっている。
- 張遼ゲルググ、徐晃サーペント、張郃ザクIII
- いずれも元は敵の武将だったが、後に曹操軍に加わる。張遼は呂布隊、徐晃は董卓軍、張郃は袁紹軍に属していた。
- 程昱ワイズワラビー、郭嘉ヴァサーゴ、賈詡アシュタロン、荀彧ガンダム
- 軍師。荀彧のみ外伝に登場。また賈詡はBBW版では曹操軍に参入していない。
- 許褚ガンダム 、楽進ガンダム、于禁ガンダム
- 配下。いずれも外伝に登場。
- 曹丕ガンダム
- 実子。赤壁の戦いで消息を絶った父の代わりに機賀の皇帝となる。
- 玉麗ガンダム
- 妻(正室)。曹丕の実母でもある。
- 劉備ガンダム
- 宿命のライバルにして同じ三侯の魂を継ぐ者。共に三璃紗の平和を目指しながらも、その為の手段などの是非を巡り対立する。彼の大器を早くから見抜いており、袁術軍の侵攻で徐州を失った劉備軍を一時的に保護し、その際に彼らを配下に加えようとするなど、同志として迎えることを強く望んでいた。
- 孫権ガンダム
- 同じ三侯の魂を継ぐ者。赤壁の戦いでは劉備同様に対立する。
- 関羽ガンダム
- 袁紹軍との戦いの際に、一時的に曹操軍に加わる。
- 呂布トールギス
- アニメ版での宿敵。幾多の戦いの末、官渡の戦いにて討ち果たす。
- 袁紹バウ
- 幼馴染であり、ライバル。官渡の戦いにて雌雄を決する。
- 鮑信ベルティゴ
- 雒陽北部公安隊時代の親友でありライバル。十常侍の陰謀により処刑される。
- 孔明リ・ガズィ
- 漫画版では赤壁の戦いの後、密かに彼に接触し、協力して闇の勢力との戦いに備える。
- 馬超ブルーディスティニー
- 漫画版では赤壁の戦いの後、彼を影から見守り、「天の刃」として成長するよう導く。
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
- 刹那・F・セイエイ、シン・アスカ、キラ・ヤマト
- UXにてスパロボでは初めての共演となったリアルガンダムシリーズの主人公達。彼らからの曹操に対しての特殊援護台詞も存在する。またこの3人はZシリーズでモチーフとそのパイロットと共演もしている。
余談だが、刹那を演じる宮野真守氏は曹操を主人公とする三国志漫画『蒼天航路』のアニメ版にて曹操を演じている。また、曹操ガンダムは2013年よりスタートした三国伝の新章にてシンの愛機であるデスティニーガンダムをモチーフとした鎧を装着している。 - グラハム・エーカー
- UXでは彼から「武人の鑑」と評され、敬意を表されている。
富野作品
- エイサップ・鈴木
- UXではスクラッグとの戦いやホウジョウ軍との戦いをはじめ、共に戦う場面が多い。また、彼は曹操をサコミズと似た人物であると感じている。
- ショウ・ザマ
- UXではスクラッグとの戦いやホウジョウ軍との戦いをはじめ、エイサップ同様に彼とも共に戦う場面も多い。
- リュクス・サコミズ
- UXではエイサップ同様に、彼女も曹操をサコミズと似た人物であると感じている。
- シンジロウ・サコミズ
- UXでは同じ「王」として、互いの実力を認め合うと共に、曹操は過去の妄執に囚われ、奸計を用いるまでに堕ちた彼の理想を否定。ライバルのような関係となる。
- アマルガン・ルドル、エレボス
- UX中盤のバイストン・ウェルルートにて、サコミズ達の奸計によりホウジョウ軍に囚われた彼らを救出する。
- コットウ・ヒン、コドール・サコミズ
- UX中盤のバイストン・ウェルルートにて曹操が単身サコミズに差し迫り、生身で彼自身やオウカオーとも互角に激突する実力を見せつけた事で、彼らからも特に恐れられるようになる。
- ショット・ウェポン
- UXでは中盤のバイストン・ウェルルートにてサコミズとの会談に赴いた際、司馬懿と同様に、曹操も彼が野心を秘めている事を見抜く。
マクロスシリーズ
- 早乙女アルト
