エンブリヲ | |
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外国語表記 | Embryo |
登場作品 | クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 |
声優 | 関俊彦 |
デザイン | 小野早香 |
異名 | 不確定世界の住人、ハイゼンベルクの悪魔、神様、調律者、創造主 |
種族 | 人間 |
性別 | 男 |
髪色 | 金髪 |
瞳の色 | 碧眼 |
趣味 | 読書 |
概要
全てが謎に包まれた美青年。世界各国の為政者達よりも一段高い位置より世界を睥睨し、失われた太古の兵器である「ラグナメイル」や技術を所有している。アルゼナルのジルとは因縁があり、彼女からは皮肉を込めた形で「神様」と言われているが、エンブリヲ自身はチープな表現として好まず、「調律者」を自称している。
一見、物静かな佇まいと、紳士的な振る舞いをしているが、自分以外の全ての人間を見下しており、多くの策を弄してアンジュを含めた多くの人物を苦しめる等、その本質は下衆そのもの。ひたすら自分のエゴに忠実である本質故に、他人を平然と利用し価値が無くなれば切り捨てるを繰り返しており、反発する者の意思など意にも返さない独善性は、まさにジルが評する「神」そのものと言える。特に「女性は自らの玩具として認識し、男性は自らだけがいればいい」という思考の持つという、要するに「女の敵」である。
また、瞬間移動や空中浮遊、死者の蘇生や分身、感覚と精神の操作、痛みは感じるものの撃ち抜かれたり刺し貫かれても平然と別の場所から出現する不死身の身体等々、普通の人間であればできないような芸当を行う。古の民の末裔であるタスクからは、「不確定世界の住人」、「ハイゼンベルグの悪魔」という異名で呼ばれている。
その正体は、マナを扱える人間達を中心としたクロスアンジュの世界観そのものを生み出した張本人で、つまりは「神」という表現も間違っていない。
かつては「本来の地球」にて、統一理論、超滞留性粒子、多元宇宙などを発見し、多元宇宙に干渉する新エネルギー「ドラグニウム」を生み出した天才科学者であったのだが、ドラグニウムが遠因となって世界大戦、文明崩壊、地球汚染を招いてしまい、争いの続く地球に見切りをつけたエンブリヲは、新世界を目指すべく、有人次元観測機ラグナメイルを開発。最初のラグナメイルであるヒステリカと共に、新たな大航海時代の幕開けを実行に移した。
しかし、事故によって本来のアルゼナルごと時空の狭間に飛ばされてしまったエンブリヲは、時の流れが完全に停止した世界へと迷い込むのだが、その影響で次元を操作する事に成功して無限の時間を手に入れ、そこから多次元の世界に干渉して自らの理想郷を作り出す事を計画する。
新たな理想郷として選んだ別次元の地球に干渉したエンブリヲは、あらゆる者が思考で操作できる高度な情報化テクノロジー「マナ」を扱える新人類「ホムンクルス」達を創造するのだが、それを成り立たせるべく、自分が見捨てた地球にて、地球復興の為にドラゴン化した者達の中でも始祖であるアウラを拉致。それをミスルギ皇国の暁ノ御柱に押し込めて、マナの供給源にする事で、表向きはマナを無限の力になるようホムンクルス達に思い込ませる。
一方、元からマナを扱えない旧人類(古の民)を「獣」と評し目障りに思っていたエンブリヲは、それらを排除するよう仕向けており、またホムンクルス同士の間で生まれた子でもマナを扱えない突然変異的な女性は「ノーマ」という化け物の概念を植え付ける事で、差別・排斥の対象となるよう仕向け、これによってホムンクルス同士の対立問題を皆無にするという歪んだ秩序を打ち立てている。
更には、マナの永久利用する為には、動力源であるアウラに定期的にドラグニウムを取り込ませる必要性があった事から、アウラ奪還の為に度々転移してくるドラゴン達を、差別の対象にしていたノーマ達に排除させ、そのドラゴン達の死骸からドラグニウムを取り出して与えるという、悪質なまでに計算高い策謀に出ている。
つまり、相互理解を可能としたマナという力、マナを扱えないノーマだけが差別される社会、差別されるノーマ達がドラゴンと戦い続けなければならない過酷な運命ですらも、「調律者」を自称するエンブリヲが元凶となる形で仕組まれたものに過ぎないのだった…。
