概要
新統合軍が次期全領域戦闘機(AVF)の候補として新星インダストリー社に開発を依頼した機体である。
機体概要
乗り手の操縦技術を無視して可能な限り最新のノウハウを注ぎ込んだ結果、開発当時の主力機であるVF-11 サンダーボルトを超える性能を獲得する事に成功した。
主翼に前進翼を採用しており、その形状から「エクスカリバー」の別名がある。他にもカナード翼等空力性能を上げるための構造を多く備え、極めて高い運動性能を獲得するに至った。同時に操縦性は非常にピーキーなものとなり、腕利きのテストパイロット達でさえ操縦に悪戦苦闘する「じゃじゃ馬」となった。
アクティブステルスをVFシリーズでは本格的に採用。
テスト機なので複座式だが、後部座席は補助用としての意味合いが強く、通常はイサム・ダイソンの一人乗り。終盤には主任設計者のヤン・ノイマンが後部座席に乗りサポートを行った。1号機はテスト中大破してパイロットが死亡、イサムが乗り込んだのは2号機で、3号機は構造試験に使われた。
オプションパック
- ファストパック
- 肩部および脚部側面に装着する高機動オプションパック。従来のスーパーパックと比べて小型軽量であり、大気圏内でも問題無く装備できる。
- フォールドブースター
- 機体上部に装備するフォールドユニット。片道限定だが20光年の距離までフォールドが可能になる。
劇中での様相
完成したはいいものの、その操縦の難しさから多くのテストパイロットを病院送りにし、「じゃじゃ馬」の名を欲しいままにした。
最終的に天才的な腕前を持つも厄介払いを受けた軍の問題児イサム・ダイソンがテストパイロットに選ばれた結果、開発者を驚かせるほどの卓越した性能を発揮。宙間到達時間が48秒という記録を達成し、機動で空に竜鳥の落書きをするなど、様々な逸話を生み出す。
しかし、ゴーストX-9が次期主力戦闘機に決定されるや否や、地球へ単独でゴーストに挑むためイサムとヤンによって機体が奪取された。地球の対空防空圏を突破した同機は、ガルド・ゴア・ボーマンのYF-21との一騎討ちを経て、電脳バーチャルアイドルのシャロン・アップルが掌握するマクロスと対峙する。
後に「VF-19」として制式採用される。高性能である反面、あまりにピーキーな操縦性のため、量産型としては性能をある程度抑えたVF-19Fが主に生産されており、試作機と同等の性能を持つVF-19Aは一部の特殊部隊への配備のみにとどまった。
登場作品と操縦者
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- イサムと共に加入。バルキリーの多くは遠距離射撃戦主体だが、こちらは近接攻撃主体のユニットとなっている。ピンポイントバリアパンチがメインウェポン。2回行動習得が早いので手数で押すタイプ。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- ファイター形態のガンポッドが移動後使用不能になり、代わりに射程が増した。どの形態でも全弾発射(PS版での一斉射撃)が使えるようになっているが攻撃力が低下している。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 2回行動が無くなったものの、高い回避率は健在で、イサムのガッツをうまく発動させれば圧倒的な回避率となる。突出した攻撃力は無いが雑魚相手ならピンポイントバリアパンチの威力で十分戦える。ただし最大射程4、火力の伸びしろの低さが災いし、後半は苦しい場面も出てくる。ピンポイントバリアパンチは機体のカットイン他演出が強化されたが、ガウォーク形態では使用不可能になった。一部バージョンではピンポントバリアパンチ(“イ”が足りない)と誤植されている。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 序盤戦から登場。ファストパックを装備している。ガウォーク形態は回避行動にのみ使用。そのため空を飛べるが火力に乏しいファイター&火力はあるが空を飛べないバトロイド形態の2種類になり、その中間の能力を持っていたガウォークが無くなったので以前と比べて使い勝手が大幅に落ちた。ガルドのYF-21との合体攻撃ダブルピンポイントバリアパンチを持つ。
- 合体攻撃は強力だが、全体攻撃の装弾数が1発しかない為、これまでと違いザコ戦には不向き。対ボス戦や、囮役として真価を発揮するタイプのユニット。
装備・機能
武装・必殺武器
- 格闘