- UXでは彼(と孫権)と共にアルカトラズ刑務所に潜入し、シェリルを救出する。さらに孫権ルートの場合には共闘して呂布を撃退する。
- シェリル・ノーム
- UXではアルカトラズ刑務所に収監された彼女をアルトや孫権たちと共に救出。その直後の呂布との戦いにて、彼女とランカの歌う「ライオン」をバックに、天玉鎧を降臨させる。
リアル系
- 真壁一騎、皆城総士、遠見真矢、近藤剣司、要咲良、小楯衛
- UXでは甲洋がフェストゥムに同化された事で悲しみと動揺を抑えらず、口論にもなってしまった彼らに叱咤しつつも、鼓舞しようとする。
- 石神邦生
- UXでは第3部にて尚も真意や答えをはぐらかし続ける彼に対して静かに怒気を放って問い質す。その際、彼は曹操の怒気に戦々恐々としていた。
スーパー系
- マシュー・デントン
- UX中盤の宴会の席にて、彼の言葉に気を良くして、三国志ファンの間でも有名な、別世界の曹操のあの名(迷)台詞を…(後述)
- エンネア
- UXの中盤のバイストン・ウェルルートにて、戦う事の理由を問い訊ねる彼女に対し、曹操なりの答えを示す。
- ティベリウス
- UX序盤のアメリカルートにて、クトゥグアの力を用いてUXを窮地に追い込んだ彼に対し、大紅蓮斬の一閃でクトゥグアのプラズマ火球を吹き飛ばし、形勢逆転の機を作る。以来、そのことで彼から恨みを抱かれるが、曹操も彼に対して「人の生死を弄ぶ外道」と吐き捨て、激しい怒りを見せる。
- ナイア
- UX序盤のアメリカルートにて、アーカムシティでUXの戦いを影から見守っていたところ、突如として現れた彼女に自身と司馬懿の素性を見抜かれると共に、G記の黙示録の一文など、意味深な言葉を投げかけられる。
名台詞
- 「うるさいよオマエ」
- 本編の前日譚『BBW創世記』にて描かれた、若き日の曹操の口癖。この頃の曹操は(史実の曹操がそうであったように)まだ荒々しさが残り、やんちゃで砕けた一面も持つ、様々な意味で「若い」侠だった。
- UXでは曹操本人の口からこの台詞が出る事は無いが、石神がこの台詞について触れているシーンがある。
- 「散っていった者たちに報いる方法はただひとつ…勝つことだけだ!」
- 一度は帰順したはずの張繍の裏切りにあって窮地に陥るも、部下の典韋が自らの命を賭して曹操の命を救って戦死した後、決意を新たにして。しかし、この苛烈とも言える決意と信念は、アニメ版では曹操と劉備の決別のきっかけとなってしまう…。
- UXでは甲洋がフェストゥムに同化されてしまったことで悲しみと憤りを抑えられない一騎たちをこの台詞で鼓舞する。
- 「三璃紗の民はすべて余の民。その礼にはおよばぬ」
- ケロケロエース版『英雄激突編』より。袁紹との決着をつけた後、公孫瓚を救えなかったことを悔いる曹操に対して、幽州の民を救ってもらったことへの礼を言う関羽に対して。苛烈とも言える信念を以って覇道を歩む曹操も、その本質は民の平和を真剣に願う侠に変わりはなかった。
- 「玉璽とは天の意思そのもの」
「いずれ向こうからくる」 - 上記の場面の後、再びいずこへと飛び去っていく玉璽を追うことなく、天を指さしながら。関羽はその大器ぶりに感嘆するばかりだった。どことなく、別の三国志漫画『蒼天航路』の曹操を髣髴させる場面でもある。
- 「…そうだ! 三璃紗の明日はこの曹操が!」
「為すべきは正義! 成るべきは天!!」 - 三璃紗の明日を築くために、民の憎しみや恨みをも一身に背負い、修羅たらんとする決意を固め、南方への進軍を開始する。
- 「全軍突撃ィッ!」
- UXでも度々叫ぶ台詞。熱い。
- 「劉備よ、貴様こそなぜ余に従わぬ!? 貴様ほどの侠であれば何を為すべきか理解できよう!」
「民を連れて逃げ回ることが正義か!?」
「貴様のやり方で天が掴めたか! 民は満たされたかッ!」