登場作品と役柄
単独作品
- スーパーロボット大戦V
- 初登場作品。第21話からの登場で、原作の時期よりも早いタイミングとなっている。中断メッセージにも登場し、セリフ回しが原作の立ち回りを知っていると憎らしい。
- また、遺伝子調整を受けたコーディネイターや、イオリア・シュヘンベルグの計画、破嵐創造の行ったメガノイドの開発もまた、エンブリヲの打倒が最終目的となっていた事がジルの口から語られている。
- 「見目麗しく、芯の強い女性キャラクターが多く出演する本作において、エンブリヲが一体何をするのか?」と、原作を知る多くのプレイヤーから、ゲームの発売前より妙な期待がかかっており、見事過ぎるまでにその期待に応えてくれている。
地球艦隊・天駆が三つの世界を股にかけて活躍する中で、カガリ・ユラ・アスハと、マリナ・イスマイールの二人を拉致。更にはアマルガムの実権を握ったレナード・テスタロッサに接触。彼を「同士」として迎え入れた結果、アマルガムはレナードの意向でアナハイム・エレクトロニクスを完全に切り捨てる事になり、それに激怒したアナハイムは完全に連邦側についてネオ・ジオンの殲滅を目論む事態となっている。 - ミスルギ皇国で一度敗北した後は、その姿を晦ませていたが、後に天駆とヘスラー艦隊の戦闘で横槍を入れる形で、最大の標的であるアンジュだけでなく、雪、ベルナデット、ユリカ、サリー、ラクス、テッサの6人まで掻っ攫い、更にはドサクサに紛れてミネバ、ベラの2人までも拉致。彼女達全員を自分の花嫁にする(第一夫人はアンジュ)という、スパロボ史上最低のクロスオーバーを実行に移す。
人間関係
- ジル
- 彼女にとっての怨敵。彼女からは皮肉を込めて「神様」と呼ばれる。
- アンジュ
- 自ら計画達成に必要な彼女を手中に収めようとしていたが、エンブリヲの洗脳を乗り越えたことで彼女へ更なる執着を示す。
- 一方、アンジュからは「滅絶に値する敵」として認識されている。恋愛云々の相手ではなく、最終的には「見つけ次第殺す」相手として見られることに。
- サリア、エルシャ、クリス、ターニャ、イルマ
- 彼女たちを篭絡し部下にする。
- ジュリオ・飛鳥・ミスルギ
- 自分の考えを曲解して勝手に暴走した彼には愛想をつかし粛清。ミスルギ皇国の実権をそのまま奪い取る。
- シルヴィア・斑鳩・ミスルギ
- 彼女を保護する。が、アンジュを狙っていた事を考えると、いずれ彼女も手籠めにしようとしていた可能性が高い…。
- タスク
- 「旧人類の生き残り」と見下す。
- ナオミ
- PS Vita用ソフト『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞tr.』の主人公。ルートによっては、彼女の影響を受けて(良い意味で)変化する。
他作品との人間関係
- レナード・テスタロッサ
- 『V』では、世界をやり直そうとしている彼を「同志」として迎え入れる。
花嫁候補
エンブリオの花嫁として作品の垣根を超えて選ばれた女性達(アンジュは除く)。勿論、本人達にとっては迷惑でしかない…。
- 森雪
- 他者を愛する感情に美を見出され、花嫁に選ばれた。
- ミネバ・ラオ・ザビ
- 平和の為の手段を模索する気高さに美を見出され、花嫁に選ばれた。
- ベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)
- 高貴なる者としての責任感に美を見出され、花嫁に選ばれた。
- マリナ・イスマイール
- 国の民や世界の人々を思いやる優しさに美を見出され、花嫁に選ばれた。
- カガリ・ユラ・アスハ
- いかなる横暴にも屈しない不屈の精神に美を見出され、花嫁に選ばれた。
- ベルナデット・ブリエット
- 周囲に安らぎを与える慈愛の心に美を見出され、花嫁に選ばれた。
- ラクス・クライン
- 歌声で、心の折れた戦士達を鼓舞する信念に美を見出され、花嫁に選ばれた。
- ミスマル・ユリカ
- いかなる状況でも明るく振る舞い和ませる陽気さに美を見出され、花嫁に選ばれた。
- 吉永サリー