- バトロイド・ガウォーク形態のみ使用可能。
武装
- マウラーREB-30G 対空レーザー砲塔
- 頭部に装備された収束レーザー機銃。可変機構の都合上、本来この武装はファイター・ガウォーク形態では前方に撃てない後方迎撃用の武装である。
- 第3次αでは不採用。
- マウラーREB-23 半固定レーザー機銃
- 主翼付け根、バトロイド時における腰部に装備されたレーザー砲。
- YF-21の腕部ビームガンとは異なり、一度もスパロボに採用されたことはない。
- CHM-2 高速機動ミサイル
- 脚部に内蔵された中型ミサイル。
- シールド
- 左腕に装備。ピンポイントバリアとの併用により防御能力を向上させる事が可能。裏側にガンポッドの予備弾倉を仕込める。
- ハワードGU-15 新型標準ガトリングガンポッド
- YF-19用に新開発された物。既存のガンポッドよりは口径は小さいが、即座の弾倉の交換も可能。予備弾倉はシールド裏面に備える。
ファストパック
- マイクロミサイル
- 脛外側側面ファストパックに内蔵される小型ミサイルポッド。
- 第3次αでは超高機動マイクロミサイルの代わりとなり、使い勝手が増した。
オプション装備
翼下パイロンに各種ミサイルを装備可能。
- 超高機動マイクロミサイル
- 移動後着弾式の2へクスのMAP兵器。αのみの武装だが、使い勝手が悪いのか以後のシリーズには不採用となった。
- 大型対艦反応弾
- 第3次αのみの武装。原作では未使用で装備可能かは言及されていないが、『マクロス7』で量産型のVF-19 エクスカリバーが使用した事から、試作機である本機にも搭載できるという理屈なのだろう。全体攻撃可能で、威力もバルキリー最強。
必殺技
- ピンポイントバリアパンチ
- ピンポイントバリアを拳に集中させて、敵機に打撃を与える。
- ゲーム中におけるメインウェポン。
- 一斉射撃(α、第3次α) / 全弾発射(α for DC)
- α:バトロイド形態のみ使用可能。ガンポッドとマイクロミサイルを敵機に叩き込む。
- 第3次α:ファイター形態のみ使用可能。ガンポッド連射からマイクロミサイルを発射し、脚部から中型ミサイルを発射して突撃。バトロイド形態に変形して敵機の背後に回りこんでガンポッドを叩き込む。尚当作ではYF-19のみ、一斉射撃のモーションで敵前でジャンプをせず敵機へは横から回り込む。
合体攻撃
- ダブルピンポイントバリアパンチ
- スパロボオリジナル。ガルド・ゴア・ボーマンのYF-21との合体攻撃。第3次αにて複数のゴーストX-9に苦戦するイサムとガルドが、起死回生に放った攻撃。挙動予測不明な動きで敵機の前後からピンポイントバリアパンチで挟み撃ちにする技。高威力・射程1~5・移動後攻撃可能・サイズ差補正無視・バリア貫通で、必要気力110と気軽に出せるのが強み。
特殊能力
- 盾装備
- シールド防御を発動する。
- バルキリーは装甲が薄く、回避能力を優先する機体なので頼る事は少ないが、イサムの底力やガッツを発動させる時は役に立つかもしれない。
- 変形
- ファイター、ガウォーク、バトロイド形態に変形。
- ピンポイントバリア
- バリア。
移動タイプ
サイズ
- S
機体BGM
- 「DOG FIGHT」
対決・名場面
スパロボシリーズの名場面
関連機体
- VF-19 エクスカリバー
- 正式採用型。初期型であるA型はYF-19と同等の性能を持つが操縦もピーキーさも変わらず、性能を落としより一般兵向けに改良されたF型・S型が製作された。
- VF-19ADVANCE イサムスペシャル
- 『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』に僅かに登場したVF-19のイサム専用改造機。YF-19のピーキーな特性をそのまま再現し、見た目も似せてある。
- YF-21
- 競合相手。
- YF-29 デュランダル
- 試作機かつ前進翼であることが共通している。また、ゲーム『マクロス30』ではYF-19と同じカラーリングのイサム専用機が登場する。
余談
- フルメタル・パニックシリーズにおける、ARX-7 アーバレストの後継機であるARX-8 レーバテインは機体名案の一つとして「エクスカリバー」があった事が作者の賀東招二氏が明らかにしている。没案となった理由は「エクスカリバーという名前は既にYF-19が使っており、YF-19にぴったりな名前だから」というものであった。
商品情報
- プラモデル
- 変形トイ・フィギュア