「誰かがやらねばならぬのだ! たとえどれほどの犠牲が出ようと誰かが…!」 - 赤壁の戦いにて、劉備に対して。その強固な信念と力で、一度は劉備を長江に沈めるも…
- 「この世を司る森羅万象、すべて表裏一体。貴様の正義は所詮その片側だけのもの…だが! 天は全てを知っている!!」
- 赤壁の戦いにて、この台詞と共に天玉鎧を降臨させる。
- 「認めよう…その力! 認めよう、その信念ッ! だがッ! 余とて退くわけにはゆかぬッ!」
- 赤壁の戦いのクライマックスにて、劉備と孫権に対して。三侯全員が天玉鎧を降臨させての戦いの果てに…
- 「賈詡よ、余の顔を見忘れたか」
- ケロケロエース版『戦神決闘編』より。賈詡の用いる暗黒玉璽の力で操られた徐晃たち機駕の将に追いつめられた馬超たち翔の五誇将を救出し、死んだと思われていた曹操の登場に驚愕する賈詡に対して。台詞の元ネタは言うまでもなく国民的時代劇ドラマ『暴れん坊将軍』の徳川吉宗の名台詞。
- 「目を覚ませ!!」
「いつまで寝ぼけておる。とっとと目を覚まし余のために働けぃ」
「フ、笑止。 侠の絆で繋がった心が貴様ごときに消せるものか!」 - 更に、暗黒玉璽に操られた徐晃を熱い魂のこめられた拳の一撃で正気に戻す。そして、熱い侠たちの反撃が始まる。
- 「見よ、余は曹操! 真の理想を掲げる者なり…!」
- 雀瞬の魂が目覚め、伝説の焔神が目覚める。紅蓮の焔神、機武帝曹操ガンダム、降臨。
- 「目を背けるな」
「この世を司る森羅万象、すべて表裏一体!」
「光も闇もその根源は同じなのだ…」
「光のみでも闇の力のみでも無力! 心に光を宿し、闇と向き合ってこそ、真の侠」 - 暗黒玉璽の力を取り込み、邪悪な闇の力を振るう賈詡を前に、自身の中にある闇の力に恐怖する馬超を諭し、勇気づける。
- UXでは孫権に対してほぼ同じ台詞を言っている(後述)。
迷台詞
- 「こやつめ、ははは」
- 三国伝漫画版の公式サイトにて、曹操ガンダムのキャラクター紹介ページにて2008年10月10日に曹操が言った台詞の一つ。この日のメッセージでは武将のパワーアップや読者応募作品についてコメントしているのだが、「曹操自身はパワーアップしないのか?」と問われたらしく、この台詞を笑って返している。
…という流れなのだが、実はこの台詞、元ネタが存在しており、この台詞の元ネタは、登場人物の人物描写や台詞、物語の展開などが色々な意味で凄まじい事で三国志ファンの間でも怪作として知られる、久保田千太郎原作、園田光慶作画の漫画『三国志(通称・園田三国志)』にて、物語の終盤に銅雀台の建設現場にて曹操が司馬懿のとある冗談に対して笑顔で返した台詞である。この台詞はネット上でも有名な台詞だったりする。ちなみに、元ネタでの表記は「こやつめ ハハハ!」
UXでは中盤の宴会の席にてデントンの言葉に対して笑ってこの台詞を返しており、多くのファンの笑いを誘った。
スパロボシリーズの名台詞
- 「あの程度の炎で、天を焼き尽くそうなど…笑止!」
- UXアメリカルート第15話より。その再生能力を駆使し、更にクトゥグアの力で巨大なプラズマ超火球を作り出してUXを追い詰めるティベリウス。絶体絶命と思われたその瞬間、空を切る紅蓮の一閃がプラズマ超火球を吹き飛ばし、UXを救う。超世の傑、時の河を越えて、UXの世界に降臨す。
- 「余には三璃紗統一の理想あり。その理想の前に立ちはだかる者は、たとえそれが親兄弟であろうと…斬る!」
「ただし、その逆もまた然り。貴公らが余と共に歩む者であれば、過去の遺恨も、出自も問わぬ」 - UXアメリカルート第15話のシナリオエンドデモより、UXに仲間入りする際に。異世界でもそのカリスマぶりは変わらず。
- 「フ…百万を謳われた袁紹軍に比べれば、たかだ数万の雑兵など…!」
- UXアメリカルート第16話より。スクラッグの大軍相手に囮役を買って出て、ロックオンたちに心配されて。亡きかつてのライバルの率いた軍に比べれば、「理想もなき侵略者」のスクラッグなどは曹操にとって恐るるに足らずな存在だった。