- 穢れの無い無垢で一途な精神に美を見出され、花嫁に選ばれた。
- テレサ・テスタロッサ
- どのような苦境でも兵士達を勝利に導く知性に美を見出され、花嫁に選ばれた。
名台詞
- 「どうしようもないな」
「本当に、どうしようもない」 - 第12話よりエンブリヲの第一声。国家元首達の会談を聞きながら、本を閉じて自分の席に向かいつつ発言。
- 「選択肢は二つ。1、『ドラゴンに全面降伏する』」
「2、『ドラゴンを全滅させる』」
「だから…3、『世界を作り直す』」
「全部壊してリセットする…害虫を殺し、土を入れ替え、正常な世界に」 - 国家元首達に提案したドラゴンへの対処の提案。ちなみに、3つ目の提案に対しジュリオは「素晴らしい!」と共感していた。
- この事からジュリオは「世界からノーマを殲滅させる」事がエンブリヲの目的だと思っていた様子。
- 「全く酷い事をする…こんなことを許した覚えは無いんだが」
- 第13話より。突如アンジュの前に現れてアルゼナル襲撃の元凶がジュリオである事を知らせる。
- エンブリヲからしてみれば、一方的な虐殺は、自分の理想とは程遠く、見切りをつけた地球側と大差が無い行為だったのだろう。
- 「アンジュ、君は美しい。君の怒りは純粋で白く、何よりも熱い。理不尽や不条理に立ち向かい焼き尽くす炎のように。気高く美しい炎。つまらないものを燃やしてその炎を汚してはいけない。だから…私がやろう。君の罪は私が背負う」
- 同話。怒りを滾らせ兄ジュリオを殺そうとするアンジュだったが寸前でエンブリヲが介入し止められる。直後、ヒステリカのディスコード・フェイザーを発動させジュリオを粛正する。エンブリオからしてみればジュリオがアンジュが殺すには値しない下衆にしか映らなかったのだろう…。
- 「私も生きてみたくなったのだよ。そのためなら多少の危険は覚悟の上だ」
「だが、最後に君に叱られて。私は選択を誤っていないことを確信したよ、ナオミ」
「すまない、優しき乙女よ… 君と出会えてよかった。ありがとう」 - PS Vita用ソフト『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞tr.』より。
- 上記のゲーム版の主人公であるナオミとの交流によって、原作本編では考えられないようなきれいなエンブリヲが拝める。
スパロボシリーズの名台詞
- 「フフフ、私は待っている。たとえ、何百年経とうともね…。だが、君が男性の場合はその限りではない。それだけは言っておこう」
- 『V』の中断メッセージより。どこぞの王子や伯爵にも通ずるゲスい台詞である。
- 「全ては…私の求める新たな世界のため。そう、彼女達は…この私に選ばれたのだよ。新たな世界を私と創るための女性…そう!新世界の花嫁となるのだ!」
- 天駆とデスラーの戦いに横槍を入れる形でアンジュ、雪、ベルナデット、ユリカ、サリー、ラクス、テッサの7人を拉致し、明かされるエンブリヲの真の目的…。こんな目的の為だけにエンブリヲは暗躍を重ねていたのである…。
- 「心配いらないよ、アンジュ。第一夫人は、君だから」
- 自らの破廉恥極まりない野望を明かし、噛みついてくるアンジュに対して言った言葉。誰もそんな心配はしていないが…。
- 「ミネバ・ラオ・ザビ…。その気高き美しさを私は求める…」
- 「同じく高貴なる者の持つ責任感が生み出す美のベラ・ロナ…」
- 「それとは別の優しさという美のマリナ・イスマイール…」
- 「何ものにも従わない不屈なる美のカガリ・ユラ・アスハ…」
- 「心を落ち着かせてくれる安らぎの美のベルナデット・ブリエット…」
- 「歌声で戦士達を鼓舞する戦いの美のラクス・クライン…」
- 「周囲の気持ちを明るくする陽気な美のミスマル・ユリカ…」
- 「一点のシミもない無垢なる美の吉永サリー…」
- 「その知性が生み出す美のテレサ・テスタロッサ…」
- 「そして、愛する事が生み出す美の森雪…」
- 「おめでとう!君達は私の花嫁に選ばれたのだよ!」
- 拉致した女性達にそれぞれの賛美を送り花嫁宣言をするエンブリヲ。当然選ばれた本人達にとっては迷惑極まりないものであり、特に「歌声で人を戦わせる」かのような評価をされたラクスにとっては、かなり不名誉なものかもしれない…。