- 「限界を強いられているのは、他の空に向かった者たちも同じだ!」
- UX第22話のクライマックス、加藤機関によって世界中に発射された核ミサイルを撃墜する局面にて、弱音を吐く剣司や山下たちを鼓舞する。さりげなく「強いられている」と言っているのは、おそらく声優ネタであろう(後述)。
- 「天が余に撤退を強いているだと!?」
- UXで撃墜された際の台詞。上記の台詞と同じく、声優ネタと思わしき台詞である。
- 「それはおそらく、信念の為せる業であろうな」
「たとえ泥水をすすってでも、決して折れぬ心… それが信念であり、誇りだ」
「それは、強き者も弱き者も関係ない。 人間なら、誰しもが持つ心なのだ」
「劉備、あの赤壁の戦いの中で、余がお前たちから感じたことだ…」 - UXバイストン・ウェルルート第27話より。苦境に屈することなくホウジョウ軍と戦い続けるアマルガンたち反乱軍を知って、戦う事の理由を問うエンネアの言葉にを受けて答えた台詞。人の信念と誇りの強さを知る覇王の答え。
- 「だが、それはサコミズも承知の上であろう」
「敵対した者や、謀反の機を伺う者までも懐に収めてこそ覇王の器というもの」
「でなければ、天下の統一など叶わぬ。そうは思わんか、司馬懿よ?」 - UXバイストン・ウェルルート第28話より。サコミズとの会談に赴いた後、彼の側のショットが野心を抱くことを見抜く司馬懿に対して。その言葉通り、曹操はこれまで張遼や徐晃、張郃たちをはじめ、かつて敵対していた将も配下としてきた。そう、司馬懿に対しても…
- 「サコミズ…貴様の掲げる理想とは、この程度のものだったのか?」
「犠牲をいとわぬはよい。だが、奸計に堕ちた者に覇道は貫けぬと知れッ!」 - UXバイストン・ウェルルート第28話より。反乱軍とUXを壊滅させるべく奸計を用いたサコミズに失望と憤りを露わにする。
- 「己が覇業を良しとするならば、お前が駆り立てる情念の源、ここに見せてみよ!」
- UXバイストン・ウェルルート第28話より。三璃紗の覇王とホウジョウの王、ここに激突す。
- 「人の生死を弄ぶ外道め。 余の紅蓮の炎で魂も残さず焼き尽くしてくれる!」
- UX第32話でのティベリウスとの戦闘前会話での台詞。以前曹操に痛手を喰らわされたことへの恨み節を吐くティベリウスに対し、曹操も嫌悪を露わに吐き捨てる。『戦神決闘編』で賈詡と対峙した際の台詞を髣髴とさせる台詞である。
- 「散っていった者たちは皆、自ら運命を選び、後の者に志を託して死んでいったのだ」
「石神に選ばされたのではない。 自らの意志でだ!」
「犠牲なくして、理想は為し得ぬ!」 - UX第36話にて、UXを見舞う悲劇の「運命」や「事象」を知りながら、その真意と答えをはぐらかし、散って行った者たちに対しても淡々とした態度をとる石神に怒り問い詰める孫権に対して。理想の成就のためには犠牲をいとわぬ苛烈な面を持つ曹操だが、だからこそ彼は、人の命やその意志の大切さの真の価値を理解し、重んじている。
- 「そう思うなら、己が宿命から目を背けぬことだ」
「この世を司る森羅万象、すべて表裏一体」
「光も闇も、その根源は同じなのだ」
「ならば心に光を宿し、闇と向き合ってこそ、真の侠…」
「お前にはそれができるはずだ、孫権…」 - UX第36話より。アルカトラズの戦いにて、呂布を相手に怒りの感情を御しきれず、自身のせいで周瑜に重傷を負わせてしまったと、悔いる孫権を諭した言葉。上記にもあるケロケロエース版戦神決闘編にて馬超に対して言った台詞のアレンジとなっている。
- 「私怨を力の源泉としては、やがては行くも退くもできなくなる」
「覇道を歩む王なれば、己を律せ! サコミズよ!」
「通さねばならぬのは、治世のための固き意志! 騒乱を求めれば、理想は天には届かん!」 - UX第40話でのサコミズへの説得の際の台詞。過去に囚われ、目の前の事象に囚われ、遂にハイパー化し猛る悲しみの王に対し、その魂を目覚めさせようと、覇王は叫ぶ。
- (サコミズ…貴公の魂もまた、天に届いたのだな…)
- UX第40話ラストより。長年の怨念と妄執から解放されて本来の自身を取り戻し、誇りも理想も無い下衆な愚者たちの凶業から愛する祖国を守るために散っていったサコミズを偲び、その魂の安息を静かに願う。
この後、曹操とサコミズが共闘できるかどうかは、プレイヤー次第である。 - 「迫水! 貴公の信念、確かに見たぞ!」
- UXにて生存フラグを満たした場合第45話以降味方となるサコミズへの特殊援護台詞。三璃紗の覇王とホウジョウの王、遂に共闘。
- 「己以外を気に留めぬ傲慢さ。貴様の道は覇道にあらずッ!」
- UX第49話でのハザードとの戦闘前会話での台詞。自らの醜悪なエゴを満たすために自分以外のあらゆるものを利用し踏み躙った、董卓や袁術、十常侍ら、三璃紗を跋扈した「悪」をも凌ぐ外道の極みに対し、曹操も怒りを爆発させる。誇りも理想も無くただ欲望に満ちたハザードの所業は「覇業」と呼ぶに値するものではなく、もはや「愚行」以外の何物でもなかった。
- 「この天地に生きる者、等しく持つ意志の力…」
「その意志を歪めて従える貴様らに、天を動かすことはできぬと知れッ!」 - UX第50話でのクイーン・フロンティアとの戦闘前会話での台詞。人間をインプラントで強制的に操り人の尊厳を踏みにじっておきながら、自分達を「銀河の神」と称して悦に浸るギャラクシーの黒幕たちを、人の命と意志、尊厳の大切さを知る覇王が断罪する。
- 「森羅万象、表裏一体。 全てを熾ってこその、天!」
- UX最終話より。台詞そのものは原作の赤壁の戦いで劉備たちに言い放った台詞のアレンジではあるが、ここでは生と死を熾り、命を熾ったアーニーの言葉と共に叫んだ台詞となっている。
- 「司馬懿よ。後世に何を遺すかは、貴様次第だが…」
「愚かな野心だけは抱かぬことだ」
「かつての加藤が、推進派を使って歴史を操作し、己の理想の世界を創ろうとしたように…」
「あるいは、ヒトマキナが神として君臨しようとしたように」
「司馬懿よ、もし貴様が己の器量に溺れるようであれば…」
「未来の三璃紗で、余たちは全力を以って、貴様の野望を叩き潰すことになろう」 - UXEDより。この世界に残り歴史書を書くことを決意する司馬懿に対する忠告。アニメ版では描かれなかった、CW版やケロケロエース版で描かれた、赤壁の戦いの後の物語を知るユーザーならば、曹操の言葉の意味がよりはっきりと理解できる場面である。「未来」を前に、正真正銘の「神」を多くの仲間達と共に打ち破った三侯(もしくは、四神の魂を受け継ぎし者達)。未来で彼らが、「天を熾す鵬」と戦うことになるのか…それは今はわからない。
この司馬懿と曹操(と孔明)の一連の会話は、どことなく過去のスパロボシリーズのEDでも度々描かれた、司馬懿のモチーフ元のMSのパイロットに対して地球に逆襲しないよう釘を刺すそのライバルの遣り取りを髣髴とさせる。
メモ
- 曹操は中国後漢末から三国時代の武将、政治家で、後漢の丞相・魏王に就き、魏の礎を築いた人物。(155~220)
- 字は孟徳。死後、息子の曹丕が魏の初代皇帝となった際には「太祖武帝」と追号された。
- 黄巾の乱では官軍の将として乱の鎮圧に活躍し、董卓が漢王朝を牛耳り専横をふるった際には反董卓連合の中心人物の一人として活躍した。董卓の死後に訪れた群雄割拠の時代には帝を戴き、袁術や呂布などの並み居る群雄を打ち破り、遂には当時中国最大の勢力を誇った袁紹を官渡の戦いにて降し、河北を平定、中原の覇者となる。その後は中国を統一すべく軍を南下させるが赤壁の戦いにて孫権と劉備の連合軍に敗北。その後も馬超率いる西涼軍を破り、五斗米道の張魯を降伏させて漢中を平定するなど、順調に勢力を拡大させながら劉備や孫権と覇を競うも、関羽の死から間もなく、中国統一の宿願を果たす前に死去。曹操の死後、後を継いだ息子の曹丕が後漢の皇帝から禅譲を受け、漢王朝が終焉を迎えると共に魏王朝が誕生し、曹丕が魏の初代皇帝となった。
- 「治世の能臣、乱世の奸雄」と評され、史実の曹操も絶大な統率力とカリスマ性を持ち軍事・政治・芸術などのあらゆる分野において天才的な能力を持った人物で、その功績は後世にも大きく影響を与えている。人の「才」を深く愛し、才ある者はいかなる者であろうと登用するなど、劉備にも劣らぬほどの非常に大きな大器を持っていた。正史『三国志』の著者である陳寿からは「非常の人、超世の傑」…即ち、類稀なる才の持ち主であり、時代を超えた英雄である、と評されている。
- 紛れもなく「英雄」と呼べる曹操だが、当時の後漢の皇帝(献帝)を蔑ろにして国の権力をふるい、孔子の子孫の孔融をはじめとした儒者たちとも徹底的に対立し、後に息子の曹丕が漢王朝から天下を簒奪した事もあり、『三国志演義』では「漢王朝復興を掲げる正義の劉備」に対する「天下を漢王朝から奪わんとする悪役の曹操」として描かれ、「神」となった関羽、「物語」となった劉備や諸葛亮に対し、曹操は千年以上の長い間において、「物語」の中でも、歴史の中でも、人々から悪役としての扱いを受ける事となってしまった。
- 近現代に入り、曹操の再評価運動が広く行われ、現在は劉備や諸葛亮にも負けないほどの非常に高い人気を得ており、漫画作品『蒼天航路』(原作・原案・李學仁、漫画・王欣太)など、曹操を主人公として描く創作作品も少なくない。
- 史実においても超人的な活躍を成した英雄という事もあり、『三国志』をモチーフとした創作作品においても、主人公であろうと悪役であろうと、魅力溢れ、超人的なスペックを誇る「破格の英雄」として描写される事も多い。中でも『三国伝』の曹操ガンダムは他の『三国志』作品の曹操同様にただでさえ高いその能力とカリスマ性に加えて、他の『三国志』作品の曹操に見られる人間的な弱点も殆ど見られず、戦闘力も呂布をも打ち破るほどの実力を持つ事が描写されている事もあり、一部の三国志ファン・曹操ファンからは、「最強の曹操」と評される事も。
- その人柄や覇業の功績、時代を先取りしすぎた政治手腕や思想故、日本では曹操と同じように戦国乱世を駆け抜け、苛烈だが時代を超えた革新的な思想と政治手腕で中世の旧時代を破壊し、近世の新時代を切り拓いた英雄である織田信長と対比されて語られる事も多い。曹操が長く中国で悪役として扱われ続けてきた要因として、中国の民衆の間には曹操の冷徹と言える合理主義を嫌う傾向があったからかもしれないとも言われているが、対して日本で曹操が早く受け入れられた理由として、曹操と様々な点で似た英雄である信長の存在が、日本で曹操が受け入れられる土壌となったともされる。
- ちなみに、曹操と信長には「天下統一の直前に失敗を犯して統一を果たせなかった」「子孫ではなく、家臣(信長の場合はさらにその後に盟友)が天下を統一した」という共通点もある。
余談
- 曹操ガンダムを演じた声優の乃村健次氏は『機動戦士ガンダムAGE(SRW未参戦)』にて、イワーク・ブライアを演じた。
- 何故かイワークの顔のアップと集中線と共に彼が発した「強いられているんだ!」という台詞が一部で話題を呼び、ネットミームと化した。UXにて上記にもあるように曹操が何度か「強いられている」と発言しているが、これが元ネタである可能性も否定できない。
- 乃村氏の版権スパロボ参加はUXが初となる。バンプレストオリジナルでは、スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ及び第2次スーパーロボット大戦OGにて、とある重要人物の役を演じている。